まあ、要は、そのおかげでコメが安くなったという一事にあるのだろうが、それは現在の小利のために近未来の大災害を黙認する愚論ではないか、と思うが、一応、その言葉を載せておく。
「世に倦む日々」氏が真の敵と認識している「投機筋」(その認識自体は正しいと私も思うし、そのように最初から書いてきた。)を批判するのはいいが、その「投機筋」こそがDSの一味ではないか。こんな猿芝居で、進次郎や農水省を応援するのは、少々近視眼すぎるのではないか。
この騒動そのものが、「進次郎総理」を実現するための芝居だというのは明々白々だろう。それは世間の誰もが感じていることだと思う。
(以下引用)
5/30 のゴゴスマを見ていたら、品川の内田米店の社長が登場して、石塚元章とのやり取りの中で重要な証言を発していた。今回のコメ価格高騰には業界の暗部があり、同じ現物を複数の業者が転売して価格をつり上げていた実態があると暴露した。一部上場の大手の卸売業者が、24年度の決算で莫大な利益を出している事実も語っていた。金子勝と鈴木宣弘は、今回のコメ価格高騰には投機の介在はなく、すべてスミス的市場原理の需給バランスの為せる業だと言うのだが、われわれ庶民の目からこの1年間を追跡すれば、どう考えても投機が介在していて、国民の主食であるコメの価格安定が阻害された深刻な社会禍に見える。もし買い占めと転売の投機が事実であり、証拠づけられるなら、その卑劣な業者は国民の前で糾弾されるべきで、責任を問われなければならないだろう。金子勝のようにそれを「市場原理」の論法で擁護することはできない。コロナ禍時のマスクの転売ヤーと同じ市民社会の敵だ。

5/28 のミヤネ屋では、田崎史郎が出演し、やはり投機筋が絡んでいる事情を示唆していた。コメを抱え込んだまま高値売り抜けで換金暴利を狙っている転売業者がいて、小泉備蓄米政策が成功して市場の空気が変われば、投機筋が抱えたコメを手放し、コメの市場価格が元に戻ると言う。私もその見方で同じだが、そうであれば、もし投機筋がコメを抱えたまま今夏を堪えきり、先に小泉備蓄米が払底して弾切れになった場合は、4200円の市場価格は崩れず、高い新米が出て来て市場はまた高値に流れてしまう可能性がある。暴利に味をしめた投機筋が、さらに精力的に、農家から新米を高価かつ大量に買い占めれば、市場価格は4200円を超えて5000円、6000円と際限なくつり上がるだろう。そのとき2000円の備蓄米はなく、高騰に歯止めをかける市場的手段はない。田崎史郎の分析はそういう意味であり、小泉備蓄米の放出の後の8月頃がコメ価格が下がるかどうかの正念場らしい。

それに対して、小泉進次郎と農水省チームの側は、投機を迎撃する戦略と勝算があるようだ。その中身はというと、安い小泉米をどんどん放出して行けば、その分、高い江藤米が毎月余って増えて行く。投機筋の在庫が嵩んでお手上げになる。それを政府が再備蓄米として買い戻し回収することで、2000円で出す小泉米が追加で補充できるという想定らしい。小泉米は毎月20万トン放出される。この量は、日本人が消費する毎月60万トンのコメの3分の1を構成する。ということは、6月7月8月と3か月で60万トンの非小泉米が掃けずに在庫に残る勘定になる。2025年の新米は9月から店頭に並び始め、今年は収穫量を増やす計画で動いているため、消費量が同じである以上、在庫だけが一方的に増える計算になる。転売業者には損益上の圧力になる。まさに市場と政治の熾烈な駆け引きが行われており、勝負のポイントは 7/20 の参院選の結果となろう。投機筋は小泉失脚を望んでいるだろう。
コメント