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徽宗皇帝のブログ

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TPPは今どうなっているか
「阿修羅」から転載。
TPPに関する新聞やテレビの報道が現在どういう状況か分からないのだが、この阿修羅記事で見る限り、望み無きにあらず、のようだ。本家本元のアメリカでTPP案件が立ち往生する可能性が高い、ということだから、嬉しい話だ。まあ、あまり期待すると裏切られるのが常だが、アメリカの議員たちも馬鹿ばかりでもないだろうから、少しは期待できそうだ。
記事中にあるように、下院で紛糾すれば、今年中にはTPPが決まらず、来年になればアメリカが大統領選で大騒ぎでTPPどころではなくなる、というのが望ましいシナリオだろう。その頃にはTPPというもののいかがわしさが現在より世界中で知られるようになり、自然消滅という可能性もあるわけだ。アメリカ議会任せという他力本願であるのが情けないが、今の国会の諸政党でTPPに明確に反対しているのは確か共産党(生活の党もそうか?)だけなのではないか。その共産党を信頼しない、というのが国民大多数であるならば、国会に期待はできない、ということになる。
まあ、今回の「戦争法案」での討議で共産党は存在感を示したが、TPP問題でも活躍して、広く社会全体に認められる政党になってほしいものである。
それとは別に、政治家を志す人間なら、社民党あるいは社会党再興という路線も一考する価値はあるのではないか。何しろ、共産党は共産党という名前だけで生理的(心理的)に嫌悪されるという負の遺産を持っているからだ。自民党が民主党や維新の党という別働隊を持つように、左派政党も幾つかあったほうがいい。そして、重要政治課題ごとに共闘すればいいのである。


(以下引用)



山田元農相が語るTPP“漂流”の可能性 「阻止は時間との闘い」(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/15/senkyo185/msg/839.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 01 日 07:11:05: igsppGRN/E9PQ
   

 









            “農政のプロ”として幅広い情報網も持つ(C)日刊ゲンダイ


山田元農相が語るTPP“漂流”の可能性 「阻止は時間との闘い」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160238
2015年6月1日 日刊ゲンダイ


 大メディアはてんで報じていないが、TPPの行方が一気に不透明になってきた。旗振り役だった米国で議会が猛反発しているのである。TPP断固阻止で闘ってきた山田正彦元農相(73)に見通しを聞いたら、「漂流する可能性が高くなってきました」とズバリ。だとすると、選挙公約を無視して、TPPに突き進んでいる自民党政権はアホみたいな話になる。米政府高官や関係団体の幹部など幅広い情報網を持つ元農相に、TPP最新情勢と今後を聞いた。


■大統領選突入で米国はTPPどころではなくなる


――TPP交渉を巡って米議会が紛糾し、オバマ大統領は必死の電話攻勢で説得を続けていると伝えられています。米国で何が起こっているのですか?


 順を追って説明すると、オバマ大統領がTPPを成立させる大前提として、米議会でTPA(貿易促進権限)法案を通す必要があります。大統領に交渉を一任するもので、この委任がなければ各国と合意できない。貿易自由化を支持する共和党の理解はある程度得たものの、大統領の支持基盤である民主党には反対派が多いんです。低賃金の海外勢に雇用を奪われる懸念や、輸出促進のために自国通貨を割安に誘導する為替操作対策、多国籍企業が進出先の政府に損害を求めるISD条項などが背景にあります。


――それでTPA法案の審議入りが遅れたんですね。先週、上院はギリギリ通過しましたが、結局、今月末に開催予定だった公式閣僚会議は流れてしまった。それでもUSTR(米通商代表部)のフロマン代表は「6月半ばまでには下院で可決するだろう」との見通しを示しています。


 下院はさらに反対派が多いですから、状況は予断を許しません。豪のロブ貿易・投資相は「TPP妥結は2017年までずれ込む恐れがある」と発言しています。というのも、今夏を過ぎれば来年の米大統領選が本格化し、米国はTPPどころじゃなくなる。それに、民主党の最有力候補とされるヒラリー前国務長官は反対派ですから、TPPはこのまま“漂流”する可能性が高くなってきました。参加国の足並みも乱れてきています。マレーシアは「7月末までに政府がメリットとデメリットを明らかにし、国会決議をしない限り、調印しない」と表明しているし、ベトナムは「TPPは必要条件だが、十分条件ではない」との立場。NAFTA(北米自由貿易協定)の流れで引き込まれた形のカナダは、もともと消極的なんですよ。


■「メディアはなぜ問題点を積極的に報道しないのか」


――参加国がどんどん距離を置き始めている一方で、日本政府は前のめりのまま。慎重だった与党議員もメディアも「TPP締結やむなし」のムードが広がっています。おかしな話ですね。


 本当におかしな話ですよ。TPPは農業と経済の問題だけで議論されがちですが、その影響は医療、介護、教育、公共事業、知的財産権まで広範囲に及びます。関税撤廃で安い農畜産物がドッと入ってきて国内の農畜産業がダメになるとか、逆に製造業が輸出拡大で儲かるとかだけの話じゃない。国民生活を一変させる大問題で、論点は山のようにあるのに、メディアはなぜ問題点を積極的に報道しないのか。関心が低いのか、勉強が足りないのか、それとも官邸の顔色をうかがっているのか。



26日には代々木公園で反TPPデモを開催した(C)日刊ゲンダイ


■秘密交渉のTPPは「国民の知る権利」を侵害している


――TPP交渉の中身がサッパリ伝わってこないのも、世論が盛り上がらない原因ではないでしょうか。米議会では守秘義務をかけた上で全議員が条文案全文を閲覧できるのに、日本では国会議員ですら目にすることができません。内閣府の西村康稔副大臣が一度は開示方針を示したものの、「日本には守秘義務違反に刑事罰がない」との理由で撤回しました。


 TPPは、まさに秘密交渉で進められています。政府は国民に内容を知らせないまま、交渉をまとめようとしている。憲法が保障する「国民の知る権利」を侵害しているんです。そこで我々は今月15日に国を相手取って、TPP交渉の差し止め、交渉の違憲確認、損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。弁護団は157人を数え、原告総数は1063人に上ります。訴訟の会員は3800人ですが、さらに増え続けていて、今は4000人を超えました。原告団の中には国会議員8人が名を連ねています。現職議員が国に対して裁判を起こすのは初めての事例です。これほど賛同者が集まったのは、TPPが国民生活を大きく揺るがす脅威だからです。身近なところから挙げれば、食の安全が守られなくなる。米国は遺伝子組み換え食品の表示禁止、添加物や残留農薬の基準を米国レベルに合わせることを求めてきています。産地や成分表示も撤廃しろと迫っている。「(日本には)国産表示があるから外国産が売れない」というのが米国の言い分なのです。


――3・11以降、消費者は食品表示に敏感になっています。米国の言いなりになれば、消費者は国産か外国産かの見分けさえつかなくなってしまいます。


 最も影響を受けるのが、アレルギーやアトピーに悩む子どもたちです。お母さん方は「食品表示がなくなれば、子どもに何を食べさせていいのか分からなくなる」と悲鳴を上げています。文科省の全国実態調査(13年)によると、公立小中高に通う全児童・生徒の4・5%が食物アレルギーを抱えているといいます。日本では禁止されている成長ホルモンを投与された畜産物や、腐食防止などを目的に放射線照射された野菜がどんどん入ってきたら、子どもたちの健康を守っていけるのか。


■日本は米韓FTAで主権を失った韓国の二の舞になる


――医療や雇用の面での懸念はどうですか。


 医療でいえば、最初は僕も自由診療が広がって、最先端医療を求める人に機会が増えるのはいいことだと思っていた。ところが、実態はそう甘いもんじゃない。医療法人が株式会社化され、利益を生む自由診療が幅を利かせるようになり、医療の差別化が始まる。公的保険でカバーされる医療行為がどんどん狭まり、お金がない人は病院に通えず、薬も買えなくなる。国民皆保険制度をとらない米国と同じ状況に追い込まれるのです。医薬品価格は厚労省が開発費などを考慮して決めているのですが、米国と同じように製薬会社が決定権を持つようになる。すると、タミフル1錠が7万円という世界が現実になるんです。生存権も幸福追求権も侵害されてしまう。


――雇用についてはどうですか。


 僕は日本がTPP交渉の参加条件にされた日米並行協議も注視しています。これまでも「対日年次要望書」を突きつけられてきましたが、この並行協議で2国間の“懸案”を解消することになっていて、俎上に載せられた派遣法改悪や金銭賠償による解雇が着々と進められている。憲法で守られた労働3法が形骸化されようとしているのです。農水大臣を辞めた後、12年1月に訪米してUSTRのカトラー代表補(当時)と面会したのですが「米韓FTA(の内容)を見てほしい。(日本には)それ以上のものを求める」と明言されました。まさに日本も韓国のようになっていくと考えなければなりません。


――12年に米韓FTAが発効された韓国では、その後1年で畜産業の7割が廃業し、農業は壊滅的な打撃を受けていると伝えられていますが……。


 衝撃はそれだけではありません。政府発表で63本、弁護士会による調査では187本の国内法が改正を強いられた。国内法より投資家の言い分が優先されるISD条項があるため、「規制のせいで損害を被った」と主張する多国籍企業による賠償請求を恐れたためです。これは国の主権を失ったも同然です。韓国の法曹界も動き、11年12月に167人の裁判官が「ISD条項によって国の司法主権が損なわれる」として大法院(日本の最高裁に相当)に不服申し立てをしています。TPPに反対する「パブリック・シチズン」(米NGO)のローリー・ワラック氏が講演で話していたのですが、米国民の間でも「TPPは死んだ魚のようだ。太陽に長くさらされればさらされるほど、臭いがひどくなる」という声が高まっているそうです。つまり、TPPを阻止するのは時間との闘い。時間がかかればかかるほど、メチャクチャな実態が明るみになる。そうすれば頓挫に追い込むことができるのです。


▽やまだ・まさひこ 1942年、長崎県五島市生まれ。早大第一法学部卒。弁護士。93年、新生党公認で衆院初当選。12年まで5期15年務める。民主党の菅内閣で農相。著書に「TPP秘密交渉の正体」など。

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