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徽宗皇帝のブログ

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「適切な努力」と「頑張る」ことの違い
こういう出来事は実は昔もたくさんあったが、問題にされなかっただけではないかと思う。そもそも「熱中症」という言葉すら無かった。(昔は「日射病」や「貧血」だったか。「室内でも『熱中症』になる」という考え方は無かった。)朝礼で校長などが長い演説をしている間に倒れる生徒は私の小学校時代からけっこういた記憶があるが、まあ、保健室に運ばれて安静にしておけば治る。(私も一度「貧血」になったが、「鉄ペプシン」という、ブドウ糖水溶液に鉄分を入れたようなのを飲まされ、それが美味かった思い出がある。)しかし、部活の罰走で10キロ走るとなると、体の異常を感じても、無理に走ろうとして大ごとになるのだと思う。

何であれ、「頑張る」ことは命の危険と隣り合わせだ、と怠け者体質の私などは考えるのだが、頑張ることで成功するのも結構いるから、親や教師などは子供に「頑張れ頑張れ」と言う。
だいたい、「頑張って成功するのが2割、頑張ってもどうにもならないのが4割、最初から頑張らないのが2割」といったところかwww 一番の問題は、頑張ってもどうにもならない4割に無理に頑張らせることである。時間と労力の無駄であり、当人の不幸だ。そういうのは、おそらく頑張る方向性を間違えている。今の学校教育のように、運動か勉強しか評価されないシステムでは、その二つのどちらかに才能の無い人間は、「頑張っても頑張ってもダメな奴」として見下されるだけである。もちろん、心の中で見下すだけだが。
ただし、頭脳も運動能力も若いうちにしか発達できない部分は大きいから、私は「適切な努力」を否定するものではない。「頑張る」という言葉自体の持つ「無理をしている」というニュアンスを私は好まない、というだけである。まあ怠け者体質だと、少し努力しただけで音を上げるから、「適切な努力」はどのあたりまでかという線引きが難しいのだがwww 
大雑把に言えば、勉強の場合、平均的な知能指数でも頑張れば学年で10位から50位くらいまではいけるし、学校のレベルが低ければトップにも行けるが、運動だと、どんなに頑張っても、遺伝的素質のある子には及ばない、というところか。ただし、どのスポーツを選ぶかで芽が出ることもある。ボール系のスポーツは下手でも格闘技には向いている、ということもある。
これも子供の周辺の大人が注意したいことだが、スポーツ自体が「頑張りすぎる」ことを自然発生させる本質がある。もともと「競う」のがスポーツなのだから当然である。

当人の意思で頑張る分にはまだいいのだが、「強制的に頑張らせる」と、下の事件のような悲劇が起こることになるから、「頑張ることの危険性」はもっと周知されてもいいように思う。

「頑張る」とは「頑なに」「張り詰める」ことなのだから、危険な方向性の努力であるのは語義的にも当たり前だ。


(以下引用)



部活で「罰走」 熱中症で男子生徒が重体


8/25(金) 21:13配信


TOKYO MX


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 東京・杉並区の特別支援学校で高等部1年の男子生徒が、部活動の最中に熱中症で倒れ、意識不明の重体となっていることが分かりました。

 東京都教育委員会によりますと、23日の夕方、杉並区の特別支援学校・都立永福学園で、高等部1年の男子生徒がバスケットボール部の部活動中に熱中症で倒れ、意識不明の重体となっています。

 この男子生徒は「タイムが遅い罰」として、31歳の男性顧問から屋外でおよそ10キロのランニングを指示されていました。当時の杉並区の気温は32℃で、学校は熱中症予防運動指針に基づき、30℃を超えた場合の激しい運動はなるべく避けるよう注意喚起していました。しかし男性顧問は、大会を控えていたことから、水分を取らせながら実施していたということです。

 事故を受け、永福学園の朝日滋也校長は「このような過度な練習が行われていたことは今回初めて知り、大変深く反省している」と謝罪しました。


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