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苫「普通の人の煩悩は金と権力じゃないですか? 彼らはその両方をすでに持ってるのね。実際、ロックフェラーが言えば、大統領の首をすげ替えられるぐらいの権力を持ってるし、通貨発行権も持ってるわけです。もちろん彼らは、決してその権力を他人には渡しません。でも、運用を“任せる”ことはするんです。“煩悩を超えちゃった超人たちが全権力を握りしめて、あとは選ばれたまともな人間に世界を任せる”。これが彼らのいう《ニューワールドオーダー(NWO)》なんです。長い歴史の中で権力を欲しい人やお金が欲しい人たちが辿った悲惨な人類の歴史を見てるから、NWOのシステムが一番だと悟ったのでしょう」
康「この前、英国がEUを離脱したでしょ。その一番大きな理由は、EUが徹底した官僚国家であることだよね。苫米地さんが言ってる通り、EUは官僚が全部押さえているわけ。だから、英国人は“ついていけない”と。その官僚グループの『背後』を最終的にコントロールしているのは一体どんな『勢力』なのか」
苫「イギリスはイギリスで、自分たちのNWOをやりたいんです。ヨーロッパを中軸にしたNWOを」
康「EUは完全な国家で、かつ全体的に徹底した『官僚主義』ですからね」
苫「そう。イギリス王家は、その下に入る気ないからね。彼らの論理は“その時に誰を選ぶか?”でしょ。ただ、彼らは結構いい人たちなの。俺もロックフェラーに会った時に、“なんでロックフェラーセンターを俺らに売ってくれたの?”って訊いたら、“君は知らんと思うけど、俺にはひ孫までで150人いるんだ”と。“彼らに対する遺産相続が……”って言ってましたから、わりといいおじいちゃんなんですよ(笑)」

――いいおじいちゃん(笑)。
苫「そんないいおじいちゃんたちでも、世界の行く末を悩んだ時に、その辺の成り上がり者に権力なんか渡さないという決断をした。そこで、じゃあ誰を選ぶのかといえば、アメリカで選ばれるのは、簡単にいうと“一番金を稼いだヤツ”ってルールなの。大統領がそうでしょ? ウォールストリートもそうでしょ? アメリカでは“一番金がある”というのが、ローカルルールだから。じゃあ“日本の統治は誰に任すか?”って言った時には、“一番試験の点がいいヤツ”にしたのよ。それが官僚なわけ。国によって彼らが使うローカルルールが違うわけさ」
康「だから、トランプは金を稼ぐし、中・高はミリタリーアカデミー出身で戦争もいとわないやつだということで選ばれたのね」
苫「クリントンさんの旦那はロックフェラー家の隠し子だったんですがね……。だって彼は、アーカンソーの知事だったでしょ(※アーカンソー州第40代、第42代知事を歴任。ちなみに一族のウィンスロップ・ロックフェラーが37代同州知事)。デヴィッド・ロックフェラーの兄のウィンスロップが亡くなった後に、30代の無名の若者を、いきなりアーカンソーの知事としてロックフェラー一家が指名して、それから結果的には大統領にまでなるんだもん。みんなわかってるんですよ。“クリントンは彼らの隠し子”だと。つまり、ヒラリーはその人の奥さんだから、民主党なのにロックフェラー家はサポートしていたんだけど、今回は番狂わせがあったね。今回は色々な事情で最後にロックフェラー家がトランプを選んだ。そのお礼にトランプさんは、国務長官にロックフェラー家の家業であり、デビッドロックフェラーのエクソンモービルから国務長官を選んだ。アメリカの国務長官は日本の外務大臣と違って、自由世界No.2の権力者だから。更に、財務長官と国家経済会議委員長に次期当主ジェイロックフェラーのゴールドマンサックスから選んだ。トランプさんは、ロックフェラー家の傀儡であることを世界に表明している」
康「そうであれば、まさに《世界政府》による《洗脳》だねえ」
苫「まさにそうです。だから、世界政府をやってる人たちは、彼らの論理があるわけ。意外とまともな人たちで、“とんでもねえヤツに任せたら、とんでもねえことになるだろう”とわかっててやっている。意外とまともでしょ? “俺らの権力を運用するやつは俺らが選ぶぞ”って言ってるだけなんですから。だから、完全な『エリーティズム』なんですよ。あとは、それぞれの国の方式で、トップを選んでいく。アメリカは単純で“一番金を稼いだヤツ”。日本は中国式で、『科挙の官僚制』。だから、“各官僚のトップが首相官邸に行って官邸を動かして、その上に安倍さんが乗っかってるだけ”ってのは、ロックフェラーたちが描いてる絵なんです。安倍政権は簡単にいうと、《世界政府の一部》なの。で、俺はその絵が根本的に嫌なの。彼らの言ってることも理解はできるんだけれどね」
康「これは非常におもしろい発想ですね。先ほどまで《洗脳》の話をしていて、この《世界政府》って言葉。どうして、この言葉が出てきたか、よくわからなかったけど、今よくわかった。《全ての国は洗脳されている》という考え方だね」
麻原彰晃から始まった対談は、気付いてみればトランプ・クリントンを通り越してロックフェラー家にまで……。この果てしない《狂気の対談》は、次回人間を超える領域に。
(文・写真=福田光睦/Modern Freaks Inc. 代表・Twitter@mitutika)
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