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徽宗皇帝のブログ

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グローバリズムとコロナパニック
田中宇の「国際ニュース解説」記事の一部だが、例によって「隠れ多極主義」云々という、私にはまるでピンと来ない持論がコロナ騒ぎ分析の中にも出てくる。
世界経済とコロナ問題を結びつける(あるいは意図的工作だとする)とどうしても「陰謀論」扱いされるわけだが、EUの中の「反EU主義」(つまり、「国境を守れ」主義だが、それを「ポピュリスト」扱いしているのはどうなのだろうか。)がコロナ騒動で勢いづくだろう、という分析は、当然と言えば当然だが田中氏以外にこの種の発言を聞いていない(ほとんどは単なる「ヘイト問題」に矮小化されている。)ので、なかなか貴重な指摘だと思う。
まあ、「民族ヘイト」問題にしても、グローバリズムが進行する世界の中で、「先進国」の庶民が心の中に抑えてきた異民族嫌悪が噴出したのは、問題の根源が目に見える形になったわけで、私はむしろいいことだと思っている。日本政府や日本の教育界のように、問題の存在やその根源を見えないように隠すのが、最悪の「解決法」だからだ。

なお、私が田中宇の「隠れ多極主義」をまったく信じられないのは、「現状から厖大な利益を上げている現在の欧米権力層の一部が意図的に現状を破壊し、権力中枢を中国やロシアに移そうとしている」という考え自体がまるで馬鹿げていると思うからである。それは、「日本の『所有者』であった天皇が意図的に日本を敗戦に導く工作をし、広島や長崎に原爆まで落とさせた」という、あのアホ極まる発想と同じだ。




(以下引用)


EUは、域内の加盟諸国間の国境検問をなくして自由往来を維持する「シェンゲン条約」の体制を維持してきた。シェンゲン体制は、EUの経済を強化する市場統合の基盤だった。今回、シェンゲン体制をいったん破棄して加盟諸国間の国境を早めに閉鎖すれば、イタリアから他の諸国への感染拡大をある程度防げた。だがEUの上層部は、加盟諸国の反対派(ナショナリスト、ポピュリスト)を説得抑圧しつつ苦労して締結したシェンゲン体制を壊したくなかった。いったん国境の閉鎖や検問を再開したら、再び開放的なシェンゲン体制に戻すのが難しくなる。EU上層部は頑固に国境開放を維持した。そのため、イタリアから仏独西など他の諸国に感染が急拡大してしまい、手遅れになってから各国が耐えられなくなって勝手に域内の他国との国境を閉鎖し始めた。シェンゲン体制は無秩序な形で崩壊し、EUは域内だけでなく、EUと域外との国境も閉鎖することになった。各国ともウイルス危機を経てEU反対派が今後さらに増えそうで、シェンゲン体制の再生は困難だ。 ("Assume Everyone Is Infected": US & Europe Wake Up To World In Lockdown As Death Toll Rises: Live Updates


(EUの失敗を、上層部の誰かが意図してやったものと考えると、既存の軍産傀儡のEU上層部の支配体制を壊し、EUを対米自立・親露的なポピュリストに乗っ取らせる「隠れ多極主義」的な別の見立てもできるが、今回はそちらに入らない)


(中略)



今回の新型ウイルスは実体が不明だ。いろんなことが不確定なまま放置され、その一方で恐怖心やパニックだけが扇動され続ける。実際に重篤に発症して苦しんだり死んだりする人もけっこういるが、それが日本で何百万人も出てくるわけではなさそうだ。たぶん最終的に、それほど多くの人が重篤に発症するものではない。それでも「あなた自身を含む、驚くほど多数の人々が発症したり死んだりする」という脅しが今後も流され続け、金融バブルの崩壊で米国覇権体制が不可逆的に完全に潰れるまでそれが続く。これは、ある種の国際詐欺である。隠れ多極主義的な詐欺だ。米覇権に対する前回の自滅策であるリーマンショックでやり切れなかった米金融システムの破壊を新型ウイルスがやってくれている。QEで金融システムを延々と延命させている中央銀行群を潰すためのの策でもある。これが意図的なものであると仮定すると、いろんなことに合点がいく。大量破壊兵器の存在詐欺によって米国覇権を失墜させたイラク戦争と似ている。 (無制限の最期のQEに入った中央銀行群


ゴールドマンサックスは先日、顧客に向けて、新型ウイルスの予測的な全体像を発表した。それによると、米国では国民の半分(1.5億人)が感染し、2か月後(5月半ば)に感染がピークになる。ウイルスは従来の風邪と同様、北緯30-50度に発生が集中しており、寒い気候を好む。夏に少しおさまるが、冬に再発する(英国政府と同じ予測だ)。感染者のうち80%は軽症、15%が中程度、5%が重症。重症は高齢者に集中する。米国で300万人が死ぬが、この死者数は米国の例年の年間死亡者と変わらない。死者が倍増するのでなく、もともと死にそうな人がコロナで死ぬのだから、死因が変わるだけで、全体の死者数はあまり増えない。 ("Half Of America Will Get Sick": Here Is What Goldman Told 1,500 Clients In Its Emergency Sunday Conference Call


人々を最大限に恐れさせ、世界経済を大恐慌に陥れ、米国覇権を崩壊させ、覇権構造を多極化するが、死者数はあまり増えない。ゴールドマンはとってつけたように「ウイルスは、米金融界の史上最長の上げ相場を終わらせるものの、金融システム自体の危機にはならない」と言っているが、これは全く(笑)である。現状は、金融システムの危機以外の何物でもない。









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