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野村総研による中国経済分析だが、ネトウヨが騒ぐような「中国経済崩壊」はコケ脅しだろう。中国は意図的に不動産価格を抑え、物価抑制政策をしたのであり、「不況」などではない。
私は昔からインフレよりデフレがはるかにいいという主張をしており、現在の日本がまさに物価高(インフレ)で国民が苦しんでいるのである。
それまでデフレだったのは、中小企業の企業経営努力により、価格抑制がされ、100円ショップなど、安い中国製品の輸入で助けられてきたのだ。それがいかに日本国民を救ってきたか。
インフレで喜ぶのは大企業幹部だけである。そして経済誌はそうした連中を対象に記事を書いているわけだ。日本政府も大富豪や大企業にしか目は向けていない。中国はそうではなく、常に国民生活に配慮しているということである。そこには「社会主義の精神」を持った資本主義という、健全な姿がある。
(以下引用)世界経済『静かなる危機』①:中国経済は日本化するか?(上):ダブル・デフレと深刻なディレバレッジ(資産圧縮)のリスク
中国が直面する「ダブル・デフレ」のリスク
中国では、物価の下落と不動産価格の下落とが同時進行する「ダブル・デフレ」の懸念が高まっている。それはバブル崩壊後の1990年代の日本と重なる、との見方もあり、「中国の日本化(ジャパナイゼーション)」も議論され始めている。
中国政府が7月10日に発表した6月消費者物価は、前年同月比横ばいとなった。前月の同+0.2%から一段と下落し、2021年2月以来の低水準だ。また、変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数の上昇率で見ても、前年同月比+0.4%と前月の同+0.8%を下回り、下落が視野に入ってきた。
また、中国政府が7月15日に発表した6月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、全体の54%にあたる38都市で価格は前月比で下落している。半数以上の都市で新築住宅価格が下落したのは、2022年12月以来6か月ぶりのことだ。中古住宅価格も、半分以上の都市での価格下落が2か月連続となっている。
こうした物価上昇率の低迷と不動産価格の下落は、景気の減速傾向と並行して生じている。7月17日に発表された4-6月期の実質GDPは前期比+0.8%、年率換算で3%強と、成長率が大きく鈍化した。2023年の政府目標である「5.0%前後」の達成にも黄色信号が灯っており、達成できなければ2年連続となってしまう。
中国経済は昨年末のゼロコロナ政策の終了によって一度回復軌道に入ったが、それは長続きしなかった。不動産不況が続く中、個人は新規の住宅購入に慎重であり、それが市況の下落を長引かせている。また、若年層を中心に雇用情勢も悪化した状態が続いており、ゼロコロナ政策の後遺症は予想以上に深刻だ。
さらに、政府が7月13日に発表した6月の貿易統計によると、輸出は前年比12.4%減少と事前予想を大きく下回った。中国は内需の減速に加えて、外需の減速の悪影響も受けているのである。「内憂外患」の状況だ。
中国経済の現状は世界経済の将来を先取りしているか?
多くの国が依然として物価高騰に苦しむ中、世界第2の経済大国である中国では逆に、物価が継続的に下落するデフレのリスクが浮上していることは、かなり意外なことである。それは中国独自の要因によって引き起こされている、と考えるのが自然だろう。
日本、米国、中国の3か国の消費者物価上昇率の動きを比較すると、2000年代後半以降は、中国の物価上昇率が最も高くなる局面も多くみられたが、足元では日本の物価上昇率をも大きく下回り、最下位となっている(図表1)。
図表1 日本・米国・中国の消費者物価上昇率
2020年に本格化したコロナ禍による経済悪化への対応として、多くの国では大幅な金融緩和策が実施され、それを契機に住宅価格の高騰がみられた。しかし中国では、それより前の2015年頃から、住宅価格の上昇ペースが加速を始めた。そして、2022年4-6月期をピークに、住宅価格は下落に転じている(図表2)。ちなみに米国では、歴史的な物価高騰への対応として2022年から大幅な金融引き締めが実施されているが、その影響もあり、住宅価格はようやく足元で上昇に歯止めがかかりつつある状況だ。
図表2 日本・米国・中国の住宅価格
中国の住宅価格下落は、米国のように金融引き締めによるものではなく、建設・不動産業に対する政府の統制強化、中長期の成長期待の低下など、複数の要因によるものであり、行き過ぎた住宅価格高騰の自律的な調整という側面もある。
ただし背景は異なるものの、米国ではこの先、住宅・商業用不動産価格の下落傾向が目立ってくると考えられる。それは、企業部門の本格的な債務圧縮(ディレバレッジ)を促し、経済の減速をもたらすだろう。そのもとで、米国でも物価上昇率は急速に低下していくことが予想される。中国のように米国の物価上昇率がゼロあるいはマイナスに陥ることは考えにくいが、コロナ禍前のディスインフレの状態に戻る可能性は考えられるところだ。そして、不動産価格の下落と経済の低迷はやや長引くのではないか。
こうした点から、「ダブル・デフレ」のリスクに直面する中国経済の現状は、米国など世界経済の将来を先取りする動きと見ておきたい。
日本、米国での経験をなぞる中国での本格的なディレバレッジ
1980年代のバブル崩壊後の日本や2008年のリーマンショック時の米国では、不動産価格の下落が金融の安定を著しく損ねたうえ、企業や家計に過剰債務問題も生じさせた。不動産価格が上昇を続ける間は、不動産の総額の増加と、それを支えた債務の増加はバランスが取れていたが、ひとたび行き過ぎた不動産価格が下落に転じると、金融機関、家計、企業の純資産は急激に減少し、にわかに過剰となった債務を削減するディレバレッジを、銀行、企業、家計が同時に進めた。これが、個人消費や設備投資の抑制をもたらし、経済活動に大きな打撃を与えることになった。
国際決済銀行(BIS)によると、中国の非金融民間部門債務のGDP比率は2022年末時点で219.5%となっている。これは、米国の152.5%を大きく上回っている(図表3)。そのうち非金融企業の比率は158.2%と米国の78.1%の2倍近くにまで達している。
図表3 非金融民間部門債務のGDP比率
この先、不動産価格のさらなる低下と景気情勢の悪化は、中国の家計及び企業のディレバレッジを促し、それがさらなる経済情勢の悪化と不動産価格の下落を生じさせるという悪循環が生じるのではないか。
1980年代のバブル崩壊後の日本や2008年のリーマンショック時の米国で生じたディレバレッジが、この先中国でも本格化するだろう。この点から、中国経済の現状は米国や世界経済の将来を先取りしている面がある一方、過去に他国で生じた経済・金融危機を中国が繰り返している、という側面もあるだろう。
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「スプートニク日本」記事で、BRICSについての基礎知識のようなもので、一般人には有益な記事だろう。専門家が知識があるのは当然で、世界の一般人が正しい知識を持つことが世界をまともにするのである。私など、最初この文中で「BRICKS」と書いてしまったwww 頭の中で「ブリックス」と発音しているのだから、そうなって当然だろう。ただ、「5か国」だったような気はしていたのである。ちなみに「ブリカス」は英国への悪口だ。イギリスは、過去の文化は最高、現在の政治と社会は最低、というのが私の認識である。政治と社会が最低になったのは第二次大戦後だが、人心と社会が荒廃したのは主にサッチャー革命(新自由主義革命)以後だろう。
(以下引用)BRICSについて知っておくべき5つの事実 あすから南アでサミット
© iStock.com / ISergBRICS(ブリックス)の定例サミットがあす22日から3日間の日程で、南アフリカのヨハネスブルグで行われる。ロシアからはセルゲイ・ラブロフ外相が代表団を率い、ウラジーミル・プーチン大統領もビデオ会議の形で参加する予定だ。スプートニクはBRICSについて知っておくべき5つの事実をまとめた。周知の通り、BRICSは参加国のブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)、南アフリカ(South Africa)の頭文字を取ったものだ。正式加盟国はこの5カ国だが、その枠組みは広がりつつある。今回のサミットにはアフリカやアジアを中心に世界67カ国が招待されている。そのうちアルゼンチンやベトナム、ベラルーシ、インドネシア、イラン、タイ、サウジアラビアなどの少なくとも23カ国は、加盟の意思を公式に示している。ロシアはかねてより協力拡大を歓迎している。また中国外務省もこのごろ、スプートニクに対し拡大プロセスを支持すると表明している。サミットではBRICSの輪の広がりについても議論される見込みだ。BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は世界の国土の26.7%、地球上の総人口の約41.5%を占めている。その経済規模は年々成長を続けており、世界経済におけるBRICSが占める割合(今年3月時点のGDP)は31.5パーセントと、G7の30.7パーセントを超えている。BRICSが2015年に立ち上げた新開発銀行は、世界銀行や国際通貨基金(IMF)に代わる選択肢としての国際金融機関を目指している。本部は中国の上海に置き、これまでに加盟5カ国や発展途上国に対し、300億ドル(4兆3750億円)のインフラ投資をしてきた。今回の議長国を務める南アフリカは、これまでに52億ドル(7584億円)規模の融資を受けており、支援は道路の整備、水道の普及、エネルギー事業などに生かされている。5カ国の貿易は世界貿易の18パーセントを占めている。現状ではその多くが米ドル決済で行われているが、この流れは変わりつつある。ドルの優位性への批判は高まっており、BRICSの目標の一つにもドルからの自由を勝ち得ることが含まれている。BRICSは自国通貨での決済を拡大しており、将来的には独自の決済システム、共通通貨の導入なども計画している。ロシアと中国、インドとの資源取引では人民元やロシアルーブルでの決済の割合が増えてきているほか、ブラジルと中国も今年初め、自国通貨での支払いに関する協定を結んでいる。BRICSの協力分野は経済だけではない。サミットに先立ち開催されたBRICS教育相会議では独自の大学ランキングを創設することを発表した。これまでにロシアは、政治的な理由からロシアの大学が西側の国際大学ランキングから排除されていると非難していた。関連ニュース -
たいていの人には「耳タコ」の内容だろうが、ウクライナ戦争が欧米資本主義の中心である軍産複合体による「在庫兵器一掃セール」で、軍事企業は大儲け、ということで、ウクライナ人とウクライナ兵士はただの「フードプロセッサーに投入された人肉」でしかないということだ。それが資本主義の象徴にもなっている。
ついでに言っておくが、私は「逝ける世の面影」の宗純氏が訳知りぶった顔で言うような「ウクライナ戦争はロシアとアメリカの八百長プロレス」説には与(くみ)しない。
プーチンがロシア防衛に心を砕いてきて、NATOの東方侵略に神経を尖らせていたのは明白である。そして、その侵略の企てが一線を超えようとした時に、プーチンは「特別軍事作戦」を発動したわけだ。これはプロレスでも八百長でも何でもない。単なる祖国防衛行動だ。で、その軍事作戦の経過の中でプーチンは欧米によるロシア制裁がまったく効果が無く、戦争が長期化することで欧米は没落し、ロシア有利になることを見出し、「急がなくなった」わけである。それを「八百長だ、プロレスだ」という人間の目は節穴だろう。単に、プーチンがDSの掌の上で踊らされない稀有な政治家だっただけのことである。
もちろん、戦争の長期化で欧米軍事企業は儲けたが、それはプーチンにはどうでもいいことだろう。彼にとっては欧米が軍備在庫がほとんど無くなり、かつてないほどNATOが弱体化したという「嬉しい事実」が起こっただけだ。
要するに、大局的に見れば「欧米軍事企業は大儲けしたが、欧米からはあらゆる物資が減少し、カネ(ドル)の価値はこれまでになく低下した」のである。つまり、欧米企業やその持ち主は無価値なドルを増やしたにすぎない。もちろん、そのインフレの悪影響は西側国家の国民全体が受けることになる。
(以下「大摩邇」から引用) -
「隠居爺の世迷言」から転載。最後の数行(お休みの告知)以外全文転載。
最初は冒頭の西鋭夫のものらしい言説の要旨部分が、馬鹿な内容だなあと思ってうんざりしたが、我慢して後を読むと西鋭夫や伊藤貫について実に優れた考察をしており、おそらく、それが正解だろうな、と思う。問題はそうした軍備増強論者の言説が日本人の多くに与える悪影響である。隠居爺氏ほど明敏な思考力を持つ者は少ないだろう。
(以下引用)当ブログの8月9日及び8月13日の記事で、西鋭夫氏の動画や研究レポートをご紹介した。それには「なるほど」と思わせる内容がちりばめられており、これが正論だろうと感じさせる。日本に対するレベルの高い分析であるといえる。
そう思っていたら、8月16日に「【核保有】米に頼るvs日本で守る?議論をぶった斬り」という動画がアップされた。しかし、この動画の内容は私から見ると、感情優先で論が粗く、がっかりするくらい内容が薄い。
その動画からかいつまんでご紹介すると、
・戦争しないようにするためには私たちもう少し武器持ってなきゃ。
・明治維新、幕府が負けたのは何で? 武器、武器の違いですよ。
・どういう状況になれば日本は目を覚まし、核を保有できるようになるのでしょうか。実際に戦争が起こって日本に核を2、3発落とされて何百万人が死んで、それから核ですか?
・日本はアメリカにお願いするんですか、助けてくださいと。
・日本は口出すな、武器持つな、お金だけ出す。それを出すこのバカ日本。もうそろそろやめなきゃ。
・皆さん世の中は怖い奴ばっかり。その真ん中に立って、日本は無防備だから誰も攻撃しねえ? 最初にやられるんじゃ。
・アメリカと中国が大戦争やった時に、日本は巻き込まれるというよりも一発で潰されますよ、中国に。一瞬、おそらく10分で終わり。
・皆さんアメリカ核使うんか?日本のために。何考えてんのよ、使うわけねえじゃねえか、日本のために。
・岸田首相、人気なかったし、何してるかわからんし、何言ってるかわからないのが出てきて、アメリカに往復ビンタ喰らって「助けろ。助けに行ってくれ」。何か新しい使命を感じたのか日本の経済をほったらかし、ウクライナにワーッと行っちゃって。
・はっきり言いますけどウクライナは日本と何の関係もないです。日本国内の民間からだけでも50億円。日本政府は780億円もの支援を行っております。
こうやって抜き書きしてみると賛成できるところも多い。しかし、武力や核武装に関しては、根本から私とは意見が違う。
西鋭夫氏と似たような主張をする人に、当ブログで度々名前を出している伊藤貫氏(国際政治・経済アナリスト)がいる。伊藤貫氏も核武装論者であり、日本が核武装をしなければ、近いうちに中国の属国になると述べている。その際、アメリカが何の助けにもならないであろうことは、西鋭夫氏と同意見である。
西鋭夫氏も伊藤貫氏も、日本を代表する論客といっていいように思うけれども、この2人に見られる武力信奉というものは、日本人全体を表しているのだろうか。だとすれば、日本民族はお粗末すぎるということになる。まあ、新型コロナ騒動一つとっても、あんな子供騙しの詐欺に簡単に引っ掛かるのが日本人だから、武力信奉についても同様なのだろう。
明治になって、日本の国策は"富国強兵"だったと子供の頃に習った記憶がある。チョンマゲを結った江戸時代の武士たちから欧米を見ると、日本が対等に太刀打ちするためには富国強兵が必用に思えたのだろう。つまりは、身を粉にして働き、強い軍隊を持つということが目標になった。
その流れで、大東亜戦争の敗戦まで70年ほど突っ走った。その結果、日本は国の存亡に関わるような大失敗を犯した。そう、富国強兵では解決できないことにぶつかってしまったのだ。これは"金(カネ)"でも同様のことが生じる。"金"さえあれば何でも解決できると思っている人が世の中には多い。しかし、世の中の金持ちはみんな幸せかといえば全くそんなことはない。貧乏人が"金"さえあればと妄想しているだけのことだ。
武力、軍事力も同じことで、岸田総理のような「うらなり」は自分が弱々しいために、物理的な力を手に入れれば何でもできるという幻想に支配されるが、そうは問屋が卸さない。例えば今回のロシア・ウクライナ紛争を見ればよく分かる。現在のところ敗戦国はアメリカになる見通しだ。アメリカは世界一の軍事大国であるけれども、そしてもちろん核武装もしているけれども、それが何かの役に立っているだろうか。
核武装論者は、日本が核保有国に囲まれていて、今にも核攻撃をされそうな状況にあると日本人を煽る。では、核武装をしていない他の国、例えばカナダ、オーストラリア、ベトナム、韓国、タイ、イラク、サウジアラビア、トルコ、ブラジルなどなど、世界の大多数の国は核保有国に蹂躙されるままこの先悲惨な歴史を刻むのだろうか。
ちなみに核を保有しているとみなされている国は、アメリカ、フランス、イギリス、中国、ロシア、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの9か国のみになる。彼らは核兵器を保有しているがゆえに、堂々と自国の主権を主張し、誇り高い国家の運営をできているのだろうか。反対に、核兵器を持たない国はいつも怯え、言いたいことも言えずにおどおどしながら外交をしなければならないのだろうか。
これは、個人レベルで考えてみても分かる。アメリカには銃の所持が自由に認められる州もある。では、そのような州は全員が銃を持っているのだろうか。そして、銃を持っている人は襲われる心配がなく、持っていない人はいつも撃ち殺されることを心配してビクビクしながら暮らしているのだろうか。
このような例を挙げていけば、いくらでもあると思う。この世界は、軍事力の強い国が一番えらく、かつ世界を支配する、2番目に軍事力の強い国が2番目にえらく、かつ2番目に支配力を持つ、そのような単純な仕組みにはなっていない。
そんなことを考えているうちに、ふと疑問というか、疑念が生じてくる。西鋭夫氏も伊藤貫氏も、日本生まれ日本育ちだが、大学卒業後アメリカでの生活を中心としていた。ひょっとして彼らはアメリカのスパイになっているという可能性はないだろうか。もちろん、何の根拠もないことで、私が想像を巡らせているうちに思考がさまよった結果の、完全なるフィクションになる。
ご存知のように、世界の覇権を維持したいアメリカにとっては、中国もロシアも邪魔な国であって、できることなら自らの手で抹殺したいくらいに思っている。しかし、それは非現実的であり、中国やロシアを敵に回して直接戦うとアメリカ自身が深手を負ってしまう。ゆえに、ロシア・ウクライナ紛争のように代理戦争によって目的を達成できないかとアメリカは探っている。
すでにウクライナは役立たずであることが判明してしまった。では日本だったらどうだろうかと、アメリカは現在涎をふきふき検討しているところだ。日本が中国に勝利することを期待しているのではない。少しでもいいから手傷を負わせることができれば、日本がどうなろうがそれはアメリカの国益になる。
もう少し視野を広くして考えるならば、核武装を推奨することは、同時に中国敵視の勧めにもなる。つまり伊藤貫氏のように「日本が核武装をしなければ、近いうちに中国の属国になる」という訴えには、核武装の必要性以上に、中国がいかに恐ろしい国であり、中国の属国になることは地獄に落ちるも同然であるという意味合いも含まれている。
私のようにアメリカが嫌いで、なおかつ中国も嫌いというような人間にとっては、中国の属国になることはそれほど恐ろしいことではない。現在のように残忍で野蛮なアメリカの属国をしているくらいなら、中国の属国になっても同じようなものだろうくらいにしか感じない。それどころか、日中同盟を結んで協力しあえば、今の日米同盟よりも日本にとっては良い結果が生じる可能性すらあるように思う。
しかし、日本人は80%がすでにアメリカに洗脳されている。アメリカが殺人ワクチンを打てと命令すると、80%の日本人がワクチンを接種するということは、日本人の80%が洗脳済みであることを示す。この洗脳を解くのにどのくらいの時間がかかるだろうか。100年くらいかかるかもしれない。
西鋭夫氏や伊藤貫氏のように優れた識者が核武装を勧めることにはもう一つの意味合いがある。核武装といったって、いきなりそんなことができるはずもない。できるはずもないことを勧められると、日本人にはある種の渇望感が生じる。強力な武器に対する渇望である。核兵器がだめなら、それに準じたできるだけ高性能な武器を身にまといたいと望むようになる。
お分かりになるだろうか。それこそアメリカの思う壷になる。「諸般の事情から、核兵器は難しいでしょうから、それに変わるものとしてこのミサイルはいかがでしょうか。」「この戦闘機はいかがでしょうか。」「この駆逐艦はいかがでしょうか。」などと、アメリカはニコニコしながら売り込みをかけてくる。
その売り込みの前段階として、西鋭夫氏や伊藤貫氏に露払いをさせていると考えると辻褄は合う。そうなると、西鋭夫氏や伊藤貫氏は「増税軍備拡張路線」を進めている岸田総理をアシストしているようにも見えてくる。まさか、とは思うが、断言する根拠も、否定する根拠も私は持っていない。
新型コロナ騒動が始まって以降、そのあまりにも荒唐無稽な手口に私は驚き続けてきた。不合理、非常識、非科学的、幼稚、無責任、乱暴、残酷、強権的、専制的、詐欺、殺人等々だ。大の大人がそのようなことを、もっともらしい顔をして平然と行うのを見て、今の世界はどんなことが起きても不思議ではないと思うようになった。
西鋭夫氏や伊藤貫氏がアメリカのスパイであるなどということは、3年前なら私自身が一笑に付して相手にもしなかったことになる。しかし、これだけ世の中が乱れてくると、いろいろな可能性を頭に入れておく必用がある。特に留意しておかなければならない国が、すでにワクチンジェノサイドを行ったアメリカであり、ウクライナをけしかけているアメリカになる。中国の何倍もトラブルメーカーであり、危険な国であることは間違いない。そして、最悪の事態は、アメリカの策略にはまって日本が核武装を行い、中国に向けて核ミサイルを発射することだ。現時点ではまだ非現実的だが、アメリカはいずれはと狙っているだろう。80%もがワクチンを打つ愚かな日本ならば、騙せるかもしれないと思っているだろう。そんなことを背景にしての核武装論ではないかと私は邪推する。
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「耕助のブログ」記事で、非常に面白い内容であり、社会主義者の私としては痛快だが、最後の段落が何かのミスで前の段落とほとんど同一内容になっているので、そこは「見え消し」にしておく。なぜ世界経済の中心がBRICKSに移っていくのか、そのメカニズムがよく分かる。
なお、国家資本主義は「大きな政府」のことであり、国家社会主義とほとんど同じである。つまり、中国のように経済活動への政府の関与が大きくなるということだ。それは日本の高度成長期の「護送船団方式」と同じことである。そのころの日本は「世界で唯一成功した社会主義国家」と揶揄されたが、その揶揄はそのまま真実だったのだ。
(以下引用)No. 1873 なぜ資本主義は利益を求めて米国を離れるのか
Why Capitalism is Leaving the US in Search of Profit
by Richard Wolff
初期の米国資本主義の中心はニューイングランドだった。しばらくして、多くの資本家が利益を追求してこの地域を離れ、ニューヨークや大西洋中部の州に生産拠点を移した。ニューイングランドの大部分には、廃墟と化した工場ビルが残され、今日に至るまでそれは残っている。やがて雇用主はニューヨークと大西洋岸中部を捨てて中西部へと再び移動した。資本主義の中心が極西部、南部、南西部に移ると同じ話が繰り返された。「ラストベルト」、「脱工業化」、「製造業の砂漠」といった形容語は米国資本主義のますます多くの部分に適用されるようになった。
資本主義の動きがほとんど米国内にとどまっている限り、その見捨てられた犠牲者が発する警鐘は地域的なものにとどまり、全国的な問題とはならなかった。しかしここ数十年の間に、多くの資本家が生産設備や投資を米国外、特に中国に移転した。この資本家の国外移転については継続的な論争と警戒が起きている。有名なハイテク分野は米国資本主義に唯一残された強固な中心地であるが、それさえも国外に多額の投資を行っている。
1970年代以降、海外の賃金ははるかに低く市場の成長も速かった。ますます多くの米国の資本家も海外移転をしなければならなかった。そもなくば、中国に早く移転し、驚くほど利益率をあげた資本家(欧州や日本、そして米国の)に対して競争力を失うリスクを冒さざるを得なくなった。中国以外でも、他のアジア、南米、アフリカの国々が低賃金と成長する市場を提供し、結局は米国の資本家や他の国々にそこに投資させた。
こうした資本家の動きで得られる利益は、さらなる動きを刺激した。上昇した利益は米国の株式市場に還流し、所得と富の大きな増加をもたらした。それは主に、すでに裕福な企業の株主やトップ企業経営者の利益となった。そして彼らは、資本主義が米国を見捨てたことは、実際には米国社会全体にとって大きな利益であるというイデオロギー的主張を推進し資金を提供した。これらの主張は、「新自由主義」と「グローバリゼーション」という見出しの下に分類され、ある重要な事実を巧妙に隠す、または曖昧にするのに役立った。それは一部の富裕層がより高い利益を得ることを最大の目的に、資本家が米国を見捨てた結果であるということだ。
新自由主義は、資本家の「自由な選択」を経済全体の最適効率を達成するために必要な手段として正当化する、古い経済理論の新しいバージョンだった。新自由主義の考え方によれば、政府は資本家の利益主導の決定に対する規制やその他の干渉を最小限に抑えるべきである。新自由主義は「グローバリゼーション」を称賛し、これは資本家が特に海外に生産拠点を移すことを選択することを指す。その「自由な選択」は、資本家がグローバルに調達した資源を利用できるため、商品やサービスの「より効率的な」生産を可能にすると言われた。新自由主義、資本家の自由な選択、グローバリゼーションを称揚することで得られる論点とオチは、資本主義が前進すればすべての国民が恩恵を受けるというものだった。一部の反対派(一部の労働組合を含む)を除き、政治家、マスメディア、そして学者たちは、資本主義の新自由主義的グローバリゼーションへの激しい喝采に大方加わった。
資本主義の旧中心地(西ヨーロッパ、北米、日本)から利潤主導で移動した経済的帰結は、資本主義に現在の危機をもたらした。第一に、旧中心地では実質賃金が停滞した。雇用を輸出できる雇用主(特に製造業)はそうした。そうできない雇用主(特にサービス業)は雇用を自動化した。米国の雇用機会が増加しなくなると、賃金も上昇しなくなった。グローバリゼーションと自動化が企業利益と株式市場を押し上げる一方で、賃金は停滞し、資本主義の古い中心地では所得と富の格差が極端に拡大した。深刻化する社会的分断が次第に進み、それが現在の資本主義の危機に至ったのである。
第二に、他の多くの貧しい国々とは異なり、中国は資本家による投資が中国自身の発展計画と経済戦略に役立つようにするためのイデオロギーと組織を持っていた。中国は、資本家が中国の低賃金労働力や急速に拡大する中国市場にアクセスすることと引き換えに、参入してくる資本家の先端技術を共有することを要求した。北京市場に参入する資本家はまた、中国の生産者と自国の流通チャネルとの提携を促進することも求められた。輸出を優先する中国の戦略は、ターゲットとする市場の流通システム(つまり資本家が支配する流通網)へのアクセスを確保する必要があった。中国とウォルマートのようなグローバルな流通業者との間には、相互に利益をもたらすパートナーシップが生まれた。
北京の「中国の特色ある社会主義」には、開発を重視する強力な政党と国家が含まれている。両者は民間資本主義と国家資本主義が混在する経済を監督・管理した。このモデルでは、民間の雇用主と国家の雇用主が、それぞれの企業で大勢の従業員を指揮する。どちらの雇用主も、経済目標の達成を決意した政党と政府の戦略的介入を受けて機能する。社会主義をどのように定義し、運営したかの結果、中国経済は新自由主義的グローバリゼーションから、西欧、北米、日本よりも多くのもの(特にGDP成長率)を得た。中国は今や資本主義の古い中心地と競争できるほどの急成長を遂げた。変化する世界経済の中での米国の衰退は、米国資本主義の危機を助長した。第2次世界大戦後に誕生した米帝国にとって、中国とBRICSの同盟国は初めて深刻かつ持続的な経済的挑戦となった。こうした変化に対する米国の公式反応は、これまでのところ、憤り、挑発、否定が入り混じったものとなっている。それらは危機の解決策でもなければ、変化した現実への調整でもない。
第3に、ウクライナ戦争は資本主義の地理的な動きと、中国の経済的台頭に対する米国の経済的衰退の加速という重要な影響を露呈した。したがって米国主導の対ロ制裁戦争は、ルーブルの暴落やロシア経済の崩壊に失敗した。この失敗はロシアが、中国を中心に構築された同盟(BRICS)から重要な支持を得たからである。外国資本家と国内資本家、特に中国とインドへの投資によって豊かになったこれらの同盟は、制裁によって欧米の市場がロシアの輸出品に閉ざされたとき、代替市場を提供したのである。
米国では以前から所得格差と貧富の格差があり、高賃金職の輸出と自動化によって悪化し、多くの従業員が自分もその一員だと信じていた「広大な中産階級」の経済的基盤が損なわれていた。ここ数十年の間に、「アメリカン・ドリーム」を享受できると思っていた労働者たちは、商品やサービスのコスト上昇によって、その夢が手の届かないものになったことに気づいたのである。彼らの子供たち、特に大学進学のために借金を余儀なくされた子供たちは自分たちも同じような状況か、もっと悪い状況に置かれていることに気がついた。労働者階級の生活環境が悪化の一途をたどるなか、あらゆる種類の抵抗(組合結成運動、ストライキ、左右の「ポピュリズム」)が起こった。さらに悪いことにマスメディアは新自由主義的グローバリゼーションから最も利益を得た少数の人々の呆れるほどの富を讃えた。米国では、ドナルド・トランプ前大統領、バーモント州の無所属上院議員バーニー・サンダース、白人至上主義、労働組合結成、ストライキ、露骨な反資本主義、「文化」戦争、そして頻繁に起こる奇妙な政治的過激主義といった現象が深まる社会分裂を反映している。米国の多くの人々は資本主義に見捨てられ、裏切られたと感じている。裏切られたことに対する彼らの説明の違いは、この国で広く抱かれている危機感を悪化させている。
資本主義の世界的な移転により、BRICS諸国(中国+同盟国)のGDP総額はG7諸国(米国+同盟国)のそれを大きく上回った。グローバル・サウスのすべての国々にとって、開発援助を求めるアピールは西側諸国だけでなく、可能性のある2回答者(中国と米国)に向けられるようになった。中国企業がアフリカに投資する場合、もちろんその投資は援助国と被援助国の双方を助ける仕組みになっている。両者の関係が帝国主義的かどうかは、その具体的な内容や純利得のバランスによる。BRICSにとっての利益はおそらく相当なものになるだろう。ロシアはウクライナに関連した制裁を受けたことで、BRICSへの傾斜を強めただけでなく、BRICSメンバー間の経済的な交流も強めた。既存の経済連携や共同プロジェクトが拡大した。新たな関係も急速に生まれている。当然のことながら、最近、グローバル・サウスの追加国{2}がBRICS加盟を希望している。
資本主義は前進し、旧中心地を放棄したことでその問題と分裂を危機的なレベルにまで押し上げた。利益は依然として旧中心地に還流しているため、そこで利益を得ている人々は、彼らの国々や自らを欺いて、グローバルな資本主義が順調であると考えている。こうした利益は経済的不平等を急激に悪化させるため、社会的危機はさらに深まる。例えば、米国のほぼすべての産業で起きている労働争議の波は、こうした不平等に対する怒りと憤りを反映している。右翼のデマゴーグや運動による、さまざまなマイノリティのヒステリックなスケープゴート化も悪化する問題を反映している。さらにもうひとつは、問題の根底にあるのは資本主義体制であるという認識の高まりである。これらすべてが今日の危機を構成している。
資本主義の新たな活動拠点においてさえ、社会主義的な重大な問題が再び人々の心を揺さぶっている。私企業と国営企業の両方における雇用者対被雇用者という旧来の資本主義モデルを維持したまま、新しい中心の職場組織は望ましいのか、持続可能なのか。雇用主という小さな集団が、職場の重要な意思決定(何を、どこで、どのように生産し、その利益をどうするか)のほとんどを排他的かつ無責任に行うことは許されるのだろうか?それは明らかに民主的ではない。資本主義の新しい中心地の従業員たちは、すでにこのシステムに疑問を抱いている。そうした新しい中心地が、何らかの社会主義を称賛している場合、従業員は職場における資本主義の残滓への従属に抵抗する可能性は高くなる(そして早くなる)。
新しいダイナミックな中心地でも、重要な社会主義の問いが人々の心をかき立てている。新しい中心地の職場の組織は、私企業と国有企業の両方において雇用主対従業員の古い資本主義モデルを維持することは望ましいのか、持続可能なのか、という問いである。少数の雇用主が独占的かつ説明責任のない形で、ほとんどの重要な職場の決定(何をどこでどのように生産するか、利益をどうするか)を行うことは受け入れられるのだろうか?それは明らかに民主的ではない。新しい中心地の労働者たちは既にこのシステムに疑問を抱いており、中にはそれに対抗し、立ち向かっている者もいる。新しい中心地がある程度の社会主義を称賛する場合、労働者たちは職場での資本主義の遺物への服従に(より早く)抵抗する可能性が高くなるだろう。
Links:
Why Capitalism is Leaving the US in Search of Profit
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中学生でも分かる「地球温暖化詐欺」の解説だが、世界中の高学歴の大人の大半が、この程度の理解もないのである。これを読んでも、地球温暖化否定論を彼らは「陰謀論」だと言うのだろうか。いや、怖いことに、そう言いそうである。つまり、世界は中学生以下の知能(理性)の大人たちがDSに踊らされて動かしているわけだ。あるいは、もっと悪いことに、それが詐欺だと知りながら協力しているのである。つまり、品性下劣な犯罪者たちが社会の中枢を担っている。
(以下「耕助のブログ」から引用)No. 1887 リアリティ・チェック:「過去10万年で最も暑い週」ではなかった
「いかに人々は無意味な統計に目を奪われているのか」
by Kit Knightly
世界気象機関(WMO)によると、過去10万年間で最も暑かった5日間はすべて先週に起きた、ということが気候変動ニュースで話題になっている。
記事はフォーブスで読むことができる:
7月4日は、その前日の記録を更新し、過去12万5千年間で最も暑い日となった。エルニーニョ現象の再来と夏の始まりの気温の上昇がぶつかったからだ、と研究者たちは言う。
あるいは、お望みなら、気候憂慮論者がツイッターで身もだえしているのを読むこともできる:
さて、最初にはっきりさせておこう。7月4日以来、過去10万年間で「最も暑い7日間」になってはいない。
より正確にいうと、「猛暑日があったかどうか」を確実に知る術はないのだ。
彼らがこの主張をするとき、何を言っているのか考えてみてほしい。
彼らは、 過去3600万日間の世界平均気温を小数点以下2桁まで知っていると主張しているのだ。
これ以上話を進める前に、いくつか覚えておいてほしいことがある。
1 – 人類が何かの温度を正確に測定できるようになったのは、おそらく400年前からである。
2 – 公式の「地球の気温」記録が始まったのは1880年からである。
3 – それ以降は17世紀半ばまでさかのぼり、部分的で地域的なかなり不正確な記録しかない。
つまり、だいたい400年前ということになる。
では、気候学者は残りの99,600年分のデータをどうやって入手するのだろうか?
彼らは推測するのだ。
悪いけど、彼らは木の年輪データと氷床コアのサンプルを使って “モデル化 “している。
NASAは、現代の木の年輪を既知の気象システムと比較することで、過去に木の年輪が作られた気象パターンを解明できると主張している。
これは科学的ではなく解釈に基づくものだ。
木の年輪は成長サイクルを表しているだけである。それに影響を与える要因は、個々の木、地域、または地球レベルに特有のものであり予測的な価値としてはあまりに複雑すぎる。
病気、火山活動、他の樹木との競合、降雨量、太陽活動、寄生虫や菌類の感染……私たちはこれらの要因を正確に説明することはできない、 これらはすべて樹木の成長に影響を与える。
要するに、木の年輪からわかるのは成長サイクルの長さだけなのだ。それ以外はすべて、先験的な因果関係の仮定に基づいた外挿とモデル化なのだ。
しかしそれは二次的な問題だ。もっと重要なことを言いたい。それは「地球の平均気温」という考え方である。
「地球の平均気温」―まったく無意味な統計
数字や尺度を用いて大衆を惑わし、大衆の意見をコントロールすることは今に始まったことではない。事実、衝撃的な量のプロパガンダはほとんどの人々が統計を理解できないことを前提にしている。(この無能さはメディアや教育システムによって積極的に奨励されているが、それはまた別の話である)。
このような統計の使い方は、おそらくコロナ「パンデミック」で頂点に達した。しかし、気候変動ほど統計に深く浸り、統計に大きく依存しているものはない。
このように統計を使うことの魅力は、あからさまな嘘をつく必要がなくなることだ。
―本当の数字しか報告しなくても、人々を完全にミスリードすることができる。
―事実だけを発表し、真実を完全に無視、あるいは偽装することもできる。
まさに「嘘と統計」という言葉通りだ。
平均、特に平均値はこうしたことに非常に適している。
知らない人のために説明すると、「平均」や「平均値」は、ある数値の集合の中のすべての値を足し合わせ、その合計をグループのメンバー数で割ることによって算出される。
例えば友人5人で一緒に食事に行き、その合計が85ポンドだった場合、各人が食事に費やした平均は85÷5、つまり17ポンドとなる。
この種の平均は、文脈次第で非常に有用にもなるし、完全に誤解を招くこともあるので、欺瞞的な統計を作るのに優れている。
この問題の良い例が「平均寿命」である。私は大学で歴史を専攻していたときに、この問題を身をもって経験した。
私のクラスの何人かは、ヴィクトリア朝のロンドンでは男性の平均寿命が40歳だったと書いてあるのを読み、それが文字通り男性の老化が早く、白髪になり30代後半で認知症になるという意味だと純粋に考えていた。
ところでそれは完全に間違っている。
実際ヴィクトリア朝時代に成人した男性のほとんどは、太古の昔から人々が生きてきたように(詩篇によれば「70年」)、それなりに普通の寿命を生きていた。
しかし、ヴィクトリア朝時代のイギリスは乳幼児死亡率が非常に高く、1歳になる前に死亡する子供の数が平均死亡年齢をかなり引き下げている。
つまり、統計ではほとんどの人が40歳で死んでいるように見えるが、実際は40歳で死ぬ人はほとんどおらず、1歳前後で死ぬ人が多く、多くは70歳前後で死んだ。
「平均」は、完全に真実であると同時に、現実をまったく代表していないこともあるのだ。
「地球の平均気温」はその完璧な例である。文脈や現実世界での応用がまったくないため、人々が怖いと感じるような数字が生み出される。文字通り無意味なのだ。
さて、これは統計学の優レベルを持つジャーナリストだけの戯言ではない。長年にわたって多くの科学者や学者が、「地球の気温」という考え方そのものが無意味だと言ってきた。
例えば、Journal of Non-Equilibrium Thermodynamics誌の2006年6月号に掲載された「Does a Global Temperature Exist?」(地球の温度は存在するのか)と言う論文はこう記している。
地球全体の温度というものは存在しない。その理由は、局所的な熱力学平衡を支配する状態方程式の性質にあり、統計を物理学に置き換えても避けることはできない。温度は強度変数であるため、全体の温度は測定されるシステムとしては意味を持たず、したがってどの一つの単純な平均値も必ずしも意味を持つわけではない。
アカデミックな言葉に対抗して、例を挙げて説明しよう:
まず第一に、地球はかなり巨大であり、その大きさだけで人の目はくらんでしまう。そこで私の台所の「平均気温」を計算しよう。
さらに、我々はその名前自体が誤解を招くものであることに気づくべきだ。彼らが「地球の平均気温」というとき、明らかに地球上のあらゆる場所を計測しているわけではない。彼らが本当に意味しているのは、「陸地の気象観測所と海上の気象ブイからの平均的な地表面温度」ということなのだ。
これらの温度の読み取りは、私たちが平均値を計算するために使用するセットを形成している。世界中には数千ものこれらのデータがあるが、ここでは台所の例を使って説明する。冷蔵庫内、ストーブ内、そしてキッチンテーブルの両端にそれぞれ1つずつ温度計がある。
朝起きて、まず「台所のモニタリングステーション」で温度を測る。次のような温度計測結果が得られた:冷蔵庫内は6℃、テーブルの両端は19℃、コンロは17℃。これらの温度の平均値は15.25℃である。
このデータから、キッチンは家の中で最も寒い部屋であり、平均的な室温や平均的な夏の日よりもずっと寒いことがわかる。
後で、夕食を調理した後に再び温度を測定する。冷蔵庫内は6℃、テーブルの両端は21℃、コンロの中は176℃。この時点での平均温度は56℃になった。
これは驚くべきデータだと思わないか?まず、このデータによれば、台所にはいることさえもはや医学的には安全ではない。そしてもっと心配なのは、このままこの上昇率が続けば、明日の真夜中までに私の家は炎上してしまうということだ。
確かに、記録開始以来(今朝のことだ)最も暑い台所だ。そして、私より前にこの家に住んでいた人たちの古い写真から判断するに、キッチンがこれほどうだるように暑かったことはなかったようだ。
この文章を読んでいる人たちが、そのポイントを理解してくれることを願っている。
部屋全体で4つの測定ステーションは非常に少なく、そのうちの50%が地域的な極端な温度を経験している点は、a)部屋の大部分には当てはまらない、b)最終的な結果に大きな影響を与えている。
これらの「平均温度」は、高くても低くても台所の実際の周囲温度を代表するものではないし、その台所を使う実際の人々の生活に影響を与える可能性もないのだ。
それらは現実を反映しておらず、現実の世界には何の応用も利かない。
この次のことは衝撃かもしれないが、世界は私の台所よりもはるかに広く、複雑である。多くの地域はまったく気象観測所のカバーを受けていないし、多くの地域は計り知れないほど複雑な局所的な気象システムに影響されており、それを考慮することは不可能なのである。
統計は、それが徹底的であるほど示唆的で、現実を代表するだけの有用性がある。地域ごとの差異を考慮しないで広範なデータの「平均」を作成することはできない。
成人の「世界平均身長」は66インチ(168センチ)である。これに基づけば、身長5フィート8インチ(173センチ)のオランダ人男性は「平均より背が高い」と言われるかもしれないが……実際には、ほとんどのオランダ人男性よりむしろ低い身長である。
変化し続ける地球上のさまざまな情報源から「平均気温」を報告することは無意味である。特に、記録されたデータの背景や、それに寄与する多変量な地域的要因がわからないのであればなおさらだ。 (例えば、多くの気象観測所は空港にあり、空港は周辺地域よりも常に高温である。また、「都市のヒートアイランド」の問題や、気象観測所が世界中に均等に分布していないことなどもある)。
簡潔に言えば、彼らは先週が「過去最も暑い週」だったかどうかわからず、今日の「平均的な地球全体の温度」を把握することは不可能であり、それが可能であったとしても、それはあまりにも曖昧なデータで意味がないだろう。
もちろん、それらすべては、彼らがそれらのデータを単にでっち上げていないと仮定しての話だが、彼らは簡単にそれをやっている可能性があると思っている。
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「大摩邇」から転載。有名陰謀実在論者(「陰謀論者」というと、彼らそのものが陰謀を企んでいるみたいである。)たちが、オバマが大統領になることを予言していたのは知らなかった。
TPPについても、その危険性がどういうものか良く分からないままに反TPP記事を幾つかこのブログでも載せてきたが、実際締結されると、TPP関連ニュースを聞かなくなり、「さほど社会生活に悪影響は無いものだったのかな」という気にもなっていたが、どうやらその悪魔の手が表に出て来たようである。
(以下引用) -
長い記事で、既知の情報も多いだろうが、全部読めば得るところはあるだろう。
(以下「大摩邇」から転載)場合によっては前半省略。 -
「混沌堂主人雑記」所載の「シャンティフーラ」記事で、内容は原貫太という人のユーチューブで語られたものという、孫引きだか曾孫引きのようなものだが、内容は非常に興味深い。
アフリカが現在でも欧州の植民地と同様である、ということは私も前々から何度も書いてきたが、単に直感で書いてきただけである。アフリカが欧州によって「文明開化」して何百年もたつのに、なぜ貧困のままなのか、と考えれば、それは植民地時代の搾取構造が「顔だけ変えて」続いているからだ、と推測するのは中学生でもできることである。それを「アフリカ人は馬鹿だから」と白人的人種偏見を有色人種である日本人まで考えていることこそ最大の馬鹿だろう。
で、問題は、その「永続的経済搾取の構造」を下の記事は明晰に教えていることで、これは偉業だろう。
(以下引用)
シャンティ・フーラ より上記文抜粋・・・・・・・・・・・[原貫太氏 CFAフランの解説・前編] フランスによるアフリカ諸国の植民地支配を可能にしたのは「CFAフラン」という通貨、アフリカから実質的に通貨発行権を奪うもの読者の方からの情報です。読者の方から、今知るべき情報が届きました。ヨーロッパの支配から抜け出そうとするアフリカ諸国の動きが活発化していますが、旧宗主国フランスは、これまでアフリカの国々を植民地支配するために「CFAフラン(セーファーフラン)」という通貨を利用していました。CFAフランとは何なのか?原貫太氏が前編・後編に分けて解説されていました。今回は前編です。CFAフランとは「西アフリカと中央アフリカの国々で使われている共通通貨(1:20〜)」で、厳密には「西アフリカ諸国中央銀行が発行するCFAフランと、中部アフリカ諸国銀行が発行するCFAフランの2種類」あります。2:50あたりの地図に、それぞれが数カ国ずつ使われているエリアが示されています。CFAフランの特徴は、旧宗主国であるフランスの通貨と固定されたレートを持っていることで、過去、交換レートが変更されたのはわずか2回のみでした。1994年に交換レートが1フランス・フラン=100CFAフランとされ、その後、1999年にはフランスがEU共通通貨ユーロを導入したことから、1ユーロ=約656CFAフランとなりました。原貫太氏いわく「CFAフランの問題点を考える上で、この交換レートが非常に重要です。」その理由として、3つの問題点を説明されます。1点目は、ユーロとの交換レートが、アフリカの経済力よりも高い水準で設定されていること。アフリカの経済力に相応したレートであれば、国際的な価格は相対的に安くなるので、アフリカの国々の輸出には有利に働くはずでした。しかしCFAフランが高く設定されているため、アフリカ諸国にとっては輸出が不利になり自国の産業が発展しにくい構造になっています。逆に、フランスからはあらゆる商品が安い価格で入ってくるため、アフリカの産業は価格競争に勝てません。2点目は、CFAフランを発行するのはアフリカ諸国の中央銀行ですが、その政策決定には常にフランスから選出された役員がコントロールをしてきました。実質的にアフリカの加盟国は通貨発行権を持っていません。アフリカ諸国は、自国の道路や橋など望まれるインフラ整備の公共事業を介した景気対策が取れません。3点目の最大の問題点は、CFAフランの加盟国が保有している外貨の50%をフランスの国庫に預けなければならないという決まりです。これはつまり「本来は、アフリカの経済発展に使うべき資産のうち、半分をフランスに取り上げられてしまっている」ことになります。アフリカの国々にしてみれば、輸出すればするほど、そこで得た外貨がフランスの国庫に自動的に入っていくシステムで、フランスにとっては重要な収入源になります。「これでは植民地支配と変わらない」CFAフランのメリットとしては、「経済大国のフランスによって、通貨の安定性が保証されていること」が挙げられています。アフリカの独立後の政情不安によって経済破綻が起きても、ユーロとの交換レートが固定されているため、通貨の価値を失うことなく換金可能な状態が維持できるというものです。アフリカに投資する外資にはありがたいことです。アフリカから見たCFAフランは「西アフリカ諸国の大統領はCFAを廃止したくても、それを言えばフランスに暗殺されてしまう。政治家はフランスの言いなりになるしかない。西アフリカは"経済的な奴隷状態だ"。ベナンを含む西アフリカはまだ独立を果たしていない。」というものです。次回、後編は「中国やロシアが近年のアフリカで影響力を高めてきたことがCFAフランの廃止に向けた動きにも関係している」という解説です。フランスの闇を暴露します【CFAフランをわかりやすく解説】配信元) YouTube 23/8/13