地球の記録 - アース・カタストロフ・レビューさんのサイトより
https://earthreview.net/did-they-use-sonic-weapons/
<転載開始>
2025年3月15日、セルビアの首都ベオグラード

abc.net.au

長距離音響発生装置LRAD

セルビアで、3月15日の土曜日、約 32万人が参加する同国史上最大の反政府デモがおこなわれたことを昨日知りました。以下に報道を翻訳しています。


セルビアで同国史上最大の反政府デモが発生。人口660万人の国で参加者30万人以上
 BDW 2025年3月17日


セルビアの位置

外務省


当日の首都ベオグラードの空中からの光景は圧巻であり、以下のような光景が展開されていました。


そして、その後、


「この抗議デモの鎮圧に音響兵器が使われた疑いがある」


という報道を読んだのでした。


音響兵器には、


・超低周波兵器


・LRAD (長距離音響発生装置)


の 2種類があるのですが、デモ参加者たちの、たとえば「飛行機が墜落したような感じだった」というような発言が正しいのだとすれば、2の LRAD という「爆音を発生させる音響兵器」だった可能性があります。


これは、近い距離だと鼓膜が損傷する恐れがあるほどの威力があるようです。


LRAD (長距離音響発生装置)の一種

Barbarik


セルビア政府と警察は音響兵器の使用を否定しています。


しかし、他の報道では、以下のようにあり、使用された疑いが強いようです。


報道より


ノヴィ・サドで天蓋が倒壊し犠牲者 15人を追悼する 15分間の黙祷の最中、突然、耳をつんざくような音がベオグラードの混雑した通りに響き渡った。


その音は抗議者の間にパニックを引き起こし、人々は必死にさまざまな方向に逃げ回り、踏みつけられたり怪我をしたりする事態を招いた。


ソーシャルメディアで拡散している動画には、未知の装置が作動したとされる瞬間が正確に映っている。


n1info.rs


政府が否定している以上、何とも言えない部分もありますが、以下はプラウダの報道です。音響兵器そのものについても詳しく解説をしています。

セルビアの抗議デモで音響兵器が使われた疑い。参加者たちはパニックに陥り逃走

Protesters in Serbia flee in panic after alleged use of sonic weapons
pravda.ru 2025/03/16


セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領に対する同国史上最大規模の抗議活動に参加した人々が、次世代兵器の影響を経験したと報じられている。


それは、何千人ものデモ参加者をパニックに陥れて散り散りにさせた「音波」だ。


多くは「頭を殴られた」ような衝撃と激痛を感じ、何が起こっているのか理解できなかったと述べる。


2025年3月15日〜 16日、セルビアの都市では現政権の政策に抗議するため、数十万人の人々が街頭に繰り出した。


犠牲者の追悼式典の最中、一瞬にしてパニックが起こり、数千人が混乱の中、さまざまな方向に散らばった。目撃者や地元メディアによると、混乱の原因は音響兵器の使用だったというが、当局はこの主張を強く否定している。


 


目に見えない攻撃


音響兵器は SF の世界の話ではなく、現代の現実だ。音響兵器には主に 2つの種類がある。


1. 超低周波兵器は、人間の耳には聞こえないが、深刻な生理学的反応を引き起こす可能性がある 16Hz未満の音波を発生させる。これらの音波は、強度を失うことなく壁や障害物を貫通できる。超低周波を生成するために、圧電結晶や特殊な共振器を備えたジェットエンジンなどの技術が使用される。


2. LRAD (長距離音響発生装置)は、可聴範囲で高強度の集中した音ビームを生成し、その音は最大 160デシベルの音量に達する。


音量の比較として、以下がある。


・離陸時のジェットエンジンの騒音レベルは 130 ~ 140デシベル


・近距離での銃声は約 150デシベルに達する。


140デシベルを超える音は痛みを引き起こし、120 デシベルを超える音に短時間さらされただけでも永久的な聴覚障害を引き起こす可能性がある。


 


「まるで飛行機が墜落したような感じだった」


セルビアの抗議活動の目撃証言は、音響兵器の既知の効果と一致している。飛行機が墜落したような感じだったと述べる人もいれば、頭を殴られたような感覚と激しい痛みを訴える人もいた。


超低周波音の影響


・激しい恐怖、パニック、自制心の喪失
・めまいとバランスの問題
・吐き気、嘔吐、消化不良
・ひどい頭痛と疲労
・心臓と呼吸の不調
・血圧の急上昇
・視覚と聴覚の障害


LRAD(長距離音響装置)の影響


・耳に極度の痛みがあり、近距離の場合、鼓膜が損傷する可能性がある
・重度の方向感覚の喪失とめまい
・吐き気と嘔吐
・精神的苦痛
・パニック発作


 


音響兵器を使っているのは?


LRAD(長距離音響装置)デバイスは、主に海上安全保障の分野で 24か国、約 100社の民間企業で使用されている。知られているユーザーには次のようなものがある。


・米軍と警察
・FBI
・アメリカの民間軍事請負業者
・シンガポール海軍
・ジョージア警察
・ベトナムと日本の沿岸警備隊


2005年、クルーズ船シーボーン・スピリットを襲撃したソマリア海賊を撃退するために LRAD システムが使用された。


2007年にはジョージア警察がトビリシの抗議者に対してこのシステムを展開した。


ロシアはウィスパーシステムと呼ばれる独自の音響兵器を開発した。


これは機動隊の盾に組み込まれ、超低周波の振動を発して群衆を解散させる。


 


明白な事実があるにも関わらず、政府は否定


多数の目撃証言にもかかわらず、セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は、抗議者に対する音響兵器の使用を強く否定した。


記者会見で大統領は、その主張は恥ずべき虚偽であるとし、次のように述べた。


「今日は警棒は使わなかった」


しかし、抗議者たちが述べた症状や反応は、音響兵器の記録された効果と完全に一致している。


平和的なデモ参加者に対してこのような技術を大量に使用することは、深刻な人権問題を引き起こし、潜在的に有害な群衆制御手段を使用することの倫理性について疑問を投げかける。


音響兵器が世界中で抗議活動を解散させるための手段としてますます普及する中、セルビアの事件は国際人権団体によるより厳重な監視を要求する警告となっている。




<転載終了>