オリンピックに興奮するのは発展途上国の人間だけ。東京オリンピックの時の日本人とか。
(以下「GIGAZINE」より転載)
リオオリンピックの会場が半年で廃墟化
リオオリンピックでは治安の問題などを抱えながらも、きらびやかな五輪公園などのオリンピック施設が建設されましたが、開催前に行われる予定だった貧民街の整備は行われず、開催中もプールの水が緑色になるなどの問題が起きていました。そして、リオオリンピックが終わって6カ月が経過した2017年2月現在、マラカナンスタジアムは電気代が未払いのまま閉鎖されており、オリンピックで実際に使われたスタジアムや五輪公園も荒廃の一途をたどっていることが報道されています。
Rio's Olympic venues, six months on – in pictures | Sport | The Guardian
https://www.theguardian.com/sport/gallery/2017/feb/10/rios-olympic-venues-six-months-on-in-pictures
リオオリンピックの開会式と閉会式が行われた、世界最大規模のサッカースタジアム「マラカナンスタジアム」の現状。芝生はほとんど枯れ、誰にも使われずに整備も行われていないのがわかります。
オリンピック開催中に電気代や会場の運営費として100万ドル(約1億1400万円)がかかりましたが、支払いを巡ってスタジアムの運営会社、リオデジャネイロ州の行政、オリンピックの主催者の間で議論が起こり、現在も未払いのままとのこと。マラカナンスタジアムは閉鎖され、旅行者も入れないようになっています。
マラカナンスタジアムは2014年のワールドカップで400万ポンド(約5億7000万円)をかけて修繕され、リオオリンピックとパラリンピックの後にも、2016年12月に元サッカー選手のジーコがチャリティーマッチを行いました。それから約2カ月しかたっていないのですが、内部はゴミで埋め尽くされています。
何者かが何千もの座席を引き抜いて破壊する事件が起こり、壊れた座席はそのまま放置されています。
閉鎖されたのち、壁に設置されていたテレビも盗まれた模様。
リオデジャネイロ州立大学の政治学者であるマウリシオ・サントロ氏は、「リオのほとんどの人は、オリンピック開催後にゴルフ場やオリンピック会場を訪れることはありません。しかし、マラカナンは違います。ここはオリンピックを管理できたことを示す最大の象徴であり、輝かしい功績です」と語っていましたが、マラカナンスタジアムの特等席の座席は引き裂かれ、ゴミ箱がひっくり返されています。
空撮で五輪公園を一望した写真。巨額の資金を投じて整備されたエリアには人の気配が感じられません。
ブラジル人アーティストのAdriana Varejao氏による半透明のタペストリーは、あちこちが破れてしまっています。ここはアクアティクス・センターで、手前に見える練習用プールには泥と雨水、昆虫の死骸が混ざって茶色い水がたまっています。
水泳の試合が行われたアクアティクス・センターの内部はこんな感じ。
1600万ポンド(約22億8000万円)をかけて作られたゴルフ場も閉鎖され、荒廃しているのがわかります。オリンピック開催後にゴルフ場を維持するため地元の利用者が必要だったのですが、リオ市民でゴルフを行う人はあまりいなかったようです。
リオオリンピックのためにゴルフ場の横に作られたプレハブ小屋は、ブラジルゴルフ連盟に管理が委託されましたが、まったく使われていません。
会場を囲むフェンスには「プールの整備のため休止中で、1月に再開予定です。メリークリスマス、ハッピーニューイヤー!」と書かれているとのこと。
カリオカアリーナの外には大量の資材が積みっぱなしの状態。
五輪公園はほぼ全域が放棄されていますが、五輪公園内のテニスセンターで一時しのぎのビーチバレーイベントが行われました。観客は荒廃した五輪公園を見て衝撃を受け、観客の1人は「ここに来て施設が使われていることを見たい人たちのために公的資金が無駄に使われた」と地元の新聞に語ったとのこと。
利用者も運営者もおらず、有効活用ができていない五輪公園ですが、地元の子どもたちにとってはとても広い遊び場になっているようです。
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