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徽宗皇帝のブログ

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戦後民主主義平和国家という歴史的奇跡
「NEWS WEEK」日本版記事の一部だが、日米関係に疑問を持つ日本政府関係者が増えている、という趣旨の記事の末尾である。
日米同盟破棄後の日本の姿を冷静に考えてみる、という趣旨は大事だと思うので、考察ネタとして保存したわけだ。
特に末尾の、

「戦後の日本社会が達成した、格差の小さな豊かで自由な社会は、十分今後の規範として使えるものだろう。」

は、面白い。まあ、それも「日米同盟(安保条約)の恩恵だ」と従米主義者は言うだろうが、それは果たして日米同盟が不可欠の条件なのか、考える価値はあるだろう。
つまり、「戦後の日本社会が達成した、格差の小さな豊かで自由な社会」は、軍事費がほとんど不要だったということなのであり、それは「戦争を放棄した国を軍事攻撃することは不正であり、やらない」だろうという、「諸国民の信義」を信頼するだけでも成り立つわけである。
これを「お花畑平和主義」と硬派連中は言うだろうが、日本という「非武装国家」(は言い過ぎにしても「憲法上戦争ができない国」)が戦後70年以上平和でいられたこと自体が奇跡のようなものだ。一方、軍事費を毎年膨大に計上している国々は、まるでその軍事費を正当化するかのように、戦争に明け暮れている。
さて、「お花畑」はどちらなのだろうか。


(以下引用)



戦後アメリカが日本に強いた精神的自殺──日米同盟破棄で魂は復活するのか

2018年08月25日(土)14時30分

国家主義対デモクラシー

日本が戦後体制を卒業するのはいいが、戦前の国家主義体制に戻るのか、江戸時代の鎖国に戻るのか。思想的なバックボーンをどこに置くのかという問題が手付かずで残っている。

日米同盟は今すぐ壊れるということにはなるまい。米国防総省が強く抵抗するだろう。日本でも、同盟体制の終焉や根本的改変を前提に議論を始めると、各政治勢力が勝手な主張を始めて収拾がつかなくなる。戦前の国家主義を懐かしむ人たちは、ここぞとばかり日米同盟終了を主張する。それに対して、これまで反米的だった社会主義系諸野党は、「国家主義者による専制的支配から身を守れ」と、皮肉にも日米安保堅持を主張し始めるかもしれない。そんな政争を離れ、これからの日本のための基本的思想、価値観の軸をしっかり定めておく必要がある。それは、産業革命による生産力向上を背景に唱えられた「最大多数の最大幸福」、つまり格差の小さい豊かな社会と、人間としての尊厳・自由の確保だ。日本史にモデルを求めれば大正デモクラシーが近いが、過去に範を求める必要はない。

戦後の日本社会が達成した、格差の小さな豊かで自由な社会は、十分今後の規範として使えるものだろう。


<本誌2018年8月28日号掲載>


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