伊藤剛氏のこの発言はかなり的外れだと思うが、なかなか示唆的でもあるので、転載した。短い言葉でも、そこから推測できることは多い。あるいは大きい。
もはや「ネトウヨ」という言葉が「左翼以外のすべてのひと」を指す意味で使われてないか?
この言葉から推測できることを箇条書きにしてみる。
1)この言葉は、伊藤氏自身が他人から「ネトウヨ」と呼ばれたことを示している。
2)そのことを伊藤氏は心外に思っている。
3)伊藤氏自身は自分を(あるいは自分の発言した内容を)ネトウヨ(的)とは思っていない。
4)伊藤氏は「左翼」に反発している。あるいは左翼嫌いである。
5)伊藤氏は自分が(良識的)発言をしたらネトウヨ呼ばわりされる状況にいらだっている。
6)ここで「ネトウヨ」的発言というのは、おそらく安部政権擁護発言かと思われる。あるいは、日本には、憲法9条を変え、軍備拡充することが必要だという発言かと思われる。
7)その発言を伊藤氏は「左翼以外のすべての人々」は共有していると思っている。つまり、「まともな日本人」ならそう考えて当然だと思っている。
8)その発言への批判者は「左翼」だと伊藤氏は考えている。もしかしたら、「リベラル」という言葉も考えたかもしれないが、「左翼」という強い言葉を使ったのは、伊藤氏自身の(潜在的な、あるいは顕在的な)「右翼性」を問わず語りに示している。
といったところだが、もちろんこれはただの推測だ。「8マイルでは遠すぎる」というたった一つの呟きから論理的(笑)に推定できる事柄を列挙していって、そこから殺人事件の存在を推定するようなものだwww
で、これをわざわざ書いたのは、実際にネトウヨ(的)でありながら、自分は正常だ、と思っておられる善男善女のお年寄りや中年層、青年層、少年少女の方々は案外多いのではないか、と思うからである。
そういう人々に「お前は間違っている」と言えば、不快感を与えるのは当然だし、「お前は右翼だ」と言えば、侮辱されたと思うか、あるいは「右翼でなぜ悪い。右翼こそが正しい認識を持っており、左翼など『日教組』に洗脳された馬鹿だ。俺は戦後民主主義の糞教育など信じず、『自分の頭』で判断したから、正しい認識を持てたのだ。左翼など、頭がお花畑の平和主義者か、ポル・ポトのようなキチガイだけではないか」と考えるわけである。これこそがまさに「ネトウヨ」的な思考なのだが。
まあ、そのことはこれまで何度も書いているので、重ねて論じる必要はないだろうが、こうした「自己愛」は人間の業もしくは本能であるから、他者を「自己否定」させることは非常に難しい。ただし、それは「洗脳」が困難だということではない。付和雷同も「自分の頭で考える」(チキリンwww)も,人間が自分で自分を騙してでも自分にとって快いことを選ぶという本能には勝ちがたいのである。
だから私は、「自分自身ほど信じられないものがあるか」(by横島忠夫@「GS美神」)を千古不易の名言だと言うのである。
(以下引用)
小田嶋隆 @tako_ashi
- 「ネトウヨ」という言葉を、「左翼以外のすべてのひと」の意味で使っている人は、たしかにいるんだろうけど、そういう人が2016年の日本人の多数派だとは思わないですね。
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