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アメリカン・パイ American Pie 歌詞の意味・和訳 謎めいた歌詞や暗喩が多用された大作 マドンナのカバーもヒット 『American Pie』(アメリカン・パイ)は、シンガーソングライターのドン・マクリーン(Don McLean)が1971年にリリースしたシングル。
2000年3月にマドンナ(Madonna)がカバーし、彼女主演の映画「2番目に幸せなこと」(The Next Best Thing)サウンドトラックとして使用されヒットした。
マドンナのカバーはオリジナルよりも短く、ポップダンス風にアレンジされている。
ジャケット写真:ドン・マクリーン『American Pie』(アメリカン・パイ)
演奏時間が8分を超える大作で、歌詞には謎めいた表現や暗喩が多く、様々な解釈が生まれている。
歌詞にある「ミス・アメリカン・パイ(Miss American Pie)」が何を意味するのかについては諸説あり、当時ドン・マクリーンが付き合っていたミス・アメリカの女性とする説や、古き良き1950年代のアメリカの象徴とする説などがある。
【YouTube】Don McLean - American Pie VIDEO
【YouTube】Madonna - American Pie VIDEO
歌詞の意味・和訳(意訳) 『American Pie』
作詞・作曲:ドン・マクリーン(Don McLean)
A long, long time ago I can still remember How that music used to make me smile
ずっと昔 まだ覚えてる あの音楽がどれだけ 僕を笑顔にしてくれたか
And I knew if I had my chance That I could make those people dance And maybe they'd be happy for a while
そして僕は分かっていた もしチャンスがあれば 僕はあの人々を踊らせることができると そして多分彼らは しばらく楽しい気分になっただろう
But February made me shiver With every paper I'd deliver Bad news on the doorstep I couldn't take one more step
でも2月は僕を震えさせた 僕が配達する新聞すべてが 玄関先への悪い知らせだった もう一歩も踏み出せなかった
<補足> 1959年2月3日未明の飛行機事故に複数のミュージシャンが巻き込まれた。作曲者のドン・マクリーンは当時14歳で新聞配達のアルバイトをしていた。
I can't remember if I cried When I read about his widowed bride But something touched me deep inside The day the music died
思い出せないんだ 僕は泣いたのかどうかを 彼の未亡人の花嫁のことを読んだとき 何かが僕の心の奥底に触れた 音楽が死んだその日
So bye, bye, Miss American Pie Drove my Chevy to the levee but the levee was dry And them good ole boys were drinking whiskey 'n rye Singin' this'll be the day that I die This'll be the day that I die
さよなら ミス・アメリカンパイ シボレーで堤防まで行ったけど 堤防は乾いてた そしてあの古き良き男たちは ウィスキーとライ麦酒を飲みながら 「今日が俺の死ぬ日だ」と歌ってた 「今日が俺の死ぬ日だ」と
<補足1> ニューヨークで育ったマクリーンは、ニューロシェル(New Rochelle)にある「The Levee」(ザ・レヴィー)というバーに通っていた。
バーの休業日(お酒がなく乾いていた時)には、ニューヨーク市ウェストチェスター郡の町「Rye(ライ)」で飲み屋を探したという。
<補足2> 「今日が俺の死ぬ日だ(This'll be the day that I die)」の歌詞は、飛行機事故で亡くなったバディー・ホリーの楽曲『That’ll Be the Day』の歌詞が元ネタになっている(動画と歌詞は後掲する)。
Did you write the book of love And do you have faith in God above If the Bible tells you so?
愛の本を書いたか? 天上の神への信仰はあるか? もし聖書がそう言っているなら?
<補足> 「愛の本(The Book of Love)」は、モノトーンズ(The Monotones)が1968年にリリースしたヒット曲。
Now do you believe in rock and roll? Can music save your mortal soul? And can you teach me how to dance real slow?
ロックンロールを信じるか? 人間の魂を音楽は救えるか? スローダンスを僕に教えられるか?
Well, I know that you're in love with him 'Cause I saw you dancin' in the gym You both kicked off your shoes Man, I dig those rhythm and blues
分かってるさ 君は彼に恋してる 僕は見たんだ 君がジムで踊っているのを 君らは二人とも靴を脱ぎ捨てた あのリズム・アンド・ブルースが好きだ
I was a lonely teenage broncin' buck With a pink carnation and a pickup truck But I knew I was out of luck The day the music died
僕は孤独な十代の若い馬だった ピンクのカーネーションと ピックアップトラックと共に でも分かってた 僕には運がないって 音楽が死んだその日
I started singing bye, bye, Miss American Pie Drove my Chevy to the levee but the levee was dry Them good ole boys were drinking whiskey 'n rye Singin' this'll be the day that I die This'll be the day that I die
僕は歌い始めた さよなら ミス・アメリカンパイ シボレーで堤防まで行ったけど 堤防は乾いてた そしてあの古き良き男たちは ウィスキーとライ麦酒を飲みながら 「今日が俺の死ぬ日だ」と歌ってた 「今日が俺の死ぬ日だ」と
Now for ten years we've been on our own And moss grows fat on a rollin' stone But that's not how it used to be
10年間自分たちでやってきた 転がる石の上で苔は茂る だがそれは昔とは違う
<補足> ボブ・ディランの楽曲『Like A Rolling Stone』と関連付ける説がある。
When the jester sang for the king and queen In a coat he borrowed from James Dean And a voice that came from you and me
道化師が王と女王のために歌ったとき ジェームズ・ディーンから借りたコートを着て 君と僕から来る声で
<補足> 道化師はボブ・ディランとされる。1963年のアルバム「The Freewheelin' Bob Dylan」のジャケット写真で着ている上着が関連しているという。
Oh, and while the king was looking down The jester stole his thorny crown The courtroom was adjourned No verdict was returned
そして王が下を見ている間 道化師は彼のいばらの冠を盗んだ 法廷は休廷になり 評決は下されなかった
<補足> 「王」とは誰なのかについては、「キング・オブ・ロックンロール」と讃えられるエルヴィス・プレスリー(Elvis Aron Presley)、フォーク歌手ピート・シーガー(Pete Seeger)、第35代大統領J.F.ケネディなど、諸説ある。
And while Lennin read a book on Marx The quartet practiced in the park And we sang dirges in the dark The day the music died
そしてレーニンが マルクスの本を読んでいる間 カルテット(四重奏団)は公園で練習していた そして僕たちは暗闇で葬送歌を歌った 音楽が死んだその日
<補足> レーニンはジョン・レノン、カルテットはビートルズの暗喩とする説がある。
We were singing bye, bye, Miss American Pie Drove my Chevy to the levee but the levee was dry Them good ole boys were drinking whiskey 'n rye Singin' this'll be the day that I die This'll be the day that I die
僕たちは歌っていた さよなら ミス・アメリカンパイ シボレーで堤防まで行ったけど 堤防は乾いてた そしてあの古き良き男たちは ウィスキーとライ麦酒を飲みながら 「今日が俺の死ぬ日だ」と歌ってた 「今日が俺の死ぬ日だ」と
Helter skelter in a summer swelter The birds flew off with a fallout shelter Eight miles high and falling fast
夏の暑さで大慌て 鳥たちは核シェルターと共に飛び立った 8マイルの高さから急速に落ちていく
It landed foul on the grass The players tried for a forward pass With the jester on the sidelines in a cast
草の上に不時着して 選手たちは前方へのパスを狙った サイドラインにいるのは ギプスをした道化師
Now the halftime air was sweet perfume While the sergeants played a marching tune We all got up to dance Oh, but we never got the chance
ハーフタイムの空気は甘い香りだった 軍曹たちが行進曲を演奏している間 僕らは踊ろうと立ち上がったが そのチャンスは得られなかった
<補足> サージェント(the sergeants)は、ビートルズの暗喩とする説がある。1967年6月に発売されたビートルズの楽曲『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)が元ネタか。
'Cause the players tried to take the field The marching band refused to yield Do you recall what was revealed The day the music died?
なぜなら選手たちが フィールドを取ろうとしたから マーチングバンドは譲らなかった 何が明らかになったか覚えてるか? 音楽が死んだその日
We started singing bye, bye, Miss American Pie Drove my Chevy to the levee but the levee was dry Them good ole boys were drinking whiskey 'n rye And singin' this'll be the day that I die This'll be the day that I die
僕らは歌い始めた さよなら ミス・アメリカンパイ シボレーで堤防まで行ったけど 堤防は乾いてた そしてあの古き良き男たちは ウィスキーとライ麦酒を飲みながら 「今日が俺の死ぬ日だ」と歌ってた 「今日が俺の死ぬ日だ」と
Oh, and there we were all in one place A generation lost in space With no time left to start again
僕らは一ヶ所に集まった 一つの世代が宇宙へ消えて もう一度始める時間は無かった
<補足> ここからは、1969年12月にカリフォルニアで開催された無料のロックフェスティバル「ウッドストック・ウェスト」(オルタモント・フリーコンサート)の様子が暗に描写されている。
アメリカ全土からヒッピーら若者が集結し、麻薬中毒と思われる者らが多数会場に入り込んだ。
So come on, Jack be nimble, Jack be quick Jack Flash sat on a candlestick 'Cause fire is the devil's only friend
だから ジャックよ早く 急いでくれ ジャック・フラッシュは燭台に座った 炎は悪魔の唯一の友だから
<補足> ローリング・ストーンズ主催の無料コンサートで、バイク集団ヘルズ・エンジェルス(Hells Angels/地獄の天使)が警護を担当した。
ローリング・ストーンズは1968年に『ジャンピン・ジャック・フラッシュ(Jumpin' Jack Flash)』、そして『悪魔を憐れむ歌(Sympathy for the Devil)』を発表している。
Oh, and as I watched him on the stage My hands were clenched in fists of rage No angel born in Hell Could break that Satan's spell
ステージ上の彼を見て 僕は怒りで拳を握りしめた 地獄で生まれた天使では サタンの魔法を破れない
<補足>
観客が薬物により正気を失い暴徒化。ミック・ジャガーは錯乱した観客に顔面を殴られた。警護を担当したヘルズ・エンジェルスが応戦し、4人の死者を出す惨事となった。
And as the flames climbed high into the night To light the sacrificial rite I saw Satan laughing with delight The day the music died
そして炎が夜空高く立ち昇り 生贄の儀式を照らし出した 僕は見た 喜びに笑うサタンを 音楽が死んだその日
<補足> ショーの終了後、ローリング・ストーンズのメンバーはすぐにヘリコプターで会場を後にした。
1969年の出来事については、イーグルス『ホテル・カリフォルニア』 でも暗に言及されている。
He was singing bye, bye, Miss American Pie Drove my Chevy to the levee but the levee was dry Them good ole boys were drinking whiskey 'n rye And singin' this'll be the day that I die This'll be the day that I die
彼は歌っていた さよなら ミス・アメリカンパイ シボレーで堤防まで行ったけど 堤防は乾いてた そしてあの古き良き男たちは ウィスキーとライ麦酒を飲みながら 「今日が俺の死ぬ日だ」と歌ってた 「今日が俺の死ぬ日だ」と
I met a girl who sang the blues And I asked her for some happy news But she just smiled and turned away
ブルースを歌う女の子に会った 何か良いニュースはないかと尋ねたが 彼女はただ笑みを浮かべ 去って行った
<補足> 「女の子」とは、ブルースロックシンガー、ジャニス・ジョプリン(Janis Lyn Joplin、/1943- 1970)とされる。1970年10月4日に薬物の過剰摂取で死亡。
I went down to the sacred store Where I'd heard the music years before But the man there said the music wouldn't play
神聖な店へ行ったんだ そこで僕は何年か前に音楽を聴いていた だけど店主は言った もう音楽は流れないと
And in the streets, the children screamed The lovers cried and the poets dreamed But not a word was spoken The church bells all were broken
通りでは子供たちが叫び 恋人たちは涙を流し 詩人は夢を見ていたけど 一言も交わされず 教会の鐘はすべて壊れてしまった
And the three men I admire most The Father, Son and the Holy Ghost They caught the last train for the coast The day the music died
そして僕が最も敬愛した三人の男たち 父と子と聖霊は 海岸に向かう最終列車に乗った 音楽が死んだその日
<補足> 「父と子と聖霊」とは、キリスト教における「三位一体」(さんみいったい)の教え。
「父」とは、父なる神・主権。「子」とは、神の子(イエス・キリスト)のこと。
And they were singing bye, bye, Miss American Pie Drove my Chevy to the levee but the levee was dry And them good ole boys were drinking whiskey 'n rye Singin' this'll be the day that I die This'll be the day that I die
彼らは歌っていた さよなら ミス・アメリカンパイ シボレーで堤防まで行ったけど 堤防は乾いてた そしてあの古き良き男たちは ウィスキーとライ麦酒を飲みながら 「今日が俺の死ぬ日だ」と歌ってた 「今日が俺の死ぬ日だ」と
<以下、繰り返し省略>
今日が俺の死ぬ日だ 歌詞で繰り返される「今日が俺の死ぬ日だ(This'll be the day that I die)」については、上述のとおり、飛行機事故で亡くなったバディー・ホリーの楽曲『That’ll Be the Day』の歌詞が元ネタになっている。