山科恭介のブログに、福島原発事故の現状とそのあるべき対策について、大前研一のテレビ放送内容の要約が載っており、それが非常にわかりやすいので転載する。こういう簡明な要約こそ、非常時にもっとも必要な情報なのである。枝野の政府広報などは必要な情報をまったく国民に与えない詐欺広報であるのに、なぜ国民は怒らないのか。
おそらく、この要約は山科氏によるものだと思うが、実に頭のいい人であることが分かる。
この前の日のブログにも、山科氏は東日本災害の復興についての貴重な考えを書いてあったが、それは稿を改めて転載する。
ついでながら、私は大前研一という人物は(政治的には)信頼していないが、大学で原発を専門にしていたはずだから原発についての知識は十分にあるだろうし、今回の発言では嘘は言っていないと感じられる。
(以下引用)
福島原発の現状と今後 (大前研一ライブ)
2011.03.29 (Tue)
福島第一原発の現状
1.恐らく、三基とも炉心溶融の可能性大
・タービン建屋の線量から
・海水の汚染から
・黒煙から
2.恒常冷却なしに石棺は持ち込めない(3~5年)
3.廃炉は免れない(5~10年後コンクリート漬け)
4.冷却は続けなくてはならない
5.再臨界の危険性が完全に除かれたわけではない
6.現場での作業は危険であり限定的
7.放射能拡散はしばらく続く
8.冷却プールにある使用済み燃料は搬出しなくてはならない
今回考えられる「停止炉心」の事故
1.再臨界(excursion) VS 溶融(melt down)
2.溶融 → 圧力容器底部に集合・再臨界 → 暴走
3.溶融 → 炉底溶融 → 格納容器に落下
4.格納容器底部を溶融 → ロックに到達 → 水漏れ
5.格納容器底部に富士山型に蓄積 → 再臨界
6.燃料集合体溶融 → Hf制御棒溶融 → 再臨界
7.その他の事故・冷却水喪失、制御棒挿入不可
【参考】融点:
ウラン酸化物 2700度
ハフニウム(制御棒) 2222度
ジルカロイ2(燃料被覆管) 1850度
鋼鉄 1535度
米国政府の動き
1.早くから独自に情報把握していた
2.炉心溶融を覚悟していた
3.避難地域を50マイル(80Km)、その後、名古屋以西に勧告した
4.大使館を大阪に移転した
5.在住米国人にヨウ化カリウムを配布した
6.福島原発真水消火と放射能飛散防止を日本国政府に要求
7.ロシアと共同歩調で、石棺を推奨している
高濃度放射性廃棄物の処理
1.通常は、プルトニウムなどを抽出後、地下800~1000mに永久埋葬
2.日本海溝に(ドラム缶+セメント棺)で廃棄は、ダメ
3.チェルノブイリの石棺はボロボロとなり、雨水などにより20年で生態系へ浸食 →
再構築を検討中
4.スリーマイルは、10年以上経過してコンクリート漬け
5.福島第一は、
・炉心はスリーマイル方式(燃料は恐らく取り出せない)
・冷却プール中の燃料は、キャスクにいれて搬出
・プルトニウムの抽出をあきらめて、高深度地下に永久廃棄
(ロシアのツンドラ地帯を交渉するしかない)
福島原発の土地は、日本としては永久放棄する以外にはない。
半径数十kmに及ぶか?
福島原発事故からテクノロジーの限界が見えてきた
1.確率論、原子炉安全工学の破綻
・RASMUSSEN理論の過信
・格納容器神話の崩壊(考えられることを全てやった)
2.現場の知恵が不足、フルターンキーの盲点
・DG以外の非常用電源の確保する
・400V/6KV対応電源車の準備する
・または、100V、200Vへの対応
・5気圧以上の高圧放水車を用意する
・外部冷却系バルブをつける
・電気回路の二重化
・太陽熱発電、風力発電へシフト
おそらく、この要約は山科氏によるものだと思うが、実に頭のいい人であることが分かる。
この前の日のブログにも、山科氏は東日本災害の復興についての貴重な考えを書いてあったが、それは稿を改めて転載する。
ついでながら、私は大前研一という人物は(政治的には)信頼していないが、大学で原発を専門にしていたはずだから原発についての知識は十分にあるだろうし、今回の発言では嘘は言っていないと感じられる。
(以下引用)
福島原発の現状と今後 (大前研一ライブ)
2011.03.29 (Tue)
福島第一原発の現状
1.恐らく、三基とも炉心溶融の可能性大
・タービン建屋の線量から
・海水の汚染から
・黒煙から
2.恒常冷却なしに石棺は持ち込めない(3~5年)
3.廃炉は免れない(5~10年後コンクリート漬け)
4.冷却は続けなくてはならない
5.再臨界の危険性が完全に除かれたわけではない
6.現場での作業は危険であり限定的
7.放射能拡散はしばらく続く
8.冷却プールにある使用済み燃料は搬出しなくてはならない
今回考えられる「停止炉心」の事故
1.再臨界(excursion) VS 溶融(melt down)
2.溶融 → 圧力容器底部に集合・再臨界 → 暴走
3.溶融 → 炉底溶融 → 格納容器に落下
4.格納容器底部を溶融 → ロックに到達 → 水漏れ
5.格納容器底部に富士山型に蓄積 → 再臨界
6.燃料集合体溶融 → Hf制御棒溶融 → 再臨界
7.その他の事故・冷却水喪失、制御棒挿入不可
【参考】融点:
ウラン酸化物 2700度
ハフニウム(制御棒) 2222度
ジルカロイ2(燃料被覆管) 1850度
鋼鉄 1535度
米国政府の動き
1.早くから独自に情報把握していた
2.炉心溶融を覚悟していた
3.避難地域を50マイル(80Km)、その後、名古屋以西に勧告した
4.大使館を大阪に移転した
5.在住米国人にヨウ化カリウムを配布した
6.福島原発真水消火と放射能飛散防止を日本国政府に要求
7.ロシアと共同歩調で、石棺を推奨している
高濃度放射性廃棄物の処理
1.通常は、プルトニウムなどを抽出後、地下800~1000mに永久埋葬
2.日本海溝に(ドラム缶+セメント棺)で廃棄は、ダメ
3.チェルノブイリの石棺はボロボロとなり、雨水などにより20年で生態系へ浸食 →
再構築を検討中
4.スリーマイルは、10年以上経過してコンクリート漬け
5.福島第一は、
・炉心はスリーマイル方式(燃料は恐らく取り出せない)
・冷却プール中の燃料は、キャスクにいれて搬出
・プルトニウムの抽出をあきらめて、高深度地下に永久廃棄
(ロシアのツンドラ地帯を交渉するしかない)
福島原発の土地は、日本としては永久放棄する以外にはない。
半径数十kmに及ぶか?
福島原発事故からテクノロジーの限界が見えてきた
1.確率論、原子炉安全工学の破綻
・RASMUSSEN理論の過信
・格納容器神話の崩壊(考えられることを全てやった)
2.現場の知恵が不足、フルターンキーの盲点
・DG以外の非常用電源の確保する
・400V/6KV対応電源車の準備する
・または、100V、200Vへの対応
・5気圧以上の高圧放水車を用意する
・外部冷却系バルブをつける
・電気回路の二重化
・太陽熱発電、風力発電へシフト
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