https://earthreview.net/russia-poverty-rate-hits-all-time-low/
<転載開始>
モスクワの赤の広場にある聖ワシリイ大聖堂
対ロシア制裁のおかげでどんどん裕福になるロシア
ロシア連邦国家統計庁の統計で、2022年のロシアの貧困率と失業率が、ロシア建国史上で最も低くなったことが示されていました。
ロシア RT が報じています。
ウクライナ戦争が始まって以来、西側諸国は、対ロシア制裁を続けていますが、昨年春の時点で、「対ロシア制裁を強化すればするほど、ロシアが裕福になる」ことは、たとえば、ブルームバーグなどが報じていました。
[記事] 「西側の制裁によりロシアが儲ける金額」はブルームバーグのアナリストの試算では日本円で約40兆円…。西側が一丸となってロシアの経済を強化する理由は何?
In Deep 2022年4月7日
そして、今年 1月、国際通貨基金(IMF)は、
「 2023年のロシアの経済成長はプラスになる」
と発表していました。
・国際通貨基金(IMF)が、2023年のロシア経済がプラス成長すると予測し、困惑する西側のメディアたち (2023/02/26)
実際、2022年のロシアは、対ロシア制裁の中にありながら、輸出が大きく伸びています。
・ロシアの2022年の「純輸出」が大幅に増加 (2023/02/21)
対ロシア制裁が、単にロシアを強くする可能性は、1年ほど前から専門家たちに言われていました。
西側に関しては、最近、In Deep で記事にしましたように、アメリカの大手銀行であるシリコンバレー銀行の破綻により、金融自体もそうですが、特にベンチャー企業などの活動が縮小していくことが考えられますので、おそらくは、
「これから西側の経済は大きく後退していく」
と見られます。
今後、G7 と BRICKS の経済格差は大きくなるばかりかと思いますが、私たちも西側の人間であるわけで、あまり楽しいとはいえない時代を過ごしていくということになるのかもしれません。
ロシア RT の報道をご紹介します。
歴史的な低さ: ロシアの貧困率が 2022年に 10.5%に低下した理由
Исторический минимум: почему уровень бедности в России опустился до 10,5% по итогам 2022 года
RT 2023/03/10
ロシア連邦国家統計庁によると、2022年 1月から 12月にかけて、所得が貧困線を下回るロシア人の数は 1,600万人から 1,530万人に減少し、その結果、低所得人口の割合は 12か月で 10.5%に減少した。これは、ソビエト崩壊後の全期間で初めてのことだ。
専門家たちは、国からの困窮した市民への物的支援の増加と、失業率の記録的な減少によってのポジティブな変化だと説明している。当局によると、2023年には予算の約 3分の1を社会支出に割り当てる予定であり、これは貧困レベルにもプラスの影響を与えるはずだ。指標は近い将来にどのように変化する可能性があるかのだろうか。
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2022年、ロシアの貧困率は過去最低を記録した。これは、3月10日に発表された連邦統計局のデータに示されている。
ロシア連邦国家統計庁によると、2021年時点で、ロシアには 1,600万人の低所得市民 (人口の 11%) が存在していた。
さらに、その時点での貧困ラインは約 11,908ルーブル (約 2万1000円)に設定されていたのに対して、2022年末までにその値は 13,545ルーブル (約 2万4000円)に増加しているにも関わらず貧困率は減少した。国全体の貧困ラインのパラメーターは、3か月ごとに見直される。
この指標は、価格上昇のダイナミクスを考慮して、2020年の第 4 四半期の最低生存率 (PM) に基づいて計算される。
国の貧困は 6年連続で減少している。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によると、2022年には、インフレ率の上昇と前例のない経済への外部圧力に直面している中でも、前向きな傾向が続いた。
2022年には、17歳未満の子供がいる貧しい家庭に給付金を発行するプログラムが機能し始めた。さらに、年金、最低賃金、最低生活必需品が指数化され、その結果、多くの社会的支出が増加した。
特に地域における貧困の削減に貢献したのは、社会的方向への予算政策の変化だった。
ラネパ応用経済研究所の所長であるアレクサンダー・アブラモフ氏は、以下のように述べた。
「 2022年には、人口のための地域プログラムへの支出を含む、社会的ニーズに対する予算資金の大幅な支出が観察されました。また、人々の所得水準も徐々に回復し始めています。これらは、貧困を削減するための重要なパラメーターです」
金銭的インセンティブ
ロシア連邦国家統計庁の資料によると、2022年のロシアの社会的支払いの額は、2021年に比べて 1兆8500億ルーブル (約 3兆2700億円)増加し、約 16兆3700億ルーブル (約 29兆円)に達した。
ウラジミール・プーチン氏によると、ロシアは今後も大規模な社会経済プログラムと計画を実施し、とりわけ市民の幸福を改善することを目的としているとして以下のように述べている。
「私たちは、これらの実施のためのすべてのリソースを持っている...人々の実質賃金と収入の増加につながるような経済政策措置を構築する必要があり、主に子供を持つ家族のための社会的支援措置と一緒に、貧困と不平等のさらなる削減を確実にするつもりだ」
2023年1月1日から、ロシアでは最低賃金が再び指数化され、2月1日からは出産資本とその他の社会的支払いの額が増加した。さらに、今年の初めから、国は 17歳未満の子供と妊娠初期に登録されている貧しい女性を持つ家族のための普遍的な手当を開始した。
合計すると、2023年には、ロシア当局は連邦予算の 3分の1以上を社会支出に割り当てる予定だ。これは 11月に下院議長によって発表された。
ここには、特別軍事作戦に参加する軍人とその家族への支援の提供も含まれている。追加の資金は、村、地域の道路および輸送インフラストラクチャ、都市公共交通機関、および経済の主要部門の開発のために支出される。
市民を支援するための政府の措置に加えて、人口の雇用レベルの一般的な増加も、国の貧困の削減に貢献している。
国家統計庁によると、2022年にロシアの失業率は 4.3%から 3.7%に減少した。さらに、すでに 2023年1月には、この値は 3.6%にまで低下した。これは、建国史上最も低いレベルだ。
現実的な目標
1992年にはロシアの貧困層の割合は 33.5%と高く、2000年でも約 29% だった。したがって、国の約 3分の1の住民が貧困ラインを下回っていた。
しかし、これまでに支援を必要としている市民の割合は、そこから 3分の1に減少しており、当局は 2030年までにこの数字をさらに 1.5分の 1、つまり 6.5%まで減らすことを計画している。
アレクサンダー・アブラモフ氏によると、この目標を達成することは依然として困難だが、「非常に現実的な課題」だという。
国家支援措置の強化に加えて、概説された計画は、インフレに対する社会的支払いのさらなる指数化、銀行による社会的預金の積極的な開放、および優遇ローンおよび住宅ローンプログラムの延長によって達成できると専門家は確信している。
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