「ギャラリー酔いどれ」から転載。
コロナが大騒ぎされる前から、新コロを過大視して騒ぐとこうなるだろう、と思っていた通りの状況になっているわけだが、「経済より生命」を金科玉条とする論者たちは増えこそすれ減らない。まあ、明日の仕事を失っても生きていける人たちは(社会の)経済より(自分の)生命だろうが、社会経済がストップしたら生命の危機が即座に訪れる人間は無数にいるのである。そして失われるのは経済だけではない。学習段階にある子供たちや若者たちは登校が制限され、その反面、夏休みという長期休暇を失い、人生の豊穣な時期をこの騒動で台無しにされ、失われた一年、あるいは二年間になるのである。
(以下引用)赤字部分は徽宗による強調。
◆https://diamond.jp/articles/-/242158
ダイヤモンド編集部 山本興陽:記者 2020.7.17
◎「貯金も 底をついた …」
外食業界・非正規・派遣 で働く人々の 悲鳴
大量失業の恐怖シナリオ が顕在化しつつある。
苦境に立たされる 外食業界、働く場所を奪われた非正規・派遣社員、
安泰ではなくなった正社員――。 特集『大失業時代の 倒産危険度ランキング』
(全29回)の#24では、労働者の“リアルな声”をお届けする。
☆休業者は 半年で 237万人増加
「職を失い 『貯金も底をついた』 といった相談が相次いで、
電話が鳴りやまない日もある。住む場所を追い出されて、
ホームレスになる人も出てきた」
生活困窮者への支援を行う「ほっとプラス」の藤田孝典氏は、
現状をこう説明する。
新型コロナウイルスの感染拡大が、人々の雇用や 暮らしを脅かしている。
総務省の労働力調査によれば、5月の失業者数は
前年同月から 33万人増加の 198万人に達した。
この増加幅は、リーマンショックの影響が出た 2010年1月以来の高水準だ。
ただ、「失業者の増加が本格化するのは、これから」と
労働組合や NPOの関係者は 異口同音に危機感をあらわにする。
背景にあるのは、休業者、いわば 「失業予備軍」の急増だ。
「コロナ拡大直後の3、4月は、『休業手当を出してもらえない』
という相談が多数だった。だが、日を追うごとに、
解雇や 雇い止め の相談が増えている。
現在、休業者としてカウントされている人も、
徐々に失業者に移行していくだろう」と、
飲食店ユニオンの担当者は今後を見通す。
コロナ拡大前の 19年12月の休業者数は 186万人であったのに対し、
20年5月の休業者数は 423万人となり、約半年間で 237万人も増加している。
☆飲食、宿泊業 … 雇用の受け皿が大打撃
失業と人手不足が 併存する時代に突入
▼https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/0/c/-/
img_0c4638a00561d462d4ead9b5f6403f50149956.jpg
業種別に見ると、営業自粛や 外出自粛で 打撃を受けた「宿泊業、飲食サービス業」
の休業者数が79万人(20年5月)で、19年12月と比べて 7倍超となっている。
都内のあるホテル従業員は、「コロナ拡大前、宿泊者の90%超が
インバウンドだったので、現在の稼働率は 10%台で大赤字。
これまで外部に依頼していた清掃業務を ホテルスタッフ自ら行ったりして、
何とか雇用を維持してもらっている。
清掃業者やリネン業者は、東京オリンピック・パラリンピックを控える中、
人手不足が叫ばれていたのに、急速な人余りとなって、
ホテルに付随する業者も 壊滅」 と深刻さを訴える。
リーマンショック時、仕事を失う人が増えたのは 製造業が中心で、
飲食や宿泊業をはじめとしたサービス業が 雇用の受け皿となった。
今回のコロナショックでは、その受け皿が苦しんでいる状況。
彼らの受け皿は果たしてあるのだろうか。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の小林真一郎氏は、
「失業者の増加と 人手不足が併存する時代 が到来する」と予測する。
人余りの業界から人手不足の業界への「労働力の大移動」は
一向に進んでいない。「これまで職業訓練などに取り組んできたものの、
スムーズにはいかなかった。この状況下で、人の流れをつくるのは
なおさら難しい。(建設や介護など)人手不足の業界は
人手不足のままになる」(小林氏)。
皮肉にも、20年1~6月の「人手不足」関連倒産は 253件で、
集計を開始した13年以降、19年1~6月に記録した190件を抜き去り
過去最多を更新した(東京商工リサーチ調べ)。
☆埋まらない 正規社員と非正規社員の格差
「9月 危機」 が迫っている
コロナ禍で、正規社員と非正規社員の雇用形態による
“差別” もあらためて浮き彫りとなった。
JTBに派遣されているある社員は、「コロナ拡大で
フロアの正社員は 全員在宅勤務をしているのに、自分だけ一人
出社させられた」と訴える。正規社員のテレワーク導入は、
企業のイメージアップの思惑も絡んで進みやすいが、
派遣社員の場合、派遣元との契約もあるため、
コロナ禍にあっても労働環境の是正は進んでいない。
東京ユニオンの関口達矢副執行委員長は、
「派遣社員がぜんそく持ちでコロナの重症化リスクがあるため、
『在宅勤務をしたい』と頼んでも認められないと
相談に来るケースもあった。コロナ禍でも来客や電話対応の人員は必要なため、
わずかでも会社に人員を置いておきたい」と、
派遣社員を出社させる企業の“本音”を説明する。
派遣社員をはじめとした非正規社員の契約解除が横行するのは「9月だ」
と語るのは、労働相談カフェの横川高幸氏。
「企業と有期の雇用契約を結ぶ契約社員や、派遣会社から派遣される社員の
契約期間は、6カ月というケースが多い。
通常1カ月程度前に、契約解除の通告を行う必要がある。
4月からの契約分は 3月以前に結んでいたため、コロナ拡大以前に
契約した企業も多い。だが、9月の更新のタイミングで
解除が相次ぐだろう」と予測。
非正規切りの “9月危機” が目前に迫っているのだ。
☆雇用調整助成金を 申請したくない企業の思惑
「社会保険料」の壁 がある
正規社員にも “新たな危機” が迫りつつある。
そもそも、事業主が労働者に対して休業させた分の補償として
休業手当を支払えば、雇用調整助成金の申請ができ、
事業主には 支払った全額が振り込まれる仕組みがある。
にもかかわらず、事業者側が雇用調整助成金を申請せず、
休業手当を払ってくれないとの声 が相次いでいるのだ。
「雇用調整助成金の申請に当たり、勤務状況を提出する必要があるが、
そもそも勤怠管理を行っていない企業は 申請さえできない。
勤怠管理を行っていたとしても 書類が煩雑。
中小企業の人事担当者は 兼任も多いため、会社の担当者だけで
作成するのは難易度が高い」と社会保険労務士の飯塚知世氏は裏側を明かす。
先行きが見えない中、一時的であっても現金の流出を避けたい経営陣の
思惑もあるようだ。ある上場企業の役員は、
「労働者に休業手当を払ってから、雇用調整助成金が入金されるまで
しばらくタイムラグがある。仮に入金までに四半期決算を跨いでしまえば、
監査法人からの印象も悪くなる。できれば払いたくない」と本音をこぼす。
ただ、雇用調整助成金を活用しても守れない雇用があるのも事実だ。
休業扱いにしていても、雇用契約を維持している限り、
社会保険料を払う必要はある。
現状、保険料支払いの猶予制度は拡充されたが、免除ではない。
「(社会保険料を払ってでも)雇用契約を維持するか、それとも切るか。
事業者は2択を迫られている」と、
日本大学経済学部の安藤至大教授は企業側の苦悩を代弁する。
☆生活保護が急増中 中流階級の地位も脅かす
こうした休業者や失業者の増加を背景に、生活保護の申請が急増している。
厚生労働省によれば、4月の生活保護の申請件数は2万1486件。
前年同月比で 24.8%増加しており、12年に申請件数の統計を開始して以来、
伸び率は過去最大を更新した。
休業者や失業者の増加が続けば、生活保護の申請件数も増加の一途をたどる
と想定される。
「一度、生活保護を受給すると、抜け出すのは なかなか難しい」と、
生活保護の支援者は明かす。
大失業時代の到来は、“中流階級” の地位も 脅かすといえよう。
コロナが大騒ぎされる前から、新コロを過大視して騒ぐとこうなるだろう、と思っていた通りの状況になっているわけだが、「経済より生命」を金科玉条とする論者たちは増えこそすれ減らない。まあ、明日の仕事を失っても生きていける人たちは(社会の)経済より(自分の)生命だろうが、社会経済がストップしたら生命の危機が即座に訪れる人間は無数にいるのである。そして失われるのは経済だけではない。学習段階にある子供たちや若者たちは登校が制限され、その反面、夏休みという長期休暇を失い、人生の豊穣な時期をこの騒動で台無しにされ、失われた一年、あるいは二年間になるのである。
(以下引用)赤字部分は徽宗による強調。
◆https://diamond.jp/articles/-/242158
ダイヤモンド編集部 山本興陽:記者 2020.7.17
◎「貯金も 底をついた …」
外食業界・非正規・派遣 で働く人々の 悲鳴
大量失業の恐怖シナリオ が顕在化しつつある。
苦境に立たされる 外食業界、働く場所を奪われた非正規・派遣社員、
安泰ではなくなった正社員――。 特集『大失業時代の 倒産危険度ランキング』
(全29回)の#24では、労働者の“リアルな声”をお届けする。
☆休業者は 半年で 237万人増加
「職を失い 『貯金も底をついた』 といった相談が相次いで、
電話が鳴りやまない日もある。住む場所を追い出されて、
ホームレスになる人も出てきた」
生活困窮者への支援を行う「ほっとプラス」の藤田孝典氏は、
現状をこう説明する。
新型コロナウイルスの感染拡大が、人々の雇用や 暮らしを脅かしている。
総務省の労働力調査によれば、5月の失業者数は
前年同月から 33万人増加の 198万人に達した。
この増加幅は、リーマンショックの影響が出た 2010年1月以来の高水準だ。
ただ、「失業者の増加が本格化するのは、これから」と
労働組合や NPOの関係者は 異口同音に危機感をあらわにする。
背景にあるのは、休業者、いわば 「失業予備軍」の急増だ。
「コロナ拡大直後の3、4月は、『休業手当を出してもらえない』
という相談が多数だった。だが、日を追うごとに、
解雇や 雇い止め の相談が増えている。
現在、休業者としてカウントされている人も、
徐々に失業者に移行していくだろう」と、
飲食店ユニオンの担当者は今後を見通す。
コロナ拡大前の 19年12月の休業者数は 186万人であったのに対し、
20年5月の休業者数は 423万人となり、約半年間で 237万人も増加している。
☆飲食、宿泊業 … 雇用の受け皿が大打撃
失業と人手不足が 併存する時代に突入
▼https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/0/c/-/
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業種別に見ると、営業自粛や 外出自粛で 打撃を受けた「宿泊業、飲食サービス業」
の休業者数が79万人(20年5月)で、19年12月と比べて 7倍超となっている。
都内のあるホテル従業員は、「コロナ拡大前、宿泊者の90%超が
インバウンドだったので、現在の稼働率は 10%台で大赤字。
これまで外部に依頼していた清掃業務を ホテルスタッフ自ら行ったりして、
何とか雇用を維持してもらっている。
清掃業者やリネン業者は、東京オリンピック・パラリンピックを控える中、
人手不足が叫ばれていたのに、急速な人余りとなって、
ホテルに付随する業者も 壊滅」 と深刻さを訴える。
リーマンショック時、仕事を失う人が増えたのは 製造業が中心で、
飲食や宿泊業をはじめとしたサービス業が 雇用の受け皿となった。
今回のコロナショックでは、その受け皿が苦しんでいる状況。
彼らの受け皿は果たしてあるのだろうか。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の小林真一郎氏は、
「失業者の増加と 人手不足が併存する時代 が到来する」と予測する。
人余りの業界から人手不足の業界への「労働力の大移動」は
一向に進んでいない。「これまで職業訓練などに取り組んできたものの、
スムーズにはいかなかった。この状況下で、人の流れをつくるのは
なおさら難しい。(建設や介護など)人手不足の業界は
人手不足のままになる」(小林氏)。
皮肉にも、20年1~6月の「人手不足」関連倒産は 253件で、
集計を開始した13年以降、19年1~6月に記録した190件を抜き去り
過去最多を更新した(東京商工リサーチ調べ)。
☆埋まらない 正規社員と非正規社員の格差
「9月 危機」 が迫っている
コロナ禍で、正規社員と非正規社員の雇用形態による
“差別” もあらためて浮き彫りとなった。
JTBに派遣されているある社員は、「コロナ拡大で
フロアの正社員は 全員在宅勤務をしているのに、自分だけ一人
出社させられた」と訴える。正規社員のテレワーク導入は、
企業のイメージアップの思惑も絡んで進みやすいが、
派遣社員の場合、派遣元との契約もあるため、
コロナ禍にあっても労働環境の是正は進んでいない。
東京ユニオンの関口達矢副執行委員長は、
「派遣社員がぜんそく持ちでコロナの重症化リスクがあるため、
『在宅勤務をしたい』と頼んでも認められないと
相談に来るケースもあった。コロナ禍でも来客や電話対応の人員は必要なため、
わずかでも会社に人員を置いておきたい」と、
派遣社員を出社させる企業の“本音”を説明する。
派遣社員をはじめとした非正規社員の契約解除が横行するのは「9月だ」
と語るのは、労働相談カフェの横川高幸氏。
「企業と有期の雇用契約を結ぶ契約社員や、派遣会社から派遣される社員の
契約期間は、6カ月というケースが多い。
通常1カ月程度前に、契約解除の通告を行う必要がある。
4月からの契約分は 3月以前に結んでいたため、コロナ拡大以前に
契約した企業も多い。だが、9月の更新のタイミングで
解除が相次ぐだろう」と予測。
非正規切りの “9月危機” が目前に迫っているのだ。
☆雇用調整助成金を 申請したくない企業の思惑
「社会保険料」の壁 がある
正規社員にも “新たな危機” が迫りつつある。
そもそも、事業主が労働者に対して休業させた分の補償として
休業手当を支払えば、雇用調整助成金の申請ができ、
事業主には 支払った全額が振り込まれる仕組みがある。
にもかかわらず、事業者側が雇用調整助成金を申請せず、
休業手当を払ってくれないとの声 が相次いでいるのだ。
「雇用調整助成金の申請に当たり、勤務状況を提出する必要があるが、
そもそも勤怠管理を行っていない企業は 申請さえできない。
勤怠管理を行っていたとしても 書類が煩雑。
中小企業の人事担当者は 兼任も多いため、会社の担当者だけで
作成するのは難易度が高い」と社会保険労務士の飯塚知世氏は裏側を明かす。
先行きが見えない中、一時的であっても現金の流出を避けたい経営陣の
思惑もあるようだ。ある上場企業の役員は、
「労働者に休業手当を払ってから、雇用調整助成金が入金されるまで
しばらくタイムラグがある。仮に入金までに四半期決算を跨いでしまえば、
監査法人からの印象も悪くなる。できれば払いたくない」と本音をこぼす。
ただ、雇用調整助成金を活用しても守れない雇用があるのも事実だ。
休業扱いにしていても、雇用契約を維持している限り、
社会保険料を払う必要はある。
現状、保険料支払いの猶予制度は拡充されたが、免除ではない。
「(社会保険料を払ってでも)雇用契約を維持するか、それとも切るか。
事業者は2択を迫られている」と、
日本大学経済学部の安藤至大教授は企業側の苦悩を代弁する。
☆生活保護が急増中 中流階級の地位も脅かす
こうした休業者や失業者の増加を背景に、生活保護の申請が急増している。
厚生労働省によれば、4月の生活保護の申請件数は2万1486件。
前年同月比で 24.8%増加しており、12年に申請件数の統計を開始して以来、
伸び率は過去最大を更新した。
休業者や失業者の増加が続けば、生活保護の申請件数も増加の一途をたどる
と想定される。
「一度、生活保護を受給すると、抜け出すのは なかなか難しい」と、
生活保護の支援者は明かす。
大失業時代の到来は、“中流階級” の地位も 脅かすといえよう。
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