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徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

豊かな資源国の悲惨な運命
「孤帆の遠影碧空に尽き」というブログから転載。
日本では大マスコミ(表マスコミ)がなかなか世界の情報を流してくれないし、それはネットでのニュースまとめサイトも同様である。ファッション、芸能、スポーツなど、「どうでもいいニュース」しかほとんど取り上げない。
したがって、こうした志の高い個人ブログに頼るしか無いわけだ。
こうした情報を知っても、一個人では何ができるということもないのだが、いざという時の判断で間違わないで済む。それが情報を得ることの意味だと私は思っている。そして、一人一人が「正しい政治的判断をする」ことこそが、この世界を地上の天国に変えるのだと思っている。要するに「愚公 山を移す」の精神で、未来に希望をつなぐわけだ。




(以下引用)





コンゴ  武装勢力による混乱拡大 豊富な資源を有する最貧国 絶えない戦闘・病気・飢餓

2012-11-21 23:14:41 | アフリカ



(武装勢力のゴマ侵攻を避けて避難する人々 “flickr”より By Pan-African News Wire File Photos http://www.flickr.com/photos/53911892@N00/8204321207/)

【21日、全面対決回避に向けた会談】
アフリカ・コンゴ(旧ザイール)のなかなか収まらない内戦状態については、12年5月31日ブログ「コンゴ、武力衝突で増える避難民  国際刑事裁判所(ICC)を巡る動き」(http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20120531)で取り上げたところですが、そこでも触れたンタガンダ将軍の率いる武装勢力「3月23日運動(M23)」が主要都市ゴマを制圧する勢いで、隣国ルワンダ、ウガンダを巻き込んだ混乱状態となっています。

****コンゴ民主:武装勢力がゴマ市を制圧****
アフリカ中部コンゴ民主共和国からの報道によると、東部の主要都市ゴマに侵攻した反政府武装勢力「3月23日運動(M23)」は20日午後、ゴマ市を制圧した。
M23はルワンダが支援していると指摘されるが、ロイター通信によるとコンゴのカビラ、ルワンダのカガメ両大統領が20日午後、急きょウガンダの首都カンパラに入り、全面対決回避に向けた会談を21日に行うとみられる。

AP通信などによると、20日午後にはゴマ市内でのM23と政府軍の戦闘は終わった模様で、M23の戦闘員が市内中心部に進軍してきたという。M23の報道官は空港なども掌握したと明かした。一方、コンゴ政府報道官は、M23とともにルワンダ軍兵士がゴマに入域していると非難している。

M23は、ツチ人系の組織で、前身はコンゴ軍と戦闘を繰り返した反政府武装組織。09年にコンゴ政府と和平合意し政府軍に編入されたが、今年3月以降に離脱し、再びコンゴ軍との戦闘状態に入っていた。国連の専門家らは、M23が同じツチ人系が主導するルワンダと、ウガンダから支援を受けていると指摘するが、両国は否定している。

ルワンダと国境を接するコンゴ東部は金やダイヤモンドが豊富だ。この地域に詳しい南アフリカ・ウィットウォーターズランド大のギルバート・カディアガラ教授は毎日新聞の取材に「ルワンダはこれまでも資源獲得目的で武装組織を支援してきた」と語り、ルワンダ軍とM23が連携しているとの見方を示した。【11月21日 毎日】
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コンゴ政府軍を支援する国連平和維持活動(PKO)部隊が18日にヘリコプターから攻撃したがM23の前進は止められなかったとのことです。
国連安全保障理事会は20日夜、M23にゴマからの撤収と武装解除を求める決議案を全会一致で採択しています。決議ではまた、隣国ルワンダやウガンダを念頭に、M23に対する外国からの軍事支援の「即時停止」を要請しています。【11月21日 毎日より】

【ンタガンダ将軍のコンゴ軍離反の経緯】
ンタガンダ将軍とは何者なのか? ルワンダ・ウガンダがどのように関わるのか?・・・・については、ルワンダにおけるツチ系住民とフツ系住民の間で起きた1994年の大虐殺、その両者の対立がコンゴに持ち込まれ、更にコンゴ領内の豊富な資源に目をつけた周辺国を巻き込む形で戦われた「アフリカ大戦」とも呼ばれる内戦にまで話が遡りますが、そのあたりは12年5月31日ブログ(http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20120531)で触れましたので今回は省略します。

ルワンダ軍のコンゴへの越境などで緊張状態が続いてきたルワンダ・コンゴ両国ですが、09年8月にはコンゴ東部ゴマで、コンゴ・カビラ大統領とルワンダ・カガメ大統領が会談し、約13年ぶりに外交関係修復に向けて動き出しました。

そして、コンゴ内で活動していたンタガンダ将軍の率いる武装勢力もコンゴ国軍に編入される形になりました。
このンタガンダ将軍の率いる武装勢力「3月23日運動(M23)」はツチ系であり、同じツチ系政権であるルワンダとの関係が指摘されています。

ただ、ンタガンダ将軍はICCから指名手配を受けています。
“ンタガンダは子供を徴集し、戦闘に従事させた容疑で、06年に国際刑事裁判所(ICC)から指名手配されている。5月半ばには、最近の戦闘で少年兵を使ったとしてICCから新たな告発を受けた。
ICCの逮捕状にもかかわらずンタガンダが自由の身でいられるのは、コンゴ政府が東部コンゴの平和のために必要な代償だと主張していたからだ。” 【6月6日号 Newsweek日本版】

一方、国際刑事裁判所は3月14日、コンゴの元武装勢力指導者トマス・ルバンガ被告(ンタガンダ将軍の共犯者とされる人物です)に対し、戦争犯罪(少年兵徴用)の罪で有罪判決を言い渡しました。02年にこの裁判所が設立されて以来初めての判決でした。

“ICCのルバンガに対する有罪判決は、ンタガンダが未だに不処罰状態にあることを改めて明らかにし、彼の逮捕を求める声を高める結果となった。逮捕を恐れたンタガンダは、自らの部隊に対しコンゴ軍の指揮下から離れるよう求めた。”【4月13日 ヒューマン・ライツ・ウォッチ】という経緯で、ンタガンダ将軍の勢力がコンゴ国軍を離反し、コンゴ軍と衝突する形になっています。

【“資源の呪い”】
ンタガンダ将軍の率いる武装勢力「3月23日運動(M23)」をルワンダが支援しているとのコンゴ側の批判に対し、ルワンダは関係を否定しており、逆に自国領がコンゴ軍に攻撃されたと主張しています。

****コンゴ反政府勢力、東部主要都市ゴマに迫る*****
コンゴ民主共和国(旧ザイール)では19日、東部の主要都市ゴマに迫る反政府武装勢力「M23(3月23日運動)」により政府軍が防戦を強いられる一方、M23を支援しているとされる隣国ルワンダは国境付近の自国領がコンゴ政府軍に攻撃されたと主張している。(中略)

目撃者によると、ゴマ市北部と北西部で戦闘があり、住民は南部やルワンダ国境に向けて非難を余儀なくされているという。

コンゴ政府は、反政府勢力側が求めた直接交渉を一蹴。またM23についても「ルワンダがコンゴにおける自らの犯罪行為を隠すために用意された架空の部隊」と主張している。コンゴのランベール・メンデ通信・メディア相はAFPの取材に対し「われわれは真の侵略者であるルワンダとの交渉を望む」と述べた。
国連も隣国であるルワンダとウガンダがM23を支援していると非難しているが、両国はこれを否定している。

鉱物資源が豊富なゴマ周辺地域は長年、紛争の火種となっており1996年来、コンゴの反政府勢力が活発に活動している。多くの武力衝突にはルワンダとウガンダが関与しているとされるが、関与は表立ったものだったり、そうでなかったりと一貫していない。
M23は、反政府勢力を正規軍に統合した09年の平和交渉が失敗した同年4月、反乱兵士らにより結成された。

ベルギーの旧植民地だったコンゴ民主共和国は、1997年まで独裁者モブツ・セセ・セコ元大統領の下、ザイールとして知られた。コバルトや銅、ダイアモンドや金などの鉱物資源に恵まれているにもかかわらず、現在も世界の最貧国のままだ。98年以降、戦闘、病気、飢餓による死者が合計300万人、160万人が住む家のない状態に置かれている。

東部の主要都市ゴマは平和時には、ヴィルンガ国立公園近くに住む絶滅危惧種のマウンテンゴリラを目的とした観光客らの出発地だった。【11月20日 AFP】
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“コバルトや銅、ダイアモンドや金などの鉱物資源に恵まれているにもかかわらず、現在も世界の最貧国のままだ。98年以降、戦闘、病気、飢餓による死者が合計300万人、160万人が住む家のない状態に置かれている”
避難民については、今年3月時点で200万人に増大しているとの指摘もあります。その後の武力衝突でその数字は更に膨らんでいるのではないでしょうか。

豊富な資源をいかせず、貧困に苦しみ、多大の犠牲者・避難民を出し続けているコンゴの悲劇の原因は、病気や飢餓もありますが、なんといっても止むことのない戦闘・暴力です。病気や飢餓も戦闘状態にある社会混乱により引き起こされている面も大きいかと思います。

豊富な資源が周辺国の介入を呼び、また武装勢力の資金源にもなります。利権をめぐって政権も腐敗します。コンゴの場合は“資源の呪い”とも言うべき状況です。
更に、ツチ・フツの対立も加わって、いつまでたっても混乱が収まりません。
戦闘・病気・飢餓など、“アフリカ”が人々に惹起するネガティブなイメージがそのまま現実となっています。

【なぜアフリカでは戦闘が絶えないのか?】
なぜコンゴなど、アフリカには戦闘の混乱が絶えない国々が多いのか・・・人種的な問題を云々する気はありませんが、何かアフリカに特殊な要因があるのか?欧州列強による植民地支配において行われた奴隷貿易を含む過酷な収奪と社会破壊の影響を脱しきれていないのか? 

石井光太氏の著書「絶対貧困」のなかに、アフリカとアジアの路上生活者の違いに関する記述があります。

“アフリカの場合、町の一般庶民は路上生活者を恐れて、近づこうともしません。徹底的に無視して関わらないようにするのです。
そのため、路上生活者たちの中に「何をやっても大丈夫だ」という風潮が広がり、堂々と道端でドラッグを摂取したり、強盗事件や暴力事件を起こすようになっていきます。いねば、ギャングのような凶悪な存在になるのです。

そしてギャング化するということは、家族から離れて同性の仲間だけで集まることを意味します。洗濯や料理は行われず、性欲は強姦で満たされるので、男だけでも不便はないのです。

実際、私もケニアの首都ナイロビなどで路上生活者と一緒に暮らしたことがありますが、何度も路上生活者による強姦現場を目撃しました。男たちのグループが、一人か二人で歩いている女性を公園や物陰につれ込んで襲ってしまうのです。一般庶民や警察官は報復が怖くて止めようとはしません。女性も無駄な抵抗をすれば殺されるとわかっているので、ほとんど抵抗すらしません。

ある路上生活者はこんなことを言っていました。
「町の人間は俺たちのことを怖れて近づこうともしない。飢えていても肋けてくれないし、仲良くしようとしても銃を向けてくる。そしたら俺たちだって他人から物を奪い、女を犯すしかないじゃないか。他にどうしろっていうんだ」(中略)

では、アジアはどうなのでしょうか。
アジアでは、路上生活者は庶民の中に溶け込むようにして暮らしていること加多いのです。町を歩いていてもそうした光景をよく目にします。リキシャ運転手は客がいない時は路上生活者とおしゃべりをして時間をつぶしていますし、食堂の主人はご飯が余ると路上生活者に分けてあげます。町の子供たちも遊び相手が足りない時はストリートチルドレンを誘って遊びます。つまり、町の中で庶民と路上生活者が一緒になって過ごしていることが多いのです。

こうなると路上生活者たちの犯罪率はアフリカよりぐんと落ちます。店の店長に顔を覚えられているので盗みはできませんし、強姦なぞしようものなら町の人たちにすぐにつかまってしまうでしょう。庶民がシンナーや薬物をやっている人たちを注意してそれを取りあげたりすることもあります。相互監視システムのようなものがあるのです。”

アフリカ社会とアジア社会の違いの一例として興味深い記述です。
アフリカの社会構造のなかにむき出しの暴力に対する歯止めがかかりにくいなんらかの要素があって、それがアフリカにおける武力衝突頻発にも関係しているのだろうか・・・コンゴの惨状にそんなことも考えてしまいます。


ジャンル: 政治

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コメント

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