ROCKWAY EXPRESSさんのサイトより
http://rockway.blog.shinobi.jp/Date/20140924/1/

<転載開始>

国際法違反となるシリア領内での作戦を開始したアメリカ軍

◆9月24日

 アメリカの国連大使が、シリアでのISISに対する戦いの本当の狙いは、アサド政権の転覆にある、と語ったという。彼女の論理は、FSAはISISとシリア軍の両方と戦っているから、アメリカがISISを叩けば、FSAを助けることになるので、アサド政権打倒の戦いに弾みがつく、ということのようだ。

 しかし実際はFSAの勢力は相当部分がアル・ヌスラやISISに吸収されていて、また対シリア軍に対する戦いでは協調して戦っている現実があるから、穏健派のFSAにだけ勝利してもらう、ということはありえない話なのだ。

 そのような錯綜した現状の中で、ISISにだけ的を絞って攻撃するということは不可能であり、ISISへの攻撃はFSAに対する攻撃にもなり、FSAに対する支援はISISに対する支援にもなるのだ。

 従って現場では結局、ISISとシリア政府軍と戦っているFSAを支援するためには、面倒を避ける為にシリア政府軍に対する攻撃だけするようになるであろう。それこそが、間違いなくFSAを支援することに直結するからだ。

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●アメリカ国連大使:対ISIS攻撃はアサド政権転覆が目的
http://www.prisonplanet.com/obamas-un-ambassador-admits-fight-against-isis-designed-to-take-out-assad-in-syria.html
【9月23日 Kurt Nimmo — Prison Planet】

 アメリカのサマンサ・パワー国連大使は21日、NBCのチャック・トッドに、ISISとの戦いの本当の目的はシリアのアサド政権の転覆にあると語った。

 パワー女史は、「穏健」な自由シリア軍(FSA)はISISとシリア政府軍との戦いで「支援の増加」を受けるだろう、と語り、シリア政府軍はヒズボラ、イラン、ロシアなどの支援を受けている、と語った。

 この議論で触れられていないことは、ISIS、アル・ヌスラ戦線、FSAは統合された勢力になっている、という点だ。

 「我々はカラムンのシリア軍に対する攻撃でISIS(=イスラム国)とアル・ヌスラ戦線と協調している」と、FSAの司令官であるバセル・イドリスはレバノンのデイリー・スター紙に今月初めに語った。

 FSAはここ1年以上に渡ってアル・ヌスラ戦線などの過激派グループに兵力を引き抜かれてきている。

 今年6月、アル・ヌスラとISISはシリアのアルブ・カマルとイラクのアル・カイムで統合された。

 「戦士らはアル・ヌスラと統合することを誇りに思っている。それは力と影響力を意味するからだ」と、アレッポ近郊に陣取るFSAの司令官のアブ・アハメドは2013年5月にガーディアン紙に語っている。

 2013年9月、FSAの最大の軍団の一つである第11師団がアル・ヌスラ戦線に加わった。

 「これの意味することは、FSAは突然に深刻な兵力の喪失に直面したということで・・・基本的にはアル・ヌスラに兵力を奪われたということだ」」と、2013年9月にトルコのアンタキヤのアル・ジャジーラ特派員が報じた。

 ロイターもシリア国内の情報筋の証言を引用して、FSAの他の者たちもISISに加わったと報じた。

 シリアのホムスにあるザマン・アルワスル紙によれば、FSA内のアール・アル・アタール、イビン・アル・カイム、アイシャ派などは、今年7月にISISに忠誠を誓った、という。

 「アル・ヌスラ戦線とイスラム国はFSA部隊を完全に支配している。彼等を過激で聖戦主義的思想で纏めている」とこの新聞は報じた。


■ISISと戦うためにISISを支援

 オバマとパワーは、アル・ヌスラ、ISIS、そしてFSAというグループが存在している、という幻想を維持しようとしているが、実際はこれら全ては、アメリカ、イギリス、イスラエルの情報機関の生み出した存在である。

 21日、ニューヨーク・タイムズ紙は、イラクでは通りの一般市民から政府の高官にいたるまで、ISISの背後にはCIAがいると考えていると報じた。彼等は操作されたISISの脅威がイラク内に軍を再投入することに利用されないか、と恐れている。

 元オーストリアの将軍のマティアス・ガーレムによれば、昨年の8月、アル・ヌスラの指導者のアブ・モハマド・アル・ジョラニが二人のCIAの将校とサウジアラビアの国防副大臣のサルマン・ビン・スルタン王子とヨルダンのアンマンで会っていた、と反政府革命軍評議会議長のアハメド・アル・ナアメ大佐が語ったという。

 アル・ナアメは、元在シリア・アメリカ大使のロバート・スティーブン・フォードの二人の補佐官もこの会合に参加していたと語った。アル・ヌスラとFSAはアサド政権を転覆する為の代理戦争で協力することが決められ、シリアをイラクやリビヤのような崩壊した国家にすることが決められたという。

 シリアにおける「抵抗運動」を組織化する際に中心的役割を果たしたのがフォードで、イラクのジョン・ネグロポンテ大使に強調し以下のように語った。このネグロポンテは彼が大使だった期間中、死の部隊をイラクで編成しシリアの不安定化のために協調的動きをした。

 「2012年11月にヨルダンの南西部の砂漠に築かれたアメリカ軍基地の運用開始以来、CIAの工作員とアメリカの特殊作戦部隊は20から45になる民兵グループに対し2週間のコースの訓練を施した」と、アルアラムは報じた。

 6月、アーロン・クラインは、アメリカ軍はヨルダンでISISのテロリストを訓練した、と報じた。

 以前は、ドイツのデア・シュピーゲル紙が、アメリカ人が「シリア人の反政府勢力要員」に訓練を施していると報じた。それが民間会社なのかアメリカ軍なのかははっきり分からないという。

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