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徽宗皇帝のブログ

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無題
以下は、「現代世界」という題で、私が高校生のために書いた未刊の教科書の前書きの一部で、現代世界を見る見方を述べた部分である。気が向いたら、今後、少しずつ掲載するかもしれない。




① 政治は経済を目的として動いている。(簡単に言えば、誰か…個人や団体…が、自分が得をするために政治的手段でそれを実現するということです。)
② 経済は、物的人的資源を金に換える手段である。したがって、地理と経済は密接に関連し、政治とも関連する。(たとえば、ある国が戦争を起こすのは、正義や大義名分のためではなく、本当はその裏に常に金や利益という目的があるということです。)
③ 近現代史は西欧中心の歴史として捉えねばならない。(もっと露骨に言えば、現在の世界は、十九世紀から二十世紀前半に西欧国家が世界を支配したその延長にあり、弱小の国々は、外見上は独立国家でも、実質的には元の宗主国等の支配を受けているということです。日本は十九世紀の侵略からは免れましたが、第二次世界大戦での敗戦によりアメリカに占領され、サンフランシスコ平和条約で名目的には独立は果たしたということになっていながら、今なお日本の中に米軍基地が居座っているという「被占領国家」です。)
④ 国家と国民と政府は区別して捉えねばならない。(これは、我々が日常的にやりがちな誤りです。たとえば、日本の国債残高が何百兆円あって、それは国民一人当たり何百万円の借金に当たるという「説明」がよく新聞に載りますが、借金したのは政府であって、国家や国民ではありません。そうした言い方で責任の所在を誤魔化すのはよくあることです。一般に、新聞記事は「誰が何のためにそういう情報を流しているのか」という視点で見る必要があります。)
⑤ 一般的に、物事の幹となる部分と枝葉の部分を分け、まずは幹となる部分を身につけた上で枝葉の部分を勉強していくこと。(地理で言うならば、まずは西欧の大国と、その関連国家を学ぶべきだということです。たとえ大国でも現代世界の主役ではない南米やアフリカの諸国は最初からは学ぶ必要はありません。また、小国でもベトナムやカンボジアのように大国の植民地政策の犠牲になってきた国々や、現在の世界の焦点である中東諸国は、政治の実際を知るためにも学んだほうがいいでしょう。歴史なら、まずは近現代史のトピック的事件を中心に学ぶべきです。)

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