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徽宗皇帝のブログ

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農業再生と労働問題・教育問題(前半)

                     2015.10.4

1)日本の現状と近未来予想

予想の要点を簡単に言えば、「機械化と外国人労働者増加による日本人の失職」だが、細かく言えば、次のような現状分析と未来予想ができるかと思う。(適当に書いているので、産業とは無関係な「未来予想」も含まれているが、思考材料として、とりあえず、そのままにしておく。)
特に、「一般国民に金が無い」という状態はこれまで以上に悪化していくだろう。それは「正社員をどんどん派遣労働者に置き換えていく」政策が続くかぎり変えようは無い。税金も保険も高くなり、公共料金も高くなるだけだから、国民全体としての貧困化は悪化する以外にない。

以下が日本の現状分析および未来予想

1・高齢化のさらなる進展と日本人労働者人口の減少
2・外国人流入による「仕事の奪い合い」
3・機械化の進展による「従来産業」の全体的労働者需要減少
4・IT化による中間管理職需要減少
5・「新しい商品需要」の減少による「過剰生産」とデフレ増進
6・消費者の可処分所得減少による買い控えと不況の悪化
7・第三次産業の異常な肥大による国内の所得の偏り(例:電話・ネット料金の家計における比重の異常な増加)
8・第二次産業の「後進国への移転」による衰退
9・フクシマの放置政策による放射能被害の増加(病人の増加)と国家や家計の負担増加
10・高齢者の死亡に伴う放置家屋(空き家)の増加
11・(仮にTPPが成立した場合)個々の日本農家の破産の増加
12・教育、特に公教育の実質的破綻


2)第一次産業(主に農業)再生の必要性

ここからが「本論」だが、論じる問題のポイントは「日本人、特に若者に(現在は)仕事が無い」ということである。そして、本当に「仕事が無い」かと言えば、そうではない、と私は思う。
必要な仕事はたくさんある。(ここでは論じないが、今は存在しなくても、国家的見地からは必要な仕事はあるのである。)
その中でも、現在、そして将来的に最大の需要のある仕事は

A:第一次産業
B:介護産業

の二つだと私は思う。どちらも若者に嫌われ、敬遠されている仕事だが、需要は大きい。何より、第一次産業は(林業は別として)、生存に必要な「食料」を生み出す仕事で、もともと国家産業の根幹であり、国家生存の大前提である、と言える。現在の日本は食料を金で外国から購入して、そのためにひどく低い食料自給率になっているが、その気になれば日本だけで食料のほとんどは自給できるはずである。
介護産業については、本題ではないので、ここでは論じない。

さて、なぜ日本の農業が衰退したか、だが、それは「既存農家が農業への新規参入を排除し続けたから(そして政府がそれを後押ししたから)」という面が一番の理由だと私は思っている。ほかにも、「農協」依存体質のために個々の農家が自立できないことなども考えられるが、これは詳しくは知らないので、措(お)いておく。
新規参入が困難だから、既存農家だけが農業をすることになる。となれば、高齢者が死亡し、その跡継ぎが農業を離れれば、農業人口は減ることになるのは当然だ。農業のような「ダサい」仕事を嫌う若者も農家の跡継ぎの中にはたくさんいるだろう。結果はつまり、農業の自然衰退である。農業人口の高齢化と農業の衰退は大昔から言われていたが、それがいまだに解決していない。あきれるほどの政府の無策ぶりである。
農地取得の困難さなどに明白に顕れている、農業への新規参入を排除する姿勢、つまり農業のギルド化は、言うまでもなく既存農家の利益を守るためだが、それが逆に農業を衰退させ、既存農家の首を絞めたのである。私のよく言う、「合成の誤謬」である。(部分としては正しい選択が全体としては誤りとなることと私は解している。もし違うなら、私の言う意味はそうだと受け取ってくれればそれでいい。)
さて、少し前で私は「政府の無策」を言ったが、その無策は当然意図的なものだろう。つまり、政府は日本の農業など滅んでもまったくかまわない、と思っていたのだと思う。食料が必要なら、金で外国から買えばいい。その金は第二次産業や第三次産業で作ればいい、という考えだ。それこそが「かっこいい」先進国の姿だ(役人としても外国に胸を張れる)、とでも思っていたのだろう。
はたして、それは正しいか。
もちろん、金は印刷すれば幾らでも作れる。ユダヤ式の考えならば、「紙幣印刷機を支配すれば(中央銀行の紙幣発行権を手に入れれば)」後は、他人の労働の成果をその金で手に入れればいい、ということになる。だが、紙幣など紙にすぎない。本当に我々を生かしているのは「実物としての食料」だ。(さらに言えば、「空気と水」のおかげだ。その水は昔はタダだったが、今は有料で、空気に金はかからないが、有害物質で汚染されたものを吸わされている。何が、人類の文明は進歩した、だ。何が西洋科学の恩恵だ。)
第二次産業は、資源の無い日本は他国の資源に頼るしかない。そして、後進国の進歩発展で、先進国の第二次産業は衰退するのがこれまでの人類文明の必然のコースだった。
第三次産業はサービス産業であり、「生存に必要な根本的な」ものではない。悪口を言えば、「実業ではなく虚業」である。
こうした性格を持つ第二次産業や第三次産業を国家の柱とすることが危ういことは分かるだろう。
さて、「農業技術の進歩」の結果、我々の食べる農産物は、生産にかかる費用の増加のおかげでかえって高くなった。外国の農産物とは価格競争ができないから、関税で保護される始末である。それもTPPが成立すればお仕舞いだ。つまり、農家総破産である。
だが、そもそも、そんなに高い農産物を作る必要が本当にあったのか。
機械化された農業は、農作業を楽にした。(その代わり農家は高額な機械の購入のために借金経営が常態となった。)農薬は病虫害から農産物を守った。(その代わり、食う側の安全性は低下したが、まあ、作る側にとってはどうでもいい話だ。ww)化学肥料は農産物の収量を劇的に増やした。(化学肥料を買う費用を価格に転嫁させたために農産物の価格は上がったが、それもまあ、買い手が負担するのだから、農家にとっては問題ではない。www)
要するに、農家が自分たちの都合で、自分たちの利益のためにやってきたことが、結局は自分たちの首を絞めることになったわけだ。またしても「合成の誤謬」である。

以上が、日本の農業衰退の流れである。
要は、農家の自業自得だ。

だが、農業問題は農家だけの問題ではない。私は、これを「日本の雇用問題」(さらには教育問題)の解決に結びつけるとともに、日本の新たな国家的枠組みの再編と結びつけることもできる、重大な課題だと思っている。つまり、国民的課題である。大きく言えば、「日本全体を救う道」がここにある、と思う。

では、どのような「新しい農業」を私は考えているか。それは次章で書くことにする。




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