先週のモスクワ郊外でのテロ攻撃は、確実に、欧米列強に画策され、可能になったものだ。多くの点で、NATOの対ロシア代理戦争は、常に本質的に「非従来型」、あるいは、より平易に言えば、テロだったのだから、驚くにはあたらない。
よりあからさまなテロ行為を展開する動きのタイミングは、ウクライナにおけるアメリカ主導のNATO代理戦争が歴史的敗北に直面しており、それゆえロシアの敵が、必然的に、非正規テロ戦術に切り替えている事実を反映している。
引き金を引いたのはタジキスタン出身の四人だったかもしれないが、虐殺の背後にいる首謀者がキーウ・ネオナチ政権と共謀して活動しているCIAや他の西側諜報機関であることはほぼ確実のようだ。
まだ解明されていないのは、バイデン政権上層部のどこまでが、この極悪非道な計画を作成したかということだ。疑惑は、アメリカ国家安全保障長官ジェイク・サリバンと元国務省高官ビクトリア・ヌーランドに向けられている。後者は、キーウのマイダン・クーデターにまでさかのぼり、CIAと共に彼女の監視下で画策されたウクライナでの秘密の汚い手口の主要人物だった。ヌーランドが先月職を辞任する直前、彼女はロシアを待ち受ける「厄介な驚き」を自慢していた。
ロシア捜査官たちは、キーウ政権から殺人犯までの金の痕跡を解明した。銃撃犯がロシア国境を越えて車でウクライナに逃れようとしていたことは、既に早い段階で知られていた。ウクライナ軍諜報長官キリロ・ブダノフは、キーウ政権全体と同様、アメリカの手先だ。彼はアメリカとイギリスの諜報機関と緊密に連絡を取り合っている。モスクワでの残虐行為を巡るブダノフの喜びは、この恐ろしい犯罪への彼の関与だけでなく、CIAとMI6の彼の傀儡師たちをも暗示している。
キーウ政権は犯罪とは何の関係もなく、全てイスラム主義テロリストが単独でやったというワシントンとロンドンの奇妙な主張は、滑稽であると同時に自らを罪におとすものでもある。欧米プロパガンダ・マスコミは、モスクワでのテロ攻撃は、アフガニスタンに拠点を置く何らかの正体不明の集団(ISIS-ホラサーン)に所属すると思われるイスラム主義者に実行されたというワシントン言説を即座に売り込みに乗った。この作り話をでっちあげて、キーウ政権とNATOスポンサーを逃がせると欧米は素朴に思い込んでいる。更に、テロリストの表面的な正体を無視して、ロシアは欧米を中傷しようとしているとアメリカ合州国とヨーロッパ同盟諸国は嘲笑している。
もし欧米マスコミが偽情報と洗脳で飽和していなければ、アメリカ合州国とNATO同盟諸国が、政権転覆や他の違法作戦の汚れ仕事をするために、いわゆるイスラム主義テロ集団を支援してきた、長く十分記録された歴史を持っていることは極めて明白なのだ。
モスクワでの大量殺戮は、イスラム主義者の殺し屋を使った欧米の国家支援者に画策されたのだというロシアの分析には全く矛盾がない。それどころか、1980年代、アフガニスタンにおけるアルカイダの起源から、1990年代と2000年代初頭、ロシアを不安定化させるためのチェチェンでのテロリスト聖戦主義者配備や、シリアに代表される過去10年間の中東での政権転覆戦争に至るまで、膨大なつながりがあるのだ。
今週、ヴァネッサ・ビーリーが報じた通り、アメリカ合州国やNATOやイスラエルが支援する聖戦士によるシリアの都市アレッポへのテロ攻撃が急増している。
欧米諸国は、アルカイダやイスラム国(ISIS)、チェチェン戦闘員、ハヤト・タハリール・アル・シャム、ジャブハット・アル・ヌスラ戦線、ISIS-K、その他数え切れない連中を含む様々なイスラム主義テロ集団の扇動、武器化、指揮に全面的に関与している。
バッシャール・アル・アサド大統領のシリア政府に対するロシアの支援の結果、シリアにおけるNATOによる政権転覆秘密戦争敗北後、聖戦主義テロ集団は、ウクライナのNATO封土に殺人雇用の新たな舞台を見つけたのだ。ロシア人を絶滅させるというネオナチ・イデオロギーのバンデラ主義軍事政権は、CIAやMI6が雇った手先に有用な目的を見出した。シリアやチェチェンや他の国々から、欧米が支援する聖戦士の多くが、キーウ政権のために、ロシアと戦うべく、ウクライナでNATO外人部隊に加わった。
今年、主にベルゴロド州とブリャンスク州で、ウクライナからロシア領内へのテロ攻撃が増加している。これら攻撃には、イスラム主義者と協力し、CIAとイギリスにより武装し指揮されたネオナチ部隊が関与している。
それゆえ、アメリカとNATOが支援するこれらテロの手先が、先週モスクワ郊外のクロッカス・シティ・ホール劇場で銃乱射事件を実行するため配備されたのは当然のことだ。
そのような評価を「馬鹿げている」と感じるのは、凶悪なテロ行為での自分たちの痕跡を隠そうと必死になっている欧米スポンサーと、人々を洗脳するマスコミだけだ。
3月7日、差し迫るテロ攻撃をロシアに警告したというワシントンの主張は、軽蔑をもって特筆に値する。その警告は曖昧で不完全だった。ニューヨーク・タイムズが今週認めた通り、それは適切な警告を伝えていなかった。テロ警報は、3月22日のモスクワ近郊での犯罪を回避する上で、ロシアにとって実際的な助けにはならなかった。それが成し遂げたのは、アメリカは警告を発したと、もっともらしく主張できるようにして、イスラム主義テロリストが別途単独で活動しているという物語を補強するように見える。
モスクワのテロ攻撃について、アメリカ合州国とNATO加盟諸国が偽物語をでっち上げようとしているのは、連中の過失と堕落の深さを浮き彫りにしているだけだ。
欧米諸国がロシア国民に示す同情や基本的な人間的思いやりがほとんどないのも恐ろしいことだ。犠牲者を非難する倒錯した感覚もあり、大部分はロシア嫌いの政治家やメディアに助長されている。2015年のパリなど、他国でテロ事件が起きた際、世界は連帯感から公共建築をフランス色にライトアップしたのを思い出す。ロシアのテロ犠牲者に対しては、そのような同情は示されなかった。
2014年にウクライナでアメリカと共犯者がロシアに対し解き放ち、2022年に最高潮に達した代理戦争は、常に遙かに大きな非正規戦に染まった非正規戦争だった。
1945年、ナチス・ドイツがソビエト赤軍に敗北すると、欧米帝国主義者はロシアを打倒すべく、テロ代替策を配備するため直ちに動いた。1950年代と60年代、CIAやMI6が敵陣の背後で、活動を指示し、ロシアを恐怖に陥れるため、ウクライナのナチス残党が再配置された。2014年に権力を掌握したキーウ政権は、その手口の延長線上にある。アメリカとイギリスが作り上げたイスラム主義テロ・ネットワークは、経済制裁による経済戦争や、海底ガス・パイプライン爆破やNATOの対ロシア核攻撃のリハーサルなどと同様、非正規戦術を強化した。
ウクライナを戦場とする代理戦争は歴史的終着点を迎えた。この敗北は、ロシアの手ごわい軍隊、モスクワの果敢な政治的抵抗、そして最近では圧倒的に人気のあるウラジーミル・プーチン大統領再選に見られるロシア国民の粘り強さによるものだ。
アメリカ合州国とその帝国主義の手先は歴史的な宿敵の瞬間に直面するのを余儀なくされ深刻な窮地に立たされている。欧米という敵は、公式に敗北を認めることはできない。いわゆる選挙で選ばれた政府の恐ろしい敗北と有責性を、欧米国民が完全に理解すれば、政治的に、これら戦争挑発犯罪者にとって地獄になるだろう。
ロシアにとっての敵は、2000億ドル以上の武器や財政支援などをウクライナ代理戦争に全て投入したが、ロシアを戦略的に打倒するという切望されている不純な狙いを果たせていない。今、連中は戦略的敗北に直面している。
注目すべきは、今週、イギリス軍上級司令官、サー・ロバート・マゴワン中将が、ロシアに対する通常戦争で、イギリスは二ヶ月も持たないと認めたことだ。同じ悲惨な見通しは、アメリカ合州国や他のNATO加盟諸国の軍隊にも言える。
ロシアを征服するという無益な任務で、欧米帝国主義者はウクライナのネオナチ政権を無謀にも支援し、軍備を使い果たしてしまった。
欧米という敵の絶望的な状態を考えると、連中は、ロシアを征服して、欧米覇権を主張する精神病的取り組みで、完全なハイブリッド、あるいは非通常戦争モードに頼っている。つまり、先週モスクワで見られたようなテロ攻撃や、前の週、ベルゴロドやブリャンスクやクルスクで見られたようなテロ攻撃が増加する可能性が高いということだ。
モスクワは、少なくともテロ攻撃を断ち切るために、キーウ政権として知られるNATOの前線を殲滅する必要がある。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/03/29/nato-proxy-war-against-russia-was-always-in-essence-terrorism/
本当は能登半島からしばらくの間全員を脱出させれば
良いのだろうけど、動きたくないという人多いからねぇ