"経済・政治・社会"カテゴリーの記事一覧
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「JBプレス」から転載。元記事は英フィナンシャルタイムズのようだ。転載部分はその記事の後半である。
ギリシャについてはEUを離脱するかどうかの予測よりも、ギリシャ国民にとっての、その損得を私は書いてきた。私の考えは、短期的には経済的混乱や被害があっても、長期的にはプラスだというものだ。ついでにIMF融資、EU他国からの融資を踏み倒せば最高である、と。
もちろん、借金踏み倒し(デフォルト)だけで経済が好転するわけはないが、借金返済に今後何十年も苦しんで、緊縮財政を強要されれば、それだけで経済的発展はまったく不可能になるに決まっている。IMFやEU他国から新たな借金をしたところで、借金返済のために働くことに変わりはない。
つまり、個人に置き換えて考えれば簡単だ。あなたが毎月の借金返済額が20万円あり、あなたの毎月の収入が25万円あるとする。その25万円のうち20万円は優先的に支払うように定められているとする。これが今のギリシャという国家なのである。ならば、その20万円の返済が不要になれば、生活が楽になるのは当然だろう。
国家の借金も同じことだ。借りた金は返すもの、などというのは下層階級の人間だけの美徳である。1929年の大恐慌で、銀行は預金者に金を返したか? 「取り付け騒ぎ」などと言って、自分の金を引き出すことがまるで悪事であるかのような扱いを受けたのである。で、表向きは銀行の一部は潰れたが、では預金者の預けた金はどこへ行ったというのだ? 預金者に返してもいない金はどこへ行ったのだ? こんなのは猿芝居である。これが金融資本主義の正体だ。
まあ、借りた金は返すものだ、という庶民の道徳は私も称賛するが、それは庶民間の話にすぎない。ギリシャの場合は、国民の大半が貧窮し、苦しんでいるという事実、国民を救わねばならないという目的が、まず優先されねばならないのであり、借金を返すことなど一番後廻しでいいのである。
今日の記事タイトルは、一つの案だ。EUやユーロという詐欺的結合より、信頼できる国家同士で連帯するという選択肢もある、ということだ。
(以下引用)
SYRIZA党首はチャベス大統領を信奉、ND党首はロシアとの関係を重視
SYRIZAのアレクシス・ツィプラス党首は2009年にベネズエラを訪問しており、その反米主義の世界観がギリシャ左派が代々抱く帝国主義への憎しみと重なるウゴ・チャベス大統領の信奉者だ。
チャベス大統領はベネズエラの埋蔵石油を外交手段として使うことを得意としている。エネルギー輸入に大きく依存するギリシャでツィプラス党首が権力を握れば、この要素は大きな重要性を持つようになるかもしれない。
一方のNDのアントニス・サマラス党首は1月にモスクワを訪問し、キリスト教正教派の仲間であるロシアとギリシャの文化的な絆を強調した。ロシアはギリシャのガス輸入の大半を供給しており、ロシア政府はキプロスに25億ユーロの低利融資を手配している。キプロスを率いるギリシャ系キプロス人の指導者たちは、トルコに対する警戒心を共有するギリシャ政府と親密だ。
親欧米派のギリシャの政治家にとって問題は、経済危機のおかげで、ギリシャ国民がある程度、EUやNATOの忠実な加盟国であることを、金融支援と引き換えに厳しい条件を課してきた欧州とIMFの監督官への屈服と関連づけてしまっていることだ。
比較的若いギリシャ人は近代の欧州国家としてのアイデンティティーを誇りにしているものの、現在、若者の半分は失業しており、将来に不安を抱いている。一方、年配のギリシャ人は、1974年にトルコがキプロスに侵攻した時にNATOが傍観姿勢を取ったことや、1967~74年のギリシャ軍事政権に対する米国の支援として思い起こすものを覚えている。
ギリシャの国家安全保障の問題
このため、ギリシャを親欧米路線にとどめておくべき根拠を正当化するのは、債務危機が勃発する前の3年前と比べても難しくなっている。最終的にその論拠は、ギリシャはユーロ圏外にいるよりも圏内にいた方が安全だという議論にある。だが、欧州の一部の政策立案者は今、安定したユーロ圏にはギリシャの追放が必要かもしれないと話している。
名高いEU問題専門家のパナギオティス・イオアキミディス氏は、ギリシャがユーロ圏に迎え入れられる2年前の1999年にこの問題の核心を突き、ギリシャ外務省向けの政策文書の中で「単一通貨圏の正式メンバーであることは、ギリシャの対外安全保障が著しく強化されることを意味している」と書いた。
日曜の選挙の結果がどうなろうとも、欧州の係留装置から切り離されたギリシャでは、国家不安の意識が高まる一方だろう。
By Tony Barber
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「ロイター」から転載。(もういちいち断らないが、もちろん電子版だ。)
シリザ(とでも読むのだろうか。いちいち「SYRIZA」と打つのも面倒だから、これからはそう書く。)は本気でユダ金に喧嘩を売るようだ。
つまり、国家の中央銀行が民間人の所有であるという異常な事態がこれまで見過ごしにされてきたというところに現代資本主義の根本的問題があるのであり、それを各国家が受け入れた時点で国家の経済的主権は失われたわけである。ツィプラスは、この根本的病根にメスを入れると宣言した。これはギリシャのユーロ離脱云々以上に大きな、「経済的原子爆弾」である。もちろん、それで破壊されるのはユダ金による世界支配体制だ。
さあ、いよいよ面白くなってきたギリシャ劇場である。
ギリシャが小国であろうが、関係ない。これは世界を揺るがす「1%対99%の経済的大戦争」の最初の烽火となる可能性があるのである。
たとえ急進左派連合(シリザ)が次の選挙で勝てなかったとしても、ツィプラスがこの提案をした、ということだけでも実はすでに大きな問題提起となっており、これからの世界は、「そういえば、なぜ中央銀行が民間の所有物なのだ?」という疑問や金融支配体制への怒りが怒涛のように沸き起こってくるだろう。
(以下引用)
銀行国有化を提案=ギリシャ急進左派連合
2012年 06月 13日 02:12 JST
ビジネス
[アテネ 12日 ロイター] ギリシャ急進左派連合(SYRIZA)のツィプラス党首は、17日に実施される再選挙後に挙国一致内閣を樹立することを求める提案を退け、選挙に勝利した場合には国内銀行セクターを国有化する考えを示した。
ツィプラス党首は記者会見で「再選挙で勝利した場合、議決権付普通株で銀行の資本増強を迅速に行う」と表明し、「われわれはこれを銀行システムの社会主義化と呼び、預金者が安全と感じられるよう銀行システムを公的管理下に置く」と述べた。
5月の選挙後のような混乱の再発を防ぐため、17日の再選挙後に挙国一致内閣を樹立することを求める声が国内政治家から上がっていることについては、「2回の選挙の結果、国民は明確な方向性を必要とする」と指摘し、挙国一致内閣ではなく左派連立を目指す考えを示した。 -
明日は朝早くから外出する予定なので、今日のうちに明日の分まで掲載しておくことにする。と言っても、ブログを毎日書くことを自分に義務づけているわけではない。それはただの努力目標だし、場合によっては、わざと何も書かないこともある。それは自分が自動化したロボットのように動いているという感じが嫌だからだ。
下記に引用するのは「ヤスの備忘録」というブログの記事である。船井幸雄とも知り合いのようだから、一部では有名な人なのかもしれない。私は「In deep」の記事の中でその存在を知ったが、下に書いてあることは非常に素晴らしい内容である。要するに、誰もが感じていることを明確に言語化したわけだ。これは一見簡単にできそうで、難しいことである。
日本国民は世界でも稀なほど規律や秩序や周りとの調和を重んじる民族だが、3.11以降の政治情勢への怒りは、その沸騰点に近づいていると私は思っている。だが、国民の怒りが行動となって現われるには、国民自身が自分たちの無意識の束縛を知らねばならない。何が自分たちを縛ってきたのかを。そして、それによってこれまで失ってきたものがいかに巨大なものであるのかを。(「絆」とは、実は「束縛」の意味でもあったのだ)
(以下引用)
現在の日本は長期的に低迷しているが、その原因と現状は一般的に次のように説明されている。
超高齢化社会に伴う労働人口の減少で国内市場が縮小してデフレが常態化したため、その分、海外市場に活路を見いださなければならなくなった。だが、中国などの新興国の追い上げで日本の御家芸であった製造業は競争力を喪失し、日本の成長の牽引力が失われた。
他方、環境のこのような根本的な変化にもかかわらず、官僚組織は省庁の利害の維持と拡大に最大の関心があるため、戦後、高度経済成長の実現のために設計され、既得権の原泉と化している旧態依然とした制度にしがみつき、必要な規制緩和など新しい環境に適応するための制度改革を怠った。
制度改革は、省庁の利害と既得権に対抗できる強い政治主導が実現しない限り実行できない。だが、どの内閣も省庁にからみ取られてしまい、結局は省庁の利害が貫徹した政策に変更させられる。国民はこの状況に怒り、制度改革を実行して日本の低迷をくい止めることのできる政治家を探し、政治家と内閣を次々と取り替える。
このような認識だ。
不十分な認識
もちろん、こうした認識が間違っているわけではない。6年ほど前までは、銀行で処理が一向に進まない不良債権が銀行の経営を圧迫し、貸し渋りや貸しはがしが横行したため、実体経済を押し下げているとの認識が一般的だった。
この見方では、日本の製造業は競争力を失っておらず、不良債権さえ処理できれば日本は再度成長軌道に乗れるとしていた。このような見方と比べると、製造業の競争力の喪失にこそ低迷の原因を見いだす最近の認識は、大きな進歩であるとも言える。
だが、すでに日本の低迷は20年続いている。このような認識だけで、この長期の低迷の原因を説明することは難しいのではないだろうか?
なぜなら、労働人口の減少による国内消費の落ち込みや、新興国の追い上げによる主力産業の低迷という事態は、どの先進国も経験している共通した状況であり、日本だけの特殊な事情ではないからだ。他の先進国は、低迷しながらも、それなりに新しい環境に適応し、ある程度の成長を確保している。なぜ日本だけがこれほど長期間低迷し続けているのか説明できない。
もちろん、政権の中枢にまで食い込んでいる省庁の利害と既得権が必要な制度変更を阻害していることは事実だ。これは日本に特徴的な要因だ。
だが、それにしても、バブルが崩壊してからすでに20年も経つのに、なぜいまだに官僚の既得権を打破できないのだろうか?なぜ、変化した環境に適応できる新しいシステムのデザインが実施できないのだろうか?当然、このような疑問が頭をよぎる。
小泉政権の改革
たしかに、2001年から2006年までの小泉政権は、既存の制度の根本的な改革や、既得権の打破、そして大規模な規制緩和を「構造改革」の名のもとに実行しようとした。
この改革で、不良債権の処理が進み、また製造業に契約労働が導入されたため賃金は下落した。その結果、製造業では経営の条件が改善し、新たな成長軌道に乗ることが期待された。日本の製造業復活のシナリオだった。
しかし構造改革は、当初のイメージとは大きく異なる結果に終わった。大幅な条件の改善にもかかわらず、製造業の低迷に歯止めをかけることはできなかった。製造業はさらに低迷し続けた。
また、金融分野の規制緩和は、ハゲタカファンドなど、企業を利益の対象として売買する金融取引を拡大させただけで、日本の金融産業の成長にはほとんど結び付かなかった。
結局、小泉改革は、新たな環境へ適応できる新たなシステムの提示とデザインには失敗した。最終的に小泉改革は、セイフティーネットの縮小や、製造業への派遣労働解禁による極端な格差の拡大など、あまりに大きいマイナスを作り出して終わった。
既得権の存続
もちろん小泉改革以後も、公共の組織のあらゆる分野にはびこる既得権は、そのまま存在している。省庁が既得権の維持と拡大を優先に決定を行う状況はほとんど変化していない。
簡保の宿を信じられないような価格で買おうとし、未遂に終わったオリックスなどが典型だが、内閣諮問委員会に結集した一部の企業への国民資産の投げ売りや、財務省への権限の集中などで、既得権は排除されるどころか、既存の集団から新しい集団に移行するだけの結果に終わった。既得権は、小泉改革で消滅するどころか、逆に強化されたとも言える。
この既得権を維持し拡大するための構造がいかにすさまじく、徹底したものであるかは、3.11と原発事故、そしていまも続いている放射能漏れがもっとも象徴的に暴き出している。
それらは、官僚と電力会社、政治家が作った原子力安全神話の大ウソ、天下りポストを提供する電力会社と経済産業省の癒着、原発の監督機関であるはずの原子力安全・保安院における経済産業省の官僚支配、報道機関に役員を送り込む電力会社の支配などである。
既得権の維持と拡大は、すでに日本の公共のシステムの機能に組み込まれてしまっている。この構造が日本にとっての危機であることは間違ない。これを排除できるシステムの構築なくして、日本の再生はない。
危機と国民の怒りの集団行動
ところで、日本は幾度となく危機を向かえている。明治維新や敗戦はそうした危機だが、比較的最近の歴史でも実は危機は何度もあったのだ。
どの危機にも特徴的なことは、危機のたびに国民は怒りをあらわにして立ち上がり、政治の方向性に大きな影響を与えたことだ。
1950年代に大変な盛り上がりを見せた労働運動では、終身雇用制の慣行を広い産業分野に定着させ、その後に続く高度経済成長の基礎になった。60年代の安保闘争は岸内閣を倒し、次の池田内閣で高度経済成長計画を立案させた。また70年代の公害闘争は、公害の実質的な解消に向けての数多くの規制を実現させた。どぶ川と化していた神田川は、いまでは魚が住む川に変わっているが、こうした変化をもたらしたのは行政が公害を規制したからだ。
このように、国民の怒りの直接行動が政治の方向が大きく転換するきっかけとなり、日本の将来の決定に大きな影響を与えたことは間違いない。
この事実を見ると、既得権を打破し、根本的な制度変更を実施するためには、かつてのような国民の本格的な怒りに基づく直接的な行動がどうしても必要になるはずだ。
特に、3.11以降、日本は待ったなしの危機的な状況にある。そのような状況においてさえも明らかになるのは、省庁の既得権の維持と拡大に3.11を利用する官僚やこれと癒着した原子力産業の実態だ。この構造を根本的に打破できるのは、国民の直接的な怒りの表明しか道は残されていない。
すでに多くの日本人が怒っている。しかし、ものすごい怒りを抱えているにもかかわらず、日本人は怒りを行動として直接的に表現できないでいる。
なぜ我々は、50年代の労働運動や、60年代の安保闘争、そして70年代の公害闘争のときのように怒りで行動できないのだろうか?国民の怒りの集団行動があったならば、いまの危機的な状況は変化しているはずである。
なぜ、我々は怒り行動できないのだろうか?
我々自身の心理が引き起こす矛盾
我々が怒りで行動できない理由を考えると、意識されていない事実を認識しなければならなくなる。それは、いまの危機を作り出している最大の要因は、実は我々自身だという事実だ。
このように言うと驚くかもしれないが、当たり前のことを指摘しようとしているだけだ。現代日本人の社会的現実にかかわる方法と態度が、既得権を打破できる指導者の出現を不可能にさせ、また、新しい環境に適応したシステムの実現を阻んでいる最大の原因だということだ。
不行動の原則
この態度とは、集団的な直接行動を通して社会的現実を変更することを放棄する態度のことだ。日常と社会的現実の分断を受け入れ、なにも行動しないことを選択する態度と言い換えてもよい。つまり、不行動の原則である。
日本では、他の国々のように、正しいか間違いかという倫理的な基準で集団的な行動をすると、「片寄った考え方」、「左翼」などのレッテルが貼られ、社会的な行動は封殺される。いかなる場合でも、社会的現実を変革する直接行動は、不適切と判断され、行動を謹むように言われる。なんらかの行動を通して社会の現実の変革を試みるものは、日常の安定の破壊者として排除される対象になる。
刻印された心理のかたち
この不行動の原則が一般化している理由は、我々の心理に、「何をやっても変わらない」という強い諦念が存在しているからだ。この諦念を共有し、社交的な会話では直接行動を呼びかける話題には一切触れないのが、日本では成熟した社会人とみなされる重要な条件である。
もちろん3.11以降、このような余裕は許さない切迫した状況にある。この状況を打破するためには、我々が直接行動に訴えて、政府機能の中枢が既得権を最優先するグループにコントロールされ、実質的に機能不全を起こしている状況を変革しなければならない。そうしなければ、日本という国の継続さえも危ぶまれる状態に追い込まれることは間違いない。
それはだれでもよく分かっている。しかし、直接行動を一瞬でも真剣に考えると、「何をやっても変わらない」という思いが、心の底から込み上げてくる。この思いが一度込み上げると、すべてのエネルギーが失われ、とてつもない諦念が身体を駆け巡り、現実を変革する力が失せてしまうのだ。
こうした心理は、多くの日本人が共有しているものだ。したがってそれは、特定の宗教やイデオロギーを信じた結果として形成されたものとしては考えにくい。個人の思想や信条にかかわりなく、日本人であれば身体的に起こってくる自然な反応だからだ。
とするなら、この心理を形成したものは、我々が日常行っている当たり前の行為の中にこそあるはずである。繰り返される日常の行為を通して踏み固められ、身体に刻印された反応であればこそ、意思ではコントロールできないほど強い力を発揮する。ボールが顔に向かって飛んでくると咄嗟に避けようとするが、それと同じくらい咄嗟の自動化された反応なのだ。そうではないと、社会の現実を変えるために動こうとするときに沸き起こってくるこの諦念の強烈さは説明できない。
すべてがゲームのように進行する
刻印された諦念の心理と、社会的直接行動を否定する不行動の原則を前提にすると、どんな社会的な問題もショーと化してしまう。それはこんなふうに上演される。
まず、なんらかの政治スキャンダルや政治的な問題が明らかとなる。それは、政治家の不祥事、談合、癒着、公共組織の私物化などであったりする。
そして、マスメディアの追求で、問題の背後には原因となる同じ構造が発見される。それらは、省庁の省益拡大と天下り先の確保を意図した官僚の暗躍、政務を官僚に依存し官僚に支配される政治家のあり方、そして公共の利益そっちのけで党利党略に奔走する政治家の行動などである。
裏の事実が明らかになると、観客である国民の対応も決まっている。決まり切ったブーイングの嵐である。「いまの総理じゃだめだ」、「国民のことを考えるリーダーに変えるべきだ」、「官僚機構の改革こそ必要だ」、「政治利権を根絶しないとだめだ」、「党利党略の政治家は去れ」などである。どの野次も耳にタコができるほど聞いたものだ。どこの酒場でも聞ける。
そして、こうしたブーイングが国民の間から激しく起こるたびに、謝罪とともに当事者が処分される。その後は「政治改革」、「制度改革」などあらゆるタイプの改革がスローガンとして掲げられ、その実行を約束する政治家の決意の発言が相次ぐ。「私は身命にかけて実行して見せます!」、「改革はかならず実行します!」などと連呼する声が聞こえる。
さらに数カ月もすると、我々は同じ演目の上演に飽きてしまいブーイングの嵐も改革の連呼もピタッと収まる。すると、なにごともなかったように事態は進行し、だいぶ後になってから、結果的には状況は何も変わっていないことが明らかになる。そのときには新しい演目が上演され、観衆は同じブーイングを繰り返し、政治家も同じ決意を連呼しているというわけだ。
これは、はじめからすべての筋書きが決まった演劇だ。社会的な現実は、演劇のシナリオに合致するようにマスコミの手によって様式化され、それに対する人々の反応もパターン化される。
そして、いつものように出発点に戻り、政治家の首を付け替える。「真のリーダーはいつ現れるのか?」という変わり映えのしない声が空虚にこだましている。盛んになるのは「リーダーシップ論」だけである。
これが、社会的現実を変革する直接行動の断念を前提に、現実とかかわる我々の態度が生み出す状況なのだ。つまり、すべてが様式化した演劇のようなプロセスと化してしまうということだ。
この悪循環をすでに20年は繰り返している。この空虚な行為を我々はいつまで続けるのだろうか?
生み出され続ける無変化の日常という幻想
このプロセスでは危険な幻想が生み出される。結局、社会的現実の提示がショーと化す限り、次第に忘却が進みリアリティーが失われてしまう。この結果、現実的であるはずの日常を生活者として生きることが、社会的な現実から目を背け、危機感をマヒさせることになる。
これは、日常の現実に生きることが、実は凄まじい幻想の世界に生きることになるというパラドックスを生むのだ。このプロセスが生み出すものは、日常的な現実が無変化のまままったりと続いて行くという日常幻想の継続である。
日本に生きる我々の多くは、この日常幻想にいわばからみ取られたような状態にあると言ってもよい。放射能漏れなどのような、どんな社会的な危機が起ころうとも、テレビはいつものお笑い番組やグルメ番組を流し続け、街のショッピングセンターには家族連れが買い物し、場末の酒場ではいつものサラリーマンが仕事の愚痴を言っている。こうした無変化の日常に籠もると、外部で何が進行していても、すべてが幻影のように見えてしまう。
これが不行動の原則が生み出した日常幻想の姿だ。これにからみ取られると、社会的現実に対するリアルな現実感覚は喪失してしまうのだ。この喪失は、さらに不行動の原則を強化し、社会問題ショーの上演を通した同じ循環を繰り返す。これは大変に危険なことだ。 -
「ニューズ・ウィーク」電子版から転載。
アメリカの雇用問題について、雇用統計の数字に一喜一憂するより、その構造的問題に目を向けるべきだという主張の記事の一節だが、問題は、「では、どうすればいい?」という疑問に答えていないところだ。
そして、この問題は欧州の長期的低落の原因でもあり、現在の日本の抱える問題でもある。
つまり、「製造業にはもはや労働者などほとんどいらない」のである。
経済発展中の中国や東南アジアもやがて同じことになるはずだし、もはやなりかかっている。
すなわち「低賃金労働者の豊富な国が次の経済的発展国家になる」というセオリーはまもなく終了するだろう、ということだ。
では、「衰退した製造業を抱える国家を救う道」は何か。
それが製造業に補助金を出すことなどでないのは明らかだ。国家が、破産しそうな製造業に税金を投下して、その企業が救われた例はないだろう。その金は経営者や株主は救うが、その企業を救いはしない。つまり、先進国の製造業が中進国・後進国に製造現場を移転し、先進国内の製造業が衰退するのはほとんど定理である。
問題は、その後、その先進国がどうするべきかについては、驚いたことにまだ誰も答を出していないということだ。アメリカのIT革命や金融国家への転身が失敗したことは、まだこの問題への答は出ていないということである。
私が言えるのは、誰もまだ問題そのものを直視していなかったということである。
そして、「問題の所在さえわかれば、問題の半分は解決したも同然だ」という楽観主義を私は持っている。
この問題の解決は、「第一次産業の健全な工業化」にある、と私は考えている。「工業的第一次産業」と言ってもいい。第一次産業は本来は労働集約的産業だから、その隆盛は労働者の雇用問題を解決する。そして、現在の第一次産業が「不自然な工業化」をしたために不健康な食物を生み出し、人々を不健康にしていることを考えれば、現在の科学力を食物生産の面でもっとまともな方向に使えば、先進国は健全な国家として蘇ることが可能だと私は考えている。
(以下引用)
雇用の製造業離れはもう数十年も続いており、今世紀に入ってますます勢いを増している。もし製造業が復活したとしても、雇用はさほど増えないだろう。
ロボットやジャスト・イン・タイムのような生産システムを駆使した最新の生産現場では、高度な技術を持つ労働者が少数いれば足りるからだ。
つまり、雇用創出の大半は依然として家政婦やウエートレスなどの低賃金労働ばかりということになる。 -
今日二度目の投稿になるが、重大な情報かと思うので、備忘のためにも転載しておく。
大雑把に言えば、私にとって世界政治や世界経済は、いわば学術的(というより趣味的)研究の対象、日本の政治は生活に直結する問題だ。で、面白いのは当然前者なのだが、日本の政治の行方はそのまま生活に響いてくる。
鳩山が退陣し、その後が菅総理、野田総理になったために日本政治が小泉時代に戻り、日本の庶民生活は再び破壊されつつある。
政治は我々の生活の土台なのであり、政治に興味が無い、などと言う人間、選挙で平気で棄権する人間は社会人、あるいは責任ある社会人の意味での市民たる資格は無いのである。まあ、そういう奴隷的ロボット的白痴的人間を膨大に生みだすことこそが学校教育の隠れた目的であったわけだが。
余談が長くなった。
野田総理が原発再稼働を決定した時、あるいは消費税増税法案の採決を図った時に小沢は離党し、新党を立ち上げる、というのは重大情報である。もちろん、こういう重大情報を小沢側近が外部の人間に漏らした、というのは、それ自体が野田総理牽制の意図を持ったリークだろう。(天木のような大甘の「甘木」先生を利用するのは、小沢レベルの政治家なら当然の権謀術数だ)
で、原発再稼働はすでに決定したが、小沢は動かなかった。ならば、消費税増税法案採決という事態こそが「その時」になるのは確実だろう。
さてさて、日本政治もいよいよ風雲急を告げてきた、という感じである。
これはこれで面白いではないか。少なくとも、これで政治的閉塞状況は打開されそうだ。
(以下「阿修羅」より引用) *元記事は天木直人のブログのようだ。
小沢側近の議員と称する議員と、これまで何人か会う機会があったが、
その中でもこの議員は新生党以来の小沢議員との付き合いで、かなり近い
議員であることがわかった。
新党きずな結成時の驚くべき秘話もはじめて知った。
もちろんこの議員とは初対面であった。面識もないのによく会ってくれた
と思った。
私がどのような事を話した、質問したかについては、いつも私が
メルマガで書いているようなことなので読者には想像がつくと思って省略
させていただく。
一言で言えば、国民のために立ちあがって欲しい。政局ではなく政策で
国民のための政治をして欲しい。それを国民が見える形で示して欲しい。
小沢一郎みずからが総理となる小沢政権を目指して欲しい。というものだ。
そしてここからが彼が私に語ったことだ。
小沢は覚悟を決めている。みずから先頭に立つ。小沢新党を立ち上げる。
そのために作ったのが新政研だ。新政権がそのまま新党になる。
問題はそのタイミングだ。早くても遅くてもダメだ。ベストのタイミングで
行なう。
6月中に決断の一つのヤマバが来る。それは野田首相が原発再稼動を決断した
時か、消費税増税法案の採決に踏み切った時だ。野田首相がそうするかどうか
はまだわからない。そうなってもその時に新党宣言をするかどうかも
わからない。しかし必ず新党はできる。タイミングはベストの時を選ぶ。
政策は消費税増税反対、脱原発、対米従属からの自立は、天木さんの
言うとおり、小沢も同じ考えだ。しかし小沢派の議員の中には意見の幅がある。
最終的に天木さんが望むようなマニフェストになるかどうかはわからない。
政策については私はこういった。もちろん私の言っている通りでなければ
いけないというつもりはない。しかし自民・民主大連立の政策に対する
対立軸でなければ国民にはわかりにくいものになると。
ちなみにその議員は憲法9条改憲論者であったがこの点については
それ以上の議論はしなかった。
問題は政権をとるための手法である。
彼はこう言った。
今度の戦いは最後の戦いであり、政権を取りにいく戦いだ。
すべての選挙区で勝てる候補者を立てる。そのためには協力できそうな政党、
政治家に声を掛ける。勝つためには使えるものは何でも使う。毒も食らう。
それが小沢の考えだ、と。
ここまで言われればもはや私は何も言えないし、政治家でもない私が
とやかく言うものでもない。
私が言ったことは、そこまでの覚悟があることを頼もしく思う。
一度は小沢政権を実現して欲しい。
小沢氏みずからが一度は首相になってもらいたい。
その実現のためならあらゆる応援をすると。
そこで次の興味ある発言がでてきた。
すなわち小沢一郎自身がみずから総理になる事についてはまだわからない。
小沢自身は必ずしも総理になりたいと思っているわけでもなさそうだ、と。
私は日頃私が抱いている疑問点をぶつけてみた。
すなわち輿石、鈴木、河村、橋下、石原などとの関係はどうかと。
結論から言えば政権を取るため(選挙に勝つため)には誰とでも協力関係
の可能性を探るということだ。
さすがに石原慎太郎との可能性は言わなかった。
そのかわりこう言った。すなわち石原慎太郎は息子の応援が最優先だから、
石原新党はない、と。
輿石、鈴木宗男との関係は良くも悪くもない。輿石と小沢はもはや考えは
離れているがお互いがお互いを利用する関係だ、と。
鈴木宗男は北海道だけの政党だから好きなようにやらせておく、と。
いずれもこちらから敵対関係になる必要はない。小沢新党が勝つために
何が最善かを考えて行動すると。
渡辺、河村、大村、橋下との関係もまさに同じだ。
つまりあらゆる可能性を探るということだ。
ここまで書いてきて、果たして読者はどういう印象をもってこのメルマガ
を読まれただろうか。 -
「村野瀬玲奈の秘書課広報室」から転載。
一般人がこういう海外記事を自分で翻訳し、社会に伝えられる、というのがインターネット時代の最大の利点であり、また統一的人民洗脳装置である大マスコミとは異なる視点からの様々な発言が読める、というのがネットの素晴らしいところだ。
下記記事は、日本の大手マスコミではほとんど黙殺されると予想できる。意図的に握りつぶされるニュースは無数にあるのである。
だが、こうしてネット上に出れば、やがてそれは拡散していく。たった一人の言葉が、社会全体を動かす可能性がネットにはある。
「発言しても無駄だ」「シカタガナイ」「物言えば唇寒し」というあきらめ、政治的言論的敗北主義が社会を覆っていた時代は過ぎつつあると私は考えている。
さて、下記記事は言うまでもなく、社会主義的政策がフランス国民の多くの賛同を得ているということである。私が言うところの「制限付き資本主義」である。
金は力であり、金持ちは自分の取り分を増やすために政治を利用するものだから、無制限な自由は「金持ちだけの自由」になる。それが新自由主義である。
したがって、自由には制限が必要であるのは当然だが、その制限とは経済面からは所得の再配分をすることであり、それがすなわち社会主義的政策なのである。
われわれはいい加減に社会主義という言葉へのアレルギーを捨てねばならないはずだ。それは、社会主義思想の発生段階に戻り、その多様性を知り、マルキシズム的社会主義と訣別するということでもある。つまり「プロレタリア独裁」などの暴力的発想を捨てるということだ。
寛容と調和、他者の不幸への同情こそが社会主義の本質であり、「世界がぜんたい幸福になるまでは個人の幸福はありえない」という観音の大慈悲、キリストの大慈悲、宮沢賢治の大慈悲にも似た思想なのである。
(以下引用)
Entries
経営者給与の制限を目指すフランス
ジャンル : 政治・経済 スレッドテーマ : 生活保護
フランスのフランソワ・オランド政権の与党社会党は、一つ一つ公約の実行に向けて進んでいます。
今、日本では、生活保護不正受給は許せないと叫び、不正受給を許すなと称して生活保護受給者を叩いて、受給者をさらに追い詰めて罪悪感を持たせ、受給額をさらに減らそうと貧困者いじめに政官民マスコミあげて必死のようです。
ところがフランスでは今、大統領選で左派側の公約だった、「企業経営者の給与に枠をはめる政策」の実行に向けてジャン=マルク・エロー社会党内閣が動いています。
「企業経営者の給与を企業内の最低給与の20倍に制限する」ことを公式の選挙運動ビデオクリップでうたっていたのが、左派戦線(左派党、共産党)のジャン=リュック・メランション候補でした。経済を新自由主義や市場原理主義にまかせていたら富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなり、そのことが社会に悪影響を及ぼし、まわりまわって経済をも不調にするからです。ビデオクリップ動画と一緒に、メランション氏の主張をこちらに記録してあります。まず、もう一度読みましょう。
■フランス大統領選:各候補の公式テレビスポット
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-3357.html
2012-04-15
(前略)
▼Jean Luc Mélenchon ジャン=リュック・メランション (左派、左派戦線(左翼戦線)、左派党(左翼党)(共産党が支援))
Jean-Luc Melenchon : clip officiel de campagne 2012
http://www.youtube.com/watch?v=Pv3N6XDAkbM
「富を分け合おう」
「私たちの労働と知性によって、私たちフランスは1981年に比べて富を2倍に増やしました。しかし、この国の中のどこに行っても、路上や車の中で寝ている人々に出会わない時はありません。800万人の貧困者がいて、そのうち300万人は労働者です。家賃を払おうか病気の治療をしようかと迷わなければならないとしたら、あるいは、子どもの食べ物を買うのが先か電気料金の請求書を払うのが先かを考えなければならないとしたら、尊厳をもって生きているとは言えません。日曜日も働くことを余儀なくされていたり、細切れの労働時間で働かなければならなかったりする女性や男性たちにも注目しましょう。彼女たち彼たちは、どのように子育てをして、子どもたちといっしょにほんの少しのシンプルな幸せを味わうことができるでしょうか。そして、安定した職を得るために平均して10年以上もかけなければならない若者たちはどうでしょうか。ほかに手段がなければ、これらの現状に甘んじなければならないのでしょうか。しかし、これは運命ではないのです。これは、権力者たちが富を分け合うことを拒否していることの直接的な結果なのです。30年間で、私たちの国の生産の10ポイントが労働者のポケットから株主のポケットに移りました。この分は、年間2000億ユーロにのぼります。左派戦線とともに、私はこの分を取り戻すことを提案します。私が当選したあかつきにはすぐに、私は最低給与を税引き前月1700ユーロ(約18万円)にします。これは、労働時間1時間あたり2ユーロの賃上げに相当します。新自由主義者たちはすでに私たちに、それは多すぎだと言います。しかし、月1094ユーロ(約11万5000円)でどうやって生きていけというのか、彼らに示してもらおうではありませんか。左派戦線はまた、最大給与制度の創設を提案します。それぞれの企業内で、最も高い給与は最も低い給与の20倍を超えてはならないという制度です。これでもまだ、大きな幅が残っています。しかし、この制度によれば、自分の給与を上げるためには経営者も労働者の最低給与を引き上げなければならなくなります。私たちはまた、国の中で許可される最大給与の創設も提案しようと思っています。最大給与は一人当たり36万ユーロ(約3800万円)を超えてはなりません。民主国ならば、際限なく金持ちになることを許容できないのです。直接税(の累進税率)はなめらかにします。なぜなら、所得税の税率を14段階に増やすからです。累進税率を適用しますから、中間層に配慮したものになります。おわかりのように、意思があれば、富を分け合うことは可能なのです。お金はあります。必要なのは、お金をすべての人に奉仕させるようにすることです。」
http://www.placeaupeuple2012.fr/
http://www.jean-luc-melenchon.fr/
https://twitter.com/#!/melenchon2012
http://fr-fr.facebook.com/JLMelenchon
(翻訳転載ここまで)
(後略)
(引用ここまで)
メランション氏は社会党内閣には参加していませんが、経営者給与の制約という主張は社会党の政策と同じ方向性を持ち、オランド大統領も選挙戦で経営者の給与の制限を公約にかかげていました。そして今、ジャン=マルク・エロー社会党内閣がその実現に向けて働いています。
A社という会社があるとします。A社の社長の給与とA社で一番安い給与で働く者との給与差を20倍以内におさめるようにというのが趣旨です。経営者の給与の取り過ぎを抑える意味があるます。同時に、経営者が自分の給与を上げたければ、自社内の最低給与も同時に上げなければならないということなのです。企業の競争力のためと称して従業員の給与を減らしつつ経営者がちゃっかり自分の報酬を増やすことをやめさせるための方法です。
これは正義感の皮をかぶった嫉妬とサディズムに駆られた日本の生活保護受給者バッシングとは全くちがって、高額所得者へのバッシングではなく、大きすぎる貧富の差を是正して富を社会全体で分かち合い、経済の果実を社会全体に回すための冷静な政治のステップの一つなのです。
では、5月末から6月初めにかけてのフランスの報道を見てみましょう。
●Europe1.fr
La baisse du salaire des patrons se précise
経営者の給与低減が具体化へ
http://www.europe1.fr/France/La-baisse-du-salaire-des-patrons-se-precise-1105361/
Par Europe1.fr
Publié le 29 mai 2012 à 18h37Mis à jour le 29 mai 2012 à 19h37
ジャン=マルク・エロー首相は経営者の給与低減を「現在の契約に適用」。
これは、フランソワ・オランドの大統領選の公約の一つであった。大企業の経営者の給与の低減が火曜日に表明された。首相府(マティニョン宮)で社会パートナーの会議が終日行われていた間、新首相は、社内の給与差の低減は公益企業にも私企業にも及び、「現行の雇用労働契約」に適用されると発表した。
社内の最高給与と最低給与の差は20倍に制限される
首相は、社内の最高給与と最低給与の差は20倍の範囲に制限されると発表した。「政治・経済のエリートが規範を示すことが経済危機の中で求められているということを経営者たちは理解できるだろうと、私は彼らの愛国心を信じています。」と、レクスプレス誌へのインタビューでジャン=マルク・エロー首相は述べた。
しかしながら、経営者の給与の制限は、実行に困難を伴うことが予想される。フランス国有鉄道(SNCF)、フランス森林局(ONF)や原子エネルギー庁のような100%公共企業はその経営者報酬を適正に抑えているが、私企業の一部では必ずしもそうではないからである。
ル・パリジャン紙が最近公表したように、私企業分野の経営者4名の年給与はフランソワ・オランドが求めた、税込みで335,600ユーロ(現在のレートで約3300万円)の枠をかなり超えている。フランス電力公社(EDF)のアンリ・プログリオ社長(年160万ユーロ)、アレバのリュック・ウルセル社長(年679,000ユーロ)、郵便会社(ラ・ポスト La Poste)のジャン=ポール・バイイ社長(年635,974ユーロ)、パリ空港会社のピエール・グラフ社長(年616,834ユーロ)は給与をかなり下げる方向で見直さなければならなくなるだろう。ここでのパラドックスは、企業社長はその部下よりも給与額が下になる可能性もあることである。
現在の雇用労働契約に適用
(中略)
「フランス国民は5月6日に大統領選の投票で意思表示をし、企業経営者たちは選挙結果を尊重する。」とジャン=マルク・エロー首相は述べ、共和国大統領、首相、閣僚の給与も低減されたと繰り返した。
ルモンド紙によれば、フランソワ・オランドのこの公約は5月末に実行予定になっている。大統領の最初の一年に予定されているスケジュールによると、この公約は政令の形をとることになる。
(転載ここまで)
●Le Figaro
Salaire/PDG:les Français pour la baisse
経営者給与の低減にフランス国民は賛成
http://www.lefigaro.fr/flash-eco/2012/06/01/97002-20120601FILWWW00545-patrons-80-pour-baisser-les-salaires.php
Mis à jour le 01/06/2012 à 17:16 | publié le 01/06/2012 à 16:58
i-Téléのために実施されて今日結果が公表されたTNS Sofres/Sopraの世論調査によると、フランス国民の80%が公企業の経営者の給与の低減に賛成し、最低給与額上乗せをするという予告に64%が賛成している。10%のフランス国民だけが前者の政策に反対し、23%のフランス国民だけが後者の政策に反対している。無回答はそれぞれ10%と13%だった。
また、18歳になる前から働き始めた労働者のための60歳定年(年金支給開始)の復活にはかなり賛成意見が集まっている(59%)。31%が反対、10%が無回答。
(後略)
(転載ここまで)
これこそが市場やカネよりも人間を大切にする尊厳ある政治であり、貧富の格差と真に闘おうとする国家指導者の正当なリーダーシップです。
みなさん、今の日本とは全然違う政治は可能なのだと思いませんか?
みなさん、応援したくなる政治とは、こういう現在のフランスの政治ではないでしょうか?
こういうフランスの政治動向こそが、消費税上げと社会保障縮小と経営者優遇で貧富の格差を拡大しようとする政治を政官経済マスコミこぞってしつこく目指す日本でももっと報道されるべきだと思いませんか?
日本の政治経済のリーダー、あるいは今の政治不信に乗じて大阪から国政を乗っ取ろうとする橋下徹・大阪維新の会の言葉とはあまりにも違うジャン=マルク・エロー首相の言葉をもう一度、大声で読んでみましょう。
『(給与の低減によって)政治・経済のエリートが規範を示すことが経済危機の中で求められているということを経営者たちは理解できるだろうと、私は彼らの愛国心を信じています。』 -
「イランラジオ」というサイトから転載。(こう書かないと「ラジオ」を聞いて書いたかと思われそうだ)
今日の「つむじ風」ブログも面白かったが、何となくベンジャミン・フルフォードたちの言う「ホワイト・ドラゴン」がどうのこうのと同じ匂いがしたので、そちらはやめておく。田中芳樹の小説ならドラゴンの化身たちがこの世の悪の組織をぶっ倒すという痛快な話も「あり」だが、現実にそんな中国マフィアめいた名前の「正義の」組織が存在するとは信じ難いのである。
まあ、ロス茶やらが倒れるのは、案外と普通の検察官や政府官僚の正義心と勇気によってだろう、と思う。つまり、彼らの悪事を法的に堂々と追及するだけのことだ。これまでは連中の影に怯えて手だしをしなかったのが、実際に対峙してみれば、案外と簡単に倒せた、ということになるんじゃないかな。アル・カポネには警察も手が出せないと思われていたが、脱税で起訴したら簡単に刑務所にぶち込めたという例もある。ロス茶やらロックフェラーの脱税など膨大なものだろうし、その気になればいくらでも起訴できるはずだ。
前置きのつもりの話が長くなりすぎて、これなら「つむじ風」を転載すればよかった気もするが、まあ、あちらは希望的観測を絵に描いたような話なので、今日は「イラン・ラジオ」から転載する。
こちらは現役大統領の発言だから、情報そのものとしては確実だが、話が抽象的だ。「世界は、公正な体制の樹立、各国の国民の利益に向かっている」とは、具体的にはどういう事実が背後にあるのだろうか。その部分は謎だが、あるいは何かの新しい事態が起こっているのではないか、という期待を持たせる発言ではある。
今日の記事タイトルの「世界」にカギカッコをつけたのは、言うまでもなく、では「日本」は? という皮肉だ。
(以下引用)
2012年 6月 08日(金曜日) 17:48
イラン大統領、「世界は公正な体制に向かっている」
イランのアフマディネジャード大統領が、「国際情勢は、公正な体制の樹立に向かっている」と語りました。
アフマディネジャード大統領は、香港のフェニックステレビ(鳳凰衛視)のインタビューで、「世界は、公正な体制の樹立、各国の国民の利益に向かっている」とし、「皆で協力し、現在の国際体制の問題解決に向けて努力すべきだ」と強調しました。
また、近年の科学技術におけるイランの急速な発展について説明し、「イラン国民の発展は、国際体制の改革の枠内におけるものである。だが世界の大国は、この発展が自分たちの有利には働かないと考え、圧力や脅迫により、イランの成長を妨げようとしている」と語りました。
また、核活動を行うというイランの立場は完全に明らかだとし、「この活動は、IAEA国際原子力機関の監視下で行われている」と述べました。
さらに、イランと中国の数千年の文明の歴史について触れ、「両国は、栄誉ある歴史を歩んできた。この数年は、両国の関係において、信頼が増しており、協力が拡大している」と強調しました。
アフマディネジャード大統領は、シリア情勢についても、「イランはシリアへの軍事介入には反対であり、外交的な対話が、この国に平穏を取り戻すための唯一の方法だと考えている」と述べています。
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「日刊ゲンダイ」電子版から転載。
この記事は案外大きな影響力を持つのではないだろうか。表ジャーナリズムに前法相のこの大胆な発言が公表されたことは、今後の小沢裁判に好影響を与えそうだ。「ゲンダイ」は良くやったと誉めるべきだろう。そして小川前法相もよく語ってくれた。
四大紙がこぞって小川前法相の「指揮権発動未遂」を、まるで不埒な行為であるかのように非難していたことに、全国民のどれだけの割合が違和感を持ったのだろうか。
マスコミが揃って合唱すれば、その発言がまるで正当であるかのような雰囲気が醸成されていく、これは太平洋戦争にのめり込んで行った時の日本と同じである。
卑近な例で言えばAKBの「総選挙」も同じことであり、電通とマスコミの意思で国民はどのようにでも動かせる、というわけである。
去年の3.11で、社会の真実(原発などの詐欺的システム、政治の国民無視システム)が国民の目の前で明らかになり、ネットなどでは今の日本が抱える社会悪への批判が大胆に発言されるようになって、そうした「洗脳システム」はしばらく鳴りを潜めていた。
だが、再び電通とマスコミによる洗脳システムは国民を眠らせつつある。
これは、数年前の民主党による政権奪取の時と同じである。
あの時も国民は日本を変えようとした。そしてそれに一度は成功しかかったのである。だが、民主党内クーデターにより、鳩山・小沢は転落し、偽民主党が政治の実権を握った。国民はそれを為す術もなく眺めていた。と同時に、マスコミによる洗脳によって「やはり民主党は駄目だ」「政権交代など無駄だった」と考え始めたのである。
私はあえて、これは国民が悪い、と言おう。騙すのは、それで利益を得る連中の行動なのだから、騙すのが当然である。騙されるほうが悪いのである。
日本人は、あまりに人が良すぎる。平地に波風を立てるのが嫌いだ。だが、このままでは永遠に何も変わらないだろう。
AKBくらいはいいか、と考えていると、足元の波はやがてあなたの足場のすべてを奪い去るだろう。
(以下引用)
• インタレストマッチ –
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「指揮権発動」発言の真相 小川敏夫前法相直撃インタビュー
【政治・経済】
Share71
2012年6月6日 掲載
「記憶が混同」の言い訳は通用しません
<地に落ちた検察の信頼はこのままでは回復しない>
東京地検特捜部による小沢事件の捜査報告書捏造問題。小川敏夫前法相が4日の退任会見で、突如「指揮権発動」を検討していたことを明らかにし、大騒ぎだ。小沢嫌いの大新聞は「政治介入」と批判的な論調一色だが、「ちょっと待て」だ。このままでは、検察は“捏造検事”を「不起訴処分」にし、組織的犯罪にほおかむりして幕引きを図るつもりなのは間違いない。そうさせないために法的根拠にのっとった“強権発動”は、検察改革に役立つのなら結構なことだ。小川前法相を直撃し、真意を聞いた。
捜査報告書を捏造した田代政弘検事は、「逮捕中のやりとりなどと記憶が混同した」と故意を否定し、検察当局もそれを「合理性がある」と認めようとしている。しかし、小川前法相はそこに疑念があると言う。
「捜査報告書の“架空”部分を見れば、『記憶違い』などあり得ないことは明らかです。石川議員が録音したやりとりと照らし合わせて確認しましたが、まず、捜査報告書では『石川議員が調書を取ることを拒否しているため説得した』としています。が、実際は石川議員は調書を取ることに『分かりました』と答えている。さらに、『検事から“ウソをつくようなことをしたら、選挙民を裏切ることになる”と言われたことが効いた』という実際になかったやりとりは報道でも有名ですが、架空部分はこの一節だけではない。この部分に関わる報告書2ページ以上にわたるやりとりが全て作り話でした。『記憶違い』というのは、どう弁解しようとも通用しません」
この捏造問題については、小沢裁判の1審判決で裁判所も、検察の体質を厳しく批判し、作成経過や理由についての徹底調査を求めている。
「裁判所は(検察)組織の問題だと言ったのです。検察はそれを無視している。そもそも『記憶違い』という前提で捜査を進めること自体が間違い。田代検事が意図的に捏造したという前提でどこまで捜査をやったのか。裁判所の指摘を認めてしまうと大変なことになると、検察は逃げた。これでは地に落ちた検察の信頼は回復せず、国民にソッポを向かれてしまいます」
裁判官、検察官、弁護士の経歴を持つ小川前法相が野田首相に「指揮権発動」を相談したのは5月11日とみられる。その日は了承を得られなかったが、継続して首相を説得するつもりだったという。
「検察が内部の問題で何かかばっていたり、躊躇(ちゅうちょ)しているようであれば、それをやらせるのが法務大臣の役割であり責任です。『指揮権発動』は法相の専権事項。総理の了承がなければ、自分の判断で政治生命をかけてでもヤル気でした。退任会見で明らかにしたのは、問題提起が必要だと思ったからです」
検察は先月中に、田代検事を不起訴にし、「戒告」など行政処分だけでお茶を濁そうとしていた。この問題を少しでも早く闇に葬りたいのだろうが、なかなか処分が決定しないのには小川前法相の存在も関係していたようだ。
「捜査は検察の専権ですが、人事上の処分は法務大臣の権限です。(不起訴と行政処分を)同時にやろうとすれば、僕がOKしなければできなかった。マスコミのリーク情報で『処分は5月末』としていましたが、5月中には出ないワケですよ。今後は、法務委員会で追及していきます。捜査については聞けなくとも、人事上の処分については、どういう不祥事があったのか国会で質問できますからね」
前法相がここまでハッキリ問題を指摘しているのだから、検察は“無傷”で生き延びられるはずがない。新任の滝実法相は、重大に受け止めるべきだ。大臣が交代して、すぐ大甘処分が出たとしたら、滝新法相は完全にナメられていることになる。 -
昨日の続きである。
まあ、松下政経塾がホモの集まりだろうが、そんなのはどうでもいい。それがただの権力亡者の集まりだから問題なのである。そういう連中に、手っ取り早く政治家になるノウハウを授けた結果が、今の日本政界の惨状なのである。世界支配層から見れば、日本の土人どもをうまく操ってやったというところだろう。
だが、今日の山科恭介のブログにあるように、鳩山が何か考えている気配がある。さて、日本というノアの方舟から飛び立った鳩は、オリーブの枝をくわえて戻ってくることができるだろうか。
日本政界も変動の予感があるが、まずは前回の続きから。
(以下引用)
稲盛財団が資金を
本澤 今の話と関連すると思うが朝日新聞の阪神襲撃事件で記者が殺されましたよね。事件の犯人が「俺がやった」と言って出てきてその後、週刊新潮に2~3回連載された。しばらくすると俺が犯人だという人物の核心は、自分は頼まれてやったんだと。頼まれた先はCIAであると仄めかすわけですよ。そうすると途端に週刊新潮が謝罪文を載せて、その本人は分けの分からない形で死んじゃうわけです。僕は完全に消されたと思っているんですが、それで何んとなく、CIAはますます日本では恐怖の対象にされてしまう。
藤原 CIAというのはわれわれ自由人と違って、役人として優秀な人が多く知識を一杯持ってる。しかし、実際に自分でフィールドワークしてやっている人は本当に少ない。例えば「CIAは何をやったか」を書いたベアーみたいな人物はやはり組織の硬直性に愛想を尽かして辞めている。官僚組織と優秀な人とは合わないからですね。官僚組織にいるのは頭が良く日本の役人と同じで、退職金を一杯もらい、天下りするという人が多い。
そのことはさておき、CSISの話に戻すと、例えば、国務長官のヒラリー・クリントンとかブレジンスキーとか、あるいは、国防副長官をやったリチャード・アーミテージのように、アフガン戦争の時にパキスタンに行き大統領に向かって「協力しなければパキスタンを石器時代に戻してしまうぞ」と脅すような、倣慢な奴が集っている。
ただ、ここで何故、稲盛がCSISに基金を提供して、CSISの中に「アブジャイア・イナモリ・リーダーシップ・アカデミー」を作ったことに触れる必要がある。アブシャイヤーはCIAと関係の深い諜報の専門家で、レーガン時代にNATOに大使として派遣され、ミサイル問題に精通していることで知られている。しかも、CSISはナチスの生存圏の思想を作った、ハウスホーファーの思想を米国に輸入する目的で、イエズス会のジョージタウン大学に作られたシンクタンクとして、地政学に基づく世界戦略を展開している。松下政経塾-稲盛財団-ナチスの親衛隊の思想という、こんな不気味な構図が見え隠れしており、ヒムラーが作った親衛隊の組織構成は、イエズス会を手本にしていることは良く知られ、近代化がゲシュタポを育てた事実が気がかりです。
また、ハウスホーファーという人物は、日露戦争の頃に日本に駐在武官として来ているが、彼はドイツの地政学者でミュンヘン大学の教授だった。その弟子が副総統になったルドルフ・ヘスであり、彼はヒトラーの『わが闘争』の口述筆記をしただけでなく、メッサーシュミットで英国に飛んだ奇妙な行動をしているが、ヘスは渾名が「お嬢さん」でホモとして知られている。そういう流れを辿っていくと、ナチスの分派が日本に流れてきて、松下政経塾になり、稲盛財団になる。こういう大変な状況が起きていることを、日本で書けるジャーナリストがいない。
日本では松下政経塾の首相が誕生したという程度の扱いだが、これは大変なことなんですよ。
本澤 外交面でも外交戦略面でも当然、影響が出てきますね。
藤原 野田という男が最初に現われてきたが、これからはアメーバーのような奇妙な連中がぞろぞろと現われてくる。
本澤 稲盛がね……。我々には稲盛のイメージは悪くなかったのですがね…。
-総括なき国の行末には未来はない―
松下政経塾政権の本質
本澤 ナチス思想と人脈がワシントン経由で松下政経塾と稲盛財団につながったという藤原さんの見方からいくと、松下政経塾の初代内閣の今後が心配されあるいは内外政策においてどんな事が予測されますかね。
藤原 中田宏前横浜市長は皇国史観の信奉者で、「つくる会」の教科書を採用した。神奈川県の前知事松沢成文も政経塾の出身者でした。
本澤 政経塾はつくる会ともくっついている。
藤原 そうすると、横浜市で育った人間は完全にそういった思想、考え方を持つようになる。そういう人間が神奈川に始っていろんなところから出てくる。
本澤 横浜の前市長、中田宏は狂信的だったし、東京・杉並区の山田宏前区長も皇国史観教育を進めている。
藤原 そうした動向は、きちんと調査、整理して一冊の本にする必要がありますね。
本澤 そうですね。僕は韓国のインターネットでそれをチェックした。確かに指摘されるようなつくる会と政経塾の癒着、これは埼玉県でも同じようなことがある。現知事の上田清司は、政経塾のOBではないが、民主党時代(衆議院議員)に政経塾とくっついた。ですから埼玉県の教育政策は、矢張りグニャグニャになってきています。そして東京には超右翼の石原知事がいる。
藤原 知事は全都道府県に何十人もいる。それから国会にも自民と民主に分かれて政経塾のOBがいるわけだし、結局、あなたがPHPが司令塔だと言ったけど、まさに台湾派と繋がっている。
本澤 そうですね。
藤原 台湾の国粋派の国民党は、皆、サンケイ(産経新聞)と繋がっているし、李登輝は、本をPHPから出版している。小林よしのりとの対談も出している。 PHPは、金がいくらでもあるから外に向って使い、国民党をPHPの虜にし、世界の反動、極右やモサドとも繋がっている。
本澤 確かに、民主党の政経塾OBを調べた時に分かったのは、彼らは皆、台湾派だ。中国に行って中国の悪口をガンガン言う。 彼らは、口舌の徒として訓練されているから、自民党の右翼よりもやり方が上手い。一見すると何んとなくごまかされてしまうが、冷静に分析すると、やっていることば正に極右そのものだ。 松下(パナソニック)の莫大な広告費で、新聞、TVなどのメディアは一切、報道しない。本当に恐い時代になっている。昔は、自民党の中にはリベラル派が存在してブレーキ役になっていたんですけどね。
藤原 宇都宮(徳馬)さんなんかがそうだった。僕も個人的によく知っていた。
本澤 僕も徳馬さんから一番影響を受けた一人です。記者になって最初に担当したのが〝大平派″だった。大平派は歴代リベラルでした。リベラルの特徴は 〝寛容″ の価値観を非常に重視する。一方、ネオコン、右翼というのは寛容性がまったくない。相手を敵にしてとことんやつけちゃう。自民党にはそうした右翼の他にリベラルが存在していたからバランスが取れていた。それが小泉時代からリベラルがいなくなり超右翼になった。そして民主党の中では鳩山(由紀夫元首相)、小沢(一郎元党代表)系のリベラル派を、政経塾系が撃滅した。
藤原 そうした流れの中にホモ人脈なるものがある。
本澤 しかし、その視点はわれわれにはまったく想定外のことでしたね。だいたい、女性秘書を彼女にして金庫を任せているケースが多いので、ちょっと想像できないですね。
藤原 男同士なら外に秘密が漏れないから・・・。
本澤 成る程、秘密保持。言われてみると納得できる。
メディアもアメリカ追随
藤原 実は、それは英国が得意とすることで、苦からアメリカは、英国のノウハウを真似しているだけだ。 例えば、ローズ・スカーシップという、英国帝国主義の支配者の番犬を育てるために、アメリカ人と英国のコモンウェルズの中だけから選んで、オックスフォードで教育している。それを真似したのがフルブライト奨学金です。日本人でも可成りフルブライトで洗脳されて帰ってきているのがいる。小田実のようにべ平連で活動した者もいるし、いろいろ面白いのがいる。竹村健一もフルブライトをもらって米国の広報マンだった。 奨学金の流れの中で、逆に稲盛財団はそこに金を渡して日本から送り出し、洗脳されて帰国する。
本澤 自民党の高市早苗も超右翼で、アメリカの政治家の秘書までやったと、肩書きにありますね。
藤原 それにコロンビアとジョージタウンは、それぞれ5パーセントの特別が粋があって、声をかければ入れてくれる。小泉進二郎も、能力とはまったく関係なくコロムビアに入れた。
本澤 彼はたしか関東学院大学中退だったらしいですね。親(小泉元首相)が離婚したりして家庭が複雑だったり、いろいろ事情があったんでしょうが、とにかく勉強が大嫌いで、いってみればまともじゃなかったらしい。だいたい、政治家のセガレでできの悪いのはみなアメリカ留学だ。安倍晋三もその一人ですね。
藤原 それを暴露したのが霍見芳浩だった。民主党最高顧問の渡部恒三の息子の恒雄もジョージタウンで教育を受けている。
本澤 渡部恒三のセガレがジョージタウンですか。
藤原 そう。だから渡部恒三は、水戸黄門とかなんとかいって、徹底的に小沢一郎を叩く側についている。
本澤 渡部の小沢叩きはジョージタウンの流れですかー。
藤原 誰がどこへ行っているのかをそれぞれ見たら分かるのだが、そこまで日本の週刊誌、新聞には書く人がいない。
本澤 完全にアメリカナイズされているわけだ。
藤原 しかも、アメリカには大学だけでなくシンクタンクもあり、そこで洗脳される。その典型的な例がバーグステインのアメリカ国際経済研究所だ。実は、そこに客員研究員として留学していたのが朝日新聞の船橋洋一だ。
本澤 (納得したようにうなずきながら) あ~-。
藤原 特に朝日の政治記事がおかしくなったのは、船橋以降ですからね。
本澤 CIAリストに載っているというインターネット情報も出てますね。
藤原 アメリカ国際経済研究所で船橋と同僚だったのが竹中平蔵。2人は「IT革命」という共著を出している。
本澤 へえ~、あら、あら、ですね。
藤原 僕は日本人がどうして気が付かないのか、と思っているが、誰れも書かない。
本澤 知らなかったですね。是非活字にして欲しい。 朝日が急におかしくなって、僕は朝日の講読を止めた。友人の政治家は、記事が余りに酷いために東京新聞にしたが、当時朝日を止めたという人が周りに一杯いた。 今の話で思い出すのは、日本記者クラブで前のアメリカ大使がさよなら記者会見をやった時に、船橋が、大使をべ夕褒め、礼賛するような紹介をするんで、この人は新聞記者じゃないと思いながら聞いたことがあった。彼の弟子たちが、今も幅を利かしている。
藤原 船橋は最初、ニーマンフェローでハーバードに行っているんです。ニーマンフェローは将来、編集長とかトップに近くなる人をアメリカがスカウトする。その後、彼はアメリカの総局長になったが、その時に、たしか1989年だったと思うが、「通貨烈々」という本を書き、朝日新聞から出している。その「後書き」を読むと、バーグステン所長に対して感謝感激雨霰のことを書いている。アメリカ総局長ともあろう人がとんでもないと思った。 バーグステン所長は商務長官を勤めたピーター・ピーターセンの子分で、ピーターは正にデービス・ロックフェラーの後を継いだ、アメリカの対外政策を進めるCRF(外交問題評議会)の中心人物。リーマンブラザーズの会長もやっているし、今は潰れかけている投資ファンド、ブラックストーンの創設者でもあり、日本を喰い荒らしている。ソニーに甘い話を吹き込んでコロンビア映画の買収を進めたのも彼だった。日本は彼らに弱味を握られており、知らないのは日本人だけで、北京も台湾、韓国もみな知っている。
日本はアメリカの属領
本澤 上海の名門大学、 復旦大学には、もちろん日本研究所もあるが、アメリカ研究をやっているアメリカセンターは一番立派な建物で、さすがに中国ですね。
藤原 僕は今から二七~八年前にカリフォルニアの保守的なぺパーダイン大学で総長に頼まれて顧問を3年程やったことがある。その時に北京大学をはじめ世界中のいろいろな大学の総長、学長を訪問したが、1980年代ですから当時はまだ中国は貧しく、何もない時代でやたらに奨学金や招待を要求された。結局、アメリカは日本を全然問題にしていない。アメリカにとっては矢張り中国の市場は大きく魅力的だ。英語も話せるし、人材も沢山いる。一方、日本はモノを作って輸出していたから経済大国と威張っていたが、アメリカからは全く評価されていなかった。 結局、中曽根が首相になった頃が絶頂期で、ヤクザ政治とカジノ経済で、バブル経済が弾けた後は20年間、全く成長していない。GDPだって過去20年間、一銭も増えていない。そういうなかで中国にIBMがコンピュータの会社まで売ったのだから戦略的にどう考えても合わない。それほど日本はバカにされているのに、日本人は気が付かない。松下政経塾レベルの連中がアメリカへ行って洗脳されて、日本に帰国してやっているから完全に属領扱いだ。 そういう中で日本の現在の落ちぶれている状況が生れている。アメリカにしてみたら、日本の中でも四流、五流のどうしようもない人物が首相になっているのだから正にカモだ。これから出て来るのは前原のように、もっと悪い洗脳された売国政治家だ。本当に救いのない国になってしまった。
本澤 救いがないですよね。京セラの稲盛にしても、僕らにとってはこれは新発見ですね。稲盛財団がアメリカの大学に500万ドルですか…。
藤原 そこは(CSIS)ナチスの研究、ナチス地政学。ヒトラーは生存圏を獲得する目的で、ロシアに行ったり東欧を攻めた。その侵略戦争推進者のハウスホッカーの拠点で、最近の政治家は学んできている。
本澤 それだけに〝国民〟という視点がどうしても抜け落ちてしまう。その結末として福島原発が大爆発した。
藤原 これからは、ナチスを学ぶ松下政経塾の政治がどうなるかが焦点になってくる。
本澤 松下政経塾は、思想的な部分で、今おっしゃられているようなナチス的、カルト的というか、何かいかがわしさが、アメリカとの結びつきのなかで分かり易く理解できたわけですが、ひとつの財閥がその資金力によって、政界とそしてわれわれが何時も忘れがちな霞ヶ関、つまり官界、僕は官閥と呼んでいるが、実は、この官僚が一番ワルでして、政経塾はしたがって、その官閥とくっついている。財閥、官閥そしてワシントンという三角型が民意とは無関係な形で内外政策を出してくる。 そうすると、われわれが今、一番心配している原発の処理問題、これは収束なんかできっこない。特に、僕の個人的な思いもあるのですが、東芝です。東芝製の福島3号機はプルトニウムを使っている。プルトニウムは半減するのに2万4千年かかるといわれているが、これが今、地下水と海水に流れている。これに蓋をかける役割を今の政権は担っている。 昨日 (8月31日)、経団連の財閥出身の会長が、野田政権に感動するようなメッセージを出していることでも頷ける。身内の政権ができたという思いなんでしょうね。つまり、政経塾は、松下の代弁者のみならず財界、財閥と一体の政権だ。真の意味での日本の国民であるという視点が、当然ながら欠落している。 特に僕は、1972年の日中国交正常化の時に、政治記者になって初めてアジア、中国と向き合ったという印象が強いわけですが、あの時は「アジアの平和と安定」が原点だった。台湾は別として、その基本理念と衝突する政権ができてしまった。日本は東アジア共同体という形でなんとか盛り上げれば、新たな繁栄に向けた日本再生のきっかけを作れる筈だが、政経塾政権はこれに全く関心を示していない。ワシントンの言いなり。中曽根、小泉政権の傀儡といわれる所以ですね。
藤原 そこで福島原発爆発の背後に、基本的に何があったかを考えることが大切だ。
原発の真の目的は?
藤原 福島原発爆発は、日本におけるエネルギー政策の破綻といえる。1950年代は石炭を使っていたが、60年代になって三池事件で石炭から石油に変わった。その頃に平和利用の名目で原子力に着目したのが正力と中曽根。 通産省(経済産業省)としてはまだ、石油がこれから大事になるからとして、石油メジャー(日の丸石油)を作ることに熱心だった。ところが、岸信介がインドネシアの利権と関係して、日石カルテックスから輸入する石油の2パーセントを完全に口銭としてもらっていた。
本澤 新橋の日石ビルに個人事務所を構えていたので、彼が石油利権でメシを喰っていたことばよく分かります。
藤原 彼は狡猾なので田中角栄のようなヘマはやらない。自分の名前が出ないようにロンダリングを上手にやっていた。角栄は石油に価値があると見て、財界の資源派といわれた中山素平、今里広記らを周りにおいて、石油にのめり込んだ。南米からアメリカ、カナダやアラスカと、いろいろ画策し、通産省も石油を通してエネルギーで独立したかったのでしょうね。今里がアラスカ石油を創っていたが、ある時、ブリティッシュ石油が、国有化されるということでアブダビ海上石油の利権をドイツのデミネックスに2億ドルで売りに出したら1億ドルなら買ってもいいという話になった。ところが日本の石油公団が何んと7億8000万ドルで買ってしまった。相場の8倍。今里と田中清玄がやったわけだが加えて通産省内の派閥争いもあったりで、角栄が石油で躓いてしまった。その頃、田中も中曽根も通産大臣をやっていました。
本澤 そうですね。田中の後に中曽根がやっている。田中内閣が誕生すると、中曽根が真っ先に要求したのが通産大臣のポストだったですね。
藤原 1973年の時は、田中が首相で中曽根が通産大臣。結局、中曽根は石油はやりたいがアメリカに押えられているので、利権化は無理だと諦め、代わりに着目したのが原子力だった。核武装するためにとりあえずエネルギーという形で、原子力発電所を強引にどんどん作り出し始めた。だから原発が日本で一番できたのは中曽根時代だった。万一の時はプルトニウムさえあれば原爆はできる。
本澤 確かに、弟子である与謝野馨を原子力関係の企業に押し込んだ。そこで原子力の研究を始めたから、今でも原発は必要だと吹聴している。中曽根の心中には、常に安全保障の面からの原発で、それ故プルトニウム、もんじゅが必要だった。彼は核武装論者ですからね。
藤原 プルトニウムは茶さじ一杯で一度に数百万人を殺せる。
本澤 数百万ですか(驚く)。
藤原 それが日本には45トンもある。いざとなったら日本は核武装すると、韓国や中国の新聞に書いてある。
本澤 キッシンジャーも、中国に行って「日本はいずれ核武装するだろう」と言っているが、彼は中曽根の本心を見抜いていたわけですね。
藤原 いや、むしろキッシンジャーから「お前は核武装をやれ」と言われていると見た方がいい。アメリカにしてみれば、日本が被爆してくれたらこんな有難いことばない。今度の福島事故でも友達プロジェクトときれい事を言っているが、あれは日本を助けるためではなく、アメリカとして万一、核爆発があった時の対応のためのデータを集めているにすぎない。アメリカの常套手段だ。 日本人は、福島原発の爆発事故をエネルギー政策の失敗と位置づけて見なければいけない。 では、石炭から石油、そして今の主力となっている天然ガスの後には何がくるかとなると、水素ガスしかない。ハイドロカーボンという一つのシステムの中で、最初は木だったものが石炭になり、石油になり、天然ガスになり、次に水素ガス、このパターン以外エネルギーはない。原子力は一見すると発電コストが安く見えるが、それはウラニウムを買って発電した間の計算であって、ウラニウムの開発費用、運転した後のゴミの処理費用などは計算外になっている。
本澤 最近、通産省OBでみんなの党の江田憲司幹事長が記者会見で、原発は無用の長物だから途中、天然ガスなどで中継ぎをしてゼロにし、解体すべきだと発言していた。電力の自由化を進め、あちこちに小さな発電所を建ち上げ、発送電を分離すれば脱原発は可能だというのですね。
増税は国を亡ぼす
藤原 日本は過去25年間、人材を育てなかったので、本当に人材がいない。 今度、野田さんは増税すると言っているが、増税すると国が潰れてしまう。増税するのであれば、今まで目溢ししてきた宗教団体やパチンコ、競艇などギャンブル事業などから徴収すれば、まったく増税する必要がない。
本澤 日本がここまで陥ち込んでしまったのは、実は、中曽根内閣時代の1985年に日米同盟の名のもとのプラザ合意で超円高政策を受け入れたことに始まる。それがバブル崩壊で1500兆円が消えた時点で経済大国失墜。その後は延々と20年間、借金、借金できたのに、霞が関の官僚政治、そこを総括せず、誰れも責任をとっていない。
藤原 それはエネルギー政策も同じだ。民主党は自民党の出鱈目政策を総括していたら、少しはましなことができたかもしれないのに、民主党はネオコンに乗っ取られてしまった。
本澤 日本沈没の何ものでもないのに、そこに大震災と原発の大爆発ですからね。
藤原 しかも、債務残高というのがある。日本は対GDP比率で200パーセントを超えている。こんな国は世界にない。アメリカだって100パーセントを超えていない。ヨーロッパ諸国は60パーセント台だ。
本澤 それでギリシャの問題が起きているが、ギリシャは最後にはEU諸国が支えてくれる。しかし、日本は誰れも支えてくれない。これで今、アメリカがガタガタになってドル暴落になったら日本は完全にアウトですね。
藤原 しかも、財務省は増税すれば問題が解決すると、寝ぼけたことを言っている。たしか2002年だったと思うが、アメリカで「ネバタ・レポート」というのが出た。
本澤 ありましたね。
藤原 このレポートでは、日本の財政は破綻しているから、まず国家公務員の給料を3割カット、退職金はゼロにする。そして、預金の4割を財産税として没収するとか、株の取引に課税するなどいろいろなことが報告されていた。 実際問題として今必要なのは、増税ではなく、国会議員や国家公務員の歳費や人数を半分にするといったことから始めたらいいのに、政治家や役人は自分のことは全然やろうとしない。民主党が政権をとった時のマニフェストにも、そういうことが揚げられていたはずなんだが…。
本澤 そう、役人の大リストラをやると約束した。自公政権がやってきた予算編成にも真っ向からメスを入れると約束したはずだが、それもやっていない。それが弱い者いじめの消費税の増税ですからね。 銀行がパンクした時、国民の負担によって救済されたが、今メガバンクとそれに繋がっている巨大企業、財閥はそれこそ数百兆円も内部留保を保有しているのに、国民のために使うという発想は全くない。
藤原 さらに、日本が円高、増税となれば企業がどんどん逃げていくと、いよいよGDPが減っていき大学卒でも半分以上が失業するようになる。
本澤 社会が混乱して日本にだってテロが起きるスキ間が出てくる可能性がある。
藤原 国民を大事にするうえで明治維新をみると、富国、強兵から経済大国という流れになってきたが、実は、横井小楠という人は、それに 〝士道″ ということを「国是三論」 でいっている。士道とは国民を大事にする志ざしであり、士道・富国・強兵の3つでバランスがとれるのだが、士道を除いて富国強兵だけが残り国民のための経世済民がない。
本澤 明治維新以来今日まで、国民が欠落した政治が続いてきたわけですね。まさに官僚政治だ。
藤原 日本は民主国家になっていないばかりか、民族国家にもなっていない。〝民族″ 国家とは、権力と人民との間が契約で成り立っており、権力と人民が社会契約したのが憲法で、それが民族国家の原点なのだが、日本はまだその域に達していない。
本澤 最近、国際社会で有名なヒューマン・ライツ・ウォッチから戦争犯罪者を研究したレポートが出ているが、それによると、過去20年間を調べてみれば、戦争犯罪の責任者を政治的な理由で処罰しないでいると、その国はまた元に戻るという研究結果を出している。日本も66年前に同様のことをしたので元に引き返しているわけですね。
藤原 総括もしていないから全然変っていない。そんなパターンが今の日本といえる。今の日本に必要なのはリーダーシップと「さらば暴政」の精神ですよ。 -
「阿修羅」から転載。
「阿修羅」にこんな記事があったとは迂闊ながら知らなかった。あまり読まない板の中に埋もれていたのである。しかし、日本と世界の政治を読み解く上で、いいガイドになる対談であるから、ぜひ多くの人に読んでもらいたい記事だ。まあ、こんな話はとうの昔に知っている、という人も多いだろうが。
いずれにしても、注意深く探せば、貴重な情報が埋もれているのがネット世界だ、というのは確かである。
長い記事なので、2回に分けて転載する。
(以下引用)
藤原肇・本澤二郎対談 (財界にっぽん)
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/647.html
投稿者 五月晴郎 日時 2012 年 5 月 16 日 13:58:06: ulZUCBWYQe7Lk
http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/zaikai111102.html
「財界にっぽん」2011年11月号
http://fujiwaraha01.web.fc2.com/fujiwara/article/zaikai111203.html
「財界にっぽん」2011年12月号
-松下政経塾政権のスタートとその真相-
本澤 実は今日、僕は一番最初に聞きたいことがあるんです。日本人に聞いてもなかなか分からないことなんですが、今年は外国へは一度、上海にしか行ってないんです。それで秋から暮れにかけて一度行きたいと思っているんです。ところが、今、超円高にもかかわらず格安のチケットが全然、格安じゃない。確かにガソリンも高騰したまま。しかし、超円高がそれをカバーしているはずなんですが燃油サーチャージとかいってべらぼうに高い。このカラクリが何なのか。恐らく石油業界も含めていろんな状況を上手く利用して相当ボロ儲けしているのではないかと疑っているのですが、残念ながら僕は経済が分からないので(笑)教えていただきたい。
藤原 カラクリがあるところよりも、日本経済は完全に死に体ですから円高還元をするゆとりがないのです。ただ、一見、金があるように見えるのは、企業がホールディング会社になって、例えば武田製薬が1兆円以上のスイスの会社を買収したりしているが、あれは自分の金ではない。ファンドの金を動かしているだけで虚飾にすぎない。
経済の話は後半に譲って、今年の民主党の代表選挙の結果、松下政経塾の一期生が首相になったことについて、あなたから教えてもらわなければいけない (笑)。というのも、僕はこの国に来た時には新聞・テレビは一切見ないことにしている。余計なゴミが入っているので一週間滞在して外国に行くと、元に戻るのに三週間、三倍の時間がかかってしまう。
本澤 それは正解ですよ。僕も新聞を読むのを止めて七~八年になります。読むと訳が分からなくなってしまう。一般国民を誑かす内容なんですね。その結果、今年の代表選で野田(佳彦)が代表になった。
つまり、野田総理大臣をつくるために海江田(万里)を叩きまくった。それで見事に 〝どじょう内閣″ができ、〝よいしょ記事″ を書きまくっている。それまで野田は財務大臣として何もしていないばかりか、円高に対して4兆円も市場介入しても全然効果なし。彼は落第生ですよ。その落第生をここ数日間、新聞・テレビは褒め称えた記事を流している。
藤原 松下政経塾から初めて首相が生まれたことはとてつもない大変なことだと僕は思う。
本澤 そうですね。
藤原 これはまさに1980年代に中曽根が首相になった時、日本にファシスト革命が始まると、非常に危機感を持ちましたが、それに匹敵する危機感を持っている。
落第生首相が誕生
本澤 藤原さんの先見の明は凄いですよ。正直なところ、僕は1972年中ごろから中曽根番の記者をやってまして、ある意味で中曽根を側面から支援していた。
当時、彼の最大の弱点は、青年将校上がりで軍国主義思想の持ち主ですから財界の支持が全くなかった。それで「経済界にもっとテコ入れしなければ大成できませんよ」とか「土光(敏夫)さんを頂点とする経済界が今一番願っていることは行財政改革だから、行政改革を必死にやれば財界と仲良くなれますよ」みたいなことを、僕なんか教えていた方なんですよ。
そんなことで彼がいざ総理になった頃まではまだ安心していた。ところがワシントンに行ったとたんに土下座して「日本は不沈空母です」と。ソ連と戦争をしても日本は大丈夫ですよみたいなことをレーガンの前でやっちゃった。それで愕然とし、以来、反中曽根になった。
藤原 そうですか。僕は1970年代から中曽根は非常に危険な人物とみていた。特に福田(越夫)(引用者注:「赳夫」の誤りか)内閣が誕生した時に、ある雑誌に『60年安保とファシスト革命の失われた鎖の輪』というタイトルで、福田内閣はファシスト革命の中間点と位置づけ、その後のファシスト革命を中曽根がやると書いた。
実は私、ファシズムの勉強をするためにヨーロッパに行った。ファシズムとナチズムに関しては日本で最も勉強した一人です。
本澤 そうですか。僕はすっかり油断していたんですね。
藤原 しかし、松下政経塾内閣ができたことについて、日本ではあなたが一番危機感を持っており、その辺りの背景をいろいろお聞きしたい。
本澤 松下政経塾は、これはまさにメディア戦略の成果といえます。多くの国民が尊敬している 〝経営の神様″ が創った政経塾ということで僕もそれにだまされていた人間の一人で、当初は悪いイメージはまったくなかった。ところが、十年位前から「はてな?」となってきた。民主党内で彼等OBが中枢を占めるようになってから、話す内容、行動が可成りファシスト的で、調べる必要があると思った。
調べていくと、松下幸之助が70億円で塾を立ち上げている。僕は政治に影響力を行使できる巨大企業を 〝財閥″ と呼んでいるが、したがって、塾は松下財閥そのもので、その財閥の政治部門です。その一財閥の政治部門が政権を牛耳っているというのは、戦前、戦後を通して初めてのことです。かつて財閥は侵略戦争をやり戦後解体されたから、彼等はじっと沈黙して目立たないようにしていた。今は財閥から初めて経団連会長が出ていますが、ともかく一財閥が日本の政権を牛耳ったというのは、空前絶後の非常事態といえる。最初は市民派ということで菅内閣を傀儡で使っていたが、今度は正真正銘の一期生が総理大臣になった。
藤原 実は、僕は松下政経塾というかPHPとは30年以上の長い付き合い歴史がありました。
本澤 えー、その辺のことを詳しく聞きたいですね。
藤原 PHPは僕がエネルギー問題に詳しいということで、「VOICE」 の副編集長が読者だったこともあり、「創刊号を出したから 21世紀問題について、寄稿して欲しい」と言ってきた。そこで記事を書く暇はないが、21世紀は老人問題が大事だから、対談ならOK」と返事してある作家と対談した。そうしたら、2000年の12月号まで25年以上も、航空便で毎月アメリカまで送ってきた。凄い資金量と工作能力だと手の内が良く分かったが、 PHP研究所は若い研究者を「VOICE」にスカウトして、次に「諸君」や「正論」に送り込む役割を演じていたのです。
本澤 PHPは松下政経塾の司令塔で、「VOICE」はその機関誌ですね。
藤原 その通りです。それから五年後くらい経った時に、PHPの総帥の江口克彦という人が、帰国する時に会いたいと連絡して来た。そして、彼が京都から出てきて対談をしたが、この段階で外国のジャーナリストから江口という人が、松下幸之助の隠し子だという話を聞いていたのです。
本澤 その話は僕も聞いたことがある。まさに幸之助の側近中の側近なんでしょうね。だからPHPが政経塾の指令塔で、前原や野田らに対して指令が出ている。
カルト集団PHP
藤原 彼に会った時、いつも雑誌を送ってくれていることのお礼を述べた後、僕の目から見ると、毎号松下幸之助の記名記事が載っているが、5~6人の若い人が書いていることはすぐに分かる。どうして松下さんの隣りに若い人を育てるためにも名前を載せてあげないのか、といった批判的なことを言ったら、神様を批判する藤原は危険人物ということで、対談はボツになった。
本澤 そうですか。
藤原 それでもVOICEは30年近くも、毎号送ってきましたね。
本澤 江口氏とは今も交流はあるのですか。
藤原 ないないー。
僕は松下幸之助が政経塾を作った段階で、外国の諜報機関の人物から、松下幸之助が青山にマンションを借りてある男を住まわせ、その母親が一緒に住んでいるが、その母親は松下のオンナではないという話まで取っていた。その若衆宿が松下政経塾の始まりだったとか。
しかも中曽根内閣の時に京都大学の高坂正尭教授が政府委員会の委員長や委員を数多くやっていた。
本澤 そうですね。
藤原 彼が東京に出てきた理由は男漁り。この情報も外国の諜報機関の連中からです。
本澤 (驚きながら) そういうことっだったのですか。
藤原 米国というより世界では、諜報機関においては強請るタネはホモ人脈が当り前になっている。
本澤 ほうー。
藤原 高坂の弟子が前原でしょう。
本澤 そうです。前原は高坂教授に言われて松下政経塾に行ったと言われています。
藤原 高坂はエイズで亡くなっていて、京都では知る人ぞ知るですが、日本のメディアは一切報道していない。実は、中曽根政権時代に海軍短現人脈が目立ち、男の友情が取り沙汰されたことがある。男の友情は秘密を守る口の堅さに由来し、情報関係における歴史のキイワードです。『スパイキャッチャー』などを読めば、ホモ人脈が重要な役割を演じていて、KGB,MI6,CIAといった諜報機関を支配していた。そのことは『平成幕末のダイアグノシス』の中にヒントとして書いて置いた。だが、日本の皆さんは、日本の裏社会のことは暴力団、同和、カルトの3つしか言っていないが、もう一つホモというのがある。これは世界で通用する言葉だが、日本では分かっていても表には出てこない。
本澤 いや、全然分からないですね。
藤原 それは今、日本にはろくな情報機関がいないからだ。25年位い前は有楽町の電気ビルに優秀な外国の新聞記者、情報機関がいっぱいいたが、そういう連中から情報を取ると全部出てくる。しかし日本人の記者は、外国の情報機関を相手に情報を採れる人がいなかった。だから僕は今から30年前に石油事業を止めてフリーランス・ジャーナリストをやり始めた。
本澤 しかし中曽根さんはかつて著名な女性金庫番がいましたからそういう世界にいるとは思えない。
藤原 いやいや、両刀使いがいっぱいおり、むしろそれが当り前。最近、岩瀬達也が『新潮45』に松下幸之助のことを少し書いているが、彼は奥さん以外の女性のことにふれているものの、他の女性ではなく若衆を相手にする世界には触れていないのが惜しかった。つまり、松下政経塾があってPHPはある意味、幸福○△党と同じでカルトといえる。
本質は改憲軍拡派
本澤 今のお話は何か分るような気がする。僕も政経塾を取材するまではPHPのことは分からなかった。取材を進めていくと本丸はPHPで、そこから永田町へ指令が出ると、今の国対委負長のように自民党にもOBがいるから、民主、自民双方に指令が届く。ですから政経塾は絶対に超保守から外に出ない。実際、民主と自民それ以外にはいない。
特に調べていくと、心配になってきたのは、われわれ流に言うといわゆる改憲・軍拡派。戦争に加担する側、軍事産業とのつながり、前原が特にそうですね。それとワシントン右派とのつながりが非常に強いことが分かった。リベラルでは全然ない。前原はもちろん、野田もそうです、野田は最近、韓国で大騒ぎになったが、A級戦犯は戦争犯罪者ではないといって、怒りをアジアからくっていますよね。基本的に可成り偏向思想の人たちだ。だから僕は非常に心配なんです。
藤原 そうした心配については日本を離れて外で見ていると、クリントン大統領も学んだワシントンのジョージタウン大学の中にある戦略国際問題研究所(センター・フォー・ストラテジック・アンド・インターナショナル・スタディーズ=CSIS)。ここは実は、ナチス思想のアメリカ版ゲオポリティークスの砦です。
ジョージタウン大学はアメリカにおけるカトリック教会及び、イエズス会創設の最古の歴史を持つ大学で、日本ではそのヴァチカンのお目付け役としての上智大が、東京の中心の四谷にある。そこには日本の反動思想の扇動者の渡部昇一とか、保守思想の大家だった篠田雄一郎教授が輩出している。
本澤 小泉元首相が、英語が得意というだけの理由で可愛がっていた女性議員(猪口邦子)もそうでした。小泉チルドレンの一番手で、初当選してすぐ大臣になった。上智大の教授でその後、復職した。
藤原 上智はマッカーサー時代から占領軍の後押しがあり、あんな良い場所を確保している。
そういう意味でCSISは、世界戦略の中心になっているが、そこに実は、京セラの稲盛和夫(稲盛財閥)が5億円(6億5千万ドル)を提供して理事に納まっている。
本澤 (驚いて)そうですか。
藤原 だから稲盛の関係で京都は皆CSISに行く。
本澤 松下政経塾もですか。
藤原 いえ、政経塾だけでなく、小泉進次郎もCSISの日本部長をやっていたマイケル・グリーンのラインでそこに入っている。
本澤 成る程-。
藤原 だからアメリカの対日戦略の拠点としてのジョージタウン大学は注目しなければならない。
もう一つは、英国のアメリカ支配としてのコロンビア大学。進次郎はコロンビア大学からCSISに入っている。だいたい彼はコロンビア大学に入学できる力はなかったのに枠外で入った。ジェラルド・カーチス教授というジャパン・ハンドが一役かった。
カーチスは日本に来て、大分県の佐藤文生の選挙を密着取材して「代議士の誕生」を博士論文に仕立てて日本通として認められるようになったが、実力的には?がつくような人物で、しかし、奥さんのみどり夫人が優秀だった。
本澤 日本人ですか。
藤原 もちろん。アメリカの対日関係者の奥さんは、ほとんどが日本人ですよ。
本澤 成る程-。
藤原 奥さんが優秀だと、その男は出世する(笑)。ライシャワーもそうで、ハル夫人は松方財閥のお嬢さんでした。とにかく日本の女性は凄いですよ。世界のいろいろな国で奥さんになってるから、子どもができればその子は対日専門家になる。世界のことを知らないからそういうことを調べた日本人はほとんどいない。もっとも、そうしたことを書くと人脈を断たれるのでアメリカにいる間だけは、危ういという理由もあって僕も書かなかった。
本澤 対談に先だっての雑談で、藤原さんが日本はアメリカの属国ではなく、属領だとおっしゃったがよく分かりますね。
藤原 なぜ属領かというと、例えばマイケル・グリーン。彼は大臣でも政府の高官でもない。CSISの日本部長だった。しかも、アメリカの対日要求を反映させるためのエージェントにすぎない。それにタコ入道のアーミテージだって国防次官補の属僚に過ぎません。
もうひとつ、アメリカの重要な大学としてジョーンズ・ホプキンス大学がある。この大学はワシントンに高等国際研究所を持っており、そこのサナイエル・セイヤー教授の手引きで、1954年に中曽根が初めてハーバード大の夏期講座に参加した。その前にセイヤーはCIAのアジア太平洋部長だった。それが縁で中曽根はCIAとつながった。ただ、中曽根は正力みたいなおっちょこちょいと違い、コードネームももたないからアメリカの隠れエージェンシーとして出世するのに成功した。
本澤 秘密の代理人みたいなものですね。
藤原 そうそう。中曽根はそれで首相になれたわけですが、結局、ジョーンズ・ホプキンス大学の系列でもってハーバードのキッシンジャーのゼミに出席して、そこで洗脳されて、原子力の重要性をたたき込まれた。帰国後は、彼の伝記を読むと、手柄話として自分が原子力予算をつけたことを書いている。
本澤 そうですね。
藤原 正力がスパイになった同じ時期に、中曽根もアメリカに協力していたことがはっきりする。
アメリカには外交官になる大学が2つあります。ひとつはジョージタウン大学で、外交官になるための学部がある。もうひとつは、ハーバード大学とタフト大学が共同で、外交官になるための大学院大学を持っている。そこの大将が日本大使になると予測が流れたジョセフ・ナイ教授です。
本澤 あ~、ジョセフ・ナイ。成る程ねー。
藤原 その事ひとつとっても、日本にはアメリカに対する研究機関がひとつもないから、本当の情報を知る人がいない。
本澤 特にアメリカの情報はまったくないですね。
藤原 アメリカにいる時には、僕もそんなことは書けない(笑)。だから適当にぼかしてヒントだけは書いてるから、分かる人には分かるんですが、日本人は自分で考えて絵を作る才能が残念ながらない。答を書いてやらない分からないわけですね。だから書評で飯を食っている立花隆や佐高信などは、私の本は敬遠して書評しようとしない。
日本には謀略史観というのがあって、やれロックフェラーがどうだ、フリーメイソンがどうだとか出鱈目を書いているのを皆んな読んでいる。やはり自分でフィールドワークをしなければだめだ。
本澤 確かにそうだ。
藤原 取材をして、あるいは事件を知っている人が死ぬまで絶対に話さないというのを聞き出す能力が必要だが、そういう能力を持った新聞記者がいない。皆んなサラリーマンだし、下手に書くと消されてしまう。しかし、今回出した『生命知の殿堂』は世界で最初のカミトロニクス書籍で、従来の紙の本と電子本を組み合わせて、情報を行間と遠近法で読み解くようになっている。だから、パソコンで開くと、そういう記事が全部出ており、紙には書けなくても2~3年先には世界中の半分はカミトロニクスになると思う。
