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徽宗皇帝のブログ

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メモ日記トゥディ「レッテル張りをする豚たち」 10.4.4
ネットの世界でいまだに他人に対してサヨクだとかウヨクだとかのレッテル付けをして、それですべてを片づけたつもりの人間がいるが、そうしたレッテル付けをする人間は、それだけで信頼できない考えの持ち主だと見なしていい。そもそも、左翼とは何か、右翼とは何かの定義さえ定かではないのだから。それは、戦時中の「非国民」とか「アカ」とかいうレッテル付けによる他者排斥と同レベルの低俗・卑劣な行為である。
アメリカでも事情は同じで、オバマ大統領の医療保険改革について、「あれは共産主義だ」とかいう批判を述べる人間がマスコミに登場して、見ている我々を驚かせたりする。
もちろん、そういう人間は、マスコミが選んでテレビ取材に登場させている人間、つまり保守層の利益になる発言をするための存在であるのは決まっているが、それに騙されるB層が日本以上にアメリカには多いことが推測できる。要するに、保守層の利益を害する存在、高所得層から低所得層への所得移転につながる政策はすべて「共産主義」だということにされるのである。まあ、たしかにそれは共産主義の理念ではあるから、そうした発言は正しいと言えば正しいのだが、問題は、その「共産主義」がなぜ悪いのかということを、彼らはまったく考えてはいないということである。彼らにとっての共産主義とは、この世における絶対悪であり、ア・プリオリに悪なのだから、今さらそれがなぜ悪なのかについては議論の必要もない、と言わんばかりである。ところで、一部の高所得者の幸福のために、絶対多数の低所得者が低賃金労働に苦しみ、あらゆる手段で金を社会上層部に吸い上げられている現状を変えることが、なぜ悪なのだろうか。
もちろん、政治システムとしての共産主義が実現不可能な夢想であることは言うまでもない。世界中の人間が聖人にでもならない限り、どんなに働いても所得は同じという状況で真面目に働く人間などいるわけはない。しかし、そのことと、現実の不平等や不正を是正する政策を「共産主義」呼ばわりして弾圧することは、話が別である。
「自由の国アメリカ」のお題目のもとに、特権階級があらゆる「自由」を謳歌し、他の国民は自由のための基盤を奪われている、そういう国がアメリカである。
ついでながら、この小文のタイトルを「レッテル張りをする豚たち」と付けたのは、豚に対する差別的発言であり、レッテル張りの実例になるかもしれないので、これを読んでいる豚がいたら、あらかじめお詫びしておく。

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