飢餓だけの話ではない。たとえば、スマホひとつですべての電子情報を得ていた場合、その情報提供が停止されたら、あらゆる音楽も映画も享受できなくなる。そういうことだ。CDプレーヤーを持ち、CDを持つ者、あるいは本という「実物」を持つ者は、この「物を持たない時代」でも芸術との接続を絶たれないで済むわけである。
これから原油高が長期的に続く場合、すべての産業が影響を受け、異常な物価高騰になるだろう。そして、既に一般国民は低給与だのに給料が上がる可能性はゼロに近い。事業を拡大する企業も少ないだろうから、雇用も縮小するとしたら、失業者が溢れ、国民所得は下がり続けるわけである。となれば治安は悪化し、今のアメリカのような社会状況になる可能性も考えておくべきではないかと思う。
まあ、たとえば「100円ショップ」がいきなり「1000円ショップ」になり、それ以外の店もそれと同じ比率で値上げするとしたら、あなたの生活はどうなるのか、想像してみるといい。それは、現在20万円の給与の人間が、いきなり2万円の給与になるのと同じであるわけだ。しかも、健康保険や電気料金やガス料金なども数倍に上がるとしたらどうなるか。さらに悲惨なのは、銀行が支払い停止をしてカネを持ったまま逃げたらどうなるか、だ。「現金を持たない生活」「物を持たない生活」は、それらにまったく対応できないのである。
(以下引用)
- 当局の無意味な命令に従ったほぼ全員が死亡した。
の「全員」という表現がなくなるだけで、リスクを自ら選択しに行ったということは変わりません。
まあしかし、これらはそれぞれの個人的な「崩壊」の話ですけれど、今、社会全体が、このような感じになっている気がします。
「社会全体が総力で自死に向かっている」
その感じがとてもします。
世界中で、マスクにしたがい、自粛にしたがい、ワクチンにしたがった社会の次の段階の到達に今あると思っています。
それはある意味での完全な崩壊に進んでいるようにも見えます。少しご紹介します。
自滅する西側社会の中の準備の時期
現在、世界中で「ロシアに制裁」という響きが普通に言われており、それによりロシアの金融や株式市場などを含めて、ある意味で崩壊しました。
しかし、その「影響」をダイレクトに受けているのは誰かということが、日々明らかになっています。
たとえば、アメリカのケンタッキー州では、「公的年金基金の投資先」の多くが、ロシア株であり、ロシア株式市場の崩壊と共に、
「年金の大部分が消えた」
ことがケンタッキー州のメディアで報じられています。
退職した教師に対する年金基金です。
ケンタッキー州の公的年金はロシアの投資に6200万ドル (約70億円)を保有していると当局者は言う
ケンタッキー州は、数十万人をカバーする主要な公的年金基金を通じてロシアに約 6200万ドルを投資していると当局者は3月7日に監督委員会に語った。
ロシアの株式市場が一時的に閉鎖され、ルーブルが崩壊し、ロシア経済がウクライナへの侵略に対する西側の制裁により崩壊したため、現在そこにどのような価値があるのか誰も確信できないと当局者は述べた。
ケンタッキー州年金基金に連絡をしてきた多くの教師たちは、年金の支払能力を懸念していると同庁の顧問弁護士であるボー・バーンズ氏は述べた。 (nofia.net)
アメリカの多くの州の公的年金基金が、ロシアの市場に投資をしているということで、被害は今後さらに明らかになると思われます。
制裁という名目では、アメリカの大手カード会社が、次々とロシアから撤退していますが、「自分たちが被弾する」だけであることは明白です。
(報道) VISAとMastercardがロシアでの活動を停止
では、ロシアは困っているかというと、これらのカード会社が事業の停止を発表した「即日」に、ロシアの銀行は中国銀聯カードの決済システムに切り替えると発表しています。
(報道)VISAとMastercardが撤退を発表した直後に、ロシアの銀行は中国銀聯カードに切り替えることを発表
ロシアでは特に問題なくスムーズに決済システムの移行が行われるようです。
残った西側は、現在、ことごとく「富」が破壊されており、株式市場も混沌としていますが、以下の被弾をますます受けています。
・エネルギー高騰の被弾
・食糧価格高騰の被弾
食糧とエネルギーと金属に関しては、もうハイパーインフレーションの域にさしかかっています。
(報道) キャノーラ油(菜種油)の先物価格が過去40年で最高に
これらの多くは、制裁対象のロシアでは「自国で生産、採掘できるもの」ですが、食糧自給率が低い上に、鉱物資源に乏しい日本では、どうにもならないものでもあり、実生活への影響が出るのは少し先だとはいっても、最近の日本では比較的稀だった、
「本格的な飢餓」
という概念さえそのうち出てくることがないとも限らないレベルの上昇です。
まだまだ価格は上がるとみられていまして、壊滅的な状態に結びつく可能性があります。
それに加えて、中国は今年の冬小麦収穫が「建国史上最悪」だと発表しています。
[記事] 中国の冬小麦の収穫が「国の歴史上最悪」であることを農業当局が発表
地球の記録 2022年3月8日
現在おこなわれている中国の人民代表大会委員では、「食糧安全保障を最優先」という宣言がなされているということが報じられていました。
習近平国家主席は、全人代で以下のように語ったと書かれてあります。
> 習氏は、食は何よりも最も重要であり、食糧は人々の最も基本的な必需品であると指摘し、70年前、同国は4億人の人口に十分な食物を提供できなかったが、今日では14億人の人々が十分な食物を得て幅広い選択肢を持っていると語った。
中国は「全力で食糧確保に邁進する」ことを表明しているということであり、もちろん、どの国でもそうしたいとは思うでしょうけれど、「まず弱い国から脱落」していく。
また、ハンガリー政府も穀物の輸出の禁止を発表しました。ハンガリーは、ヨーロッパ最大の穀物生産国のひとつです。
[記事] ヨーロッパ最大の穀物輸出国のひとつであるハンガリーが「すべての穀物の輸出を禁止する」と発表
地球の記録 2022年3月7日
このことを伝えていた米ゼロヘッジは、記事で、
> すべての地獄が解き放たれようとしている
と記していますが、直近ではないにしても、これまで考えられなかったような食糧問題が全世界で起きる可能性が高いと見られています。
立場的に弱い国、経済力の弱い国から食糧競争からこぼれ落ちていくのかもしれないですが、次には「個人」です。
いずれにしても、政府にしても民間の人々にしても「制裁、制裁」と勢いよく叫んでいますが、
「日本という国にはモノも食糧もない」
ということを認識しているのかなと思います。
「平時」ならいいのです。
平時なら、輸入だなんだと石油でも石炭でも小麦でも大豆でもトウモロコシでも手に入れることはできてきましたが、もはや平時ではないことは、市場の動向から明らかです。
外からモノや食べ物が入らなくなった時に、日本がどうなるかは第二次世界大戦の時を見ればわかります。あの頃は今よりはるかに食糧自給率が高かったにも関わらず、食糧は枯渇に近い状態でした。(戦後の日本の食糧自給率は 88%。今は38%)
現在の日本で 100%自給できている作物はお米だけで、小麦の自給率は 14%、大豆にいたっては、7%です。大豆って納豆や豆腐の原料ですよ。それが7%。
油脂類の自給率も12%に過ぎません。
今起きていることは、リーマンショックのような一過性の騒動ではないですし、大震災のような地域型の問題でもありません。
全世界が絡んでいる問題で、どのくらい続くのかもよくわかりません。
そして今、ロシアへの制裁で「最も被害を受けているのは西側諸国で、これからさらに大きな被害を受けるのも西側諸国」です。
いろんなものが崩壊しても、食べるものと飲水があれば人間は生きていけます。
今後、明らかに多くの国で「それがなくなる」。
主要国で食糧自給率の低い国はわりとたくさんありますけれど、砂漠にある国々を除けば、日本と韓国の低さは異常であり、今後は厳しいと思います。
今後はどの国も、まずは自分の国の食糧確保が大前提として行動するはずで、ハンガリーのように「穀物輸出の禁止や停止」を打ち出す国も出てくると思われます。
今回のロシアとウクライナの問題で「最も激しく被弾しているのが」日本のような、鉱物も食べ物もエネルギーもない国であり、普通に考えれば、すぐに解決するような問題でもありません。
なお、書いておきたいことは、このようなことを書いているのは、政府や当局に対しての批判として書いているのではないです。そんなことは思ったこともないし、私は日本に政府が存在していると考えたこともあまりないです。
そのことではなく、すでに、局面としては、
「個人個人が準備しなければならない段階に来ている」
ということです。
先ほどの米ゼロヘッジは、
> 私たちは読者の方への提案として、小麦粉、米、大麦等の穀物のただちの購入をお勧めしたい。1か月後では遅い。今すぐ購入すべきだ。
と書いていますが、そういうようなことです。
食糧だけではなく、たとえば「薬の流通」の混乱はまだ続いています。
戦争が拡大しなくとも、流通の混乱は今後も拡大する可能性はあり得ます。そうすれば、このジェネリック薬の不足の問題はさらに激しくなるかもしれません。
絶対に必要な薬などがある方は、そういう準備も必要かと思います。
戦争の行方がどうであろうと、本格的な終末的混乱がもう始まっています。
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