- 1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/01(火) 17:54:33.70 ID:oN9rxU0o0.net
- ひろし「いや嘘じゃない………これは政府からの手紙だ………」
みさえ「そんな………」
ひろし「ってことは俺は朝鮮半島に行かなくちゃいけねえのか」
みさえ「どうしてっ……!どうしてあなたがあんな場所にっ!?」
ひろし「数年前にこの国が集団的自衛権を認めたせいで自衛隊は朝鮮戦争に駆り出されちまったからな」
ひろし「なんでも北朝鮮の軍隊が思った以上に強くて自衛官も大勢死んで人出が足りなくなってるらしい」
みさえ「駄目よあなた!そんなとこに行ったらあなたも死んじゃうわ!」
ひろし「俺だって……俺だっていきたくねえよ」
ひろし「でも……国からの通達に逆らえるわけが………」
みさえ「あなた………ううっ……」
しんのすけ「おつや~おつや~
しんのすけ「おっ……?」
ひろし「………」
みさえ「………」
しんのすけ「とーちゃん、かーちゃんどうしたの?なんだか暗いぞ~」
ひろし「しんのすけ………」
みさえ「しんちゃん………ううっ」
しんのすけ「っ!」
しんのすけ「どうしてカーチャンが泣いてるんだゾ!?とーちゃんが泣かせたのかぞ!?」
ひろし「…………」
しんのすけ「トーちゃん最低だぞ!カーチャン泣かせるなんて!」
みさえ「違う………ちがうのよしんちゃん……」
しんのすけ「カーチャン?」
ひろし「いいっ……!そこからは俺が話す……」
みさえ「あなた………」
ひろし「しんのすけ………トーチャンな……‥」
ひろし「しばらく出張に行かなくちゃいけないんだ」
しんのすけ「出張……?」
ひろし「ああ………ちょっと長い出張でな、それでしばらくは家に帰ってこれないかもしれない」
しんのすけ「トーチャン、おうちに帰ってこれないの?」
ひろし「ああ」
参加するっつっても一般人が駆り出されることは無い
徴兵制ってのがあってだな
ひろし「なんだ……?」
しんのすけ「とーちゃん、嘘ついてるぞ」
ひろし「うそ……?何言ってるんだしんのすけ?俺は嘘なんて……」
しんのすけ「だっておかしいんだぞ!ただ出張に行くだけだったら――」
しんのすけ「トーチャン、そんな悲しそうな顔してるはずないんだぞっっ!」
ひろし「っっ!?」
みさえ「しんちゃん……!」
みさえ「それはきっとパパが私達としばらく会えなくなるから悲しいってことなのよっ……!」
しんのすけ「カーチャン………」
しんのすけ「とーちゃん、本当にカーチャンが言ってるとおりなの?」
ひろし「あっああ……!そうだよ!出張でみさえやしんのすけやひまわりと会えなくなて悲しいなあって」
しんのすけ「トーチャン………」
ひろし「(すまんみさえ!)」
しんのすけ(とーちゃん……やっぱり嘘ついてる気がするぞ)
しんのすけ(でもとーちゃんもカーチャンも隠したがってるし……)
ひろし「それじゃあ……行ってくる」
みさえ「あなたっ……!」
しんのすけ「トーチャン………」
ひろし「…………」
しんのすけ「とーちゃん、ホントに帰ってくるよね?」
ひろし「も……もちろんさ」
しんのすけ「本当の本当の?」
ひろし「俺が嘘つくわけ無いだろ?」
ひろし「――そうだ!しんのすけ、お前カンタムの新作基地セット欲しがってたよな?」
しんのすけ「おお……!とーちゃん太もも~!」
ひろし「ははっ……それを言うなら太っ腹だろ~!」
しんのすけ「そうともいう~」
みさえ「………」
シロ「く~ん」
ひまわり「たいた~い………」
みさえ「…………」
ひろし「みさえ、それじゃあしんのすけ達は頼むぞ………」
みさえ「あなた………絶対……絶対帰ってきてねっ……!」
ひろし「ああ………」
ひろし「………しんのすけ」
ひろし「いいか?トーチャンがこの家いいない間はお前がカーチャンやひまを守るんだぞ?」
しんのすけ「トーチャン………」
しんのすけ「おお!任せとけブ~ラジャ~!」
ひろし「ハハッ……頼もしいなあしんのすけ!」
――こうしてトーチャンは出張へと向かった
そして、これがオラたちの最後の会話となったんだゾ………
ニュース「つづいてのニュースは朝鮮有事です」
ニュース「朝鮮人民軍は昨夜韓国南部に駐留する自衛隊と米軍の部隊に対し攻撃を仕掛け――」
ニュース「自衛隊側と米軍側には合わせて二百人あまりの死亡者が――」
みさえ「貴方………あなたは大丈夫よね………?」
しんのすけ「カーチャン、最近ずっと不安そうにニュースばっかり見てるぞ…………」
ひまわり「た~い………」
まさお君「……………」
ボーちゃん「どうしたの?まさお君………最近暗いよ?」
まさお君「だって………だって………お父さんが………」
ネネちゃん「まさか……あんたの家も……?」
まさお君「うん………そうなんだ、僕のお父さんも朝鮮に………」
ボーちゃん「そんな………まさお君の家まで………」
風間くん「ほほう、立派なことじゃないか」
ボーちゃん「かざまくん………」
風間くん「君たちのお父さんはこの国のために朝鮮半島へといったんだろ?」
風間くん「フッ……立派なことだよ、日本のために戦地に行けるなんて」
まさお君「戦争なんて行きたくないって………」
風間くん「いけないな、そういう非国民的な考えは」
風間くん「君のお父さんは日の丸のために死ねることの尊さ、偉大さを知らないんだよ」
ネネちゃん「風間くんっ……!あんたなんてことを……!」
ネネちゃん「まさお君のパパは危険な場所へと行かされたのよ!それをよくも――」
風間くん「やれやれ、これだから左翼に洗脳された自虐史観まみれの日本人は」
風間くん「日本の近くで争いが起きたんだからそれに日本が加わるのは当然じゃないか?」
風間くん「これを否定するのは反日主義者か某国の工作員くらいだよ」
ネネちゃん「な、何が当然よ!知ってんのよアンタのお父さんがお金払って徴兵から逃げたって話しっ!」
風間くん「僕の父には経済を動かしてこの国を支えるという偉大な使命があるのだ」
風間くん「君達のお父さんみたいな安月給でいくらでも代わりがいるような人間とは違うのさ」
ネネちゃん「このおおお!あんたいくらなんでも言っていい事と悪いことがあるわよおおおおお!」
ボーちゃん「風間くんっ………!人でなしっ………!」
まさお君「うわああああああああああああああああああんん!」
しんのすけ(みんななんだか騒がしいぞ、それにお父さんが戦争にって………)
しんのすけ(………もしかしたらオラの父ちゃんも)
ひろし「…………」
ひろし「…………ひでえ」
ひろし「どこを見渡しても瓦礫しかねえっ………」
ひろし「これが………これが………戦争だっていうのか………?」
上官「コラッ!そこのお前!モタモタするな!とっとと歩け!」
ひろし「へ、へいっ!すいません!」
ひろし(コンニャロー、自分は何もしないくせに威張りやがって~)
戦地に送り込まれてからはや数週間
俺は簡単な訓練と僅かな装備でいよいよ戦闘区域へ足を踏み入れようとしていた
ひろし「お前は川口っ!どうしてお前までこんなところに!?」
川口「先輩と同じっす……俺のとこにも政府から手紙が来て………」
ひろし「そうか………そいつは災難だったなあ」
川口「ホントっすよ………ようやく俺にも彼女が出来たっていうのに………」
ひろし「彼女っ!?お前彼女なんかいたのかよ!?」
川口「ちょうど2ヶ月位前についに告白してOK貰えたんすよ!いやああの時は嬉しかったなあ」
ひろし「よかったじゃないか!これでお前にも守るべき者ができたんだ!」
川口「はいっ!……でもその直後にこれじゃあ」
ひろし「ああ……辛いよなあ」
川口「はあ………俺、どうしてこんなにツイてないんだろ?」
おまえのことは忘れない
川口「センパイ……?」
ひろし「確かに俺達はツイていない、だけどここで死ぬって決まったわけじゃない」
ひろし「気を落としたら負けだ、絶対生き残ってやる……こう強い気持ちを持ち続けるんだ!」
川口「……先輩はすごいっすね、どうしてそんな風に思えるんスカ?」
ひろし「俺には家族がいるからな、家族と再開するまでは死ぬわけにはいかねえんだ」
川口「かぞく………」
ひろし「お前にも彼女ができたんだろ?なら、彼女と再開するまで絶対死ぬもんかと思い続けろ」
川口「「センパイ………」
川口「わかったっす!俺、なんとか頑張ってみるっす!」
ひろし「ようし!その意気だ川口!」
はよ
日本攻められたらアメリカ助けてくれるやん?
そんでじゃあアメリカ攻められたら日本も助けるべきじゃないの?
って今問題になってる
ひろし「?」
川口「もし俺が無事に日本に帰れてそれで彼女ともうまく行って結婚するなんてなったら………」
川口「もちろん、その時は結婚式に来てくれますよね?」
ひろし「当然じゃないか、俺が行かねえわけないだろ」
ひろし「最高の後輩の結婚式に顔出さねえ係長がいるかってんだ!ハハッ」
川口「ううっ……うれしいっす、センパイにそこまで言ってもらえるなんて」
ひろし「よせ泣くんじゃない、その涙はまだとっておくんだ」
川口「はい……はいっす……」
しんのすけ「ただいまー………」
みさえ「あらしんちゃんおかえりなさい………」
しんのすけ「…………」
みさえ「………しんちゃん?」
しんのすけ「…………」
みさえ「どうしたのしんちゃん?」
しんのすけ「母ちゃん………」
しんのすけ「父ちゃんはせんそうに行ったの?」
みさえ「っ!?」
しんのすけ「やっぱりそうだったんだ………」
みさえ「はっ……!」
しんのすけ「どうして………ねえどうして…………」
しんのすけ「どうして父ちゃんはオラに嘘をついたの?」
みさえ「しんちゃん………それはね………」
しんのすけ「酷いぞ父ちゃん………オラに嘘言うなんて………」
みさえ「パパは………パパは貴方に心配掛けたくなかったのよ………」
しんのすけ「そんなの……そんなの勝手だぞ………オラには嘘つかないって言ってたのに」
みさえ「しんちゃん………」
みさえ「その気持ちをわかってあげて…………」
しんのすけ「うっ………うううっっ………」
しんのすけ「うわああああああああああああああああああん!」
みさえ「しんちゃん………ごめんなさい……ごめんなさい………ううっ」
しんのすけ「うわあああああんわああああんわあああああん!」
ひまわり「びえええええええええええええええええええええん!」
みさえ(貴方……この子たちのためにも絶対帰ってきてっ……!)
しんちゃんたちと最後の会話になっただけだ
生存ルートはあるかもしれん
(その2に続く)