沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事が昨年12月に就任した後、県に寄付する「ふるさと納税」が急増している。3月までの今年の寄付額は前年同期比約36倍の1954万円、302件に上る。「辺野古の海を守ってください」などの激励のメッセージも寄せられているという。政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設を強行する中、辺野古移設に反対する知事への賛同の輪が広がっていると言えそうだ。
翁長氏は昨年12月10日に知事に就任。県税務課によると、ふるさと納税を利用した県への寄付額は▽1月=413万9000円、100件(前年同月19万円、7件)▽2月=821万6000円、125件(前年同月10万7000円、6件)▽3月=718万5000円、77件(前年同月23万5000円、5件)。3カ月間で計1954万円に上り、昨年1年間(計1050万4200円)の倍近くとなっている。
寄付額の8割以上は県外からで、関東圏が多いという。メッセージには「サンゴ礁を守る沖縄の人々に賛同します」「沖縄県民のために頑張っている姿に感動しています」「沖縄の自然や文化を守ってください」などの声が寄せられているという。寄付金は県の一般財源に入れられる。
ふるさと納税は生まれ故郷や応援したい都道府県、市町村に寄付すると、寄付額のうち2000円を超えた金額について一定限度額まで所得税と個人住民税の納税額から差し引ける制度。【佐藤敬一】
コメント