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徽宗皇帝のブログ

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貧困階層の意図的維持という経済政策
「反戦な家づくり」から抜粋転載。
世界的な貧困の原因を考察しているのだが、貧困階層は意図的に作られ、維持される、という視点が面白い。そして、それは事実だと思う。



私も最近まで勘違いしていたのだが、貧困は収奪の結果ではなく、収奪のために、収奪の対象として作られる。
1000持っている1%から100取るより、10持っている99%から5取った方が5倍の市場規模がある。圧倒的に欠乏しているのでいくら貧困でも、有り金をはたいて消費してくれるうえに、徐々に豊かになっていっても当分は貧困が続き、消費は止まることがない。



算数の苦手な人のために補足すると、富める1%から100取ったら、権力層(政府など)の取り分(税収など)は100である。一方、貧しい99%から5ずつ取れば、権力層の取り分は495であり、約5倍になる、ということである。もちろん、実際には富める1%も5しか支払わないから、残るのは富める者が995であるのに対し、貧しい者は5だけである。当初の持ち分は1000と10だったから、富める者の財産の目減りは5%であるのに対し、貧しい者の目減りは50%である。(笑)そして、これは恐ろしいことに、モデルとしてだが、ほぼ現実を表しているのである。また、ここでは話を分かりやすくするために税収ということにしたが、権力層の取立ては、一般庶民の毎日の消費活動の中に存在しているわけだ。そして、貧しければ貧しいほど、収入のほとんどは消費に回るしかないから、上の人間としては貧しい者から取り立てるのが「経済合理主義」から言って、当然だ、という話になる。そして、貧しい階層を作り、維持するのも当然だ、ということだ。
日本国民のここ20年以上にわたる全体としての貧困化は、政府の意図的政策だったのだろう、という結論になりそうだが、当の日本国民はこのことをどう考えるだろうか。


(以下引用)



付加価値の源泉はわかった。
もとがタダのものを使って価値のあるものをつくるから、より大きな価値が生まれる。それによって「必要なもの」をどんどん充足していった。
いつか枯渇する資源エネルギーも、とりあえず人間の要求を満たすには十分にある。

ところが、ここにもう一つの限界が現れてきた。人間の必要は無限ではないということだ。
石油をどんどん使って付加価値をじゃんじゃん生み出す国(いわゆる先進国)では、やがて一通りの要求は満たされる。その先は、生きる上ではいらないものを「これでもか」と押し付けられ、無駄な消費を強要され、その国民は「消費者」と呼ばれるようになる。

無理に欲望を掻き立てられ、いらないものを食べ、いらない服を買い、いらない電話を持ち、どれだけいらないものを持っているかを競いだす。膨張し続ける付加価値のはけ口として。

(もう遅いので、いったん中断して寝ます。続きはまた後ほど)

いくら無駄なものを強制的に消費させても、しょせん先進国の数%の人口が相手ではすぐに飽和してしまう。付加価値の膨張のスピードに消費が追いつかない。
そこで行われるのが、いわゆる後進国、つまり先進国の限りなく付加価値が膨張していく経済とは無縁だった世界への押し売りである。自給自足の農地を奪い、プランテーションを開発し、そこで住民を労働者として働かせて「オカネ」の世界にむりやり引きずり込む。

そして、ここからが本当に恐ろしい。オカネの世界に引き込んだ後進国の住民に対し、先進国は「安い食糧」を供給するのである。自給自足であれば高いも安いも比較のしようがないが、オカネの尺度で測ると、少量を自分で作るより、大量に作られた作物を買う方が安い。
そうして引き起こされるのが、人口爆発だ。人口爆発とは、消費者予備軍を急速かつ大量に生み出すということなのだ。

もちろんそれは、安い食糧によって乳幼児死亡率が劇的に低下することによって引き起こされるのだから、人口の増えることが何もかも悪いとは言えないのかもしれないが、意図的に増やされる人口爆発は決して幸せな結末にはならない。
こうやって、貧困は市場拡大のために創出される。

私も最近まで勘違いしていたのだが、貧困は収奪の結果ではなく、収奪のために、収奪の対象として作られる。
1000持っている1%から100取るより、10持っている99%から5取った方が5倍の市場規模がある。圧倒的に欠乏しているのでいくら貧困でもあり金をはたいて消費してくれるうえに、徐々に豊かになっていっても当分は貧困が続き、消費は止まることがない。

そして、爆発する人口は、当初は安価な食糧が引き金になるのだが、時として食糧の供給が追いつかなくなることがある。原因は色んなケースがある。戦争や内戦、政治の腐敗、天変地異、投機的な価格の高騰、バイオ燃料のような他用途への流出などなど。そのような躓きがすこしでもあると、それは深刻な飢餓をもたらす。
人口爆発=飢餓ではないが、そもそもの原因を作っていることは間違いない。

そんな悲惨な飢餓をも尻目に、膨張する付加価値は、貧困な人口を爆発的に作り出し、みずからの市場を広げていく。
世界的に見た、圧倒的な貧困の原因は、ここにある。



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