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徽宗皇帝のブログ

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一般日本人は日本の近代史を知らない
速読して気づくだけでも「学術書」を「学術白」、「昭和」を「照和」と書くなど誤字が目立つが、ネット記事には校正者というのがいないのだろうか。いや、私も他人のことは言えないが、多くの人の目に触れることが前提の文章で日本語をいい加減に書くのは、それだけで記事の価値を落とすだろう。

私の意見としては、(国連が西側国家の傀儡会議であるとしても)、この時点での国連脱退は大愚策であったという記事筆者(保阪氏)の意見に同感である。
ただ、それ以前、515事件や226事件の段階から日本政治の軍部支配は明白であり、満州事変や満州国建国はその路線上のものだと思う。つまり、226(で軍部が力を一層増したという異常性に日本国民が反抗しなかったこと)こそ、日本のpoint of no returnだったと思う。

なお、読者の便宜のために、西暦と年号は併記するべきだと思う。少なくとも、その記事での初出段階では併記すべきだろう。そんなわずかな字数を無駄だと言うなら、長い記事を俳句や短歌の字数で書けばいい。私は、知人が戦争最終年の生まれのために昭和20年が1945年だとだけは知っているのでそれから計算したりする(映画「1941」のタイトルによって1941年が太平洋戦争勃発の年だとも記憶している。)が、文章を読む際にはその計算の手間は面倒だ。かと言って、西暦一辺倒でも(現代の事務作業ははかどるだろうが)イメージが湧かない。

百均で、机の前に貼れるような近代史年表を売ってくれないだろうか。学校教科書も古本屋や新古書店にはなかなか出ないのである。つまり、書き込みがあるのだろう。あるいは捨てられるのだろう。その結果が、一部の連中の言う「愚民社会」である。読んだ本はゴミではなく、あなたの頭(思考)のための資料倉庫であり、宝だよ。
ちなみに、私は小学校や中学レベルの理科や社会科の知識も頭にほとんど残っていない。習っていた当時はまったく興味が無かったからだ。私と同じような社会人はかなり多いような気がする。受験が終われば、興味の無い知識は即座に消えるわけだ。

(以下引用)

「昭和の日本」はこうして「理性を捨て、感情に走った」…昭和8年に起きた「重大な事件」

昭和8年になにが起きたか?

疫病、戦争、独裁的な政治……2020年代の世界は混乱を深めています。いままさに進行中のさまざまな出来事をどう考えればいいのか、少し引いた目線で考えたい人も多いのではないでしょうか。


そうしたときに役に立つのは、なんといっても「歴史」です。


ノンフィクション作家の保阪正康さんは、その長いキャリアなかで多くの時間を割いて「昭和史」を取材し、多数の作品を世に問うてきました。なかでも多くの読者を得たのが『昭和史 七つの謎』という著作です。


資料の山に分け入り、昭和史の深層を描く『昭和史 七つの謎』からは、昭和史についてのさまざまな学びを得られます。


たとえば、【前の記事】「昭和の日本は、じつは「昭和8年」に「大転換」を迎えていた…「昭和史のエキスパート」がそう考える理由」で見たように、保阪さんは昭和8年を一つの「昭和の転換点」と見ています。

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この年の前後から、日本社会では、知性を放棄し、感情の発露ばかりを重視するような雰囲気が目立つようになってきたからだというのですが、以下では、そうした状況を、具体的な事件を例にとってみていきましょう。


『昭和史 七つの謎』から引用します(読みやすさのため、改行などを編集しています)。


***


もうひとつ例をあげる。


照和八年三月、日本は国際連盟を脱退する。六年九月の満州事変、七年三月の満州建国宣言について、中国の提訴を受けた国際連盟は、リットン調査団を送り、日本軍の行動は不法であるが、過渡的措置として日本を含めて列強各国が中国の主権を認めたうえで、満州の開拓管理にあたるという報告書をまとめた。日本はこれを受けいれられないといって、この報告書に反対する。


結局採決では四十二対一で、報告は可決される。棄権が一票あったが、それはタイ(当時はシャム)である。つまり満州事変そのものは国際的にはまったく他国の支持を受けることはできなかった。


松岡洋右代表は、日本側の見解が受けいれられないといって、国際連盟からの脱退演説を行い、議場から団員を連れて退場していく。俗な表現になるが、これは現在でもときおりテレビの回顧番組で流れる。いかにも孤立を恐れず、堂々と自説を通したかのようなシーンになっている。


当時は、新聞各紙(十二紙)が「国際連盟の諸国中には、東洋平和の随一の方途を認識しないものがある」との共同宣言を発表し、松岡の行動を讃えた。松岡が横浜に戻ってきたとき、埠頭には二千人余もの人びとが駈けつけ、歓声をあげた。松岡も喜色満面で手を振ってこれに応えている。


主観的には確かに大衆受けするだろう。だがこれを客観的に見るとどうか。まさに日本は、国際社会で発言の場を失ってしまうという愚を犯したのだ。自ら対話の場を断ちきってしまった。


かわって中国は国際社会で、日本という存在を抜きに自在に批判ができるというチャンスを得た。世界各国のメディアは、東京にこなければ日本の意見は聞けないとあれば、いちいちくわしくは日本側の言い分を書くわけはない。


政治的発言の場を失っただけでなく、学問、文化面でも交流の場を失い、日本は学術白(徽宗注:「学術書」か?)ひとつにしてもドイツなどを通じて入手しなければならなくなったのである。日本は、〈自ら求めて孤児になった〉ということになる。情報や文化の交流面では鎖国状態になったのだ。


***


日本がいかにして破滅の道を突き進んでいったか、そのプロセスが垣間見える一節です。


また、昭和8年にはもう一つ重大な事件が起きています。【もっと読む】「昭和の日本は、じつは「昭和8年」に「大転換」を迎えていた…「昭和史のエキスパート」がそう考える理由」でくわしく解説しています。

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