「スカイヲーカー」さんのブログで、一部で噂になっていた東京ガスのCMを見ることができた。傑作だと思う。CMで、これほどリアルに現在の世相を描いた例は少ないのではないか。だからこそ、同じ境遇にある就活生にとっては正視できないような辛さを与えるものだったのだろう。その(多くの抗議の)結果、東京ガスはこのCMを放映打ち切りにした。この決定も間違ってはいないと思うが、こうして「在るものが、無いことにされていく」結果、世の中には理不尽や不条理が、是正されないまままかり通っていくことになるのではないか。
(引用1)
<テレビCM>リアルな就活 批判受け東京ガス放映打ち切り
毎日新聞 7月4日(金)18時8分配信
就職活動中の女子学生の厳しい日々を題材にした東京ガスのテレビCM「家族の絆・母からのエール」編が、今年2月1日の放送開始から1カ月足らずで打ち切りになったことが話題となっている。当時、就活生やその母親とみられる人から「リアルにできていて心が痛む」などのクレームが寄せられ、そうした声などに配慮したためという。最近になってツイッターなどでこの打ち切られたCMが話題となり、「感動的。見て泣いてしまった」など、打ち切りに疑問を呈する声も上がっている。
CMは、就活中の女子学生が主人公。志望企業から何十通もの「お祈りメール」(不採用通知、末尾に他社への就職活動の成功を祈念する文が付くことからこう呼ばれる)をもらった末に、ようやく最終面接までこぎ着けた企業からも「お祈りメール」が届く。近所の公園のブランコにぼんやり座っていて、母親に背を押されて号泣。母の作った鍋焼きうどんを食べ、翌朝、スマホに「まだまだ」と打ち込んで再び就活に飛び込んでいくシーンで終わる。
同社によると、CMの放送期間中、「心が痛む」など批判の電話が数件寄せられたという。このCMの前に流していた「家族の絆・ばあちゃんの料理」編が広告賞の最優秀賞に内定したこともあり、総合的な判断から「母からのエール」編を2月22日で打ち切り、「ばあちゃんの料理」編に切り替えたという。クレームの件数は多くはなかったものの、2月は就職活動が本格化している時期でもあり、就活生の心情に配慮したとみられる。
このCMをめぐっては、「最後の凜(りん)とした女性の表情、すごくいいなと思う」「(自分が就活をしていた)1年前に見たら嫌な思いしただろうなぁ」などと賛否両論の意見があった。東京ガスには「素晴らしいCMで感動した。なぜ放送を中止したのか」などと尋ねる電話もあったという。【尾村洋介/デジタル報道センター】
(引用2)「スカイヲーカー」さんのブログから転載。
「平成23年の自殺者は3万651人と、10年以来初めて3万1千人を下回ったが、
一方で就職活動の失敗を苦に10~20代の若者が自殺するケースが目立っていることが8日、政府が公表した24年版「自殺対策白書」で明らかになった。
白書によると、23年の大学生などの自殺は、前年比101人増の1029人で、調査を開始した昭和53年以来初めて千人を突破した。内閣府は「雇用情勢の悪化」を一因に挙げている。
警察庁の統計では、「就職失敗」による10~20代の自殺者数は平成19年の60人から23年は150人にまで増加している。 」
本来、グローバリズム推進にあたって重要なことはインフラの充実なんだろう。国際的な仕組みを従前のまま、米国の都合のいい制度を温存したまま言われるままに、片務的グローバル主義を国民に押し付ける。
その結果、本来、日本国民が享受するべき日本国民の富を召し上げられ、ごく一部の層だけのための豊かさが与えられる。大多数の国民は置いてきぼりにされたままだ。
その最もわかりやすい現象が、若者の就職活動に現れているんだろう。
グローバリズムの象徴が、日産のカルロス・ゴーンなんだろう。年収10億円。
一方、若者の年収は150万円だったりする。何せ、正社員で雇ってもらえず、アルバイト扱いだから。
一方、一部の有名大学卒の上層部が一流企業に就職できる。
しかし、民間企業のほとんどは、市場競争に窮しており、雇用環境にダイレクトに影響する。
つまり、大半の民間企業は、「ブラック」だ。
一流大企業に入社して勝ち組になったつもりが、入社3年で精神状態が異常になる。結果、退社。
小学生の時代から、一流有名大学に入るために競争社会に巻き込まれ、大学に入ったと思ったら、激烈な就職活動に巻き込まれる。
その結果、一流企業に入社したと思ったら、激烈な競争社会で揉まれて、入社3年で燃え尽きる。
たまさか、定年まで勤められたとしても、年金破綻ですべてカットだとか。
勝ち組も負け組も、大半が不幸になる社会。自殺者が増加して当たり前の社会だ。
むしろ、自殺しないほうが異常なくらいだ。どっちに転んでもろくなことがない。
それが現代の日本なのだ。
大半の日本国民は不憫だ。
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