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徽宗皇帝のブログ

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狂言政治
「ジャーナリスト同盟通信」から転載。
まあ、現在の政治の状況を簡明に書いているのではないか。狂言政治である。
なお、些細なことだが、「必死」を「必至」と書くのは頂けない。ジャーナリストはもっと言葉に敏感になるべきである。



(以下引用)



2017年09月16日

9・15平成大本営発表<本澤二郎の「日本の風景」(2736)

<NHK本番>
 偶然、NHKの午前7時のラジオを聞いていた。1分程度経過した後だった。突然、政府がJアラートを発令したといって、ニュース報道は、すべて北朝鮮のミサイル発射訓練一色に染まった。「歩行者は建物の地下に入って」などという、子ども騙しの、一方的にがなり立てるJアラート報道である。「危ないのであれば、迎撃ミサイルで撃ち落とせばいい。そのための日米安保ではないか」と国民の多くは思っているが、撃ち落とすことなど出来ないことを専門家でなくても、知っている。イージス艦は民間の船に衝突すると、使い物にならない張り子のトラである。そんなことはお構いなしに、NHKは必死になって、不安を煽り立てるだけである。オスプレイや雷の方がはるかに怖いことを、賢明な国民は知っている。

 聞かされている方が腹が立ってしまい、スイッチを切った。30分後にオンにすると、まだやっている。そのはずで、NHKの担当者が、9・15を想定していたかのように、報道スタジオに待機していて、ひときわオクターブを上げて、あらぬ解説を始めていたからである。
 うんざりしてまた切った。1時間後にかけると、まだやっている。ミサイルは1時間前に北海道上空を飛び越えて、姿はないのだが、危険を煽りまくっている。いたたまれずラジオと縁を切った。
 大本営発表というと、戦争中の日本政府の、国民向け世論操作報道のことである。国民を騙す大嘘の原点である。宣戦布告なしの日中間の戦闘や日米戦争での、世論操作の最たるものである。話には聞いていたが、戦後70年を経て、ふたたび蘇った。その場面を初めて体験した。
 米ハリウッドのホラー映画を思い出す。墓地の棺桶から死者が蘇って、大本営発表のZOMBIE POLITECSの実演なのであろうが、不安を煽り立てる理由・背景は大ありである。
<官邸も本番>
 驚いたことに、ミサイルが発射されると、まもなく睡眠中のはずの官房長官や副長官が官邸に飛び込んだ。この素早い対応に驚いていたら、今度は神奈川県小田原に住んでいるはずの外相までが、おっとり刀で、これまた官邸入りした。どういうことか?

 安倍はというと、311をよそに、危険極まりない核エネルギーの原発売り込みでインド訪問、原発事故に対しては、日本国民の血税で一切支払うという、途方もない約束をして、東京を目指していた。むろん、予定よりも早めの帰国である。不安煽りの主役不在では、サマにならない。大本営発表に合わせての帰国なのだ。
<平壤パイプ?>
 NHKの即座の対応と官邸の素早い行動から判断すると、9・15大本営発表は、すべて計算されている、と分析出来るだろう。何もかもが仕組まれている。
 先にも例がある。
 安倍は官邸・公邸住まいが嫌いだ。今もマザコンの大家で知られる。
 察した後見人の「サメの脳みそ」で知られる森が「公邸にお化けが出る」というホラー話を流布させて、擁護してきたのだが、ミサイル発射の、その日だけは公邸に泊まって、即座に対応して、国民を驚かせていた。
 大本営発表のさい、山梨の別荘から駆け付ける?では、格好がつかない。国民の疑惑を呼ぶ。そこで、平壤サイドから事前に連絡を受けている?と理解すべきだろう。
<羽田大渋滞・山手線混雑>
 筆者は、午前9時過ぎに東京湾の橋を渡るリムジンバス(1250円)に乗って、品川駅に向かっていた。11時までに渋谷区神南のNHKで待ち合わせる用事があった。
 ところが、羽田空港周辺で車が動かない。バスに乗ったことに不安を感じた。1時間30分近くかかって品川駅到着、そこから山手線を利用して、渋谷に向かった。
 もう山手線もがらがら空いてる時間帯である。実は大混雑である。おかしい?大分たって理解できた。Jアラートの効果だった。影響は首都圏にも及んでいたことになる。経済損失は巨大である。平成の大本営発表によって、日本列島の関東から東北・北海道が影響を受けたことになる。
 こうした事実を書けるのも、偶然、7時のNHKラジオを聞いたからである。そうでなければ、馬鹿げた騒動といって、すぐ忘れるところだった。
<久しぶりの背広・ネクタイ>
 この日は、夏物の背広とネクタイ姿である。もう30年ものか、もっと古い背広の紺色は、剥げてさえないのだが、軽くてお気に入りのもので、テレビ映りのためでもあった。そして、中国の国営テレビの取材に応じた。13億人の一部でも、日本の総人口に相当するのだから、これもすばらしい。
 そこで「北朝鮮問題に特別こだわる日本政府の思惑は何か」という質問に回答した。理由はいくつもある。
 「加計・森友・強姦もみ消し事件の連鎖に対して、国民は強く反発、7月都議選で有権者は自民党を叩き潰した。アベノミクスも崩壊、安倍内閣の不支持率は過半数を超えてしまった。まさに安倍死に体政権で、おっつけ野垂れ死にする。そこを何とか乗り切りたい。藁をもつかむ思いで、北朝鮮のミサイルと核実験で、国民の目をそらしたい。自己のスキャンダルに蓋をしたいということから、Jアラートなる空襲警報作戦・大本営発表で、世論操作して支持率を回復させたい。その一環である」
 「支持率を回復することだけではない。中国と北朝鮮の仲たがいを決定的にさせる。危機を利用して、死んだ9条改憲を蘇らせる、同時に莫大な費用をかけて武器弾薬を購入、トランプを感激させる。他方で、民進党有力議員の男女問題をつつくことで、あわよくば10月解散に向けて、これを必至で煽って、3選に持ち込もうとしている。一石二鳥どころか、3鳥、4鳥を狙った欲深い策略である」
<川上義博後援会の仲間と懇談>
 夕刻、参院議員を歴任した川上義博後援会のメンバーと懇談した。
 そこに手に入ったばかりの「小泉純一郎と日本の病理」(光文社・藤原肇著)を持参、紹介しながら、ZOMBIE POLITECSについて話をした。安倍は小泉のお蔭で政権を手にしたものだが、この「死者の政治」は、森喜朗の「神の国」から始動したもので、それ以前の自民党政治と異質であることを、詳しく説明した。
 月刊誌「財界にっぽん」の藤原原稿が分析した「ゲシュタポ(国家秘密警察)内閣」論のことにも言及した。
 「藤原説だと、小泉も安倍も留学していない、遊学である。後者のロス時代に、韓国KCIAや統一教会と深く結びついて、彼の反共主義が育ったものだ」
 やはり人間は、大人になっても出自が反映するものらしい。
<菅の意外な出自?>
 川上後援会の関係者の一人が、不思議と学生時代の菅のことを知っていた。確か法政大学の夜間部に学んだ、と清和会OBから聞いているが、関係者によると、そこで彼は「武闘派に所属していた。官邸での公安警察との連携と、何かと強硬な対応策は、出自と無関係ではない」と指摘した。これは初耳である。
 家庭教師から、定規で頭を叩かれて成蹊大学に、やっと入学した心臓である。「父親・晋太郎泣かせの心臓だった」という政治屋の暴政に、泉下の晋太郎が驚愕している様子が眼に浮かぶ。
<修身斉家に還れ!>
 人間は生まれながらにして善であるが、環境が変えてゆく。ゆえに、善であり続けるための修養が不可欠だ。人間道を学ばないで、政治の道に入ると、民を殺す。修身斉家を指導者の必須条件とした中国古来の思想は、今も正しい。教育は人間作りだ。北朝鮮と対話する韓国大統領は修身斉家の人に違いない。Jアラートにごまかされる日本人だと地獄を見るだけだ。
2017年9月16日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)


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