忍者ブログ

徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

愛国心と他国憎悪
「馬鹿国民帝国日本の滅亡」から転載。
幸徳秋水について前回書いたので、ついでに、というわけだ。
「帝国主義」とは軍事的に他国を侵略、略奪するだけのものではない。資本による他国侵略、略奪というものもある。後者は国家を超えるものだから、「帝国主義」という呼び名は不適当かもしれない。いわゆるNWOだ。そして、この二つは協力関係(あるいは表と裏の関係)にある。必ずしも軍産複合体だけの話ではない。
ここでは、「愛国心」だけを話題にするが、下で言うように、愛国心は他国への憎悪と一体である。他国を憎悪するために愛国心という言葉が使われる、と言ってもいい。そして、他国憎悪の結果は開戦、他国侵略(国家防衛という名に基づく侵略戦争)である。これは現在の「テロとの戦争」でも同じことだ。テロリストという、国籍不明の集団に対する戦争が、いつのまにか特定の国に対する戦争に摩り替わる。すべて「言葉、言葉、言葉」であり、名目は戦争をするために便宜的に使われるだけにすぎない。
そして、結果だけを見れば、惨憺たる死体の山と大河のごとき血の流れの後に残るのは常に「一部階級の利益」だけなのである。




(以下引用)



愛国心を論ず

テーマ:


幸徳秋水、愛国心を論ず

<<その 1 >>




●版図拡張!国威発揚!国旗に栄光あれ!・・・帝国主義者の”愛国心”なるものは旺盛だ。




●英国は南アを、米国はフィリッピンを討った。ドイツは膠州、ロシアは満州を奪った。


  フランスはファショダを征服し、イタリアはアビシニアに侵攻した。




   帝国主義の向かうところに軍備あり、力づくの外交あり。




●つまり、帝国主義とは”愛国心”のタテ糸に”軍国主義”のヨコ糸を織り込ませる政策にあらずや




  いったい”愛国心”、”愛国主義”とは、何ものなのであろうか?





<<その 2 >>




●子どもが、井戸に落ちそうなのをみれば、だれしも思わず助けの手をさしのべる、それを惻隠の心という。


   惻隠の心や慈善の心は、だれかれを差別するものではない。




●ところが、”愛国心”なるものは、いったん英国が”敵”となると、英国人のためを祈っただけで


   「愛国心がない」などと罵られる。


    自分以外の他者への同情惻隠の心を禁じる”愛”とは、まことの”愛”であろうか?




●つまり、”愛国心”とは憎悪にほかならない。他国に対する憎悪である。


   まことの意味で「国を愛する心」ではないのである。


   


  ”愛国主義者”とは、他国を憎悪しているだけで、国を愛する心なんぞ持ってはいないのだ!!


 


 


◆◆幸徳秋水著「帝国主義」(山泉進 校注)岩波文庫より・・・・すこし意訳してあります。




   「偏狭なナショナリズム」とは、「愛国心」ではなく、「外国に対する憎悪」のことです。



拍手

PR

コメント

コメントを書く