しかも、日産の経営悪化の原因の最大のものと言ってもいい「商品企画」部門のトップが新社長になるのだから、あきれた話だ。
(以下引用)
2024年4月から12月期の純利益は前年同期比で98.4%減。さらにホンダとの経営統合に向けた協議が「破談」に終わり、崖っぷちに立たされた日産。責任を問われた内田誠社長(58)は3月末で辞任し、4月からは新体制が始まる。
後任に選ばれたのは、上位執行役の中で最年少のイヴァン・エスピノーサ氏(46)。
「イヴァン氏は03年にメキシコ日産に入社。18年から商品企画を担当し、現在は同部門のトップを務める。キャリアのほとんどを商品企画で過ごしており、まさか自分が指名されるとは思っていなかったのか、会見では困惑気味に見えた」(経済誌記者)
イヴァン氏がトップを務める「商品企画」は、プログラムダイレクター(PD)と呼ばれる社員が車種の企画・開発からデザイン、製造、購買、販売に至るまでのすべての過程を監視し、同社の商品に対する責任を一手に担う部署。しかし、
「社内には、PDを廃止すべきという声もある」と語るのは、同社の現役社員だ。
「PDが新設されたのは、カルロス・ゴーンの社長時代。ゴーンは商品開発部門を『商品企画』『マーケティングセールス』『収益管理』の3つに分け、権力を分散。強力なリーダーシップを持つゴーンのもとでは、この三権分立がうまくいっていたのですが、“決められない”内田社長になってからは、PDを擁する商品企画に権力が集中した」
結果、マーケティングセールスが顧客のニーズを調べ、開発や販売と連携して商品を作るという従来のプロセスが破綻したという。
「日本市場で今求められているトヨタの『シエンタ』やホンダの『フリード』のようなスライドドアのコンパクトカーを日産が出せないのも、それが原因。PDは、開発費を膨大にかけた機能満載の車を作って、『いい車ができた』と言うが、マーケティングセールスや収益管理から見れば、こうした車は『高すぎて売れない』。しかし、PDに反発しようものなら、商品が投入されないので言いなりになるしかない」(同前)
ゴーンが残した“足枷”は他にもあるという。
現在配信中の 「週刊文春 電子版」 および3月27日(木)発売の「週刊文春」では、“足枷”といえる英語会議での意思決定の実態や外国人社員にかかる高額コストなど内幕を詳しく報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年4月3日号)
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