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徽宗皇帝のブログ

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マルキシズム批判(3)
まず、1)から3)である。

1)人類の歴史は、自由民と奴隷、領主と農奴、資本家と労働者などの、隠然または公然の階級闘争の歴史である

まあ、これは、そういう解釈もできるだろうし、マルクス以前にはあまり見られなかった(と思われる)思想だろうから、重要な指摘をしているとは思う。もちろん、「人類の歴史」の一面的すぎる断罪であり、断定である、と批判はできるが、「階級」というのは現在でも上級国民と下級国民の水面下の闘争、あるいは支配被支配関係として歴然と存在している。

2)近代社会はブルジョワジーとプロレタリアートにますます分裂しつつある

これも、文句なしに妥当な考えだろう。マルクス生存の時代以上に貧富の差は懸隔している。ただし、その反面、下層階級の生活も、文明の進歩で大きく向上し、その多くは「階級闘争」の必要性よりも、自分が上級国民の仲間入りしたいという「アメリカンドリーム」を持っている。(その成功率の低さは何度も言ってきたことだが。)

3)プロレタリアートは、自分の労働力を売って生活するしかない多くの人びとである

これはまったくその通りで、特に現代日本の非正規労働者はこれである。しかも、共産主義の勃興が資本家階級に懸念された二十世紀初頭から冷戦時代にかけては労働者保護や労働者福祉政策が資本主義国家でも取られたのに対し、ソ連消滅後は、下級国民は再び奴隷階級へ戻っている。労働者の「お客さま」扱い(人間扱い)の時代は終わり、労働者は機械扱いで、「労働力」としか見られていない。

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