
国が1人10万円を配る「特別定額給付金」のオンライン申請に必要なマイナンバーカードを巡り、暗証番号を忘れた人らが自治体の窓口に殺到し、国のシステムにアクセスが集中。兵庫県の尼崎市役所ではシステムのフリーズ状態が続き、11日朝から、職員たちが来庁者の対応に追われる混乱状態となっている。
システムは「地方公共団体情報システム機構」が提供し、全国の自治体が使っている。暗証番号を忘れた人は窓口などで再設定する必要があり、給付金のオンライン申請が始まった自治体の窓口に市民らが殺到していた。
尼崎市の窓口では、ゴールデンウィーク明けの7日に約300人が訪れ、システムの動作に遅延は見られたものの、午後7時までかかって対応を終えたという。8日朝には約70人が訪れ、13人分まで処理したところでシステム端末が動かなくなった。
同市によると、11日も開庁前から市民らが列をつくっていたが、午前の時点で復旧のめどが立っていないという。職員たちは来庁者に「システムが落ちて、何もできないんです」などと説明しているが、中には、怒鳴り声を上げる人もおり、混乱状態となっている。
同市の担当者は「混雑を予想して感染拡大対策などについての準備はしてきたが、システムが動かないのはどうしようもない」と困惑。同市は5月中旬から申請書類を郵送する準備を進めており「今からオンライン申請しても、郵送での申請と支給時期は大きく変わらない。感染防止の観点からも、待てる人は来庁せず、書類が届くまで待ってほしい」とした。(大田将之)
コメント