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無意味有害なJアラートを出すことの「意味」

「逝きし世の面影」から部分転載。
少し前に、北海道旅行をしていた或る主婦が、電車に乗っていたらJアラートが告げられたのに周囲が平然としていて、それどころか笑いが巻き起こったと自作漫画に描いてネットに投稿し、それが北海道民の民度の低さをdisっているのではないかと批判されたりしたようだが、民度が低いどころか、実に北海道は民度が高いなあ、と私は感心したものである。この主婦はJアラートに恐怖を感じて震えたようだが、どこに落ちるかも分からないミサイル(しかも警報が発令された時にはすでに落下し終えている)を怖がってどうするのだ。どこにいようが何の対策も取りようもないではないか。つまり、怖がっても無駄なのだから、平然と無視するのが賢明に決まっている。(漫画そのものを読んでもらえば話が簡単なのだが、コピーができない仕様のようだった。)

無意味どころか国民生活にとって有害なJアラートを出すことの「意味」は、少し安倍政権の所業を見てきた人なら誰でも分かっている。



(以下引用)




共同通信の田崎スシローは『(安倍政権は)ミサイル撃つ数日前にはこの辺りに撃ちそうだという情報は取れている』と朝日テレビで堂々と発言している。
安倍は余裕で公邸泊。発射後すぐ会見して危機管理能力アピール。
何も知らない国民だけが早朝にJアラートで叩き起こされ右往左往。その内にJアラートで避難しようとして事故死する国民も出てくる。

『大きな声では言えないけれど実は官邸はミサイルの発射情報を2、3日前から把握してるんですよ』

この田崎史郎の発言が正しいなら、じゃあ何で事前に国民に知らせないんだ。Jアラートを鳴らす必要は一切ない。
実はカナダのバンクーバーから日本(東京)に向かっていた大槻義彦も田崎史郎の発言を裏付けるように『この日に(北朝鮮のミサイル発射が)あるとの情報が気になっていた』と書いていたのですから驚く。
日本国内に住む我々のような一般市民だけが知らされていないだけで、それ以外の偉い人達は(インサイダー情報で)数日前に知っていた可能性がある。

金子勝‏ @masaru_kaneko · 9月16日
【やっていることがデタラメだ】
アベアラートで日本中のテレビを止め、ミサイルが太平洋遠く(なんで襟裳岬沖なのか???)に着水した後に電車を止める。
だったら、避難計画もないまま再稼働した原発を真っ先に止めるべきだろう。
国民の安全なんか二の次。ひたすら戦争を煽り改憲へ向かうだけ。


『火山灰で原子炉冷却不能か』2017年9月18日 共同通信 ロイター

原子力規制委員会の審査に合格した九州電力川内1、2号機(鹿児島県)など5原発8基で周辺の火山が大規模噴火して原発の外部電源が失われた場合、非常用ディーゼル発電機が使えなくなる可能性があることが18日、規制委などへの取材で分かった。
最悪のケースでは原子炉が冷却できなくなる恐れがある。
噴火時に想定される火山灰濃度が従来に比べ最大100倍程度高くなることが審査後に判明。電気事業連合会によると、5原発では、発電機の吸気フィルターが目詰まりせずに機能を維持できるとされる濃度の上限を超えている。
9月18日 共同 ロイター

『原発のミサイル対策は?「大量の放射性物質出ない」』2017/09/15 ANN NEWS

電事連、ミサイルが原発に撃ち込まれても「大量の放射性物質は出ない」。
電気事業連合会・勝野哲会長:「ミサイルが(原発に)着弾して建物等に大きな被害が出たとしても、(放射性物質を)冷やす、閉じ込めるという措置はできる限りできるのではないかと」、原発の新規制基準を引き合いに、ミサイルが撃ち込まれても「放射性物質が大量に放出されない」と述べた。
しかし、電事連によると、原発にはミサイルに特化した対策はされていないという。
(抜粋)



(徽宗追記:前説に書いた漫画を探し当てたので、コピーしておく。字数オーバーになるかもしれないが。)



Jアラートが鳴ったとき、人々は笑った。母が描いたマンガが話題に

ミサイルが発射されたとき、北海道に娘といた。


相次ぐ北朝鮮のミサイル発射。人々の不安は高まっている。そんな中、一児の母が描いたマンガがTwitter上で話題になった。



作者はきくまきさん(@kikumaki00)。一歳の娘を持つ母だ。


北朝鮮は9月15日午前6時57分ごろ、弾道ミサイルを発射。北海道上の宇宙空間を通過し、午前7時16分ごろ、太平洋上に落下した。飛距離は約3700kmだったという。


きくまきさんは、普段は関東圏に住んでいるが、その日は親族に不幸があり、北海道にいた。ミサイルが発射されたときは電車の中だった。


マンガに描かれているようにJアラートが鳴ったとき、電車の乗客たちは笑ったそう。BuzzFeed Newsの取材にきくまきさんは「笑うんだ…! という驚きの気持ちでした」と語る。


マンガは約2万件近くリツイートされてる。「『自分も怖かった』という同意の言葉を多くいただいています。また多くの方の目に触れ、さまざまな意見も届いており、勉強になります」と話す。


ミサイル発射への反応の違いは、住んでいるところの違いなのか。













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民主主義と話し合い(または議論)

「内田樹の研究室」から転載。
書かれていることに同意するかどうかは別として、面白い指摘であり提言であると思う。
読むに値し、考えるに値する文章だろう。
私自身は、「無学者、論に負けず」的な強引陰険な論法の相手陣営に対し、相手側の言い分を受け入れていたのでは、後退する一方であっと言う間に足が徳俵を割ってしまうのではないか、と戦略面から考えてしまうのだが、あくまで「民主主義の大義」を守るなら、敵対者の意見にも耳を傾ける必要はあるとは思う。ただし、耳を傾けることは相手の言い分を聞き入れることではないのはもちろんである。まあ、お互いに自分に都合のいい部分だけを強調して議論するのが議論の常だから、議論のそういう性質に人々が気づくようになるのが一番ではないか。


(以下引用)


気まずい共存について


今年の5月17日に中央公会堂で開かれた「大阪のことを知ろう。市民大集会パート2 大阪問題」というイベントの基調講演で「みんなのそばにある大阪のモヤモヤ」という演題を頂いて15分間の大急ぎスピーチをした(そのあと若静紀さんのイベントのゲストという仕事があったのでほんとにケツカッチン)。そのときの講演が文字起こしされてきたので、ここに採録。


結論から言うと「モヤモヤしてる」っていうのは、そんなに悪い事じゃないと思います。むしろ問題は「すっきりしている」ということの方なんじゃないですか。
今の日本の状況で一番僕が困っていることは、みんながシンプルで分かりやすい単一解を求めているということです。たった一つの「正解」があって、それを「選択」して、そこに全部の資源を「集中」するという「選択と集中」の発想をしたがる。だから、切り口上でまくし立ててくる。「この案に反対なんですか? 反対なら、対案出しなさい。対案なければ黙っていなさい」と。そういう非常にシンプルな問題の設定の仕方をしてくる。そのことがわれわれの生き方をとても息苦しいものにしていると思うんです。


民主主義というのは、例えば投票して、51対49で多数を得た方の案が採択されるというだけのことです。「多数を制した」ということと、その案が「正しい」ものだったということは別のレベルのことです。後から振り返ってみたら少数派の方が正しかったということはしばしばあります。
だから、立法府で多数を制した場合でも、その執行者である行政府は「公人」としてふるまわなければならない。「公人」というのは多数派を代表するもののことではありません。反対者を含めて組織の全体を代表するもののことです。そのことを勘違いしている人があまりに多い。


オルテガ・イ・ガセットというスペインの哲学者がおりましたが、この人のデモクラシーとは何かということについて、非常に重要な定義を下しています。それは「敵と共生する、反対者とともに統治する」ということです。それがデモクラシーの本義であるとオルテガは書いています。これはデモクラシーについての定義のうちで、僕が一番納得のいく言葉です。
どれほど多くの支持者がいようが、どれほど巨大な政治組織を基盤にしていようと、自分を支持する人間だけしか代表しない人間は「私人」です。「権力を持った私人」ではあっても、「公人」ではありません。
「公人」というのは自分を支持する人も、自分を支持しない人も含めて自分が属する組織の全体の利害を代表する人間のことです。それを「公人」と呼ぶ。なぜか、そのことがいつのころからか日本では忘れ去られてしまった。
野党に対して相対的に高い得票や支持率を得ているというだけのことで、与党のトップがあたかも全国民の負託を受けたかのようなことを言う。そのことに対してどこからも原理的な批判がなされない。それはおかしいと思います。本来、内閣総理大臣は一億二千万人の国民を代表する「公人」でなければならない。でも、今の日本の内閣総理大臣は自分の支持者しか代表していない。自分を支持しない人間に関しては、その声を代弁しないどころか、敵視し、積極的に弾圧し、黙らせようとさえしている。こういう人のことを僕は「公人」とは呼びません。「権力を持っている私人」としか呼びようがない。
 
もうだいぶ前になりますが、平松さんの市長選挙の出陣式に呼ばれて、応援のスピーチしたことがあります。短い時間で、3分くらいしかなかったんですが、その時に平松さんに一言だけお願いしたのは、絶対相手と同じ土俵に乗らないでくださいということでした。向こうはきっと口汚く平松さんのことを批判してくると思うけど、平松さんは最後までジェントルマンとしてふるまって頂きたい、と。自分の市政を批判して立候補した人物がいる。そして、その人を支持している市民がいる。平松さんが市長に再選された場合には、橋下徹候補を支持した市民も含めて、平松さんは市民たちの意思を代表しなければならない。だから、選挙期間中でも、相手候補の言っていることがどれほどお門違いでも、取り合う価値もないと思えても、それでも平松さんとしてはそれをまずは受け止めて、「そういう言葉にもあるいは一理あるかもしれない」という態度を貫いて頂きたい。選挙期間中であっても私人には戻らないで、あくまで公人としてふるまって頂きたい、と。出陣式のスピーチでそう申し上げました。考えてみたら、出陣式に全く似つかわしくない、全然盛り上がらないスピーチでした。そのときはずいぶん不評でしたけれど、今でもその気持ちは変わりません。


今日これだけの人がお集りになったということは、今の大阪の市政・府政に対して、また国政に関していろいろご不満がおありだからだと思います。安倍政権の下で、デモクラシーが崩れ出していることに強い不安を抱いておられるのだと思います。でも、そういう場合だからこそ、こちらは一層デモクラシーの本義を守らないといけないと思うんです。ご不満でしょうけれど。
「お前たちの政策はこうであるが、それは間違っているので、我々は反対する。われわれが多数派を取って、お前たちを黙らせる」というのでは同じことの繰り返しになる。それでは少しも日本の政治文化が成熟してゆかない。


日本の政治文化ははげしく劣化しています。僕は今66歳ですけれども、過去、僕の記憶する限りの日本の政党史上、今が最低です。でも、この現状を口汚く罵ってみても、レベルの低い政治家たちを罵倒してみても、それでは日本の政治文化は少しも成熟しない。
では、どうすればいいのか。もう一回日本の政治文化を復興するためには、何をすればいいのか。まったく気は進まないですけど、安倍晋三とか菅義偉とか橋下徹とか松井一郎を含めて、彼らを受け入れるということだと思うんです。(会場ざわめく)
彼らをハグする…したくないけど。「君たちがそういうふうに考えるに至り、そういう行動を取るに至った事情はわからなくはない。君たちは君たちなりに日本社会を良くしようと思っているのだと思う。君たちがとても攻撃的、排他的になっているのは、もしかするとわれわれがこれまで君たちのそういう意見や思いを汲み上げてこなかったからかも知れない。君たちの意見を代表することができなかったことについてはわれわれにも責任の一端はある。われわれは君たちも含めてこの集団を代表したいと思う。」そういうふうに言わないと、この泥仕合はいつまでも終わらないと思うんです。


これから、われわれは維新的なものと戦っていくわけですけど、それを「維新を潰す、根絶する」というふうに考えると、鏡で映した裏表になってしまう。自分に反対する人間はすべて敵だ、すべて潰す、という政治的立場の人に対する根源的な批判は、「われわれは自分に反対する人間をすべて敵だとはおもわない。反対者を含めて、同じ集団に属するすべての人々を代表する用意がある」と意地でも言い切るしかない。そう僕は思います。
彼らの言い分をきちんと聞き、自由な論議の場で、彼らの欲求を部分的にでも受け入れ、部分的にでも実現してゆく。そうしないと、これまでも今も維新を支持している大阪の府民・市民たちを代表することはできません。
非常につらいことだと思うんです。想像するだに鬱陶しいし、そんなことしたら、維新と突き合わせて妥協の産物として出てくる政策というのは、どっちつかずのものになって、みなさんの「モヤモヤ」はさらに嵩じることになると思うんですけれど、あの・・・モヤモヤくらい我慢しましょうよ。(会場ざわめく)


何よりも、日本の政治文化をもう少し、大人のものに、成熟したものにしないといけないと思うんです。自由な言論がなされ、多様なアイデアが行き交って、そこで化学反応が起きて、まったく新しいものが生まれる。そういう自由な言論の場を確保しないともうどうにもならない。そのためには、理路整然と舌鋒鋭く政敵を批判するということはもうあまりしなくてもいいんじゃないかと思うんです。そんなことをしても少しも世の中は住みやすくならないから。
寸鉄人を刺す…テレビの政治番組を見てもそうですよね。一言で相手を完膚なきまでに論破するという、その鮮やかな技術にみんなすっかり魅了されてしまった。相手の言っていることをねじまげても、言っていないことの揚げ足をとっても、虚偽のデータを上げたり、あきらかな嘘をついても、それでもテレビに映っている数分間だけ相手を言い負かしたように視聴者に見えれば、それでいい。言ったことの真偽なんか、どうでもいい。そういうことを10年、15年続けていった結果、日本の政治文化はこれほど劣化してしまった。


安倍晋三は日本の過去20年政治文化の劣化の「果実」です。彼を見て、われわれは深く反省すべきなんです。彼を生み出して、表舞台に押し上げたのはわれわれなんです。彼を支持する人がたくさんいます。それを「こいつらはネトウヨだ。民主主義というものを全く分かっていない」という言葉は喉元まで出かかっているけれど、やはりそれはぐっと飲み込んで、「君たちも、いろいろつらいんだろね」と語りかけてあげなければいけないと思うんです。菅君だって心に思っていて、言葉にできない苦しみがあるんだろう、と。いつもメモ見て、顔を上げないのは、人の顔をまっすぐ見られないからなんだろうね。心の奥には人知れぬ悲しみがあるんだろう・・・と。そう思ってあげないと。


今も40%以上の人が安倍内閣を支持しています。たしかにこれは異常なことなんです。国民の基本的人権を制約して、市民的自由を抑制して、一党独裁制に持っていこうとしている政治家を支持する有権者がいる。論理的にはありえないことなんです。「あんたら、頭おかしいんじゃないの」と言うのは簡単なんです。でも「あんたら、頭おかしいよ」と言っても何も始まらない。
どうしてあの人たちは「そういうこと」を願うに至ったのか、どうして、自分の市民的自由や基本的人権が制約されることを歓迎するのか、どういう屈託なり、絶望なり、怒りなりがあって、そのような倒錯的な政治的意見を持つに至ったのか。その有権者の気持は理解しなけりゃいけないと僕は思います。彼らの屈託を汲み上げてゆかないと、この後の公共的な政治文化というものは創り出せないんですから。


前回の大阪市長選挙の出陣式で、「とにかく平松さんはジェントルマンでいていただきたい」というような全然盛り上がらない応援スピーチをしたせいで選挙の結果は敗北してしまったんですけど、それでもまた同じことを今日も繰り返さないといけないと僕は思います。
今また共謀罪が国会で強行採決されようとしていますけれど、そういうふうに強行採決によってデモクラシーを蹂躙しようとする政治勢力に対してさえも、われわれは想像力を広げなければいけない。彼らの思いを受け止めなければいけないと思います。
維新や自民や公明にしても、彼らに共感し、彼らを支持している市民がいるんです。そうである以上は、彼らを含めて、自分が共感できない、理解できないものを含めた集団全体を代表しなければならない。それぞれの政治的意見をなんとか汲み上げ、それとすり合わせをしてゆかなければならない。そうやって結果的に出てくるものは、どっちつかずで、ぱっとしないものになると思うんです。でも、それでいいじゃないですか。みんなが同程度に不満足であるようなところがデモクラシーの「落としどころ」なんですから。


僕はこのところ『フォーリン・アフェアーズ・レポート』というアメリカの外交専門誌を購読しているんですけれど、それを読んでいると、アメリカの政治学者の論調がずいぶん変わったことに気がつきました。
このところのアメリカの政治学者が言い始めているのは、アメリカはもう国際社会に対する指導力は失ってしまった、ということです。アメリカはもう世界に対して指南力のあるメッセージを打ち出せなくなった。これからは、中国とかロシアとかドイツとか、国情も違うし、国益も違うし、目指している世界のありようも違う国々と、角突き合わせながら、なんとか共生してゆくしかない、そういう諦めに似たことを語り出すようになってきた。その中に「気まずい共存」という言葉がありました。
これからアメリカは世界の国々と「気まずい共存」の時代に入ってゆく覚悟が要る、と。これまでは「価値観の一致」とか「政治文化の共有」とかそういう相互理解を基盤にして外交関係を構築してきました。でも、これからは違う。われわれがこれから同盟したり、連携したりする国々は、われわれとは価値観が違う、統治形態も、統治理念も違う。でも、そういう理解も共感もできない国々と気まずいながら共存してゆく以外にアメリカが生きる道はない。だから、その居心地の悪さに早く慣れるべきだ、と。そういうことを、何人かの政治学者が書いていて、僕は深く納得したのです。


日本でも同じです。日本の政治文化が劣化したというのは、シンプルでわかりやすい解をみんなが求めたせいなんです。正しいか間違っているか、敵か味方か、AかBか、そういうような形で選択を続けていった結果、日本の政治文化はここまで痩せ細ってしまった。
それをもう一度豊かなものにするためには、苦しいけれども、理解も共感も絶した他者たちとの「気まずい共存」を受け入れ、彼らを含めて公共的な政治空間を形成してゆくしかない。


たしかに、非常に困難な課題だと思います。相手には一方的に批判され、罵られるだけなのに、こちらは想像力を行使しても相手を受け入れなければいけないんですから。非対称的な、まことに割に合わない仕事です。けれども、この割に合わない仕事を多数派の側が受け入れていかない限りデモクラシーの成熟はないんです。
日本の政党政治、立憲デモクラシーをもう一度蘇らせるためには、「モヤモヤすること」を受け入れるしかない。気まずいパートナーとの共同生活に耐えるしかない。それでいいじゃないですか。気まずいパートナーとでも、一緒に暮らしているうちに、ちょっとずつでも意思疎通ができて、お互いの共通する政治目標が出てくるかも知れないんですから。一つでも合意形成ができれば以て瞑すべしです。


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狂言政治

「ジャーナリスト同盟通信」から転載。
まあ、現在の政治の状況を簡明に書いているのではないか。狂言政治である。
なお、些細なことだが、「必死」を「必至」と書くのは頂けない。ジャーナリストはもっと言葉に敏感になるべきである。



(以下引用)



2017年09月16日

9・15平成大本営発表<本澤二郎の「日本の風景」(2736)

<NHK本番>
 偶然、NHKの午前7時のラジオを聞いていた。1分程度経過した後だった。突然、政府がJアラートを発令したといって、ニュース報道は、すべて北朝鮮のミサイル発射訓練一色に染まった。「歩行者は建物の地下に入って」などという、子ども騙しの、一方的にがなり立てるJアラート報道である。「危ないのであれば、迎撃ミサイルで撃ち落とせばいい。そのための日米安保ではないか」と国民の多くは思っているが、撃ち落とすことなど出来ないことを専門家でなくても、知っている。イージス艦は民間の船に衝突すると、使い物にならない張り子のトラである。そんなことはお構いなしに、NHKは必死になって、不安を煽り立てるだけである。オスプレイや雷の方がはるかに怖いことを、賢明な国民は知っている。

 聞かされている方が腹が立ってしまい、スイッチを切った。30分後にオンにすると、まだやっている。そのはずで、NHKの担当者が、9・15を想定していたかのように、報道スタジオに待機していて、ひときわオクターブを上げて、あらぬ解説を始めていたからである。
 うんざりしてまた切った。1時間後にかけると、まだやっている。ミサイルは1時間前に北海道上空を飛び越えて、姿はないのだが、危険を煽りまくっている。いたたまれずラジオと縁を切った。
 大本営発表というと、戦争中の日本政府の、国民向け世論操作報道のことである。国民を騙す大嘘の原点である。宣戦布告なしの日中間の戦闘や日米戦争での、世論操作の最たるものである。話には聞いていたが、戦後70年を経て、ふたたび蘇った。その場面を初めて体験した。
 米ハリウッドのホラー映画を思い出す。墓地の棺桶から死者が蘇って、大本営発表のZOMBIE POLITECSの実演なのであろうが、不安を煽り立てる理由・背景は大ありである。
<官邸も本番>
 驚いたことに、ミサイルが発射されると、まもなく睡眠中のはずの官房長官や副長官が官邸に飛び込んだ。この素早い対応に驚いていたら、今度は神奈川県小田原に住んでいるはずの外相までが、おっとり刀で、これまた官邸入りした。どういうことか?

 安倍はというと、311をよそに、危険極まりない核エネルギーの原発売り込みでインド訪問、原発事故に対しては、日本国民の血税で一切支払うという、途方もない約束をして、東京を目指していた。むろん、予定よりも早めの帰国である。不安煽りの主役不在では、サマにならない。大本営発表に合わせての帰国なのだ。
<平壤パイプ?>
 NHKの即座の対応と官邸の素早い行動から判断すると、9・15大本営発表は、すべて計算されている、と分析出来るだろう。何もかもが仕組まれている。
 先にも例がある。
 安倍は官邸・公邸住まいが嫌いだ。今もマザコンの大家で知られる。
 察した後見人の「サメの脳みそ」で知られる森が「公邸にお化けが出る」というホラー話を流布させて、擁護してきたのだが、ミサイル発射の、その日だけは公邸に泊まって、即座に対応して、国民を驚かせていた。
 大本営発表のさい、山梨の別荘から駆け付ける?では、格好がつかない。国民の疑惑を呼ぶ。そこで、平壤サイドから事前に連絡を受けている?と理解すべきだろう。
<羽田大渋滞・山手線混雑>
 筆者は、午前9時過ぎに東京湾の橋を渡るリムジンバス(1250円)に乗って、品川駅に向かっていた。11時までに渋谷区神南のNHKで待ち合わせる用事があった。
 ところが、羽田空港周辺で車が動かない。バスに乗ったことに不安を感じた。1時間30分近くかかって品川駅到着、そこから山手線を利用して、渋谷に向かった。
 もう山手線もがらがら空いてる時間帯である。実は大混雑である。おかしい?大分たって理解できた。Jアラートの効果だった。影響は首都圏にも及んでいたことになる。経済損失は巨大である。平成の大本営発表によって、日本列島の関東から東北・北海道が影響を受けたことになる。
 こうした事実を書けるのも、偶然、7時のNHKラジオを聞いたからである。そうでなければ、馬鹿げた騒動といって、すぐ忘れるところだった。
<久しぶりの背広・ネクタイ>
 この日は、夏物の背広とネクタイ姿である。もう30年ものか、もっと古い背広の紺色は、剥げてさえないのだが、軽くてお気に入りのもので、テレビ映りのためでもあった。そして、中国の国営テレビの取材に応じた。13億人の一部でも、日本の総人口に相当するのだから、これもすばらしい。
 そこで「北朝鮮問題に特別こだわる日本政府の思惑は何か」という質問に回答した。理由はいくつもある。
 「加計・森友・強姦もみ消し事件の連鎖に対して、国民は強く反発、7月都議選で有権者は自民党を叩き潰した。アベノミクスも崩壊、安倍内閣の不支持率は過半数を超えてしまった。まさに安倍死に体政権で、おっつけ野垂れ死にする。そこを何とか乗り切りたい。藁をもつかむ思いで、北朝鮮のミサイルと核実験で、国民の目をそらしたい。自己のスキャンダルに蓋をしたいということから、Jアラートなる空襲警報作戦・大本営発表で、世論操作して支持率を回復させたい。その一環である」
 「支持率を回復することだけではない。中国と北朝鮮の仲たがいを決定的にさせる。危機を利用して、死んだ9条改憲を蘇らせる、同時に莫大な費用をかけて武器弾薬を購入、トランプを感激させる。他方で、民進党有力議員の男女問題をつつくことで、あわよくば10月解散に向けて、これを必至で煽って、3選に持ち込もうとしている。一石二鳥どころか、3鳥、4鳥を狙った欲深い策略である」
<川上義博後援会の仲間と懇談>
 夕刻、参院議員を歴任した川上義博後援会のメンバーと懇談した。
 そこに手に入ったばかりの「小泉純一郎と日本の病理」(光文社・藤原肇著)を持参、紹介しながら、ZOMBIE POLITECSについて話をした。安倍は小泉のお蔭で政権を手にしたものだが、この「死者の政治」は、森喜朗の「神の国」から始動したもので、それ以前の自民党政治と異質であることを、詳しく説明した。
 月刊誌「財界にっぽん」の藤原原稿が分析した「ゲシュタポ(国家秘密警察)内閣」論のことにも言及した。
 「藤原説だと、小泉も安倍も留学していない、遊学である。後者のロス時代に、韓国KCIAや統一教会と深く結びついて、彼の反共主義が育ったものだ」
 やはり人間は、大人になっても出自が反映するものらしい。
<菅の意外な出自?>
 川上後援会の関係者の一人が、不思議と学生時代の菅のことを知っていた。確か法政大学の夜間部に学んだ、と清和会OBから聞いているが、関係者によると、そこで彼は「武闘派に所属していた。官邸での公安警察との連携と、何かと強硬な対応策は、出自と無関係ではない」と指摘した。これは初耳である。
 家庭教師から、定規で頭を叩かれて成蹊大学に、やっと入学した心臓である。「父親・晋太郎泣かせの心臓だった」という政治屋の暴政に、泉下の晋太郎が驚愕している様子が眼に浮かぶ。
<修身斉家に還れ!>
 人間は生まれながらにして善であるが、環境が変えてゆく。ゆえに、善であり続けるための修養が不可欠だ。人間道を学ばないで、政治の道に入ると、民を殺す。修身斉家を指導者の必須条件とした中国古来の思想は、今も正しい。教育は人間作りだ。北朝鮮と対話する韓国大統領は修身斉家の人に違いない。Jアラートにごまかされる日本人だと地獄を見るだけだ。
2017年9月16日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)


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SNS社会

SNSの世界は、見えない何者かのunder control状態にあり、その使用者利用者はいわばお釈迦様の手の平の上で行動している孫悟空のようなものだ、という記事である。
もちろん、そのコントロールが政治的かつ偏向的な意図や洗脳的な意図である可能性に気をつけろという話なのだが、そうは思っていても、使用者や利用者にはどうすることもできないし、また、それをやめる決心もなかなかつかないだろう。
特に最近は電子ネットワークを使ってさまざまな、生活に不可欠な社会的サービス(べつに我々がイメージする無料サービスではなく、カネが介在しているのだから、この「サービス」という言葉は禁句にしてほしいwww)が行われている以上、無人島にひとりで住む以外にはこの電子ネットワーク社会から完全に逃れるすべはない。


(以下「逝きし世の面影」から部分転載)





『何カ所も刺されて蚊に「死ね!」とツイート……アカウント凍結』8/31(木) BBC News

日本のツイッター利用者が、蚊に何度も刺されて頭に来たあまり、蚊に「死ね!」と書いたところ、アカウントを凍結されてしまった。
殺害予告や憎悪表現、差別表現などを投稿してツイッターを悪用すると、利用が停止されることがあるが、「@nemuismywife」さんのアカウントを凍結した今回の判断は、ソーシャルメディアで広く馬鹿にされている。
@nemuismywifeさんは8月20日に、テレビを見ていたら蚊に何度も刺されたため、「てめぇ俺が大人しくテレビ見てるのをいいことに何ケ所も刺しやがって…死ね! (既に死んでいる)」とツイートした。
死んだ蚊の写真も添えて。
するとしばらしてツイッター社から、「脅迫を含む内容の投稿」を理由にアカウントを凍結した、このアカウントは復活されないと連絡があった。
そのため@nemuismywifeさんは「@DaydreamMatcha」という新しいアカウントを作り、
「蚊を殺害したら前のアカウントが永久凍結されました、これは違反行為でしょうか?  Twitterは徳川綱吉ですか?」と、ツイッターの判断を批判した。
この怒りのツイートは3万2000回以上リツイートされ、2万7000回以上「いいね」が押されている。
ツイッター社は、オンラインでの攻撃や脅迫、中傷、いじめなどの問題行動を制限するため、いくつかの新施策を打ち出している。
蚊に「死ね!」と書いたからとアカウントを凍結したのは、人間の管理者ではなく、自動プログラムではないかという意見もある。
米ビジネス誌「フォーチュン」は、ツイッターが特定の問題表現や単語を自動で拾い出すことで、脅迫などの問題行動を取っているアカウントか判断するアルゴリズムを実装したと伝えている。
(英語記事 Man banned from Twitter over mosquito death threat)
8/31 BBC News



『コメントの削除 』2017/9/4(月) 大槻義彦の叫び、カラ騒ぎ  科学に限らず何でも叫ぶぞ

本欄の最近のコメントは私のブログとは無関係のものが多く戸惑っています。
しかしこのようなものでも私から削除することはありません。
またコメント欄の半分以上は私には理解困難です。何を言いたいのか全く理解できません。しかし、異常のようなコメントでも私は一度も削除したことはありません。
ところが いつの間にか削除されていることも多いのです。
これは不思議です。
当の私しか削除操作はできないのですからおかしな話です。
それともyahooのこのサービスはだれでもコメント削除が可能になったのでしょうか?

★注、
Yahoo!はポータルサイト、Googleは検索エンジン(サーチエンジン)を自称しているし、Facebook(フェイスブック)はソーシャル ・ネットワーキング・サービス(SNS)。マイクロソフトはアメリカのソフトウェア(windows)を開発・販売する会社である。JSTによるとフェイスブックとマイクロソフトは大西洋を横断する海底光ファイバー・ケーブル(約6440キロ)の敷設で提携するなど、インターネットに影響力を拡大しているどころかお互いに連携して『情報』を自由にコントロールしているらしい。アメリカの違法盗聴を告発したスノーデンは『自ら情報提供者になっている』と警告したが、露骨な盗聴も勝手な削除も、すべてはアンダーコントロールらしいのである。(科学の最先端技術のはずのインターネットの中には一般ユーザーの誰にも分からないブラックボックス『闇の世界』が存在している)


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核軍備と「フェアであること」

「ギャラリー酔いどれ」から転載。
田中宇という人物の信念である「米国単独覇権主義と世界権力多極化主義の相克」という政治と歴史の見方には私はあまりピンと来ないので、彼の書く文章もあまり熱意を持って読んだことは無い。しかし、世界の表マスコミに流れる記事を大量に読んで研究しているらしい、その行為自体は高く評価している。
下の記事も「事実(あるいは表マスコミに公式的に流れた情報)」と「意見(田中氏の主観的分析と判断)」を区別して読めば有益な記事だろう。ある政治家がこう発言した、という事実は大事だが、「実はその真意はこうだ」と記事筆者が言っても、それはただの主観的判断でしかない。ある事実について判断するのは記事の読者の勝手であり、その考えをある方向に誘導されるのは、私は御免である。私自身のブログにしても、私は好き勝手な口からでまかせを書いているだけであり、文章を読んで、どんな感想を持とうが、当然ながら読み手の勝手である。
たとえば、私は「日本は核武装したほうがいいのではないか」という考えだが、それに絶対反対という意見の人がいても当たり前である。私自身、べつにその考えに固執しているわけではない。世界のすべての国が核廃絶するならそれが一番だが、実は核兵器があったほうが、なかなか戦争は起こりにくいのではないか、というのが私の考えである。それも、すべての国が核兵器を持つという条件の話だ。大国だけが核兵器を持つ、ということがフェアであるはずはない。そして、核戦争が起これば、世界中が平等に滅亡するのなら、これはこれで公平である。人類全体が愚かなら、特定の人間だけが生き残るより、一斉に滅びたほうがいい。



(以下引用)




さぁて、いささか穿ち過ぎでは?

◆https://tanakanews.com/170910japan.htm
田中 宇(さかい)  2017年9月10日  
北朝鮮と日本の核武装


ここ2週間ほど、北朝鮮の核ミサイルをめぐる米朝対立が激化する中で、
日本や韓国が北に対抗して独自の核兵器を持つことを許すべき

(もしくは、そのことを議論すべきだ)という主張が、
米国の外交専門家らから次々と出ている。

9月4日には、大手紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の社説欄に、
日本人の多くをぎょっとさせる提案が掲載された。

「トランプは日本の核武装を望んでいるか」と題し、
日本が自前の核兵器を持つ可能性が増していると指摘している。

筆者は、タカ派の定期コラムニストで国際政治学者のウォルター・ラッセル・ミードだ。

この論文で、私が重要と思ったのは以下の点だ。


「北の核ミサイル危機を機に、日本の支配層は、独自の核武装をしたい

と考える傾向を強めている」

「核武装すれば、対米自立した大国になれる。

日本の保守派は、そうなりたいと考えている」

「一般の日本人は従来、核武装に対して深く懐疑的だったが、

北のミサイルの脅威の拡大を受け、考えを変える人が増えている」

「日本が核武装すると、韓国や台湾も核武装する。

日本はこっそり台湾(や韓国)の核武装を支援する」

「日本の核武装に対する米政府内の意見は分裂している。

日本の核武装を阻止した方が米国の覇権を維持できると考える人と、

日本が核武装し、つられて韓国や台湾も核武装した方が、中国の台頭を抑止できるし、

日韓から米軍が撤退できて防衛費を節約できるので好ましいと考える人がいる。

トランプ自身は後者だ


覇権維持に対する米国民の支持も疑わしくなっている」

「北の核ミサイルの出現は、米国に、北との戦争か、アジア覇権の放棄か、

どちらかを選ぶことを強制している」


米海軍のジョン・バード元中将も最近、以下のような主張を発した。

「トランプは、北の核の脅威に対抗するため日韓に核武装を許すと公言すべきだ。

日韓に核武装させたくない中国は、本気で北に圧力をかけるようになり、

北核問題を解決できる」

「近年、日本はしだいに自前の核武装に前向きになり、米国もそれを容認する傾向だ」


米国の右派の論客であるパット・ブキャナンも、日韓の核武装を肯定的に見ている。

「米本土が北から核攻撃される可能性が出てきた今、

米国は朝鮮半島政策を再検討すべきだ。

在韓米軍は、中国やソ連が米国の仇敵で、韓国が貧困国だった冷戦初期の遺物だ

北はGDPの25%を軍事費に割いている。

韓国は2%台、日本は1%台しか割いてない。

日韓は、対米貿易黒字で大儲けしているのに、防衛を米国にやらせている

米国は日韓に、自立した防衛と、独自の核兵器を持つことを計画させるべきだ。

核武装は日韓を台頭させ、アジアでの中国の一強体制が崩れて均衡する良い効果もある」


アリゾナ州の分析者(Robert Robb)は「北のミサイルが米に届くようになった瞬間に、

米と日韓の利害が分裂し始めた。 韓国は、北の2倍の人口と50倍のGDPがある。

日本は北の5倍の人口と125倍のGDPがある。

日韓は、こんなに強いのに、安保を米国に頼っているので、北から脅威を受けてしまう。

日韓が自前の核兵器を持てば、事態を改善できる。

英仏が何百発核を持っていても、誰も脅威に思わない。 日韓の核も同じだ

抑止力として、技術的に難しいミサイル防衛より、核兵器の方が手っ取り早い

日本人は核反対の意識が強いので、まず韓国からか」という趣旨を書いている。


このほか、日本が核兵器を持つなら、英国などと同様、潜水艦に搭載するのが良い、

などといった気の早い提案もある。



トランプらの自作自演

この問題に関し、まず言っておかねばならないのは、

日韓に自前の核武装を許すと最初に宣言したのが、

選挙期間中のドナルド・トランプであり、

北を先制攻撃するぞと喧嘩を売って挑発して

北の核ミサイル開発を急がせたのもトランプであることだ。

北が米本土に届く核ミサイルを持った後、

トランプはまだ日韓核武装容認に再言及していない。

だがもし、いずれトランプが日韓核武装容認を再宣言するか、

もしくはそれと同等の効果を持つ事態
(たとえば韓国が対米自立を意味する 中露のダブル凍結案を承諾するとか)

を誘発するのだとしたら、

北の核武装を扇動して日韓を対米自立に追いやるという一連の動きの全体の黒幕は

トランプ
(もしくはトランプの後ろにいて米覇権放棄戦略を立案した人々)だ。


北は、何もないところから全く独自(北風に言うなら主体的)に核武装を思いついて
やっているわけでない。

トランプや、以前のブッシュ政権が、北を先制攻撃して潰すと脅しつつ、

その一方でおそらく米諜報界が北に核やミサイルの技術を入手できるよう

取り計らった末に、北の核ミサイル開発が加速している。


トランプらが北を核武装させたのは、日韓に高額な兵器を売り込むためだ

といった見方をしたがる人が多いが、それは近視眼な間違いだ


たしかに日韓は軍事費を急増し、米国から武器を買い込んだり、

韓国が飛距離の長いミサイルを急いで配備したりしているが、

これは中長期的に、米軍が撤退傾向になっても大丈夫なよう、

軍事的な対米従属の度合いを下げるための動きだ。


北を核武装させた後、米国では逆に、今回紹介したように、

日韓の核武装を容認して対米自立をうながしたり、前回の記事に書いたように、

韓国が米国でなく中露と組むよう仕向けたりしている。

北の核武装は、日韓の対米従属の終わりや、東アジアでの米国覇権の縮小を早めている。

トランプやブッシュが北を核武装させたのは、米国覇権の維持拡大でなく、

全く逆方向の、覇権縮小や多極化につながっている


米国は02年以来、断続的に(オバマ時代を除く)10年近く、この策をやっている。

その長さから考えて、これは隠然と意図した戦略だ。

隠れ多極主義の戦略である。

この戦略の目標は、日韓に核を持たせることでもない。

目標はおそらく、日韓を対米自立させることである

「米国の最良の戦略は、単独覇権体制の恒久化である」

と教科書的に思い込んでいる人々は

「米国が日韓を自立させたいはずがない」と思うだろう。


だが現実の国際政治の流れを見ると、この常識は間違っている。

政治面はイラク侵攻以来、経済面ではリーマン倒産以来、

米当局がやってきた世界戦略の多くが、反直観的な、米国覇権の縮小、

中露イランなどの台頭、ドル基軸制の脆弱化を引き起こすものになっている。

今回紹介した日韓核武装容認論の多くも、米国覇権の縮小を肯定的にとらえている。

日韓を核武装させることは、日韓の対米自立、東アジアの多極化を引き起こす

最も手っ取り早い方法だ


核武装を宣言したら、米国はすぐに「それなら米国の核の傘は要らないね」

「これは安保条約の放棄にあたる」と言い出し、

その日が対米従属の終わりになる。

だが、現実を見ると、おそらく日韓ともに核武装しない。

北はNPT(核拡散防止条約)を離脱したが、日韓はNPTを批准しており、

核武装は国際法違反の大きな犯罪だ。

日本人は、反核の意識が強い。

韓国は、対米自立すると中露との関係を強化するだろうが、

中露は韓国の核武装に賛成しない。


日韓の上層部では、自前の核を持つのでなく、米軍の核兵器を日韓に再配備してもらい、

北への抑止力向上策とする案が出ている。

日韓が、自前の核を開発・配備することと、米軍に核を配備してもらうこととは、

政治的な意味が正反対だ。

自前の核配備は対米自立だが、米国の核を日韓に配備するのは対米従属の拡大になる。

日韓を対米自立へと誘導したいトランプは、

米軍の核を再配備してほしいと日韓が頼んできても、断るだろう。


日本では(韓国も似ている)、自前の核武装が、

国内の権力構造の根本的な転覆につながる。

戦後日本の権力を握ってきたのは官僚機構であるが、彼らは、

本来なら自分たちより上位なはずの政治家(国会)を牛耳るため、

対米従属(日米安保体制)の国家戦略を必要としている

(日本の官僚機構が勝手に米国=お上の意志を代弁して日本を支配する構図)。

日本が核武装すると、米国は、日本を核の傘から外して対米自立させるので、

官僚が権力を詐取し続けられなくなり、政治家(国会)に権力が移る。

対米従属による権力維持の永続を望む官僚機構は、日本独自の核武装に反対している

対米従属型の官僚独裁を主導してきた日本外務省とその傀儡「専門家」たちは、

核武装論になると、急に平和主義者として振る舞い、核武装に強く反対する。


だが、そんな中でも最近、独自の核武装を主張ないし議論しようとする動きが、
自民党などの一部から出ている。

これは、近年の米国覇権の低下を受け、日本の政治中枢で、官僚独裁と、

それを打ち破ろうとする自民党(や民進党右派?)との権力闘争が

少しずつ起きているからだろう。

官僚機構は民選されておらず独裁勢力だが、自民党など国会議員は民主的な勢力だ。

政治家勢力が右から官僚独裁を打破して権力を奪うことは、民主化闘争である。

産経新聞は最近、日本では

核武装すべきかどうかという議論すら封じられていると怒りの社論を出した。

安倍首相のお気に入りである産経は、官僚対右派政治家の闘争の中で、

政治家の側についていることになる。


蛇足になるがもう一点。

今回の記事の冒頭で紹介したミードの論文に

日本が核武装すると台湾も核武装する。日本はこっそり台湾の核武装を支援する

という趣旨の部分がある。これはまさに、私が3月に書いた

「台湾に接近し日豪亜同盟を指向する日本」で指摘したことと一致している。

現実論として、日本が核武装しないなら、台湾も核武装しないだろうし、

日本が台湾の核武装を支援することもない。

しかしミードの論文のこのくだりからは、国際政治的な構図として、

米国が、台湾の面倒を見ることを日本に任せつつあると感じられる。

やはり日豪亜は、未来の予定的な枠組みとして存在している。

国際政治的に見ると、日韓台の核武装は、比喩的な話でしかない。


本質は、米国覇権縮小後の東アジアの諸国間の関係がどうなるか、というところにある。



ユダ米で、「計算ずくでの議論」があること、

これは承知しておいたほうがいい と思う。 


ただし、日本の核武装により、「共産支那が発狂して何をやるかわからん、

核による先制攻撃もある」、そういう切迫した状況になるのは必至。

ミサイルの一斉飽和攻撃に対処できるかな?

やらねばならぬことが多々あるわけだが。


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北朝鮮の食糧事情についての噂と事実



「hatenaブログ」から転載。
この「匿名集団ブログ」特有の癖のある書き方で、しかもどこから得た情報なのかも明確でない話なのだが、まあ、情報の真偽や正否には絶対というものはもともと無いのだから、「北朝鮮」という、情報そのものがあまりに少ない謎の国家についての情報としては、これでも有益なのではないか。


(以下引用)

2017-09-12

北朝鮮国民飢餓に苦しんでいるというのは20年前のお話だよ

anond:20170912210731


北朝鮮20世紀末に大飢饉に襲われ多くの餓死者を出した。その頃は日本メディアでも頻繁に報道され、我々の北朝鮮イメージはその頃で固定されてしまっていると思う。元増田もそのイメージのままなのではないだろうか。


北朝鮮だってその後手をこまねいていたわけではなく、年々農業生産能力を向上させている。2006年核実験の頃には輸入や援助が完全ストップしても何とかなるくらいには回復していたらしい。


農業生産量については国連に素直に信じて良いのかわからない数値が年1回報告がなされるだけで謎に包まれている。1990年代飢饉以前は単位面積あたりで見ると、世界で最高に生産性の高い国を上回る量を報告していた。飢饉になってからは援助を引き出すために一気にその量を減らした。そして今はまた実際よりも多い量を報告していると見られている。そういう研究衛星からリモートセンシングなどを使って韓国シンクタンクが行っている。その分析結果の報道英語圏でもめったにないし、日本では多分全く無いのではないだろうか。日本語では救う会ホームページが一番詳しかった。


一昨年の春、北朝鮮での旱魃報道日本でも割とされていたが、その年は後半が豊作で、通年で見たらまあまあだったという。後半の豊作の報道日本国内で全く無かった。去年も春先に旱魃が発生していたが、その後どうなったか報道は見ていない。


農業生産量の改善については金正恩になってから特に改善が著しいらしい。もともとたいして工夫されていなかったので灌漑用の池を作ったり、肥料流通を良くしたりしただけでかなりの改善が見られるという。あと金正恩は農家が収穫の一定割合自分のものにできるようにしたとかで、農家のやる気を引き出しているのだそうな。


2年前、韓国シンクタンクは全国民を養うのに十分な生産量には1割ほど足りないが、輸入が全量ストップしても困るほどではないという感じの見立てをしていた記憶がある。中国から肥料の輸入が止まると困るかもしれないという分析もあったかも。



記事への反応 -
  • なんで誰も北朝鮮の国民を救おうとしないの?

    いつも経済や政治のニュース見てても どこも北朝鮮の飢えて誰からも味方してもらえない人たちを心配してない それよりも自国の危機がとか経済制裁がとかそっちのほうばかり気にして...


    • 北朝鮮の国民が飢餓に苦しんでいるというのは20年前のお話だよ

      anond:20170912210731 北朝鮮は20世紀末に大飢饉に襲われ多くの餓死者を出した。その頃は日本のメディアでも頻繁に報道され、我々の北朝鮮のイメージはその頃で固定されてしまっていると思...


      • anond:20170912221950

        日本より、自給率が高そうな希ガス。だって、日本には某組織から肥料を買わないといけないし、米の値段は決まっていたんでしょう。。今は、それこそ、20年以上前から比べたら、流通...


      • anond:20170912221950

        貴重な意見だな。これが本当なら尚更同情も援助も必要ないって事だ。 そして付け加えれば、北がカワイソウだって言ってる連中は北の連中に教えられてすらいないって話か。


    • https://anond.hatelabo.jp/20170912210731

      うん?ではなぜ日本国民は浮浪者に対して何もしないのかな? 街中で餓えて誰からも味方してもらえない自国の人がいるのに何かしてる?


      • anond:20170912212048

        普通に味方してる人たちいますけど 炊き出しも知らんのか


        • https://anond.hatelabo.jp/20170912212917

          元増田が炊き出しに参加してるように思うか? そういう「○○な人もいる」って話すれば」きりがない。 案の定あなたのような人間が揚げ足をとりにくる。


          • anond:20170912213109

            北朝鮮の飢え死しそうになってるやつらに炊き出ししてくれる人がいることを 味方がいる状態だと思うのが普通の感覚じゃないの 極端な話をしたがってるのはお前でしょ お前の想定し...


            • https://anond.hatelabo.jp/20170912213329

              日本人だから自分の生活をおくるのが精いっぱいなんだけど、他国の人の事を心配したりできるってすげーな。っていうただそんだけなんだけどな。


              • anond:20170912213805

                他国の政治に介入するってことは人道的理由以外にあってはならないんだよ 兵器開発阻止のためってのは国連使った侵略戦争に使われたばっかだろ そこんとこから説明しないといけない...


    • anond:20170912210731

      アパートローンで苦しんでる地方のおじいちゃんおばあちゃんは北朝鮮難民受け入れ歓迎なんじゃないかな


    • https://anond.hatelabo.jp/20170912210731

      むしろ地上の楽園である北朝鮮にみんな移住したいだろ


    • みんなレイシストだからだよ

      自国民が餓死したら騒ぐのに北朝鮮国民が餓死しても騒がない人は、他人を国籍だけを理由に救う価値があるかどうか決めるレイシスト。 https://anond.hatelabo.jp/20170912210731


    • anond:20170912210731

      そもそもネトウヨ王の支配する人権後進国なんだから口では素晴らしいこと言ってるはてな民も所詮ネトウヨしかいないってこと 「困ってる人や弱者かわいそう」と搾取によって生み出...


    • 全員を救おうとしない者は、一人でも救いたいと口にしてはいけない…

      式のロジックを言う、よく分からない人がたまにいるね。 なお、北朝鮮の市民を救おうとして行動している人は海外にも日本にも存在する。 https://anond.hatelabo.jp/20170912210731


    • https://anond.hatelabo.jp/20170912210731

      聖人でありたいなんて欲求に他人を巻き込むな。何様だ? よそはよそ、うちはうち。ママに習っただろ?黙ってろ。


      • anond:20170913190234

        DV男に惚れるタイプなんじゃね?  ホームレスを気の毒がって自宅に上げてる内に情が移って殴られながら風俗で働くタイプ。 警察介入してしょっ引かれる段になると「本当は優しい...


    • anond:20170912210731

       簡単だよ。 援助の為の金を使い込んでミサイル代にするからだ。  アンタみたいのが気の毒がって支援してきた結果がICBMと水爆なんだよ。 そして先制攻撃をすれば中国、ロシ...


      • anond:20170913203303

        まるで自衛隊が国民の弾圧をやってないかのような言い方だな


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アベノミクスの正体が丸わかり

少し古い記事だし、「ブラック企業合法化」法案がどうなったのか、覚えてもいないが、アベノミクスの本質はまったく変わっていないのは明白だから、それを理解するには有益な記事だと思うので、転載しておく。


(以下「blogos」より引用)

   

5分でわかる! ブラック企業合法化法案とアベノミクスの正体


先日、ブラック企業合法化法案について書きましたが、長いとお叱りを受けたので、サクっと概要がわかるように要約してみました。拡散用に、是非ご活用ください。より詳しく知りたい方は、先のブログをお読みいただければと思います。


皆さん、残業代不払いや超長時間労働を合法化する法案、ブラック企業合法化法案が参議院選後すぐに通る見込みだということは、皆さんご存じでしょうか?


残業代不払制度の導入は、第一次政権時からの安倍晋三と財界の悲願です。第二次安倍政権とともに、「アベノミクス」の「第三の矢」の中心政策として、復活しました。人件費を削って長時間労働させれば、日本経済は復活する、と安倍と財界は考えているようです。


でも、この法案が可決されたら、私たちの生活はどうなるのでしょう?そして日本経済は本当によくなるのでしょうか?

ブラック企業合法化法案って?

2015年4月3日に、政府は労働基準法改正法案を提出しました。そこに含まれる「高度プロフェッショナル制度」。政府の説明によれば、一定の要件さえ満たせば、「労働時間と賃金のリンクを切り離した働き方ができる制度」と説明していますが(首相官邸)、それって要するに、一定の年収のサラリーマンは、労働基準法は適用せず、定額使い放題OKですよ!ってことですよね。


この法案が通ると企業はどれだけ働かせても、残業代を払わなく済むだけじゃなくて、過労死基準を大幅に超える超長時間労働も、合法になります。たとえば、①5日の有給休暇を与えれば360日連続で勤務OK!②年間104日休ませれば、24時間連続勤務OK!なんです。


このブラック企業合法化制度が適用される「一定の年収」っていくらなの?って話ですが、今のところ1075万円です。なんだ、私たちには関係ないね、と思ったあなた。安心しないでください。この法案の年収要件は、厚生省令で変えられるんです。つまり、国会審議を通さずにせずに、明日からあなたの残業代が払われなくなる、ってこともありえます。それも政府の一存なのです。

ブラック企業合法化の背景は、「若者のせいで日本がだめになった」という妄想

「高度プロフェッショナル制度」っていうぐらいだし、そんな労働者みんな残業代なくなるとか極端すぎない?って思う人もいるでしょう。実際のところどうなのか、少し遡って、向こうの「本音」を知る必要があります。


元々、「ホワイトカラーエグゼンプション」と呼ばれたこの制度は、「年収400万円以上の人間には労働基準法を適用しないでくださいね」というのが経団連の希望でした。


2006年に、経団連会長の御手洗冨士夫(キヤノン)のバックアップを受けて、第一次安倍政権が誕生、この制度を導入しようとします。そのときに、安倍=経団連が推進したのは、教育改正による公徳心・愛国心教育で、その先に憲法改正を見据えていました。


なぜ財界が教育改正を求めたか、経団連が2007年念頭に出したビジョンに「希望の国、日本」を読めば、「権利ばかり主張する自己中心的な若者が、今の日本をダメにした」という妄想がスケスケ。その諸悪の根源が「戦後民主主義教育」。(ニッキョーソ!って首相のヤジ覚えてますか?)


残業代不払い法案の背景にも、この思想があります。つまり。「会社が儲かってないのに残業代を請求する若者は実にケシカラン!労働者が権利を主張できないように法律を変えろ!そしたら日本経済が復活する!」。これがブラック企業合法化の背景にいるオジサンたちの思想です。


この制度は、国民の大反対を受け、法案提出もできずに頓挫。3億円脱税がバレそうになったこともあって総理大臣の座を追われた安倍ちゃんでしたが、日本会議とかいう、生長の家原理主義者たちが作ったカルト集団の後押しを受けて再度首相に復活。「アベノミクス」その「第三の矢 成長戦略」の本丸として、ブラック企業合法化法案もまた復活するわけです。


ただ、前回の反対があったので、「年収1075万円以上」という条件をつけました。それに怒ったのが経団連。経団連会長が「制度が適用される範囲をできるだけ広げていっていただきたい」と記者会見で言ったので大批判を呼び、塩崎厚労大臣がたまらず財界人100人集まった会合で言いました。


まあ、我々としては小さく産んで大きく育てる・・・ですから皆さん、それはちょっとぐっと我慢して頂いてですね、まあとりあえず通すことだと言って、合意をしてくれると大変ありがたいと思っています。


というわけで、やっぱり彼らとしては、ブラック企業合法化が目的なわけです。ただ、国民の目をよりうまくごまかすために、いきなり熱湯に放り込むのではなく、ぬるま湯の窯に入れてじわじわ温度をあげていく、ゆでガエル作戦に変えただけです。

ブラック企業合法化で生活と経済はどう変わる?

さて、ブラック企業合法化で、彼らは日本経済が復活すると信じているようです。確かに、人件費を削ったら、企業は一時的に利益を上げます。でも、それは経済成長につながるでしょうか?


このグラフを見てください。


image


給与所得総額とGDPはほぼ完全に(98%)連動しています。つまり、給与をカットすればするほど、経済は落ち込むのです。1998年からずっとリストラ・サービス残業・非正規雇用拡大で人件費を削り続けた結果、経済が低迷したのが「失われた20年」の本質です。ブラック企業合法化は、この流れを総仕上げとなり、日本経済を奈落の底に突き落とすでしょう。


そのメカニズムをごく簡単に説明します。


①すべての企業がブラック企業になる。
この法案は、一部のブラック企業を合法化する、と考えれば大間違い。むしろ、日本のすべての会社がブラック企業になると考えるべきです。だって、経営者の立場に立って考えてみてください。同業他社が従業員使い放題制度を導入したら、ホワイト企業が太刀打ちできますか?倒産するか、自社もブラックになるか、二者択一です。


②個人消費が低迷する
残業代支払われなくなった分、給料は減ります。給料が減れば、個人消費も減ります。残業時間が長くなった分、消費する時間も減るわけです。


③企業の業績が悪化する
個人消費が低迷すれば、企業の売り上げが下がります。そしたら、利益を圧迫します。


④失業者が増えて、賃金がさらに下がる
残業代ゼロ法案が通れば、会社は従業員をリストラし、残った人に業務を押し付けてコストカットします。なので、失業者が数百万人増えます。失業率が上がれば、平均賃金はさらに下がります。代わりの人はいくらでもいますから。


消費と生産は一つの円環、というのが経済の基本です。消費者がお金を持っていないと、生産しても売り上げになりません。そして、消費者の持ってるお金は、企業が払った給料なのです。なので、給料をカットすれば、生産も停滞する。中学生でも理解できる、ものすごく当たり前の話です。


その経済のイロハすら理解していない政財界の「偉い人」たちが、サービス残業を蔓延させて、非正規雇用を増やして給料をカットし続け日本経済を停滞した挙句に、自分が招いた経済の低迷を「働かない若者」のせいにし、「ブラック企業」を合法化しようとしている。それがアベノミクスの正体です。


ブラック企業合法化法案の結果、日本経済は奈落の底に落ちるでしょう。でも、それに苦しむのは彼らではなく、私たちです。でも、今ならまだ、間に合います。ぜひこのブログをできるだけ多くの人に拡散してください



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高慢と偏見

「stay minimal」というブログから転載。
好記事である。
日本の中にいると、外から見た日本の姿が見えなくなる。目にし耳にする情報はほとんどすべて、日本人向けに、日本人を持ち上げおだてる記事だからだ。
そういう「乳母車」「ベビーサークル」の中にいると、赤ん坊の世界観が出来上がることになる。
特にネットやテレビの「日本スゲー」記事(番組)ばかり読んだり見たりしていると、自分が日本人であるだけでいっぱしの何者かであるという錯覚を持つ。それは愛国心とか母国への誇りとは別の何かである。たとえて言うならば、醜悪な顔の男女が鏡の存在しない世界で自分を美男美女だと誤解しているようなものだ。(顔の美醜の概念自体が社会的な「刷り込み」で作られたものであるが、ここではただの比喩である。)
オースティンの小説の題名を借りれば、「高慢と偏見」はいわば、シャム双生児のようなものだろう。偏見があるから高慢になるのである。自分の偏見に気づけば、人は謙虚になる。そのことが、下の記事から分かる。(なお、原題では「偏見」はprejudice、つまり「先入観」である。)



(以下引用)



アメリカ留学で考えたこと


f:id:kei_ta1211:20160416145447p:plain
写真:ロードアイランド州 - Wikipedia



大学3年生のときにアメリカへ1年間留学しました。ロードアイランド州というアメリカの中で一番小さな州にある大学でした。英語もなんとか話せるようになった僕は留学に対して大きな期待と同時に不安を抱いてました。そして現地に行って自分の価値観が見事に打ち破られた。
アメリカで考えたり感じたことは沢山あるけれど、特に日本人としての自分について深く考えさせられた。国境を越えて本当にいろんな人種の人たちに囲まれていると嫌でも自分が日本人であるということを感じてしまう。20年以上日本に住み続けて、学校から社会まで周りの90%が日本人というコミュニティで育った僕にとってそんなこと考えたこともなかった。


これまでの考え方を変える必要がある。その思いに至った経緯を書いていくことにする。

I'm Japaneseと言えば通じると思い込んでた


f:id:kei_ta1211:20160416151809j:plain



日本に居たとき、テレビでよく見る「日本の技術の素晴らしさ」とか「季節の美しさ」とか「外国人が日本食を好んで食べている」という情報ばかりを見たり聞いたりしていた。自然と、日本人の文化は海外の人たちが興味をもってるんだ、日本の技術って世界でも誇れるものなんだという感覚が知らない間に自分の中で形成されていたんだと思う。


アメリカで受けた授業で初めての自己紹介。I'm from Japan.(日本からやってきました)この一言で興味を持ってもらえる、そんな期待が自分の中にあった。


しかし、予想に反してその一言に対しては無反応。そしてそのまま次の人の自己紹介に移っていった。もちろん、先生はクラス全員の名前とか特徴を把握するために僕が日本出身ということに興味を持ってくれた。


でも、僕が日本人だからということで話しかけてくれる人はいなかった。


I'm Japaneseという言葉、私は日本人だと言えばそれで何か変わると期待していた。それを見事に打ち砕かれた。

日本人であるという1つの要素だけに頼っていた

住んでいた地域でも車の半分はTOYOTAとかHONDAの日本車だった。電化製品はPanasonicなど一部は日本製、テレビはLGやサムソンなどの韓国製が多かった。それでも日本製品はアメリカ人の生活の中にある程度は浸透していた。


大きな影響を与えていた日本という国で生まれ育った僕は日本製品に誇りを持っていた。安心、安全、性能もいい。


でも、そういう情報を持っていた僕はどこかで日本人であるという優越感に浸っていたのかもしれない。みんながそれだけで興味を持ってくれる。日本人であるということに甘えていたのかもしれない。


僕から何かを伝えないと会話は始まらないし興味も持ってもらえない。待つ、じゃなくて自ら会話の話題を探して僕という存在を知ってもらわなければならない。この単純な努力を忘れて「日本人」という要素だけに頼ってた自分がいた。

みんな日本がどこにあるのか知らないし興味もない


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アメリカに留学して2、3ヶ月経った頃に色んな国から来た留学生と遊んでいたときだった。ノルウェー、アメリカの別の州、イギリス出身の留学生たちに何気なく目の前にあった世界地図を見ながら質問をしてみた。


Do you know where Japan is in this world map?(この世界地図の中で日本はどこにあるかわかる?)


ノルウェー人の友達は中国を指した。


アメリカ人の友達はインドネシアを指した。


イギリス人の友達はタイ・ベトナムを指した。


全部、惜しいようで違う!そして分かった。そもそも日本がどこにあるのかなんて気にしたこともないんだなぁと。


僕が見ていた地図は日本を中心とした世界地図だった。みんなが見ているのはヨーロッパを中心としたものだからアジアの国、特に日本は世界地図の端っこだった。今にも消えてしまいそうなちっぽけな日本を見ると虚しい気持ちになった。

日本にめちゃくちゃ興味がある外国人の特徴

日本人であるということが揺らぐ一方で、日本に興味を持ってくれる人たちがいた。

  • アジア出身の人(韓国、中国、タイなど)
  • 日本のアニメ、ゲーム、音楽好き
  • 日本女子を狙う男

海外で日本人コミュニティの少なかった僕にとってよりどころだったと言ってもいいかもしれない。

アジア出身の人に何となく感じる安心感

同じアジア系の人たちとはとても話しやすかった。受け入れてくれるというかやっぱり見た目とかどこかで繋がりを感じざるをえなかった。人種のサラダボウルと言われるアメリカだけあって、黒人、白人、アジア人など本当にいろんな人たちがいたけどやっぱりある程度同じような人種とかでグループが出来上がっていた印象だった。


見た目だけじゃ人は判断できない。でも一緒にいることの安心感とか気が合うっていうのはやっぱりアジア系だったと今思い返しても思うところはある。


もちろん、日本のアニメやドラマもかなりの人気があってみんなよく見てるなぁという印象だった。

日本のアニメ・ゲーム・音楽が好きな外国人

日本のアニメ、ゲームなど熱狂的なファンの人もいた。そういう人たちは無条件に受け入れてくれたしそういう点から話が弾んだりした。面白かったのは日本ではあまり流行ってないアニメやゲームが海外ではめちゃくちゃ人気があったりしたことだ



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鋼の錬金術師は知ってたけどあまり読んだことはなかった。というか漫画で言えばHUNTERxHUNTERくらいだったしもうちょっと勉強しておけばよかった。

日本女性を狙う外国人


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最後に、やたらと日本の女性に興味を持ってるアメリカ人がいた。向こうでも日本の女の子って可愛いランキングTOP3に入ってるらしくて僕と仲良くなれば日本人の女の子と仲良くなれると思っていたらしい。それが一つの目的、いわゆるナンパとワンチャンを狙った外国人だ。


日本人は人がいい、清潔だし、断れない性格。「軽い」というワードに絡めて「イエローキャブ」って言ってんだぜとか笑われながら言われたときはマジで腹が立った。もうアメリカ人とか日本人とか関係ない。その考え持ってるってのがもう無いなって思った。


欧州系のブルーやエメラルドに輝く瞳とシュッとした身なりの見た目に憧れを持つ女性は多いはず。そんな人たちの夢は壊すつもりはこれっぽっちもないけど、注意しておいてほしいというのが僕の心の声だ。

日本人じゃなくてお前はどう思うんだ?という主張が尊敬される場所


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日本人としての価値がゼロだと分かった僕に残されたのもは何だったのか?単純だった。それは僕自身が誰で何を発言するか?ということだった。


アメリカの大学には決して同年代の人たちが集まる場所ではなかった。年齢や性別、人種や信仰、ほんとうにさまざまだけどそれだけに価値はない。


「何を発言するか?」


それがすべてだった。発言すれば自分という存在が認められる。どんな意見であっても「正解」「不正解」かなんて関係ない。一つの意見として尊重される。逆に、黙ってテストの点数だけ取っても不審に思われる。発言していないのは存在しないのと同じことだった。そんな雰囲気と文化が根付いてた。


なぜ日本人としての僕に価値がなかったのか?アメリカ留学で発言するという経験があってその答えがようやく分かった気がする。日本でいう学歴、資格、日本人であることなど外見にしか目が向いていなかった。何を発言できるのか?どんな意見と行動ができるのか?僕という存在は発言や行動によって認められていた。

アメリカ留学を経験して何が変わったか

僕自身、アメリカ留学の経験から得たものは大きかった。特に以下の3つのことは今でも僕の生活や仕事で大いに役立っている。

  • 人を見た目とかイメージで判断しなくなった。
  • 自分の意見をもつようになった
  • 相手の意見を待ってあげられるようになった

外見とかそんなことはどうでも良くなった。どんな人で何に興味があってどんな考え方をするのか?そういうことに目が向くようになった。


それから自分の意見を持てるようになった。周りがこうしているから、という「空気を読む」能力よりも自分で現物を見て判断したいと思うようになった。


コミュニケーションにおいては相手の意見を引き出そうと思えるようになった。お互いに意見をぶつけ合い、正しいと間違っているという善悪で収めたりはしない。相手がどう思うのか、自分がどう思うのか、そういう視野で話ができるようになった。


アメリカ留学で「僕に日本人としての価値はない」と気づかせてくれたことに感謝したい。


最後に過去記事で僕が留学するまでの英語の勉強法を公開しています。よろしければご参考にどうぞ!






2016.4.26 追記


ある方がRTしてからたくさんの方に読まれてます。ここまで読んで下さった方々は貴重なお時間をありがとうございました。文章である以上、全部はきちんと伝えきれませんし断片的に取れば疑問な点もあると思います。


思えば、留学した時に日本人は僕一人でした。だからこそ「日本人」というものにすがっていたのかもしれません。必死で覚えた英語も思うように通じないし、自分から話せる専門分野もない。だからこそ、何かに頼らざるをえなかったのかもしれません。それも今ではいい思い出です。


ちなみに、私は全然というか全く漫画とかアニメを見ない質で唯一は「HUNTERxHUNTER」くらいです。僕が単に知らなさすぎただけかもしれませんし、本当にマイナーなアニメがたくさん流行ってたのかもしれません。正直、今となっては覚えてないってのが本音です。でも、もっと知っていたらまた違った経験ができたのかもしれませんねぇ。本当に学生時代の視野の狭さには恥ずかしいばかりです。


とにかく、たくさん読まれたことに感謝です。ありがとうございました。

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東京都の禁煙ファシズム条例

  1. 多数決という議決方法は、多数の知的レベルや、情報の共有の程度によって適切か不適切かが違ってくるわけで、その議決方法を取る場合は、当該問題についての議論が十分に尽くされていることが必要になる、というのが民主主義の大原則である。はたして、室内禁煙の条例化は十分な議論を尽くしただろうか。
  2. そもそも、以前に書いたように「都民ファースト」のセカンドやサードはどういうグループを想定しているのか。無邪気に、公務員よりも一般人民のことを優先的にしようということだと考えている人が多いのではないかと思うが、小池百合子自身は何に対して都民をファーストにするのか言っているのだろうか。実際のところは公務員だろうが政治家だろうが大金持ちだろうが都民としては同じである。すると、他府県民よりも都民をファーストにする、という思想なのか。
  3. そのネーミングの時点で、この政党のいかがわしさは歴然としているし、小池百合子という政治家のこれまでの足跡を見ても、自分の利益のためにしか行動しないオポチュニスト(機会便乗主義者)であり、保守政党が政権党だから自分の思想をそれに合わせて右翼化してきただけの女ではないか。今回の「禁煙ファシズム」も、敵を作り出して弾圧することで多数派を味方にしようというだけの話である。マルチン・ニーメラーの言葉ではないが、「私は自分が喫煙者ではなかったから、喫煙者弾圧に対して何も言わなかった。だが、その次に〇〇が弾圧されたとき、私は立ち上がったが、その時にはすでに遅かった」となるのではないか。




  4. 小田嶋隆 @tako_ashi 5時間前
  1. 韓国人学校への都有地貸し出し撤回と室内禁煙の条例化は、「少数者への迫害」という点で同質の施策だ。いずれにせよ「都民ファースト」は、「非ファーストの」「セカンダリーな」「二級市民」を想定している。というよりも、二級市民迫害があってはじめて成立する政治運動なのかもしれない。
  1. 仮にあるリーダーが「副流煙を嫌う多数派の市民」vs「少数派の喫煙者」という構図を作って多数派に付くことで支持を得ることに成功したら、次に狙うのは「税負担を嫌う多数派の市民」vs「福祉や社会保障の対象となるマイノリティ」ぐらいな対立軸の構築だったりするのではなかろうか。
  1. 「世論を二つの陣営に分断して、数の多い側に立つ」みたいな感じの統治技法の流行は、小泉改革や大阪維新のアジテーションの成功を受けてのものなのでしょう。都民は簡単にはひっかからないと思っていましたが、どうやら私の読み間違いでした。
  2. 1件の返信 168件のリツイート 147 いいね
  1. 小池都知事が打ち出している室内禁煙条例の背景にある戦略は、つまるところ「特定の問題について賛否が分かれている状況では、両派の分断を煽っておいて少数派を迫害する施策を打つことが得票につながる」という判断なのだと思っています。

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政治経済の世界もヤクザの世界と同じwww

面白い記事である。書いているのが本当に実在する元経済ヤクザなのか、フリーランスの雑誌記者かは分からないが、政治にも経済にもかなりの知識があり、しかも、物事をちゃんと裏側の事実から考える頭脳も持っているように思う。
まあ、北朝鮮の真意が何か、前回の記事と兼ね合わせて考えるといいのではないか。


政治や経済の世界がヤクザの世界と同じというのは考えてみれば当たり前の話であり、数百年前の戦国武将や王侯貴族のやってきたことはヤクザの行動そのものなのである。つまり、武力で威嚇して物やカネを奪うという行為だ。それが、今はきれいな背広を着た人間がやっているだけで、中身は現代でも同じであるというだけのことだ。



(追記)今、私の持っている別ブログの過去記事を見ていたら、この記事に関係するような記事があったので、転載しておく。


リビアが欧米に破滅させられた理由


ユダ金がリビアのカダフィを襲ったワケ (RK過去記事から)

1.カダフィ政権が米欧にそれぞれ投資している
320億ドル・450億ドルを凍結し巨額負債の穴埋めに流用するため。

2.アフリカ最大の埋蔵量のリビアの石油を横取りするため。
(毎年300億ドルの貿易黒字)

3.カダフィのアフリカ統一通貨構想を潰すため。
(リビアの資金でアフリカ独自の金融機関が育成され、
世銀・IMF支配から離脱せんとしていた。)

4.カダフィ政権に近い関係のロシア、中国、ブラジルを牽制し、
アフリカの産油国に「いうことを聞かないとどうなるか....」
と恫喝を加えた。

5.ユダ金御用達の韓国人が事務総長を務める国連が
リビア反体制派を支持することで、大義名分が得られたから。

http://richardkoshimizu.at.webry.info/201108/article_80.html

6.追加:サルコジの仏大統領選挙資金を
カダフィが肩代わりしていたことを隠蔽するため。







(以下引用)

元経済ヤクザだからわかる、北朝鮮「過剰な挑発」の真意


9/7(木) 11:00配信


現代ビジネス


 2017年9月3日、北朝鮮が6回目の核実験を実施した。北朝鮮側は原爆より強力な「水爆実験の成功」を発表しているが、通常の核爆発より威力が強力だったことは観測されている通りである。

 さて、今回は「元ヤクザの眼からみた北朝鮮問題」を論じてみたい。北朝鮮はいわば国際社会のアウトローだ。彼らの行動は、一般社会の眼でみれば非合理的だが、同じアウトローの眼からみると、その目的や狙いが良く見えてくるのだ。


石油取引で知ったアメリカの本当の怖さ

 現在、アメリカによる空爆のXデーは2説ある。一つは、『週刊現代』8月19・26日号で、ドナルド・トランプ米大統領(71)が安倍晋三総理(62)に伝えた話として報じた「9月9日」説。もう一つが9月20日の新月に前後した説である。

 9月9日は北朝鮮の建国記念日。昨年核実験を実施した前科があり、この日は金正恩党委員長を始めとする北朝鮮のトップが集うのだから、空爆を実施するとすればターゲットは「人」だろう。また、20日の新月を前後するのであれば、ターゲットは「軍事施設」と予想される。

 米朝の緊張は高まる一方なのだが、超大国と小国がぶつかり合う背景と結末をヤクザのロジックで解き明かしてみたい。

 私は常々アメリカを「巨大暴力団」だと考えている。根拠は強烈な自己体験があるからだ。

 それは石油をめぐる取引に関連したものだった。03年ごろ、中国が石油の備蓄量を大量に増やしていくのに合わせて、04年ごろから日本の経済ヤクザが石油を求めてドバイに集まっていた。しかしその多くは中国への買い手側だったため、私は売り手側に立つことにした。

 売っている油を買う仲介業より、安い石油を仕入れて高く売る方が儲かるに決まっているということで、私は紛争地からオイルを買うことを選び、成功したのだった。

 この時にわかったことは、石油がほぼ「ドル」でしか決算できないということだった。どれほど中東が英米を憎んでも、契約書は英米法に基づいて作成され英語で書かれている。ドルが国債基軸通貨となったのは、1944年のブレトンウッズ協議以来で、当時アメリカに世界の金地金の3分の2が集まっていたことがその理由だ。

 しかし、72年のニクソン・ショック後もなおドルが基軸通貨であり続ける理由は、武力によるところが大きい。いつ潰れるかわからない国の通貨より、絶対に潰れない通貨の方が安全であることは自明の理だろう。不沈国家を担保しているのは米軍という世界最強の暴力である。

 単身石油ビジネスに参入した私の元にはやがて、「取引先を紹介して欲しい」「そちらの口座にお金を入れるので石油を分配して欲しい」などの人的繋がりができるようになっていった。

 そのうち私の口座があるイギリスの銀行から「当行では個人口座の規模を超えている」という連絡が入るほどの成功だった。そこで私は知人の紹介で、オフショアであるバハマのバンク・アルタクア銀行に口座を移すことにした。

 知らずに触った石油取引が莫大な利益を生み、250億円ほどに膨らんでしまった。ところが、だ。突如バンク・アルタクアはアメリカによって制裁対象にされ、銀行ごと没収されたのである。

 当時私は現役の暴力団員だったが、石油のビジネスはすべて合法だった。後でわかったのだが、私を経由した資金の一部がアルカイーダの関係者のもので、バンク・アルタクアには多額のテロ資金が流れていたとのことだった。

 私が貯めこんだ金もすべてもっていかれてしまった。黙って監視をして、ある程度膨らんだら根こそぎ収奪する――アメリカは暴力団そのものであると実感したのはその時だった。

 この一件以来、私に対する監視が強まり、イギリスではパレルモ条約で拘束されることにまでなったのである。

 石油はドルが支配する戦略物資で、個人が触れるべからざるものであることを痛感し、二度と石油に関わらないようにしたのだった。もし石油を触りたいのであれば、アメリカの勢力圏に事務所を構え、アメリカにきちんと税金を支払うべきなのだ……。

 さて、ではなぜ北朝鮮はアメリカを挑発するかのようにミサイル発射実験を行うのか。アメリカが「巨大暴力団」であるという前提に立ち、これを解説しよう。


北朝鮮は「アメリカの沈黙」を恐れている

 まず理由の一つが「沈黙の回避」である。暴力団が相手(暴力団)を強迫する際に「いわす(殺す)ぞ」「沈めるぞ」と言葉にしているうちは実は安全なのだ。一番怖いのは「沈黙」で、相手が「沈黙」したときこそが次にアクションを起こすサインなのである。

 つまり、アメリカが沈黙した時こそ、本気で仕掛けてくるということだ。北朝鮮はアメリカに沈黙して欲しくないので、挑発をしながら言葉を引き出しているのだ。一連の挑発行動こそ、まさに外交安全保障として機能しているのである。

 もう一つは、ミサイルの発射実験が武器ビジネスの「最高のショーケース」になっている点だ。ICBMは北朝鮮製の武器のフラグシップモデルであり、その性能を見ればお客さんは「北朝鮮製の他の武器も良い性能に違いない」となる。

 しかも一回発射すれば世界中で報道してくれるし、多くの国の調査機関が性能まで割り出してくれるのだから、宣伝活動にうってつけということになる。

 さきほど、石油はドルが支配していることを明らかにしたが、ドルが支配するほかの取引に「武器」と「穀物」である。

 今年3月、北朝鮮についての気になるニュースがあったことをご存知だろうか。それは、SWIFT(国際銀行間通信協会)が、北朝鮮のすべての銀行に対して銀行間決済に必要な通信サービスの提供を停止するというものだった。これは北朝鮮が外貨――特にドルを獲得するルートを遮断されたことを意味している。

 燃料と食料が欲しい北朝鮮としては自国産の武器を販売することで、是が非でもドルを手に入れなければならないのだ。昨年わずか5回しか行わなかったミサイル発射実験が、SWIFT遮断以降9月まで11回も行われている事実がその根拠といえよう。

 ではミサイル発射が兵器のショーウインドーだとすれば、9月3日の核実験はどう考えたら良いのか。現在の世界情勢から考えると諸外国で核実験はほとんどできない状況だ。あのアメリカでさえ臨界核実験に切り替えて、爆発させずに核兵器の品質を維持しているほどである。

 しかしこの地球上で、そうした非難を一切気にせずに核実験を行える唯一の国……それこそが北朝鮮にほかならない。核開発は北朝鮮が独占分野となっているのである。


これがクライシスの正体

 第三諸国に核爆弾を流出させれば世界中から非難され、激しい経済制裁を受けるのだが、これに耐えられるのも、これ以上ないほど強い経済制裁をすでに受けている北朝鮮ただ一カ国。

 イランを始めとして「核」が欲しい国はたくさんある中で、核マーケットは北朝鮮が独占しているのだから、核実験はミサイルとは違う面でのショーケースと言えるだろう。イランは産油国であり、北朝鮮への油の供給源となりうることはあえて付記しておきたい。

 第13代FRB(連邦準備制度理事会)議長のグリーンスパン氏は回顧録に「イラク戦争は、主として石油の為であった」と書いて大騒ぎになったことがある。

 当時、フランスはイラクに「石油決算をユーロで行えば条件を有利に取引することと、武器を供給すること」を持ち掛けた。石油と武器のドル支配を崩したくなかったことがアメリカがイラク戦争に向かった動機の一つである。

 しかしこのまま北朝鮮を看過すれば、アメリカの武力神話が崩壊し、それはドルの威信に傷をつける事態になりかねない。それでもアメリカが北朝鮮の暴挙を看過してきたのは「統一資金」の問題がああるからだ。

 09年、ドイツの主要4経済研究所の一つ、ハレ経済研究所は、東西ドイツ統一にあたって1兆3000億ユーロ(現在のレートで、約170兆円)もかかったと発表した。

 11年には韓国統一省が、南北統一に必要な費用について「30年に統一すると事前に約53兆円、事後に約184兆円かかる」とした。

 ドイツは統一の経済的インパクトに耐えられたが、実に237兆円もの天文学的数字に韓国が耐えることはできない。その尻ぬぐいをさせられるのは、アメリカだ。ババを引きたくないアメリカとしては、北朝鮮を崩壊させる形の南北統一は避けたいのだ。

 さて、独立系の小さな組織が大組織と渡り合って生き残ることがヤクザの世界でもあるのだが、この時、独立系の組織は他組織の動きを見ながら巨大組織と戦うのが常である。

 この状況での別組織とは、北朝鮮がアクションを起こすたびに非難めいた声明を出す中国・ロシアだが、両国ともに世界で存在感を示せるのは北朝鮮をコントロールできるということだから、おとなしいよりは少々暴れてくれた方が助かることを忘れてはいけない。暴れる舎弟を「まぁまぁ待てや、そのへんにしとけや」と言ってなだめるようなものなのだ。

 こうした状況を北朝鮮もわかっていて、実際に空爆されないギリギリの線を探りながら、ミサイルと核実験で営業活動をしている。それが朝鮮半島クライシスの正体なのである。



猫組長











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