忍者ブログ

徽宗皇帝のブログ

徽宗皇帝のブログ

無名隠居爺による伊藤貫批判
「隠居爺の世迷言」というブログから転載。
実に素晴らしい文章だが、前半は伊藤貫に対して礼儀正しく賛辞を書いているので、伊藤貫をさほど評価していない私のような人間だと前半だけで読みやめるかもしれない。
しかし、後半(赤字にしておく)は実に素晴らしい内容で、伊藤貫(ネットの政治通には常識であることしか言っていないし、日本国憲法が無効という、ネトウヨに媚びた発言は、論拠薄弱)などより数倍高い知力を感じる。まあ、一読してみることだ。まさに、野に遺賢あり、である。

(以下引用)場合によっては前半省略。

○以前にもご紹介したことのある伊藤貫氏は私の好きな政治・経済評論家。東京大学経済学部卒業。ウィキペディア(Wikipedia)には「ワシントンD.C.のビジネス・コンサルティング会社とロビイスト事務所で国際政治・米国金融アナリストとして勤務。」とあり、アメリカでの生活は40年に及ぶという。それ以上に詳しいことは知らず、もちろん会ったこともない。そういえば、「山谷えり子」という自民党の参議院議員が姉らしいけど、なぜ姓が違っているのかは不明。父の姓は山谷だという。

○伊藤貫氏を知ったのは比較的最近で、故西部邁氏の「西部邁ゼミナール」というYouTube番組を見てから。西部邁氏は北海道出身で、「ああ、この人は北海道人だな」と思わせる北海道人らしさを持っている。この、西部邁氏と伊藤貫氏の対談は大変に面白い。とってもよく息が合っている。日本中がこの2人の関係で満たされるなら、日本にいることが幸せと感じることができるような気がするんだけどな。

○さて、その伊藤貫氏の最新のYouTube動画が "【伊藤貫の真剣な雑談】第8回「日本を滅ぼす3つの巨大な嘘」" というもの。頭のいい人の話だけあって論旨が明瞭で飛躍がなく、とっても分かりやすい。今回はこの動画を元に感じることを書いていきたいと思う。

○まず、この動画の核心というか、ポイントが、オーストラリア国立大学の日本専門家であるガバン・マコーマック教授の著作から紹介されているので以下にご紹介しよう。

「サンフランシスコ講和条約(1952年)以降の日本は、実質的な外交と防衛政策を行うことを許されていない。アメリカの信託統治領である。したがってアメリカの日本占領は現在でも終わっていない。」

「このような主権侵害の状態に対して、侮辱だと腹を立てている日本人は非常に少ない。日本はアメリカに対して、喜んで属国の役割を担っている。日本人の政治家と官僚はナショナリズムを振りかざしながら、実際にはアメリカの国益に日本を一体化させている。」

「つまり、そのようにすることによって、アメリカに奉仕をしている。日本の政府高官の忠誠心は基本的にアメリカ政府に向けられている。日本は独立した主権国家であるように見えるが、実際には自国の利益よりもアメリカの利益を優先する隷属国の状態を選択してきた。」

○お分かりになるだろうか。これがガバン・マコーマック教授の見立てであり、伊藤貫氏の考えでもあり、かつ私もそのとおりだと感じる。だから、新型コロナ用ワクチンで日本人が10万人殺されても、岸田総理は平気な顔をしているんだよね。岸田総理が気を配るのは日本人ではなくてアメリカ政府だから。

○ということを理解できる日本人はどのくらいいるのだろうか。まあ、せいぜい5%といったところだろうねえ。でも残念ながら本当のことだよ。今岸田総理の名前を出したけど、もちろんのこと岸田総理に限らない。デマ太郎、パンチドランカー西村、御用学者、御用医師、マスコミなど、日本にはアメリカの言いなりになって日本人を殺しにかかる悪徳政治家、悪徳専門家、悪徳医師、悪徳マスコミがいくらでも存在しているんだな。

○さて、伊藤貫氏はこの動画で、 " 日本を滅ぼす3つの巨大な嘘 " があると紹介している。それは以下のようなものとなる。

(1)日本国憲法は占領軍が押し付けてきた占領軍憲法であり無効である。しかし、自民党自身が無効な占領軍憲法に加担してしまった。無効である憲法を有効であるふりをして外交政策と軍事政策をごまかしてきた。もちろんアメリカが悪いのだけれど、自民党は憲法を信じるふりをして国防政策を持たずにきた。しかもそれで自民党の連中は得をした気でいる。外務省も防衛省も財務省も。

(2)日米同盟は本当の同盟ではない。日本を2度と独立国にしない、日本に2度と自主防衛能力を持たせない、永遠にアメリカの属国にしてアメリカが日本を使用するということになっている。アメリカはその意図を持って1952年に日米軍事同盟を押し付けてきた。属国として日本を封じ込め、その日本を利用してロシアを封じ込める、又は中国を封じ込めるという2重封じ込め政策がそこにある。まともな軍事同盟ではない。

(3)アメリカは、アメリカが核の傘を提供するから、日本だけは核を持たなくてもいいと言っている。しかし、中国やロシアや北朝鮮は合計何千発もの核弾頭を持っており、そんな国とアメリカが、日本を守るために、あるいは日本への核攻撃の報復として、核の撃ち合いをする可能性は”ゼロ” である。それゆえ、核の傘はフェイク、大嘘、邪悪な嘘といえる。

○以上は、少し詳しい人ならいずれも賛同できる内容だと思う。あまり詳しくなくても、感覚のある人ならば、「まあ、そうかも知れないなあ」くらいには思うに違いない。「まさか、いくらなんでもそんなことはないんじゃない?」と思う人は、日本政府の勧めに従って、ワクチンをこの先何回も打ってください。

○私は、ここまでは伊藤貫氏の論にほぼ全面的に賛成したい。歯に衣着せずに正直に言うとなればどうしてもこのような内容になる。嘘で飾ったところで、嘘はどこまでいっても嘘でしかないからね。

○ただ、全面的に賛成するばかりではなく、少しばかり伊藤貫氏に物申したい気がするので以下に書いてみようと思う。あ、別に伊藤貫氏に伝えたいとか、返事がほしいとかそういう意図はゼロなので悪しからず。このブログを読むことなどないだろうから、自分の書きたいように好き勝手に気楽に書くというだけのことだからね。

○伊藤貫氏は、日本が以上のように情けない状態になっていることに対して、以下のように説明する。

「日本人というのは世界一臆病なんではないかと。嘘をつかれても、嘘をつくのをやめてくださいと言えない。これすごく卑怯でしょ。」

「日本の保守派は、そうはいっても朝日新聞は酷いと、毎日新聞は酷いと、野党は酷いと、NHKはひどいと。そりゃそうなんですよ。日本の左翼はゴミみたいな連中で、嘘ばかり言ってるんですね。」

「それじゃ、アメリカに3つの巨大な嘘をつかれれて反論しない日本の保守というのは何かというと、日本の保守も非常に臆病で、非常に卑怯。左翼ばかりではなく保守もそうならば日本は滅びるだろうと、そういうふうに思うわけです。」

○これについても、半分は同意したいのだけど、ちょっと待てよと思う。私は日本の保守が国益を考えずにアメリカの言いなりになるのは、臆病なせいではないと思う。もっと悪徳なのじゃないのかな。佐藤栄作元総理は、日本が核武装をして独立することを諦める代わりに、沖縄の返還とノーベル平和賞を得た。そこには私腹を肥やす打算がある。

○脅されることもあるのだろうけれど、臆病だからそれに従うということだけではない。従えば、ご褒美をもらえることになっているはず。世間を騒がせるデマを飛ばした8割おじさんはどうなった? 北大の教授から京大の教授へと栄転した。同様に政府の忠実な犬を務めた忽那医師はどうなった? 国立国際医療研究センターの国際感染症対策室医長から大阪大学の教授になった。おめでたいご栄転だね。

○全国各地の専門家や知事など、政府に協力して国民を殺した者たちには、その働きに応じて御褒美が当たっているはず。政治家は将来のポストも関係してくるからね。デマ太郎やパンチドランカー西村には、将来の総理の椅子が約束されたのかもしれない。今の日本は、悪代官と越後屋の図式が至る所で、地方から政府中枢にまで及んでいると考えるのが妥当。「君、分かっているだろうね。悪いようにはしないからね。あとは君の働き次第だ。」くらいを言われるのだろう。

○伊藤貫氏の今回の動画については、もう1点言いたいことがある。伊藤貫氏は大胆にも「日本は運が悪ければ数年後、運が良くても15年後か16年後には滅びるだろう。」と述べている。滅びてどうなるかといえば、日本は中国の属国になるのだそうだ。「子供は学校で中国語を習って中国の勢力圏に吸収されていく。それで日本はおしまい。」ということらしい。

○「でもそれって、矛盾しているなあ」と思うのだけれどもどうだろうか。だって、日本は今でもアメリカの属国なわけでしょう? 子供は学校で英語を習って、アメリカの勢力圏に吸収されているのだから。中国の属国になるということは、日本にとっての宗主国がアメリカから中国に代わるだけで、その意味では変化がないんじゃないかな。

○私などは、日本のアメリカに対する卑屈な態度にあきらめを感じているものだから、数年後、あるいは十数年後に、日本がアメリカの属国から中国の属国に変わるのであれば、むしろ期待したいような気がする。日本はアメリカに対しては、全く奴隷でしかないからね。日本人をワクチンで10万人以上も殺されて、文句一つ言えない。たとえ日本が形だけの国で実質独立していないとしても酷すぎるよね。

○中国相手でも同じかもしれないけれど、とりあえず仕切り直しはできる。中国の核の傘に入れてもらって、中国と一緒になってアメリカを非難するようになれば、それだけでも気分がいい。今のアメリカは、日本が核攻撃されたところで遠く離れた属国のことなので、好きなだけ撃ち込んでくださいというスタンスだけれど、日本が中国の核の傘の下に入った場合には、中国はアメリカのように笑って見ているわけにはいかない。日本は中国の隣国だから、日本が核攻撃されるということは、中国も核攻撃されうるということだからね。

○日本人の白人コンプレックスはひどいから、まともな外交にならないけど、中国人相手なら今よりは言いたいことが言えるようになるのではないかとも思う。人種的に考えても、地理的に考えても、文化的に考えても、いずれ日本はBRICSの一員になるのが国益を考えたときに正解かもしれないと思うのだけれど、どうだろう。

○もちろん、中国がいい国だから、中国のことが好きだから、そうするのがいいと言いたいのではないよ。アメリカと組んで50いいことがあるとしたら、BRICSと組めば51いいことがあるかもしれないという、そんな程度だからね。

○日本人というのはその辺りの外交感覚、センスがゼロ。日本にとっていい国などは存在しない。仮にいい国があったとしたら、その国からはいずれ恨まれることになる。だって、日本にとっていい国ということは、相手の国にとってみれば日本は悪い国ということだから。外交というのはそういうもの。お互いに不満なところを折り合いをつけていくのが外交。

○ところで、もう一つ伊藤貫氏に物足りないことがある。伊藤貫氏は日本人を評して「世界一臆病で卑怯」と述べているけれども、私はそんな生やさしいものではないと思っている。日本人は未開人レベルにある。この2年半の間観察してきてこれ以上ないくらい伝わってきたことは、日本人は " 道理 " に暗いということ。

○ " 道理 " とは「物事の正しいすじみち。また、人として行うべき正しい道。ことわり。」「すじが通っていること。正論であること。また、そのさま。」とのこと(デジタル大辞泉)。日本人には不思議なくらい " 道理 " が欠如している。

○総理大臣も、野党を含めた政治家も、専門家も、医師も、マスコミも、全部に道理が通用しない。空いた口が塞がらなくなってしまうような現状。もちろん、彼らは自分たちが道理を弁えていないことに気がつくことができない。そんな様子を見ていると、日本人というのは欠陥民族であると感じてしまうんだよね。

○だから、伊藤貫氏にはもう少しレベルを下げた話をしてほしいように思う。つまり、日本が核武装をして独立するなどというのは、諸外国の妨害を受けなくたって所詮無理な話なんだよね。だから、日本はどこの属国でいるのがいいのか、どこの植民地であることが幸せなのか、宗主国をどこにして隷属するのがいいのか、そんなことを諭してほしいように思う。

○さらに言えば、現在のようにアメリカの属国をする上で大切なことは何なのか、アメリカのご機嫌を取るポイントはどこなのか、アメリカ相手に交渉する上での留意点は何なのか、総理大臣でも分かるような話を聞かせてほしい。そして、伊藤貫氏が予測するように中国の属国となった場合には、日本はどうやって立ち回ればいいのか、今以上に悲惨にならないためにはどうしたらいいのか、その点もレクチャーしてほしいなあ。

○とにかく日本人は愚鈍、暗愚。目標を高く掲げたところで意味がない。愚鈍で暗愚な日本人にも理解ができて、実現可能な道を示していただけるとありがたい。東大を出て、ワシントンに住んでいるのだから、そのくらいできるよね。


拍手

PR

コメント

コメントを書く