「東洋経済」の堤未果インタビュー記事で、記事の所在は東海アマブログ(最新記事)で知った。アマ氏は「ワクチンレタス」の方を問題にしているが、ここでは、より緊急性の高い「安価サーモン」問題を転載する。
(以下引用)
(以下引用)
「安いサーモン」には理由がある
以前、取材した米アクアバウンティ・テクノロジーズ社が開発した「遺伝子組み換えサーモン」(すでに流通済み)の自然界への流出は、当時すでに欧米で大きな問題になっていました。この企業は最近も、水槽内のサーモンが“非人道的な密度”で育てられていることや、遺伝子操作で成長を早められ胃がポンッと破裂するケースの頻発などが内部告発されて、今も大きな批判を浴びています。
近年、世界各地の共通認識として、何十万頭もの牛をぎゅうぎゅうに詰め込んだ工業型畜産は動物福祉によくない、抗生物質を大量に使うから耐性菌ができて危ない、牛の糞尿で地域の水も空気も汚染するから是正しよう、などの意識が高まってきていますよね。
ところが養殖の魚には、なぜかこの想像力が届いていません。例えば、日本のスーパーにあるチリ産サーモンは安いですが、安く大量生産されるものには、当然理由があり、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車のような環境で養殖されています。餌には遺伝子組み換え大豆、密集した環境下では感染症になりやすいので、やはり大量の抗生物質が使われます。
私がかつて『ルポ貧困大国アメリカ』で取材した大規模な工業型畜産とまったく同じことが、サーモンでも起きていたのです。
アメリカの大規模畜産では、感染症になった家畜は欠陥品として排除されるか、ペットフードなど別の用途に回されます。でも大規模な養殖場では死んだ魚を1匹ずつ取り除くのは難しく、抗生物質漬けの魚の死体で水が強アルカリ性になってしまう。そこで他のサーモンが死なないようpHの調整に酸が投入される。そういう汚染水が自然界に流れて環境破壊を引き起こし、問題になっているのです。
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