https://indeep.jp/omicron-s-is-born-now/
<転載開始>
完全にワクチン免疫を回避し、致死率80%の組換えオミクロンが誕生
今朝、夢で、非常に早い時間に目が覚めましてですね。
なんか、外でゴーッとかいって強風が吹いているのですが、その後いくつかニュースを見ていましたら、これですよ。
ボストン大学は、マウスで80%の死亡率を持つCOVID株を作成した
Boston University Creates COVID Strain With 80% Mortality In Mice
「おいおい…」と思いましたが、これはゼロヘッジの記事で、他にも英デイリーメール、英テレグラフなどが一斉に報じていました。
これは「研究施設で作られたもの」で、それについての論文が発表されています。
論文は以下にあります。
SARS-CoV-2 BA.1 Omicron の病原性および抗原性挙動におけるスパイクの役割
Role of spike in the pathogenic and antigenic behavior of SARS-CoV-2 BA.1 Omicron
この論文の概要には、以下のようにあり、
・致死率 80%
・ワクチンの免疫を完全に回避する
と書かれてあります。
論文の概要より
biorxiv.org
もちろん、この致死率がヒトにそのまま当てはめられるわけではないでしょうが、マウスではこうなったと。感染率はオミクロンの5倍とあります。
なお、後述しますが、論文を読む限り、意図的に致死率を上げたということではなく、「組み換えたらそうなった」ということのようです。
まずは、ゼロヘッジの記事をご紹介します。
太字はオリジナル記事の通りです。
自分なりに論文も読んでみましたので、その後に少し付け加えます。
ボストン大学は、マウスで80%の死亡率を持つCOVID株を作成した
Boston University Creates COVID Strain With 80% Mortality In Mice
zerohedge.com 2022/10/18
ボストン大学の研究者は、ヒト化マウスで 80% の致死率を持つ新しい Covid-19 株を作成した。
オミクロンの感染力を高めている理由を研究する取り組みの一環として、国立衛生研究所 (NIH)と、アンソニー・ファウチ氏が所長をつとめる国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID) からの助成金によって一部資金が提供されたこの研究は、オミクロンのスパイクタンパク質を Covid-19 の元の菌株(武漢株)に変換した。結果として得られたウイルスは、オミクロンの 5倍の感染力を持っていた。
論文には以下のようにある。
異常に多数の変異を持つオミクロンスパイク (S) タンパク質は、これらの表現型の主要な要因と考えられている。 先祖の SARS-CoV-2 分離株のバックボーンにオミクロンS の遺伝子をコードするキメラ組換え SARS-CoV-2 を生成し、このウイルスを自然に循環するオミクロン変異体と比較した。
研究は、ボストンとフロリダのチームによって実施された。
「マウスでは、オミクロンは軽度で、致命的ではない感染症を引き起こすが、オミクロンS を運ぶウイルスは、死亡率が 80%の重篤な病気を引き起こす」と研究者たちは書いており、スパイクタンパク質が感染力の原因であると付け加えている。
研究者たちは、オミクロン株のスパイクを、パンデミックの開始時に武漢で最初に出現した元の野生型株(起源株)に取り付けた。
研究者たちは、元のオミクロンの亜種と比較して、マウスが新しい雑種株に対してどのように戦ったかを調べた。
研究者たちはまた、実験室で培養されたヒト肺細胞に対するさまざまな菌株の影響も調べた。彼らは、改変された株が 元のオミクロン株よりも 5倍多くのウイルス粒子を生成することを発見した。
以下のように書かれている。
この研究は、オミクロンの病原性に関する重要な洞察を提供する。オミクロンの単一の最も変異したタンパク質であるスパイクが、オミクロンの減衰に完全な役割を果たしてはいないことを示す。
インビトロ感染アッセイでは、オミクロンのスパイクを祖先に持つ SARS-CoV-2 (オミクロンS) は、元のオミクロンと比較してはるかに高い複製効率を示した。同様に、K18-hACE2 マウスでは、オミクロンSは致命的ではないオミクロンとは対照的であり、約 80%の死亡率につながる重篤な疾患を引き起こした。
これは、スパイクタンパク質以外の変異が、K18-hACE2 マウスにおけるオミクロンの弱毒化病原性の主要な決定要因であることを示唆している。これらの変異を特定し、その作用メカニズムを解読するには、さらなる研究が必要だ。
しかし、科学者たちによると、彼らのキメラウイルスは、テストで使用された特定の品種が重度の Covid に対してより感受性が高いため、マウスの場合と同じようにヒトで致死的である可能性は低いという。
テレグラフによると、昨年、パンデミックの 18か月前に、中国の武漢の科学者が、人間に感染した可能性のある病気からコロナウイルスを接種するために、強化された空中浮遊コロナウイルスを野生に放出する提案を提出したと報告された。 これは、2018年からの助成金提案だった。
これは、米国に本拠を置くエコヘルス・アライアンスの動物学者、ピーター・ダザック氏が提出したもので、彼は遺伝子工学を使ってコウモリの新型コロナウイルスに「ヒト特有の切断部位」を作り、「ウイルスがヒトの細胞に侵入しやすくする」ことを望んでいた。この方法は、SARS-CoV-2 がどのように進化して人間に感染するようになったのかについて、科学界の間で長年疑問視されてきたことに偶然にも答えることになるだろう。
ダザック氏の提案には、リスクの高い天然のコロナウイルス株を、より感染力があるが致死率の低いバージョンと混合する計画も含まれていた。彼の研究者の「コウモリ研究チーム」には、武漢ウイルス研究所の石正麗(Zheng-Li Shi)博士、ノースカロライナ大学および米国地質調査国立野生生物保健センターの米国研究者が含まれていた。
アメリカ国防高等研究計画局 (DARPA)は、この契約を拒否した。「ピーター・ダザック氏が率いる提案されたプロジェクトが地域社会を危険にさらした可能性があることは明らかだ」と述べ、ダザック氏はウイルスの機能獲得研究を通じてウイルスを強化することに伴う危険性、またはワクチンを空中に放出することによっての危険性を十分に考慮していなかったと警告した。
ここまでです。
論文も読んでみました。
その内容は、もちろん簡単ではないですけれど、わかりそうな部分だけ、少しピックアップしたいと思います。
論文からわかること
感染力が 5倍になったというほうはともかく、
「致死率ってどうやって上げるんだ?」
と思いまして、論文を読んでみたのですが、これは、致死率を上げることを意図して組換えをしたのではなく、
「組換えをしてみたら致死率が上がった」
ということのように読めます。
「偶然、致死率が上がっちゃった」というようなことのようです。
この研究では、オミクロン株のスパイクタンパク質を、「元の武漢型に取り付けた」という改変を行ったようですが、結局、そのような組み換えを行うことで、「強制的に大きな突然変異を作り出した」というようなことになったように読め、それが、
・高い感染力
・高い致死率
・完全なワクチン免疫の回避
につながったようです。
ちなみに、致死率 80%とありますが、使われたマウスは、元のオミクロン株で 10匹、組換えされたオミクロン (オミクロンS)で 10匹で、14日間の「生存研究」の結果、以下のようになったと書かれてあります。
・元のオミクロン 10匹全部が生存
・改変したオミクロンS 10匹中 8匹が死亡
ということでした。
もともとのオミクロンは確かに致死率の低い病原性であるようです。
あと、わりと驚いたのは、この実験により、
「コロナウイルスの病原性の強弱の決定要因は、スパイクタンパク質が主要なものではない」
と、ほぼ結論付けていたことです。
スパイクタンパク質の変異が、その株の重症化のしやすさと関係しているわけではない、ということのようです。
「じゃあ、何なん?」とは思いますが、論文には、
> これは、スパイクタンパク以外の変異が、マウスにおけるオミクロンの弱毒化病原性の主要な決定要因であることを示唆している。これらの変異を特定し、その作用メカニズムを解読するには、さらなる研究が必要だ。(biorxiv.org)
とあり、コロナウイルスにはまだわかっていないことが多いということだけがわかりました。
また、この「致死率 80%」ということに関して、これはマウスでの実験であり、ヒトの致死率に適用できるものではないと先ほどのゼロヘッジにありましたが、論文には、
> K18-hACE2 マウスモデルは、SARS-CoV-2 の致死表現型を調査するための十分に確立されたモデルであることに注意する必要がある。(biorxiv.org)
とあります。
この「K18-hACE2 マウスモデル」というのは、ヒト化されたマウスというようなことらしく、2021年の過去の論文に、「 K18-HACE2 トランスジェニックマウスモデルは、SARS-COV-2ウイルスの感染性量に応答して、非重度および重度のCovid-19を再現する」というようなものもあり、それなりに、ヒトでの重症化や致死率を再現する部分はあるようです。
……さて。
2年前、3年前などに議論されたことをふと思い出すのですが、つまり、「新型コロナウイルスは、武漢ウイルス研究所、あるいは他の研究所などから流出したものなのかどうか」というような議論ですけれど、これは今も明確にはわからないままですが、コロナは別として、過去に世界中の研究所から幾度となく、研究病原菌などが流出し続けていたことは事実で、そういうことがないようにとは願います 。
なお、この研究が行われたのは、ボストン大学内の施設のようです。以下のようにあります。
> すべての手順は、バイオセーフティ委員会 (IBC) によって承認されたバイオセーフティ・プロトコルを使用し、ボストン大学国立新興感染症研究所のバイオ・セーフティレベル 3 (BSL3) 施設で行われた。(biorxiv.org)
研究者の人数は、リストでは約 20人くらいです。
しかし、この新しい組換えオミクロンSの致死率は、どことなく、1981年のアメリカの小説『闇の眼』に出てくるウイルス「武漢 -400」 (あるいはゴーリキー 400)を思い出させます。
以下の記事で書いたことがありますが、2020年2月だと、まだパンデミック宣言が出ていない頃ですね。時代として懐かしいです。
[記事] 40年前のアメリカの小説『闇の眼』に出てきた史上最強の創造上の生物兵器は中国武漢の研究室で作られた。その兵器の名前は「武漢 - 400」
In Deep 2020年2月6日
「たった2年半で、こんなに世の中って変わっちゃうんだなあ」と、つくづく思いますが、コロナに辟易した世に登場しました致死率 80%のオミクロンSが、このまま静かに研究室の中で眠り続けるだけなのか、そういうわけにもいかないのか、どうなんですかね (この研究が、バイオセーフティレベル4施設ではなく、バイオセーフティレベル3施設でおこなわれたことを含めて)。
あるいは、抗体依存性増強 (ADE)の時期が迫っているという懸念に対して、こういう病原性の株が蔓延した場合はどうなるのだろうとか、いろいろと思います。
研究するまで結果がわからなかったのですから仕方ないですが、この研究は最高レベルのバイオセーフティレベル4の施設でおこなうべきだったようには思います。