(以下引用)
田中宇(たなか さかい)氏は1961年生まれの62歳。日本のジャーナリスト、評論家。東北大学経済学部卒業。東レ、共同通信社、MSN事業部を経て、1999年独立。著作多数(ウィキペディアには20冊挙げられている)。
ネット上で「田中宇の国際ニュース解説」というサイトを開設しており、そこでは"フリーの国際情勢解説者"と名乗っている。記事の配信は無料記事と有料記事がおおよそ半々となっているので、田中宇氏を知りたければ無料記事を閲読されることをお勧めする。無料記事でも内容が薄いということはない。
さて、今回ご紹介するのは、その田中宇氏の「日米韓豪の中国敵視は茶番から自滅に」という記事(無料)になる。いつもは田中宇氏独特の視点から描かれる部分が入り交じるのだが、今回の記事はアクの強さがなく、誰にでもすんなり読めるような気がして、ご紹介したいと思った。
話題は、今月18日にワシントン郊外にあるキャンプ・デービッド山荘で行われた「日米韓首脳会談」にまつわることになる。それにしても、3人が3人ともそろって支持率が低迷している首脳であり、弱者会、慰め合い会、負け犬の遠吠え会のような印象を受けるが、田中宇氏はどのような視点から論評しているだろうか。
まず、台湾問題に触れているが、田中宇氏は台湾問題は大事に至らないだろうと見ている。なぜなら、アメリカが台湾問題に関して中国に嫌がらせをしているのは確かだが、米中共同声明で一つの中国を認めており、それを変更するような素振りも今まで見せたことがないからだという。
日本などはアメリカの煽りにそそのかされて、一触即発であるかのように感じてオロオロしているが、それは「アメリカの騙し」であり、台湾の人もかわいそうというのが田中宇氏の見解になる。さらに、「日韓は、米国に守ってもらっているので、仕方なく米国主導の中国敵視に付き合っている。」「本音にそって日韓が米国に頼んで、声明文に"一つの中国の原則を尊重します"と盛り込んだのだろう。」と推測している。
私もかねてから述べているように、日本はアメリカから独立できていない。日本はアメリカから圧力をかけられて主権を行使できない。特に、現在のアメリカ民主党政権になってからはその傾向が顕著だ。日本は"日本の独立"という、決してあきらめるべきではない目標を目指して、今後も努力する必用があるというのが私の意見になる。
一方、南シナ海問題では、日米韓首脳が「中国の軍事行動を"危険かつ攻撃的"と名指しで非難している」という。しかし、周辺のASEAN諸国は、現実問題として中国との経済関係を優先させ、中国の領有権を黙認しているような状態にあり、日米韓首脳が非難したところで、周辺諸国が問題としないのであれば状況は変わらないと田中宇氏は考えている。
中国はその他に、新疆ウイグル自治区や香港での人権侵害及び民主破壊も問題とされていたはずだが、「今回の米日韓サミットにおいて、それらの批判は姿を消している。」という。一時マスコミが大騒ぎしたのは一体何だったのだろうか。相変わらずの、信頼できない日米政府、テレビ学者、マスコミを感じさせる。
経済危機に関して田中宇氏は、「コロナ超愚策の無意味だった都市閉鎖、米諜報界が誘発した米中間の流通網の混乱、そして米国側から非米側への資源利権の移転による米国側の資源不足などが連続する結果、米国側の物不足とインフレが激化していく」と考えている。
しかし、アメリカでは「米諜報界やウクライナ戦争がインフレを誘発したのに、米連銀の低金利策のせいにされて間違った利上げが強要され」ており、つまり、根本的な問題や解決策に目を向けようとしておらず、今後も混乱はますますひどくなると予測している。
また、田中宇氏は「気候危機」を否定している。「米英の学者が作ったインチキなシミュレーションモデルだけが根拠だ。」と述べていて、「気候危機のウソがバレ、やっぱり石油ガスしかないねという話になる頃、米国側は利権を持たない貧しい国々になっている。」さらに、「日韓は、対米従属に固執したばかりに自滅させられている。」と論じる。私もその意見に賛成する。
防衛問題に関しては、面白いことを書いている。米国の衰退は日韓ともに知るところだが、それゆえ韓国の尹錫悦大統領は「日本との安保関係を強化することに積極的」だという。これは自然な考え方だろう。ところが日本はこじれている。「対米従属を恒久化したいので、米国を撤退させてしまう日韓和解を嫌がり、日韓対立を温存してきた。」と田中宇氏は見ている。信じられないような奴隷根性だけれども、まあ、日本ならあり得ると思わせる。もっと素直に、人間らしくなれないものかねえ。それだもの、日本もアメリカ同様衰退していく一方だ。
アメリカはアジア版NATOを作ろうと画策しているという。もちろん敵は中国になる。しかし、田中宇氏のよればそんな愚作はあり得ないという。なぜなら、それによって中国とロシアが固く結束してしまい、日韓豪は自滅するしかなくなるからだ。大東亜戦争もそうだったけれど、日本という国は自滅することが好きなのだろうか。あとから理屈をつけて取り繕ったところで意味がないのだけれどねえ。
もちろん、日韓豪を中露と敵対させるのはアメリカの戦略。アメリカだけがそれによって利益を得、日韓豪は死ぬ目を見る。ところが、アメリカは過去何年にもわたり、長い目で見ると100年以上にもわたり、日本人に反中、反露のプロパガンダを行い、日本人の80%はその策略に引っ掛かっている。洗脳というのは恐ろしい。それは日本にコロナやワクチンの洗脳から目が覚めていない人が、いまだにたくさんいるのを見ても分かる。
一時期豪州は親中姿勢を示していた。経済的な結びつきもずいぶん強かった。お互いにWin-Winの関係にあるように見えた。それが保守系のモリソン前政権時代(2018-22年)に、中国との経済関係を本気で断絶する敵視策を行ったという。これも記憶に残っている。ところが、昨年5月の選挙で労働党アルボ政権が誕生し、中国を敵視したがる米国との安保関係を表向き保ったまま、中国との経済関係を改善していき、中国は石炭や大麦の豪州からの輸入を再開したという。 なるほど、お上手。
それは豪州ばかりではなく、「韓国も豪州も日本も、安全保障を米国に依存しているので米国の中国敵視策に付き合っているが、その裏で中国との経済関係を良好なものにするという、裏表のある国策をとっている。」というのが田中宇氏の指摘になる。なるほど、日本も輸出入の一番の相手国は中国だからね。
しかし、「米国は従来、日韓豪の表裏のある対中政策を黙認してきたが、これからは容認しなくなっていく可能性が高い。」という。おやおや穏やかではない。しかし、あの犯罪者バイデンならやりかねない。「そうされたくなかったら1000兆円支払え」などとマジで言いそうだ。それを聞いて岸田総理ははいつくばるのだろう。
田中宇氏は「ロシアとの経済関係を断絶させられ、石油ガスが不足して経済破綻が続いているドイツなど欧州は、米国との同盟関係を続けていると経済を自滅させられる先例を示した。今後は、日韓豪などアジア側の同盟諸国が、中国を相手に同じような目にあわされていく。」と書いている。まったく、ドッヒャーだね。
誰が何といおうと、今の世界を悪くしているのはアメリカになる。アメリカは"悪の根源"にほかならない。おまけに日本の不利な点は、国民があまりにも無知蒙昧でアメリカの中露敵視政策、殺人ワクチン接種政策などに、ホイホイと乗ってしまうところだ。他の国は賢く綱渡りをしていても、日本だけが足を踏み外して真っ逆さまということにもなりかねない。大東亜戦争がそうであったように。あ、ドイツもそのお友達なのかな、昔と同じで。
最後に田中宇氏はこのように書いている。「この流れがどんどん進む前に、米国金融が破綻してくれたら対米従属できなくなって良いのにと、4.2%から4.3%に上がった10年もの米国債金利を見ながら祈っている。」
賛成である。この3年半余の間に、私は日本人の愚かさを嫌というほど見せつけられてきた。結論として、日本人が自力で日本という国を良くしていくことは不可能であると考えるようになった。日本人はそうするだけの能力を持っていない。
となれば、他国に頼るか、幸運に期待するか、相手の方が自滅してくれるのを待つか、要するに運を天に任せるしか方法はない。なんだか、悲しい国に生まれ落ちてしまった。
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