忍者ブログ

徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

移民問題も要は「労働者の権利保護」の問題
「マスコミに載らない海外記事」から転載。
私は最近は固い記事が苦手なので、あまり読んでいなかったが、さすがにいい記事を載せる。

私はアンチグローバリストだが、それはグローバリズムと新自由主義(とユダ金)が深く関係しているからであり、現代において国際貿易や国際政治と無関係に「鎖国」を決め込むことは(やればできるだろうし、日本にとっては有益だと私は思っているが)現実には起こり得ないだろう、とは思っている。
で、国際経済や国際政治というのも、「戦争などそもそも無意味である」という前提ですべての経済を回したら、すべての関係国家の国民の幸福につながることも多いだろう。たとえば移民問題にしても、労働者保護の法制(冷戦終了までは資本主義国でも普通に行われたのだが、「仮想敵国」である共産陣営の崩壊により、資本主義の暴走である新自由主義へと移行したのである。当然、労働者のご機嫌を取る必要もなくなり、労働階級は単なる収奪対象となった。)をきちんと守り、改悪させないようにすれば問題は起こらないのである。移民も労働者として平等に保護さえすれば、「最低賃金の下落」も起こらず、激安労働者(移民)に職を奪われることもなくなるに決まっているのだ。


(以下引用)


2018年12月 6日 (木)

ロシアはアジアの未来発展の鍵


2018年11月27日
F・ウィリアム・イングドール
New Eastern Outlook


 中国の極めて意欲的な新経済シルクロード、公式に一帯一路構想(BRI)と呼ばれるものが更なる発展をするにつれ、特にワシントンによる相応しからぬ名前の「貿易戦争」後、東アジア、ユーラシア経済発展のダイナミック全体を変えるのに役立つ肯定的な役割をロシア連邦が見いだすにつれ、重大な課題が現れている。発展の行方次第で、最新の一帯一路構想開発モデルに、中国が必要な訂正をしたり、アメリカの発展に平和的方法で役立ったりさえすることができるのだ。考慮すべき若干の要素は下記の通り。


 2013年、カザフスタンで、中国の習近平国家主席が、一帯一路構想プロジェクトを公式に発表して以来、プロジェクトはパキスタンからマレーシア、アフリカまで、多数の国々で大きく進展した。独創的で、むしろ曖昧な元の概念は、中国内で国家につながる様々なシンクタンクが創設され、あれこれ新しい要素を提案する状態で、大いに拡張した。しかしながら、ここ数カ月、マレーシアのようなパートナー国で、中国が当然払うべき配慮をせず、中国自身のプロジェクト概念を推進したように思えるいくつかの一帯一路構想パートナー国で、時に支払い不能な負債を残すなど、重大問題が明白になった。


 一帯一路構想は、負債で膨らんだ世界経済を、生産的方法で再構築するための本当に転換的な考え方の一つだ。もしそれが実現すれば、単なる英米IMFモデルの「中国的特徴をもった」繰り返しであるはずがない。ロシアのプーチン政権による最近の提案が、ここで主要な再調整の機会になっている。この点で、最近のASEAN会談は教訓的だ。


 プーチンのアジア基軸


 ロシアをEUから、特にドイツ、フランスとイタリアから切り離すことを狙って、2014年早々、愚かなジョン・ブレナンとジョー・バイデンがウクライナで、CIAクーデタを扇動するまで、ロシア政界では、圧倒的な欧米志向があった。ロシアと、彼らの貿易で経済的な自滅的制裁を課すよう、オバマ政権がEUに強要し、もっともなことだが、ロシアはあらゆる方面で選択肢を検討した。当初、それは他の巨大なユーラシア政権、中国との新しい経済的、政治的、さらには軍事的関係を意味していた。協力の結果は多くの分野で印象的だった。それはさておき、関係の非対称性から、ロシアが、中国に過剰に依存して、主権を持った対等な国でなくなる危険が常に潜んでいる。最近のプーチンによるアジア基軸は、中国を越えて、すべての当事者にとって有益であり得る。


 注目すべきは、習主席がペンス副大統領と会っていた同じパプアニューギニアでのAPEC会談に、ロシアのメドベージェフ首相が派遣されており、シンガポールでの11月14日のASEAN年次会合で、プーチン大統領は、ASEAN-ロシア・サミット出席を決めたことだ。


 ASEANメンバーは、ベトナム、マレーシア、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ブルネイが含まれる。議題には、ロシアと中央アジア共和国と同様、中国、インドとパキスタンを含む上海協力機構という文脈で、彼らが「大ユーラシア・パートナーシップ」と呼ぶものの創設に加え、ロシアのユーラシア経済連合(EAEU)とASEAN間の、接触と貿易を、どのように深めるべきかに関する計画に関する議論もあった。


 ロシアは、その地理と経済ゆえに、中国がそうであるような経済や金融の巨像でないにもかかわらず、アジア全体で、アジア中の地域、特に、歴史的に中国のへの不信感が強い国々で、より深い経済・政治協力の橋渡し役として、良い立場にいる。一目、ユーラシア地図を見れば、これらすべての国に、ロシアがどれほど身近かわかるだろう。今ロシアは他のアジア・パートナーと共に、その地理的、経済的、さらに軍事的利点を活用するのに良い位置にあるのだ。


 具体的に、シンガポールサミットでは、ロシアとそのユーラシア経済連合と、貿易と投資を拡張する覚書(MOU)が同意された。ASEANは公式に初めてロシアと彼らの関係を「戦略的提携」と呼んだ。


 MOUは、通関手続きと貿易円滑化、衛生植物検疫措置、専門的規制、Eコマース、サービスと投資の貿易に関する合意が含まれる。プロジェクトの中には、モスクワとシンガポール間で既に進行中の方向に沿った「スマート・シティー」開発で、ロシアがその先進的なIT産業で、ASEANと共に参加するものがある。プーチンは、2019年のロシア・サンペテルブルグ経済フォーラムと、ウラジオストック東方経済フォーラムでゲストになるよう個人的招待をASEANメンバーに提出した。


 ASEAN諸国と、ロシアが支配的なユーラシア経済連合間の相互貿易は、2017年に、およそ360億ドル、40%伸びたが、まだ将来性のごく一部に過ぎない。


 ASEAN加盟国のベトナムとの交渉は、可能性の重要例だ。冷戦中に、ベトナム沖合の商用石油発見で最初に成功して以来、ロシアはベトナムと協力してきた。2015年にユーラシア経済連合とベトナムは自由貿易協定に署名した。2017年には、ベトナムとユーラシア経済連合(90%がロシア)の間で、相互貿易が、ほぼ40億ドルと31%伸び、2018年も、同様な成長過程にある。


 ロシアのユーラシア経済連合は、燃料、鋼鉄、肥料と機械を輸出した。ベトナムの主要輸出には、電話部品、電子装置、コンピュータ、衣服、はき物が含まれる。食物輸出では、フルーツ、野菜、コーヒー、カシューナッツと海産物が含まれる。2025年までに、条約は双方に対し、輸入関税を、平均1-2%への緩やかな減少を要求している。ロシア、ユーラシア経済連合とASEAN間のMOUにより、ベトナムはロシアとユーラシア経済連合のため、他のASEAN国に対するサプライチェーン・ゲートウェイとなる立場にある。ベトナムに対し、ユーラシア経済連合の国と一緒の自由貿易協定は、合計GDP2.2兆ドルの市場を開く。彼らは共に、相互貿易で、2020年までに100-120億米ドル、2030年までに300億米ドルを目標に定めた。


 ASEANサミット中に、プーチン大統領は、日本の安倍首相、インドネシアのウィドド・大統領、一帯一路構想で最近、彼の国の交渉を縮小したマレーシアのマハティール首相、韓国の文在寅大統領、中国とタイの首相とも非公式会談をした。


 プーチン-安倍会談深化


 長い間続いている日本との千島列島論争解決に関する安倍首相との、そして平壌と共に、三カ国での朝鮮問題解決に関する韓国文大統領との会談は注目に値する。日本と韓国とロシアは東アジア首脳会議、ASEAN + 8のメンバーだ。


 安倍首相は、1945年からロシアと日本の間で平和条約を妨げている領土紛争の相互解決を追求する準備ができていると発表した。数カ月前に、日本とロシアは海路とシベリア横断の鉄道を使い、ロシアへの日本商品輸送開発を研究する共同実験を行った。国土交通省の松本年弘大臣官房物流審議官によれば、長さ9288,2キロのロシア鉄道輸送幹線は両国間貿易のための大きな潜在的可能性がある。現在、貿易は、インド洋を経由しており、貨物のロシア到着には最高62日を要し、2国間の海路あるいは空路による輸送は高価だ。新回廊は輸送時間を大幅に短縮し、出荷コストをおよそ40%減らす。


 2017年、ロシアと日本は、共同プロジェクトを支援するため、2国の政府が支援する投資基金間で、共同のインフラ開発基金、ロシア-日本投資基金を設置することに同意した。島の帰属問題が解決すれば、基金は大幅に拡大するだろう。


 ロシアに対して、ASEANとの広がる経済や他の絆の比類ない扉が開かれる理由は、今中国が「中国製造2025」の目標に対し、ワシントンから巨大な圧力を受けている事実だ。同様に、日本と韓国とインドは、いずれも、アメリカと中国への過度依存にバランスを求めている。ロシアは全ての当事者を結ぶ唯一の橋なので、中国との決別を強いることなく、ロシアは大いに生産的な「3番目の道」になることができる。


 インド-ロシア


 ASEAN、韓国と日本に対するロシアの最近の貿易構想は、インドのモディ首相とプーチンの関係を考慮に入れると、重要性は更に高い。


 ニューデリーでの10月会談で、プーチンとモディは、アメリカからの制裁の恫喝にもかかわらず、ロシアの高度なS-400Triumf、世界で最も効果的な地対空ミサイルシステムをインドが購入するための公式合意に署名した。共同記者会見でモディは宣言した。「ロシアは、常にインドに味方し、インドの成長に重要な役割を果たした。時間とともに、両国間関係は益々強力になった。」会談は、宇宙、核エネルギーや鉄道でも、いくつかの合意をもたらした。現在世界最大の原子力建設国であるロシアとの共同原子力協定は、インドでの核燃料アセンブリー製造を含んでいる。インドは、25億ドルの取り引きの下、その内2隻が、インドで造られる予定のクリヴァク級フリゲート艦を、4隻ロシアから入手する。


 プーチン- モディ会談は、これまで1年間の2人の会合で、5回目だった。彼らは、1950年代にさかのぼる関係を復活させ、インドとロシア間の戦略的提携を再確認した。インドに対する最近のロシアの配慮は、ワシントンがインドを勢力圏に引き込もうとする中、ロシア-インド関係と貿易の低落に対処するための、これまで4年間で重要な変化だ。


 中国のみならず、より最近、ASEAN、両朝鮮や日本やインドにも向かうロシアの最近のアジア基軸を見ると、未来アジアの経済発展の鍵となる独特な可能性を持っていることをロシアが理解したのは明確だ。1年前、プーチン大統領が、ロシアの大ユーラシア・パートナーシップとして、APECで彼が発表したことの推進を国家的優先事項にしているのは明確だ。そこで彼は、ロシアと中国と日本と大韓民国を結ぶ「エネルギー・スーパー・リング」と、ロシアのサハリンと日本最北の島、北海道を結ぶ区間-レール橋トンネル計画、サハリン-北海道輸送リンクを作り出すロシアの意図を引き合いに出した。これは相互に有益な地域協力の始まりに過ぎない。


 F・ウィリアム・イングドールは戦略危険コンサルタント、講師で、燃料と地政学のベストセラー作家。彼はプリンストン大学からの政治の学位を所有している。これは「New Eastern Outlook」オンライン誌独占記事。


記事原文のurl:https://journal-neo.org/2018/11/27/russia-is-key-to-asia-future-development/


拍手

PR

コメント

コメントを書く