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徽宗皇帝のブログ

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ロックダウン政策=「社会的サイトカインストーム(免疫暴走)」
「JBプレス」の岩田太郎という人の記事だが、表マスコミでもやっとこういうまともな論説が表明され始めたのは好ましいことである。たかだか風邪に毛が生えた程度の病気(批判は承知で、あえて、そう言っておく。)で世界中がロックダウンして経済死(その状況が、下の記事の描写で見事に描かれている。)するなど狂気の至りである。
まあ、これで新自由主義的資本主義そのものが死滅して世界が新しく理想的な社会主義的資本主義に移行するなら結構だが、その前に世界中のアホなロックダウンで無数の人が経済問題で死ぬだろう。そして、下手をしたら、互いに殺し合いすらするだろう。

(以下引用)



 また、多くのエコノミストや財界人は、全国民に検査を行い、PCR検査で陰性と判定された人、抗体検査で感染歴が認められ推定免疫とされた人から「安全のお墨付き」を保証する陰性および免疫証明書を与えた上で、職場や学校に復帰させるとの構想を語る。検査が経済再始動の切り札として語られているのだ。感染症の権威であり、今の米国で最も信頼されるパンデミック情報の発信者であるアンソニー・ファウチ米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長でさえ、「連邦政府としてコロナ免疫証明カードの発行を検討している」と言明する。


 だが、現場の医療者が指摘するように、「PCR 検査で感染者に陽性の検査結果が出る割合は高くて70%程度であり、30%以上の人は感染しているのに『陰性』と判定され、『偽陰性』となる」のである。また、PCR検査と同じく正確性が保証されない抗体検査で得られる推定免疫はあくまで推定だ。免疫そのものが果たしてできるのか、またできたとしてもそれが永続するのかさえわからない。さらに、ウイルスの変異や毒性増加の可能性もある。


 また、WHOが4月24日に警告したように、「コロナウイルスの抗体陽性が免疫を証明するという十分なエビデンスはなく、再感染に免疫ができたと信じる人々が(社会的距離政策などの)公衆衛生勧告を無視する可能性がある。そうした免疫証明書の使用は、感染の継続のリスクを高める」のである。


 過去にコロナに感染した人が陰性と判定された後に再び他人に感染させたというエビデンスは現時点ではないものの、頼りにならないPCR・抗体検査で「陰性判定」「免疫判定」をもらった元感染者や偽陰性の感染者が職場や学校で感染源や被感染者となり、流行の第2波、第3波の要因になる可能性は捨てきれない。「早まったロックダウン解除が人命を危機にさらす」と言うのなら、不確かな検査でウイルス感染の可能性がある者を「安全」として社会にばらまくことも、また人の命を危機にさらす。


 検査は医療資源配分のために大いに役立つし、隔離・追跡政策も医療崩壊の阻止に果たす役割が大きい。だが同時に、ロックダウンは感染防止の特効薬とは言い切れないし、国民皆検査も安全な経済の再開を保証することはできないのである。そうした根拠の薄い社会的距離・ロックダウン理論が独り歩きを始め、それが「命の保護」という大目的から「ロックダウン政策の目的化」「異論を唱える者への非寛容」に変異を起こすことが一番こわい。

ロックダウン政策はサイトカインストーム?

 ここで、身体の過剰免疫反応である「サイトカインストーム」の概念やアレルギー反応のメカニズムを使って、ロックダウン政策を考えてみたい。多くの死亡例において、コロナウイルスの攻撃を受けた人体が反撃を行うなかで免疫系が暴走し、感染した細胞だけでなく健康な組織までも破壊してしまい、多臓器不全に陥ったのではないかと疑われている。


 これを人間社会に当てはめると、社会や経済を文字通り破壊し、極めて多数の人々の生活を成り立たなくさせるロックダウン政策が、銃で標的の悪者を撃つのではなく、社会そのものを吹き飛ばす核ミサイルを撃ち込むという、サイトカインストームのようなものではないかというイメージが浮かぶ。


 ほぼ全土で強制力を伴うロックダウンが実施された米国においては、経済が壊滅的な打撃を被っており、その破壊力が日々明らかになりつつある。こうした中、ロックダウン論者たちは、「国民が外出さえしなければマスクを配ったりしなくてもいいわけで、政府は破産や自殺を防ぐための対策を全力で行えばいい」と主張する。だが、ロックダウンで文字通り経済が壊滅状態に陥った米国の例を見ると、そのような生易しいレベルの話ではないことがわかる。


 まず、年間22兆ドル(約2400兆円)規模の米経済において、1~3月の国内総生産(GDP速報値)は第1四半期に前年比で4.8%落ち込み、前回2008年の金融危機以来の低水準に悪化したが、4~6月の第2四半期には前年比で最大50%急落することが予想されている。


 失業者数は4月30日発表で3030万人に達したが、失業申請に各州政府のシステムが追いついておらず、実際にははるかに多いと予想される。このままロックダウンが長引けば5月中旬には、失業率が1933年の世界恐慌期に記録した米史上最高の24.9%と並ぶと予想されている。セントルイス連邦準備銀行のシミュレーションによれば、製造業や営業、サービス業を中心に4700万人が職を失う。この場合、失業率は32.1%という記録的なレベルに跳ね上がる。


 こうした中、ニュースサイトのアクシオスが4月28日に発表した1000人超の米国人に対する世論調査によれば、89%が米経済の崩壊を懸念していることがわかった。経済を部分的に再開させている州もあるが、各州でロックダウン命令は引き続き延長されており、早い州でも6月まで解除されず、外出制限や営業制限が緩められたり再び強化されることが続くだろう。そのため、生産もサービスも安定せず、失業継続や再就職の困難で家賃や住宅ローンの支払いができない人が急激に増える。


 そうした人々に対する支払い猶予期間は与えられても長くて3カ月程度で、猶予終了後は現在の月の支払い分に加えて、数カ月の滞納分の一括支払いを求められる。失業や給与減にあえぐ人たち、再就職したばかりの人たちにはできない相談だ。そのため、コロナの第2波が米国を襲うとされる冬に向けて、差し押さえや強制立ち退き処分が待っている。


 英調査企業パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミストであるイアン・シェファードソン氏は、「2019年のFRBのデータが示すように、米世帯の40%が400ドルの緊急時用の蓄えさえ持たない。また、米世帯の53%が非常用資金をまったく持たない」と指摘している。コロナ以前にすでにギリギリであった生活は、立ち行かなくなる。


 感染者増のたびに再び実施されるロックダウンのために将来が見通せず、多くの企業が事業を縮小する。そのため再就職できず、食事にも住み家にも事欠く人たちが街にあふれる。家庭の経済的な事情で、有為な高校生や大学生が大挙して退学せざるを得ないだろう。現時点で職が安泰な人たちさえも財布のひもを引き締め、米経済の67%を占める消費は、急激に冷え込む。


 一方、ロックダウンの影響であまりに多くの人が同時多発的に家賃や住宅ローンの支払いができなくなるため、金融機関や非金融系の貸し付けが大規模に焦げ付く。また、企業では債務不履行、差し押さえ、倒産の連鎖が始まる。商業用不動産担保証券に組み込まれたショッピングモールやホテルなどの物件のテナントがロックダウンで収入を断たれ、リース料を支払えなくなる。


 さらに、1兆ドル以上の企業負債が返済不可能になっている可能性があり、レバレッジをかけて資金調達をしている格付けの低い社債や、売上高が10億ドル以下の中規模企業が発行するミドルマーケット債の発行体が倒産の危機にある。


 厳重なロックダウンが継続すれば、どこかでマネーの流動性が枯渇することは必定だ。それは金融市場全体に波及して、大規模な金融危機を引き起こす恐れがある。『国家は破綻する―金融危機の800年』の共著者であるハーバード大学のカーメン・ラインハート教授も、「医療危機は金融危機になり得る」と警鐘を鳴らしている。取り付け騒ぎになるかも知れない。そうなれば、健全な企業や職を失わなかった人々の雇用まで危うくなる。


 個人や企業からの税収が干上がった州政府や自治体は公務員を大量解雇して、行政サービスや公立学校・大学の教育や治安維持の質が落ちる。猛暑や寒空の下で家を失った人々の衛生状態が悪化し、行政のロックダウン継続中にコロナ第2波、第3波、あるいは新型インフルエンザなどの疫病が社会を襲う可能性さえある。


 まさにロックダウンが生じさせるサイトカインストームであり、人災だ。そうした中で、最も打撃を被るのは低所得層や黒人や先住民など底辺の人々である。彼らとて、死を含む感染リスクを負ってまで働きたくないが、リモートワークなどは夢の夢であり、低賃金で感染の危険の多い職場で働かねばならない。ある黒人の理髪店主の言葉を借りれば、「感染で死ぬか、飢えで死ぬかだ」となる。


 お笑い芸人の岡村隆史氏は、「コロナ禍で収入が減った美女が、短期間でお金を稼ぐために大挙して風俗入りする可能性があるので楽しみ」という趣旨の発言で大バッシングを浴びたが、米国でも日本でもロックダウン・外出制限のために収入が途絶えてセックスワーカーにならざるを得ない人は、現実として増えるだろう。

ロックダウン政策の目的化は危険

 これらの予想は絵空事ではなく、ロックダウンが長引くほど順を追って実際に展開してゆく可能性が高まる大恐慌の阿鼻叫喚地獄だ。


 しかし、「人々の健康と安全を優先事項とする」ロックダウン論者たちの議論には、こうした視点がすっぽり抜け落ちている。社会の免疫が暴走して国民の生活や命が危険にさらされることは人災であり、本末転倒だ。ロックダウン論者はサイトカインストームのように、感染した細胞だけでなく健康な組織までも破壊し、結果として人々の命や健康と安全を脅かしていないか。


 著名な米実業家・映画製作者で、「資本主義の権化」「地球上の富の半分を持つ男」と評されたハワード・ヒューズ(1905-1976)は晩年に、病的なまでに細菌を恐れるようになり、所有していた当時花形のトランスワールド航空(2001年にアメリカン航空に吸収合併され消滅)を売却した資金でラスベガスの名物カジノホテルであるデザート・インを買収し、完全除菌された最上階のスイートルームに引きこもるようになった。


 ヒューズは除菌されたハンカチでドアノブを覆わないと触れることができなくなり、手を洗い始めると肌が擦り切れ血が出るまで止められず、果てには手の洗浄や入浴を一切しなくなった。そのため、髪と髭は伸び放題、体は垢まみれで異臭を放つという、普通の人間であれば恐ろしくてうらやむこともできない生活を送った。健康そのものよりも、健康になるための行為が目的化してしまったからだ。


 フランス出身の米細菌学者ルネ・デュボス(1901-1982)は、著書の『健康という幻想 医学の生物学的変化』の中で、「無菌の世界を想定することは、危険思想であると同時に愚人の戯言(たわごと)だ」と看破し、病気からの完全な解放は夢物語と断じたという。ロックダウンの目的や手段や是非を考える際に頭に入れておくべきだろう。


◎「ロックダウン論を斬る (最終回) 」につづく。5月8日(金)に掲載します。





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