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徽宗皇帝のブログ

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相も変わらぬ冷戦思想の欧米同盟www
「ネットゲリラ」に引用されていた記事がなかなか穿った内容なので元記事を見たら田中宇の記事だった。まあ、私は田中宇のお得意の「隠れ多極主義」という説が嫌いなので、彼の記事はいつも半分眉に唾をつけて読んでいるが、下に引用する記事は現在の世界情勢そのものの分析というか解説としては出色だと思う。
欧米の失政をすべて「隠れ多極主義者主導の意図的なものだ」とする「解釈」は、私はまったく信じないが、ここに書かれた「事実」だけは読む価値がある。
なお、世界の弱小国家は、昔風の非同盟主義で、欧米にも中露にも軍事的協力はしないという方針で行くのがベストだろう。日本は、国内に米軍基地が居座る限り不可能だがww

(参考)

「非同盟」はインド首相ジャワハルラール・ネルーによって、スリランカコロンボでの演説において、1954年の中華人民共和国周恩来との会談で示された平和五原則の説明の際に用いられた[2]。翌年1955年にはアジア・アフリカ29カ国が集まって開催されたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)においては平和十原則に発展した。1961年の第一回会議でのベオグラード宣言では、中華人民共和国の国連代表権支持や当時キューバ革命を起こしたフィデル・カストロ体制の尊重なども掲げられた[3]


非同盟主義が賛同を集めた背景には、アメリカ合衆国ソビエト連邦の冷戦構造がかつての植民地・半植民地であった地域における覇権抗争を招き、インドシナ戦争朝鮮戦争のような実際の軍事衝突を引き起こしていたことがある。その点で、この運動は反帝国主義・反植民地主義としての性格も有していた。


四半世紀すぎた1986年、第八回ハラレにおける首脳会議において、それらの運動の目標を、軍事ブロックの拡大を防ぎ、諸民族の民族自決権を守り、国連その他の場で、平等な国際協力と対話を促進することを通じて、新しい、公正で、民主的な国際秩序の樹立することがその歴史的使命であると位置づけている[4]



(以下引用)


中国に世界を非米化させる

2021年3月20日   田中 宇


米国のトランプ前政権は、経済制裁によって世界経済を米欧側と中国側に2分割する米中分離策などを通じて、米覇権体制を放棄して多極型の覇権体制に強制的に転換させようとする「覇権放棄屋」「隠れ多極主義者」だった。共和党側有権者のほとんどに支持される高い人気を誇り、再選確実と思われていたトランプに対し、コロナ口実の郵送投票制などを悪用した選挙不正までやって、昨秋の米大統領選をねじ曲げてトランプを排除して「勝利」した(疑いがある)バイデン現政権は、トランプがやりかけた覇権放棄や隠れ多極主義を全力で元に戻すに違いない、と期待されていた。バイデンがどんな風に米国の覇権を蘇生させるのか、お手並み拝見の感じだった。 (中国が好む多極・多重型覇権


(昨秋の米大統領選挙で民主党側が不正をしたことをマスコミ権威筋は「無根拠な陰謀論」と言っているが、それは間違いだ。当時の状況から考えて不正が行われた可能性があるのに、それが陰謀論と決めつけられることで、検証されずに放置されている。検証が行われて「不正はなかった」と確定するまで、不正が行われた疑いが残る。むしろ、マスコミ権威筋や民主党支持者たちは、不正の共謀者・黙認者・歓迎者だから、不正疑惑の提示を陰謀論と決めつけて検証を妨害している可能性が高い) (不正選挙を覆せずもがくトランプ


米国は911からの20年間、強制民主化・政権転覆・人権外交といった単独覇権主義の愚策によって安保軍事面の覇権・国際信用がかなり低下している。経済面でも、08年のリーマン危機とその後のQEの愚策によるバブルの超膨張により、米国やドルは潜在的にかなり弱体化している。加えてトランプの4年間の覇権放棄策によって、米国はさらに覇権を失った。米国が覇権を取り戻すには、これまでの単独覇権主義的な愚策をすべて破棄し、米国の覇権低下に反比例してかなり力を持ってしまった中国やロシアとある程度和解し、中露などが米国の覇権再建に協力してくれるよううながす必要があった。単独覇権の愚策の放棄は、同盟諸国の信用を取り戻すためにも必要だった。米覇権復活を目指すジョージソロスのシンクタンク「クインシー研究所」は、その方向を繰り返し提唱していた。ロシアは米国がどう出てくるか静観する姿勢だったが、中国はバイデンの米国との関係改善を公式に希望していた。コロナの都市閉鎖も、米欧諸国の経済を自滅させる超愚策なので、やめていく必要があった。 (トランプの自滅的な中国敵視を継承したバイデン) (Biden Administration Rejects China’s Calls for Better Relations


だが、就任後のバイデン政権がやり始めたことは、中露への敵視を全力で再開する、愚策な単独覇権主義の振り回しだった。中国からの関係改善の提案に対し、バイデン政権は「中国は以前から、米国と関係改善したいと言いつつ、国内での人権侵害や貿易でのルール違反をやめる気がなく傲然と続けてきた。中国は信用できない」「米国にとって中国は最大の脅威だ」と突っぱね、中国敵視をやめない姿勢を見せてきた。バイデンは就任式に台湾の実質的な駐米大使(簫美琴)を米台国交断絶以来初めて招待し、のっけから中国を激怒させた。米国は、台湾、香港、新疆ウイグル、チベットといった中国の内政における人権の諸問題、マイクロソフト(MS)のエクスチェンジのメールシステムに対して中国政府系のハッカーが侵入してマルウェアを仕掛けたとされるハッキング疑惑(多分濡れ衣)、米中貿易の不均衡といった諸問題について中国側が事態を改善しない限り、米中関係を好転させないと言っている。 (Blinken: China Is the ‘Biggest Geopolitical Test of the 21st Century’) (Xi Jinping Calls Out US As "Biggest Threat" To China's Development & Security


中国がこれらの諸問題について、米国を満足させる事態の「改善」を実現することは、不可能もしくは極度に困難だ。台湾は国共内戦の問題であり、中共は台湾の独立を認められない。香港は英国との植民地問題で、香港民主化は英国が帝国主義策の一つとして返還時に残置した悪だくみであり、中国が真に受けるべき問題でない。中共がウイグル人のイスラム信仰を弾圧しているのは事実だが、ウイグル問題は米諜報界が育てたイスラム過激派がウイグル人を感化し、無神論に拘泥する中共と戦わせている話でもある。ウイグル問題は、米国の世界支配策だったテロ戦争の一つだ。チベット問題も、英国が帝国退却時に残置した悪だくみだ。これらの中国の内政問題はいずれも人権問題でなく、米英が中国を弱めておくために涵養してきた「国際政治謀略」だ。南シナ海や東シナ海(尖閣)の領海紛争も、関係国間の話し合いでしか解決できない問題であり、中国が一方的に悪いのではない。 (ニセ現実だらけになった世界) (覇権国に戻らない米国) (ウイグル人のイスラム信仰を抑圧しすぎる中国


エクスチェンジのハッキングは、米諜報界とMSが明確な証拠を示さずに中国犯人説を主張しているだけで、濡れ衣の可能性が高い。ハッキング事件のほとんどは無関係な踏み台サーバーを経由しており犯人の特定できない。中国政府系のハッカーはピンポイント攻撃で知られており、エクスチェンジのハッキングのような広範な被害を公然と与える勢力でない。前回の記事で書いた、米国がロシアを濡れ衣で犯人扱いしているソーラーウィンズハック事件と同様、エクスチェンジハッキング事件は米国が中国を濡れ衣で犯人扱いしている。米中の貿易不均衡も、中国だけが悪いのでなく、改善するなら米中双方の努力が必要だ。米中関係が好転しないのは、米国が、これらの無茶な注文を中国に要求して、不合理に中国を敵視しているからだ。米国だけでなく日本のマスコミも、これらの問題はすべて中国が悪いと報じているが、大間違いである。フェイクな陰謀論者は、マスコミ(とその軽信者)の方である。 (FireEye CEO: Reckless Microsoft hack unusual for China) (America's small businesses face the brunt of China's Exchange server hacks) (ロシアを濡れ衣で敵視して強くする


3月18日、米国アラスカで米中外相会談が行われた。これはもともと中国が米国との関係改善を期待して開催を提案して実現したものだ。だが、この会談で米国のブリンケン国務長官らは、中国に対して「台湾香港新疆チベットの人権問題を改善せよ。政府系ハッカーの犯行をやめさせろ。貿易問題を解決しろ」と語気強く要求した。中国は、不合理な要求であり失礼だと拒否し、双方が対立を確認しただけで終わった(温暖化対策の必要性、イラン核やアフガニスタンの問題解決などについては合意できたという)。米国は、中国との外相会談の直前に、香港の民主化を阻止する新法を制定したとの理由で24人の中国高官を制裁する新政策を発表し、意図的に中国を失望・激怒させている。バイデンは中国との関係を悪化させる戦略を突っ走っている。 (Buchanan: Is A Cold War II with China Inevitable?) (US Sanctions 24 China & Hong Kong Officials Hours Before "Frosty" Alaska Summit


このほか、バイデン政権は、トランプがやっていたファーウェイなど中国企業に対する経済制裁を復活させている。トランプが作った中国企業のブラックリストをそのまま使っている。バイデンは、トランプがやった政策のすべてを愚策だからやめるぞという姿勢を見せつつ政権に就いたのに、就任してみるとトランプの中国政策のほぼすべてを継承する事態になっている。バイデン政権は、中国がアジア諸国を経済的に支配しつつあることを批判する一方で、トランプが離脱したTPPに再加盟することは否定している。米国がTPPに再加盟したら、日豪などアジア諸国を経済面で中国の支配下から米国の支配下に引き戻せる可能性があるのに、バイデンはそれをやりたがらない。口ばかりの無能な政権だ。 (It’s a ‘hard sell’ if Biden administration wants to rejoin trans-Pacific trade deal) (Commerce Secretary To Use Trump's Export Blacklist For Chinese Firms) (Biden Revives Trump's Pressure Campaign Against Huawei


中国は年初からバイデン政権に対して「トランプ時代から続く不合理な中国敵視をやめてくれたら、米国の善良な覇権運営に協力しますよ」と言い続けていた。この提案で明言されていない下の句は「米国が不合理な中国敵視をやめない場合、中国は、世界が悪しき米国覇権から被害を受けないよう、米国覇権の外に非米的な国際秩序を形成し、非米的な世界秩序が拡大していくことで相対的に米国覇権が縮小していくよう誘導します」という方針だ。バイデンが中国に対する不合理な敵視をやめないので、中国は世界の非米化を進めて相対的な米国覇権の縮小を加速させる動きを強めている。 (バイデンの愚策


中国が進める非米化策の一つは、ロシアとの結束の強化だ。以前はロシアの方が米国から強く敵視され、ロシアが中国にすり寄って非米的な結束をやりたがっており、中国の方が非米的な中露結束に消極的だった。しかし今や中国もロシア並みに(ときにロシア以上に)米国から敵視されて世界の非米化に積極的になっており、プーチンは念願の露中結束による非米化を進められるので大喜びしている。ロシアは、中国に石油ガスを買ってもらえれば永久に経済的に困らない。軍事の分野でも中露が結束すれば米国に負けない。宇宙開発でも、ロシアは米国との協力を断ち切って中国と組むことに決め、露中で一緒に月面基地を作る計画を発表した。最近は、米国側のシミュレーションでも、米軍が中国軍と戦争しても勝てないとの結果が繰り返し出ている。 (The US Keeps Losing In Every Simulated War-Game Against China) (Russia-China Joint Lunar Base Sparks Fears Of Space Arms Race


中国は最近、イランやシリア、北朝鮮、ベラルーシ、ベネズエラなど、米国から一方的に不合理な経済制裁を受けている合計16か国で国連の場で新たなグループを結成し、国連憲章に違反する一方的な制裁を禁じる国連決議を16か国とパレスチナ自治政府で提案した。米国と対米従属の先進諸国による、国連の決定を経ずに発動されている経済制裁の多くは国連憲章違反であると16か国+1は主張している。米欧諸国は「16か国+1は、米欧を批判する前に、まず自分たちの国での人権侵害を改善しろ」と反撃している。だが、すでに述べたように、そもそも人権侵害を理由に他の国を攻撃する人権外交の多くは、米欧とその傘下のマスコミ権威筋による世界支配のための悪だくみである(人権重視を叫ぶ人々は軽信的な悪の傀儡だ)。 (16 Countries Are Pushing United Nations To Condemn US Unilateral Sanctions) (民主や人権の模範でなくなる米国の失墜


これまで一方的に情報を歪曲され濡れ衣で悪者にされてきた16か国が初めて中国主導で結束し、悪しき人権外交を使った米欧の世界支配をやめさせようとしている。米欧では、マスコミ権威筋の信頼性が、コロナの愚策のプロパガンダなどによって失われつつある。今はまだ「米欧=正義。16か国=悪」の構図が先進諸国で軽信されているが、それがこれからだんだん転換していく。バイデンが中国敵視などという余計なことをしなければ、中国は世界を非米化しようとせず、こんな悪事がバレていく流れも起こらなかった。バイデンの愚策が光っている。バイデン政権は実のところ、トランプとは別の道を突き進む隠れ多極主義である。バイデン自身は混濁して真相をわかっていないだろうから、側近陣が隠れ多極主義だ。 (Iran, China propose plan to form coalition against sanctions


ロシアも、前回の記事に書いたように米欧から濡れ衣制裁を受けまくっているが、ロシアは今回の16か国に入っていない。今後、中国など16か国と、米欧先進諸国が人権外交の是非をめぐって国連などの場で激しく論争するようになり、米欧側の旗色が悪くなったら、ロシアのプーチンが出てきて「そろそろ仲直りした方が良いんじゃないですか」と仲裁するシナリオでないか。中露や非米諸国は、すでにドルに代わる相互通貨やCIPSなどの貿易決済システムを持ち、石油などエネルギーの取引も米国の監視外でやれるし、インフラ整備や産業発展の仕組みも中国主導で作れるようになっている。イランは米欧から制裁されても中国に石油ガスを大量販売できるのでへこまない。イランから中国へのタンカーが多すぎて、山東省の沖合で列をなして滞船している。米国の経済制裁はもう効かない。政治的にもこれから正当性を失っていく。プーチンはこの動きを楽しんでいる。面白い。不謹慎でけっこうだ。 (China Splurges On Iranian Oil Despite US Sanctions) (China Is Winning The Great 21st Century Tech War


米国は、トランプもバイデン政権も隠れ多極主義だ。国際的に覇権勢力の上の方にいるダボス会議の世界経済フォーラムWEFも、米欧(企業、投資家、エスタブ)による世界支配の永続化を狙っているように見えるが、実のところ、2月のバーチャルなダボス会議の主導役を中国の習近平にやらせたりして(半面、米英の首脳は不在で)世界を多極型に押しやっている。WEFは、コロナや温暖化人為説の愚策とインチキの永続化をシナリオにした「大リセット」の立案者であるが、コロナや温暖化対策も米欧経済を自滅させる多極化策だ。世界の上の方は、米覇権主義者のふりをした多極主義者たちにすっかり占領されている。上の方が中国を敵視するほど、中国は台頭して世界を非米型に転換していき、米国の覇権が衰退していく。 (中国主導の多極型世界を示したダボス会議) (「大リセット=新常態=新しい生活様式」のからくり

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