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徽宗皇帝のブログ

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「アフリカの飢餓」の根本原因
「引用2」はJAICA(国際協力機構)ホームページ所載の池上彰のコラム(連載記事)だが、アフリカの飢餓の根本原因のヒントをネットで探していてぶつかった記事で、いい記事である。私は池上彰をバカにしていたが、馬鹿にできない人物のようだ。
で、そのアフリカの飢餓問題を考えるきっかけとなった「地球の記録」記事を先に「大摩邇」から転載しておく。
注意すべきこととして、池上の文章の中には出て来ない「グローバル企業によるアフリカ農業支配」や「国の経済的国際参加(貿易自由化)の結果としての価格競争でのアフリカ諸国の敗北と飢餓」というのがある。池上の言うように「自給率を高めればいい」という部分もあるだろうが、実は国際貿易への参加自体がアフリカの貧困を生んでいる、というのが私の考えだ。かつての「商品作物」オンリーの農業ではなくなったとしても、商品作物の輸出で利益を得るのはグローバル企業であって、農民やその国ではない、ということだ。昔はヨーロッパの植民地として苦しみ、今はグローバリズムで苦しんでいると言えるだろう。
要するに、アフリカの飢餓の原因をウクライナ戦争になすりつけるのはお門違い(むしろプロパガンダ)で、アフリカをそういう輸入頼りにした欧州とグローバリズム(グローバリスト)に根本的な責任はあるということだ。グローバリズムとは、新自由主義の反面(もうひとつの顔)であり、強者が弱者を食う世界なのだ。

(引用1)

深刻な飢餓はすでに拡大している

今年後半に向けての、あるいは来年再来年と継続する可能性のある世界的な食糧危機が、世界のエリートたちから発信され続けています。


 


[記事] 世界中の機関と組織が揃って述べる「6ヵ月以内の深刻な食糧危機」。これはリーマンショックやパンデミックと同じ「予告」の模様…
 In Deep 2022年5月8日



最初に食糧危機の影響を受けるのは、アフリカや一部の中東やアジア諸国だというようなことが言われていましたが、アフリカでは、2021年の時点で、すでに壊滅的な飢餓が発生していることが、最近のデータでわかってきています。


以下のマップは統計サイトの statista が、ドイツの慈善団体のデータを元にして作成したアフリカの飢餓マップです。すでにアフリカ大陸の人口の 20%に相当する 2億 7,800万人が慢性的な飢餓に苦しんでいると伝えられています。いくつかの国では、過去 40年で最悪の飢餓となっていると報告されていました。


茶色が最も深刻な飢餓人数が示されている国で、次に、オレンジと深刻な飢餓の状態が続きます。



statista.com


以下のアフリカの地図で、対応する国や地域をご確認いただきたいと思いますが、最も飢餓の状態が軽度(薄い緑)の国は、モロッコとチュニジア、そしてアルジェリアだけです。



Google Map


アフリカ大陸の右端のソマリアが最も厳しい状況(茶色)となっていまして、他に、チャド、コンゴ民主共和国、南スーダン、ブルンジ、中央アフリカ共和国、コモロ、マダガスカルの 7カ国が極めて深刻(赤)に分類されています。


そして、現在の状況を考えますと、今よりこの先のほうが食糧の懸念は強くなっていくと思われます。


食糧の状況と関係している理由はさまざまであり、気候、肥料価格、燃料価格、コロナでの流通の混乱(中国のロックダウン等)、人手不足、戦争などですが、どれも改善する兆しは見えていません。


普通に考えれば、来年の食糧の流通と価格は今年よりさらに厳しいものとなっていくと見られます。


そのような時に起き得ることとして、「アフリカ大陸の人々が食糧を求めてヨーロッパに殺到する」可能性です。


これは、欧州連合 (EU)などによって警告されていることであり、数千万人の移民がヨーロッパに向かう可能性があるとしています。


数千万人の規模となると、ヨーロッパ側で制御できない可能性があると共に、歴史を見ますと、「食糧暴動が最も激しい暴動となる」という歴史があり、つまり「極端な空腹は人を異常な状態にする」のです。これは人間なら誰でもそうなります。


仕事を求めてくるのではなく、食糧を求めてやってくる集団が最も無制御になりやすいと言えます。


これについての記事をご紹介して締めさせていただきます。

世界的な食糧危機によって引き起こされる「移住の波」についてEUが警告

EU Warns of “Waves of Migration” Caused by Global Food Crisis
summit.news 2022/07/12


欧州連合は、ウクライナ戦争で悪化した世界的な食糧危機により引き起こされる新たな移民の波について警告した。


新たに任命された EU 暫定理事のアイジャ・カルナジャ氏はプラハの記者団に、世界の他の地域からの人々のヨーロッパへの流入が、新たに広い問題とある可能性が高いと語った。


「食糧安全保障のために他の地域から来る難民に備える必要があります」とカルナジャ氏は述べた。


「ウクライナからの穀物輸送が妨げられており、それによる食料危機が移住の波を生み出すことは容易に想像できるはずです」


カルナジャ氏の今回の警告は、北アフリカが直面している「壊滅的な飢饉」の脅威を浮き彫りにした、先月の 27ページの EU 内部報告の発表に続くものだ。


世界的な飢餓危機が「社会的抗議、国内避難民、近隣地域への、おそらく EU への移住の新たな波」を引き起こす可能性があると報告書は述べた。


同様の警告がイタリアの政党「同盟」の党首で元イタリア副首相のマッテオ・サルヴィーニ氏からも発せられている。


サルヴィーニ氏は 5月に、穀物供給の混乱が続く場合、最大 2,000万人のアフリカ人が欧州への入国を試みる可能性があると述べた。


サルヴィーニ氏は、「アフリカ大陸では、人道問題となる重大な飢餓が予想され、それは最終的にイタリアの問題となる」と警告した。


「平和(停戦)がなければ、秋にはアフリカで重大な飢饉が起こり、2000万人のアフリカ人が移住する準備ができているだろう」と彼は付け加えた。


食糧危機に加えて、もともとアフリカを去りたいと思っている多くの若者たちがいることがわかっており、これが、ヨーロッパへのアフリカの人々の大規模な引き寄せとなる兆候がある。


先月のアフリカ 15か国の調査では、若者の半数以上が、今後数年間でアフリカ大陸を離れたいと望んでいることが明らかになった。




 


ここまでです。


あるいは、数万、数十万などのすでに小規模な単位ではこれが始まっている可能性があります。


それが 2,000万人などの規模に拡大する可能性があるという警告です。

(引用2)

01 主食生産がアフリカの成長の カギを握るわけ


アフリカが経済成長する上で絶対に欠かせない条件は主食となる穀類が自給できる農業革命の実現、です。


理由は3つ!


1 食料=主食の自給体制は、文明国家の必要条件
ヨーロッパ文明も、中国文明も、穀類の大量生産が可能な巨大農業の発達が土台となって成立しました。その恩恵を受けたアメリカや日本も同様です。主食となる穀類=米、小麦、トウモロコシ、大豆などの自給体制は、文明化する上での必要条件なのです。

ケニアではコメを作り・売り・食べる文化が定着!

2 主食の自給が安定しないと、物価が高いままで国際競争力を持てない
アフリカの多くの国では、主食となる穀類の多くを輸入に頼っています。このためアフリカの人々は高い食費に喘いでいます。結果、人々の賃金は安いのに、物価が相対的に高いため、工場を誘致しようとしても主食の自給率が高いアジアや南米などに比べてコスト競争力がありません。主食の自給率向上は、アフリカの経済競争力に直結するのです。


3 これから人口爆発するのはアフリカ。アフリカ大陸の食料生産が向上しなければ、世界的な飢饉に?
21世紀、人口が爆発的に増えるのは、若年層が多く、大きな経済成長が見込まれるアフリカ大陸です。そのアフリカの食料生産力が今のままでは、世界の胃袋を満たすことができなくなります。アフリカの農業革命は、世界の願いでもあるのです。


アフリカ大陸の主食自給率向上に、日本はどんな手助けができるのでしょうか? アメリカは得意の遺伝子工学などを活用しアフリカに適した「種子」と「品種」を移入しようとしています。中国はコスト競争力を活かし、アフリカの荒地を次々と耕作地に転換しようとし、また自国で成果を挙げた改良品種の導入を試みています。


日本はといえば、世界でもダントツの力を持つきめ細かな農業技術の伝搬です。


持続可能な農業が実現できるように、日本の農業の知恵がいま、アフリカの大地に根付こうとしています。

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