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徽宗皇帝のブログ

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病院の不思議
私は待たされることが一番嫌いで、他人を待たせる人間は物を盗むより重い犯罪である時間泥棒だと思っている。当然、待ち合わせなどには予定時刻の30分前には必ず着くようにする。
医者や看護師なども、他人との待ち合わせなら待たせたりはしないだろうに、病院だとなぜ平気で待たせるのか。
ひとつには、待合室がガラガラであるよりも、待っている患者で一杯なほうが、いかにも流行っている病院みたいで「見栄えがいい」からだろう、と私は邪推している。
凄い神経だな、と思うのは、明らかに目の前で苦しんでいる様子の患者でも(救急車で担ぎ込まれないかぎり)平気で待たせることである。患者の苦痛に対して何も感じないくらいにならないと、医療者としては一人前ではないのかもしれない。
医者不足だ、というわりには、医者数を増やそうという動きは無いし、現在の医療制度を変えようという動きも無い。


(以下引用)



なぜ日本の病院は、患者をこんなに待たせて平気なのか


9/2(日) 13:00配信


現代ビジネス


「サービス業」の意識ゼロ

 週刊現代8月11日号の連載「それがどうした」で、伊集院静氏はこう綴っている。

 〈小娘に舐められ、挙句、支払いでまた待たせられて、人間に対する扱いではない。
どこの大学病院とは書かぬが、新橋のG恵大学病院の関係者よ、こういうやり方を当たり前と考えているなら、天罰が下るよ〉

 伊集院氏は、目の治療のため診察に訪れたところ、いつまでたっても受け付け番号を呼ばれず、結局1時間45分も待たされたという。

 さらに火に油を注いだのが、受付の事務員や医師の不遜な態度だった。待っている患者たちの目の前で、受付の若い女性事務員は笑いながら話しているし、診察に当たった医師は「暑い折に、長い時間お待たせしました」の一言もなく、人として当然の気遣いすら見せない。

 治療のために訪れた患者を、待たせて当然という態度が許せなかったのだろう。

 怒っているのは伊集院氏だけではない。読者からも「伊集院さんの言う通り。病院は患者をなんだと思っているんだ」と大きな反響があった。

 大学病院や特定機能病院を受診するには、基本的に紹介状が必要となるが、予約しても1~2時間待たされることはザラにある。

 やっと診察室に辿り着いたと思ったら、わずか2~3分で診察は終了。会計でまた長時間待たされる……。そんな状況に多くの患者はイライラしている。

 だが、少しでも文句を言おうものなら「モンスター患者」扱いを受け、まともな診療すら受けられない。およそ世間一般の常識とはかけ離れた価値観が支配する空間――それが病院なのだ。

 都内の総合病院に勤務する内科医は、悪びれる様子もなくこう語る。

 「患者さんが多すぎるので、時間がかかるのは仕方がないんです。救急患者が運ばれてくることもあるし……。

 こっちも一生懸命やっているんですけど、一人一人丁寧に説明していると、ますます時間がかかってしまう。熱心な医者ほど待ち時間が長くなるというジレンマもあります」

 OECD(経済協力開発機構)のデータによれば、人口1000人あたりの医師数は日本が2.4人なのに対し、ドイツ4.2人、フランス3.4人。

 日本は一人の医師に対して、患者数が多いのは事実だ。しかし、それを踏まえた上で、患者を待たさない努力を病院がしているかといえば、疑問符が付く。

 『「いい病院」「悪い病院」の見分け方』の著者で、病院のコンサルティングも行う武田哲男氏は「そもそも病院には『サービス業』という視点が欠如している」と語る。

 「どの企業でも一番大切にするのが『顧客満足度』です。普通の企業だったら、お客さんに満足してもらえるように、商品を改良し、より使いやすくするなど努力するのは当たり前のことです。

 でも病院は違う。何もせずともお客さん=患者が来るし、どのような診療の仕方でも同一の治療なら同じ報酬が受け取れるため、営業努力を怠っている病院があまりに多い」

 結果、その怠慢が「患者を待たせることの何が悪いのか」「待つのが嫌なら来なくていい」という上から目線の医師を生んでいる。一方で、米国や欧州では日本のように待ち時間が長い病院はほとんどないという。

 「フランスやドイツでは、ホームドクター制度といって、まずは『かかりつけ医』に行って、手に負えない場合に限り、紹介状を書いてもらい大病院を受診できるシステムになっているので、日本のように患者が一つの病院に集中することはありません」(東京放射線クリニック院長の柏原賢一氏)

 現在、厚労省も「かかりつけ医制度」を推奨しているが、まだまだ欧州ほど浸透していないのが現状だ。だが、患者数は減らせなくとも、患者のストレスを軽減するため、待ち時間を工夫するくらいはできる。

 最近では来院の際、受付でQRコード付きの整理券を配付し、スマートフォンで読み取ると、リアルタイムで自分の待ち時間がわかるシステムを試している病院もある。

 こうすれば、院内で待つ必要がなく、外に出て用事を済ませることもできる。ほかにも電子カルテを導入し、会計までの時間を短縮する動きも出てきている。

 「たとえば問診票をデジタル化し、待ち時間の間に患者さんにしっかり記入してもらえば、いざ先生と対面したときに一から説明しなくても済みます。言い忘れを防ぎ、面と向かって言いにくいことを伝えられるメリットもある」(医療ジャーナリストの片田直久氏)

 少子高齢化が進み、患者の取り合いが起こり、経営が立ち行かなくなる病院も増えているこの時代。「患者は待たせて当たり前」「ほっといても患者は来る」と考えている病院は、間違いなく淘汰されていくだろう。

 「週刊現代」2018年9月1日号より





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