「世に倦む日々」氏の「NOTE」記事の後半だが、氏自身が表マスコミでの報道にかなり信頼を抱いており、そのマスコミ批判もマスコミやアカデミズムへの基本的信頼の上にあるもので、まあ、砂上の楼閣である。しかし、よく勉強し、深い知識を持ってもいるので、尊敬はしている。
下の記事を引用したのは、この中に出て来る「左翼」氏の阿呆さが面白いからである。
左翼が米国側の肩を持つ(反安保闘争はもはや歴史の彼方かww)というのも、基本的には売女マスコミの手のひらの上で踊らされているからだろう。数世紀にわたる欧米の地球的犯罪と、それを隠蔽してきた欧米マスコミ(日本もその手下)の腐敗ぶりを知らない左翼が存在するというのは喜劇である。
今は右とか左とかいう時代ではないが、どちらかと言えば左翼が「ロシア=悪」という硬直的思考(「プーチン・習近平=独裁者」「独裁=悪」、ゆえに「ロシア・中国=悪」という、ネトウヨそっくりの思考だろう。)をしており、右翼のほうが「プーチンのほうが正しい」とまともに見ているようだ。一言で言えば、「左翼は言葉で踊らされ、右翼は事実を見ている」といった感じではないか。
(以下引用)
対ロ経済制裁に反対する市民の反政府デモは、まだアメリカでは起きてない。欧州の都市のみである。だが、それが起きる可能性はゼロではない。経済方面に一つのリスクが見出される。森永卓郎が「私は米国株のバブル完全崩壊が目前に迫ったとみている」と言っている。毎度の持説の発信であり、ある種オオカミ少年トーク化した感のある森永卓郎の言説だが、今回の発言には根拠が添えられていて、アメリカの長期金利(4%)と株投資長期平均利回り(6%)の接近に注目している。投資家がマネーを安全な米国債の方に移し、その行動によってNY市場がクラッシュすると分析している。エコノミクスの論理的考察であり、荒唐無稽な妄想や願望の類ではない。実際、FRBもリセッション辞せずの方針でアグレッシブに金利を上げ続けている。

森永卓郎の予言が的中し、金融市場が破裂したら、一夜にして世界が変わり、アメリカのウクライナ戦争へのコミットも一変し、ゼレンスキーが青ざめる境地に変わるだろう。CIAの戦略は破綻する。世の中、何が起きるか分からない。7月の事変を目撃して覚醒させられた。先週末、私のツイッターアカウントにある左翼がリプライしてきて、「ロシアの国民は真実を知らされておらず、プーチン支持率8割も公正な調査ではない」と書き込んできた。真実を知らされてないのは、日本国民なのか、ロシア国民なのか、どっちなんだろうと思う。ロシア国民にとっては、この戦争は8年前から始まった戦争の延長であり、NATOの東漸と侵略のプロセスとの衝突である。それがロシア人の本質的認識であり、だからプーチン8割支持になる。
それに近い認識は、キッシンジャーが示していたし、ミアシャイマーが示していた。ロシアに内在的な見解はアメリカ国内にもあった(現在は消えているが)。そうした認識を、頭から被害妄想だと決めつけるのが、日本のマスコミ報道を占拠しているオールスターズ(CIA工作員軍団)であり、堤伸輔と松原耕二の態度であり、日本のマスコミのウクライナ報道の「常識」である。日本のテレビのウクライナ報道には、鳩山由紀夫も登場しないし、鈴木宗男も登場しない。孫崎享も登場しないし、佐藤優も登場しない。最近は塩川伸明も出てこなくなった。キャノングローバル研の小手川大助も出てこない。田岡俊二が軍事情勢を解説する場面もない。こうした面々がテレビに出演し、オールスターズと時間を半々にしてコメントを提供していれば、日本の世論は全く違った中身になっていただろう。

もっとバランスのとれた深い認識と思考になっていたはずだ。私に噛みついてきた上の左翼のような、マスコミに洗脳された親米反ロの者ばかりということはなかっただろう。キッシンジャーやミアシャイマーの主張に触れ、それを納得し理解できる知性の者ならば、ロシア国民は真実を知らされてないだの、ロシアの世論調査は公正ではないだのと、安易に口走ることはあるまい。日本のマスコミがどれほど偏っているかを自覚する者ならば、提供される情報に自己の脳内で補正をかけ、認識を矯正し、戦争の正確な像を組み立て直すものだ。普段はマスコミの偏向への批判を常套句にしながら、オールスターズの信者になっている左翼は、バカとしか言いようがなく軽蔑しかない。ヨーロッパの左翼は(一部かもしれないが)NATOのウクライナ軍事支援に反対し、即時の停戦和平に動くよう政府に求めて運動している。
この戦争で(私と同じく)中立の立場に立って平和を望んでいる。日本の中でも、そうした政治的感性の市民が増えることを期待したい。
コメント