【ブリュッセル=横堀裕也、ベルリン=井口馨】欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は31日、域内全域で導入しているサマータイムを廃止する方針を表明した。今後、サマータイムの採用を義務づけた共通ルールの改正案を加盟各国と欧州議会に提案し、承認を得たい考えだ。
EUは現在、全28加盟国が3月の最終日曜日に時計を1時間早め、10月の最終日曜日に元に戻している。最近では健康被害などを懸念する声が強まり、欧州委はサマータイムの有効性について調査していた。
欧州委が7月から行っていた意見公募には460万件の回答があり、暫定結果によると、「健康への悪影響」や「省エネ効果がない」などの理由で、84%が「廃止」を求める意見だった。欧州委のユンカー委員長は31日、独公共放送ZDFのインタビューで「大多数の市民が時間変更を望まないと意思表示した。市民の意見を尊重する」と述べた。
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