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西郷隆盛の教え



『西郷南洲遺訓』(岩波文庫)より、現代にも通じる部分を幾つか現代語に訳してみる。ただし、途中省略などがある。③、⑤、⑥などは現代の日本の退廃を予言しているようだ。

①政治を行うのは天の道を行うのであるから、ほんの僅かも私心を挟んではならないものである。心を公平にし、正道を踏み、広く賢人を選挙し、その職に堪え得る人を挙げて政柄を執らせるのが天意である。だから、賢人と認めたら、その相手に即座に自分の職を譲るくらいでないとならないのである。
②人材を採用するのに、君子と小人の弁別が厳しすぎると、かえって害を引き起こすものである。世間の人間の十に八九は小人であるから、その心を察し、その長所を取って小職に用い、その才能や技術を尽くさせるのである。しかし、藤田東湖先生が申されたことは、「小人ほど才芸があって、用いて便利なものだから、用いねばならないものである。しかし、それを長官に据え、重職を授ければ、必ず国家を覆すものであるから、けっして上に立ててはならぬものだ」と。
③広く各国の制度を採り、開明に進もうというならば、まず我が国の本体を知り、風儀を正し、その上でゆっくりと外国の長所を斟酌するものである。そうせずに、みだりに彼に倣うならば、国体は衰微し、風儀は退廃して救うことができなくなって、しまいには外国に支配されることになるだろう。
④文明とは道が広く行われることを称賛する言葉であって、宮室の荘厳、衣服の美麗、外観の浮華を言うのではない。私はかつてある人と議論をしたことがある。「西洋は野蛮じゃ」と私が言うと、「いや、文明じゃ」と抗弁する。「いや、野蛮じゃ」」と畳みかけると、「どうしてそれほどに申すのか」と問い返すので、「本当に文明ならば、未開の国に対したならば、慈愛を本とし、懇々と説諭して開明に導くべきなのに、そうではなく、未開蒙昧の国に対するほどむごく残忍の事を致し、己れを利するのは野蛮じゃ」と申すと、その人は閉口して言葉もなかった。(と翁はお笑いになった。)
⑤租税を薄くして民を豊かにするのが、国力を養成する道である。だから、国家多端で国家財政に苦しんでも租税の定制を守り、上を損じても下を虐げないものである。古今の事跡を見ると、国家財政が不足すると、小利口な俗吏を用いて巧みに民から金を集めて欠乏を補充するのを理財に長けた良臣とするが、これは過酷に民を虐げるものであるため、人民は苦悩に堪えかねて課税を逃れようと人を偽り、狡猾にふるまって、上下互いに欺き、官民が互いに相手を敵とし、ついには国家が崩壊するのである。
⑥正道を踏み、国を以て倒れてもよいというくらいの精神がなければ、外国との交際はできないものである。円滑を旨とし、意を曲げて彼の意に従順する時は、軽侮を招き、信愛の情はかえって破れ、ついには彼に支配されることになろう。

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