世界情勢に関しては一番「物事が見えている」のがこのdeeply japan氏だろう。分析力や表現力も素晴らしい。要は、「西側マスコミの洗脳で頭が曇って」いない、ということだ。書かれた内容にひとつも不合理や無理な理屈が無い。その結果、ロシアや中国にも公平な視線を向けているのが気に食わない、という人も多いだろうが、私のブログなど大昔からそうであり、読み手があまりいないしコメント欄も付けないから無事であるだけだwww
まあ、「王様の耳はロバの耳」の床屋のように、地面に穴を掘って、その中に「王様の耳はロバの耳だ~」と言葉を吹き込んでいるようなものだ。いずれそこから木が生えて、風がその言葉を葉音として伝えるかもしれない。
(以下引用)
日本人に知ってほしい「抗議デモ」の根深い真因
なぜ抗議活動は世界的な広がりを見せたのか
https://toyokeizai.net/articles/-/354889
しかし
しかし、「雨降って地固まる」の言葉どおりに、新たな連帯の社会になる可能性も高いとみている。後世の歴史家が「トランプ大統領の人種差別的な発言、社会分断的な発言に対する反発が、逆にアメリカと世界に連帯の意識を醸成させた」と論じることを願ってやまない。
だそうだ。
いつの間にか、トランプの人種差別的な発言が社会を分断した元凶のようになっていた。
いやぁ、Deep Stateをぶち壊すといっていたトランプを人種差別で封じ込める民主党の作戦通りのことが書いてあると、唖然とするほど馬鹿らしい。
だけどこういうのを書くことによって彼らにとって、そして属州の民がそう認知すべき、「あるべき」アメリカ像をキープしておくという目的は達成される、って感じなんでしょう。
※後追い
これなんか、切り取りって見出しで意味付けみたいなもの。こんなことまでアメリカのマネして日本で報道して、一体何がどうなるというのだろう? 私ら選挙権ないんだけど(笑)
米雇用改善 トランプ氏、死亡した黒人男性にとって「素晴らしい日」と発言 非難噴出
https://mainichi.jp/articles/20200606/k00/00m/030/070000c
人種の別なく雇用が改善されてた(思ったほど悪くなかった、だが)、平等という意味でグレートだ、これは、ジョージにとっても、誰にとってもグレートな日だ、
It's a great day for him, it's a great day for everybody
っていう発言を悪い意味で取り上げる人というのは、心性がマジで差別的なんじゃなかろうか。
むしろ、ジョージは死すとも我々の仲間だからこそここで言及されていると考えると、そんなに悪い発言ではないとも読めると思ったりする。
■ 仕掛けを見せないのが肝
唖然とするほど馬鹿らしいんだが、この駄文は、しかしながら、概ね米民主党が仕掛けてくるナラティブ管理の手法をよく示しているので、サンプルとしては好例だと思う。
肝は、仕掛けた側を見せないという点ですね。
シリアの例。
(1) オバマ政権が、シリアを崩そうと武器弾薬を傭兵に持たせてシリアに投入した
(2) シリアのアサド政権が反発した
(3) アサドは住民を殺している、自国民を苦しめるとは何事かと西側が言い出す
話を(2)から始めて、知らないうちに(1)を言論から消す
ウクライナも同様。
(1) オバマ政権が、米外交官や米大統領補佐官を伴い、ウクライナでクーデターを実行
ウクライナの選挙で選ばれた大統領ヤヌコビッチは命からがら追い出された
(2) それを見ていた当時ウクライナ領になっていたクリミアが、機転を利かせて住民投票を行い、念願のロシア復帰を果たした
(3) ロシアがクリミアを武力で併合した、と西側が言い出す
話を(2)から始めて、知らないうちに(1)を言論から消す
これがテンプレートなんだろうね。
今回のも似てる。
本当に問題なのは、(1) で暴徒が発生した時、社会的に責任のある人たちがメディアを通して「やめろ」と言えなかったという点でしょう。むしろ暴徒を許した。そのカバーとして「人種差別」が使われた。
殺された黒人の兄弟の人(親ではなかったと思う。不確か)が、こんなことをしてもらいたいわけじゃない、ってなことを言ってたけど、実際そりゃそうでしょう。
他方で、バイデンはBlack Lives Matterの運動にシンパシーを注ぐしぐさを見せて、トランプとの差異を作ってたりする。
鎮静化させようなんて気はない。なんたって、トランプが悪いからこうなってる、というナラティブこそ自分の利益だから。
■ トランプが良いとは思えないにせよ
といって、トランプの手法がいいかというとそれももちろん問題ありすぎではある。
そして、トランプに期待していた人たちが今般で弱い大統領であることを見て、かなりがっかりしてるのも本当であるように見える。
強い大統領っていっても別に武器もってわーわー言うだけが強いわけじゃない。重要なところでリーダーシップを発揮できる人が強い人でしょう。そして、アメリカでは一応この点はコンセンサスがあるように思える。しかし、今回そういうことは出来てない。
だがしかし、米民主党のこの「管理された混乱」モデルを許しておくことが良いことだとは到底思えない。
■ 反動の時代だったのかも
で、ネット上ではアメリカの中が内戦モードになってるみたいに書く人がけっこう散見できるけど、私はそういう感じは持ってない。レトリックとして書くことはあると思うけど。
内戦とか革命の場合は、何か大きな目的が必要。アメリカの現在にはそういうのはない。むしろ、トランプが候補者だった時代の方がずっと革命的なモードがあった。
Drain the Swamp!ヘドロを掻き出せとか、We're the Deplorables、俺らは糞庶民だ、みたいなモードが作られていた。
そこから考えれば、この3年間というのは、ディープステートによる反動の時代だったということなのかもしれない。だから、混乱させて、統制する、以外の何の目的も見えないのかも。
だがしかし、これで上手くいくのか? そうも思えない。
ではどうなるのか。知りません、としか言い様がない。1つわかるのは、現状に対する評価の動きもないのに「雨降って地固まる」なんてことはないということ。
そして、共和党もそれに入らないわけじゃないけど、どちらかというのなら4:6で民主党の側が率先していた、いわゆるリベラル勢の「世界の見方」は嘘がばれてるので、トランプから政権を奪還しようが元の古い話をしても始まらない。
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