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徽宗皇帝のブログ

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AIIBとは世界的な「模合」か
「世に倦む日々」ツィッターで知った「ブルームバーグ」の記事である。
「世に倦む日々」氏も言っているが、世界的なインフラ整備資金需要に対し、アメリカが柱となる国際金融機関(世界銀行、IMF)が資金提供できなくなっている、という事実があって、中国主導のAIIBに米国と日本以外の多くの世界主要国が参加したのだろう。
ところで、そのインフラ整備をもっとも必要としている国の一つがほかならぬ中国ではないか、と中国の内情に詳しくない私は思うのだが、これは、AIIBとは世界的な「模合」だと考えれば理解できる。(「模合」については下の注釈参照。)つまり、中国は資本提供国であると同時に、資金提供を受ける国にもなりうる、ということだ。これは私の想像にすぎないが、他の参加国も同じだとすれば、話が分かりやすい。いや、そうでなければ多くの国々(特に経済的に発展していない国々)が参加するはずもないのではないか。
これまでの世界銀行やIMFが、他国に資金を提供し、その借金返済のために逆にその国が経済的に困窮し、世界銀行やIMFの言うがままの「経済改革」すなわちリストラを行うことを強制されてきた、という事実を見れば、世界の発展途上国がこうしたユダ金による「世界的金貸し機関」に疑いの目を向け、それに代わる「非ユダ金的資金提供機関」を求めたのもよく理解できる。つまり、これは中国がどうこうというより、世界的な潜在的需要に対し、中国が実にタイムリーにその需要に応える「見事な答え」を出したために、世界が雪崩を打って、まだ海のものとも山のものとも知れないAIIBに参加表明をしたのだ、ということではないか。もちろん、その背景には中国が米国に代わる次の経済大国になるという見通しがあってのことだ。
なお、私は世界銀行とIMFの違いすら分からない無知な人間なので、以上の記述の中に妙な発言があっても気にしないでほしい。要するに、規模がどんなに大きかろうが、名称が何だろうが、利子を取り、利益を上げるのが目的の銀行(金貸し業)は銀行でしかない。ユダ金やそれが支配する国際金融機関とは要するに強欲な高利貸し機関でしかないのである。
その対抗策として出てきたのが「模合」であるわけだ。模合の特徴は「利子」を取らないということだ。ただし、AIIBが利子を取らないということは無いだろう。多くの先進国参加国はAIIBを金儲けの機会だと考えて参加したはずだ。要するに、行き詰った世界銀行やIMFに替わる新しい世界的金融機関が出現したなら、それに参加しておくにこしたことはない、というだけの話だろう。私がAIIBは模合ではないか、と言うのは、ただその精神面だけである。
なお、「模合」は沖縄では今でもよく行われているが、現在では金を融通しあうよりも、ただの親睦会(の口実)としての意味が大きい。そして、模合の金を持ち逃げするメンバーが時折出たりするから、民間の模合には危険性もあるが、これを(利益追求機関ではなく国際的「相互扶助システム」として)世界的に拡大するならば、案外「新しい世界経済」の一要素になる可能性もあるのではないだろうか。




(親切な注釈)ウィキペディアより:

模合(もあい、琉:ムエー[1])とは、沖縄県鹿児島県奄美群島において、複数の個人法人がグループを組織して一定額の金銭を払い込み、定期的に1人ずつ順番に金銭の給付を受け取る金融の一形態である。本土における頼母子講・無尽講に相当する相互扶助システムである。沖縄ではその他、寄合(ユレー、ユーレー)とも呼ばれる[2][3]


飲み会の資金拠出のためといった小規模なものから、事業の運転資金調達といった大規模なものまで様々なものがある。



(以下「ブルームバーグ」より引用)

サマーズ氏:米国の世界経済覇権に転機、AIIB構想覆せず

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【記者:Julie Verhage】  (ブルームバーグ・ビジネス):サマーズ元米財務長官の最新のコラムは、現政権に痛烈な批判を浴びせるものとなった。


「この1カ月は、米国が世界経済システムの保証人としての役割を失った時期として、歴史に刻まれたのかもしれない。事実、米国はこれまでにも挫折を味わされたことはあったし、金本位制に終止符を打った1971年のニクソン・ショックのように、国際協調を欠いた行動を取ったことも数々あった。しかし今回、中国が新たな国際金融機関の創立を国際社会に呼びかけ、英国をはじめ多数の友好国に対して米国が参加を思いとどまらせることができなかったが、この2つの事実に匹敵する類の失敗はブレトンウッズ以降思い当たらない」


サマーズ氏が言及しているのは、中国が1年半ほど前に着手したアジアインフラ投資銀行(AIIB)構想のことだ。中国はもちろんのこと、オーストラリアやエジプト、ウクライナ、英国、フランス、スイス、インド、韓国を含む40カ国以上が創立メンバー国となるべく加盟を申請した。


独アリアンツの主任経済アドバイザーのモハメド・エラリアン氏も先月のブルームバーグビューのコラムで、「中国は歴史ある国際機関の枠組みを迂回する道筋をゆっくりと築きつつある」として、サマーズ氏と同様に懸念を示している。


AIIBがどのように機能するのか、今の段階では不明な点があるが、5月に予定されている創立メンバー国間の最終協議がまとまった後は状況はもっと明確になるだろう。AIIBは年内の営業開始を目指している。


保守派とリベラル派の挟み撃ち


失策の原因は現行の政治を取り巻く環境にあると、サマーズ氏は分析する。


「まずい戦略および戦術の種はかなり前にまかれていた。世界経済に対する米国のアプローチを抜本的に見直すことになろう。あらゆる方面からの政治的圧力によって、米国の機能不全は深刻化してしまった。米国は2009年に自ら国際通貨基金(IMF)の統治改革を推進しようとしたが、保守派の抵抗で議会の承認を得られず、国際社会で孤立した。同時にリベラル派からの圧力で、既存の開発銀行による資金プログラムを通じたインフラプロジェクトはことごとく制限されている。その結果、開発国の多くがインフラ事業こそ外部から資金を調達するべき最大の案件と認識している現状にもかかわらず、既存開発銀行の資金拠出の役割は低下した」。


原題:Larry Summers: The Past Month May Go Down as a Turning Point for U.S. Economic Power(抜粋)


記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Julie Verhage jverhage2@bloomberg.net


記事についてのエディターへの問い合わせ先: Joe Weisenthal jweisenthal@bloomberg.net


更新日時: 2015/04/07 06:18 JST

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