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徽宗皇帝のブログ

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「愛国心」世界最低の「美しい国」
「あいば達也の『世相を斬る』」の一部と、「世に倦む日々」の一節を連続転載する。
愛国心が世界最低の国(「国のために戦う」気持ちが世界最低の国www)において、空前の右翼本、愛国心扇動本のブームである、というのが皮肉で面白いから、並べてみたのである。
もっとも、私のように、「愛国心はあるけど、国のために戦うのはまっぴら」という人が多いのなら、この両者は矛盾でも何でもない。そもそも、愛国心があるなら、何としてでもその国を滅ぼさないように最大限の努力をする、というのが本当であり、軍備をすればするほど国際緊張を高め、戦争の蓋然性が増す、と考えるべきだろう。
他国からいきなり侵略されたらどうする気だ、と言われるだろうが、侵略されたら降参すればいいではないか。今だって某国の奴隷国家なのだから、何が変わるというのか。戦争で数百万の国民が死ぬより、政府や政体が変わるだけで終わるほうがずっといいではないか。そんなに、今の格差社会日本が素晴らしいのか。
で、愛国本など読んだことがない私だが、推測するに、それらの愛国本は、日本の失われつつある伝統的美質に準拠して日本の素晴らしさを語っているのではないか。ところで、それは米国支配下の日本で失われつつあるんですが、それは米国に反旗を翻せ、という主張につながるのですかね? そうはならず、米国従属体制の堅持を勧めるのなら、いったいその愛国心とは何なのか。それとも、今の日本の物質的豊かさを守ろう、というのなら、TPPその他で米国によって搾取されることが確実な状況で、米国従属体制を堅持しようという愛国者がいるものですかね?
とは言いながら、私も、ネット掲示板などで外国人が日本を褒める記事などがあると、つい読んでしまい、楽しい気持ちになる。こういうのが世間一般の「愛国心」のレベルなのではないか。
だからといって鉄砲担いで自ら戦場に行ったり、子供を兵士や従軍慰安婦にするのは御免だ、というのが普通の人の気持ちだろう。まあ、「世に倦む日々」氏が悲憤慷慨し、心労に苦しむほど、一般国民が右傾化している、というわけではない、と私は思う。
こういうのが「脱構築」リベラルの呑気さだ、と怒られそうだが、しかし、安保世代のような「直接行動」を今の時代に実現できるかどうか、私には疑問なのである。ではどうするか。「言葉の力」を信じるしかない、と私は思っている。



(引用1)


●「国のために戦う」「弱者を助ける」どちらも世界最低の国は?

世界的リサーチで有名なギャラップの「国ために戦う」と云う意思が、国民にどの位あるのかと云う調査結果が発表された。安倍首相の「普通に戦争できる国」が如何にも国民から絶賛を浴びているのだろうかと思っていたが(笑)、酷く残念な調査結果が出てしまった。世界64カ国対象の調査のようだが、何と11%で「ビリ」なのだそうである。情けないとも言えるし、良かったと思う部分もあり、少々結果自体は複雑に受けとめている。 そのような国民に、最後にはオマエ達がお国のために戦うのだ、と力説しているのだから滑稽だ。

概ね日欧米など先進諸国が「自国のために戦う意思」が少ないようだが、ある程度までは、納得が出来る。現状維持+アルファくらいで、それ以上を、他と争って求めない傾向があると云うことだろう。まあ、調査結果を見る限り、日本人は、現状に、かなり満足している事が窺える。また、第二次大戦で敗れた、ドイツ、イタリアが日本に次いで低かった点をみると、いまだ、敗戦の教訓が少なからず残っている事も窺える。おそらく、世代間で、かなり認識が違うだろうが、国民全体としては「普通に戦争できる国」と云う観念は、国民世論から遊離した、ひとり相撲な思い込みと云うことを、示してもいるのだろう。

 まあ、良くも悪くも健全と云うか、自己中心的思考経路が行き渡り過ぎていると云うことかもしれない。そう言えば、だいぶ昔、ギャラップの両雄調査会社、ピュー・リサーチ・センターの調査で、「自力で生活できない人を政府が助ける必要はあるか」の調査を、47か国対象に行われたのだが、日本は38%もの人々が、「助ける必要はない」と答えたそうである。欧州や中国、韓国における「助ける必要はない」と答えた人々の割合は、ほぼ10%前後だった。自由主義の傾向が強いアメリカでさえ28%だったことを考えると、日本って国は、どういう国なのと考えざるを得なくなるのだ。

(中略)

≪「国のため戦う」日本最低 パキスタンや越が高率
【ジュネーブ共同】各国の世論調査機関が加盟する「WIN―ギャラップ・インターナショナル」(本部スイス・チューリヒ)は18日、「自国のために戦う意思」があるかどうかについて、64カ国・地域で実施した世論調査の結果を発表、日本が11%で最も低かった。  欧米諸国が下位に並び、上位にはパキスタンなど情勢が不安定な国が目立った。  日本に次いで低かったのはオランダの15%で、日本と同じ第2次大戦敗戦国であるドイツが18%、ベルギー(19%)、イタリア(20%)が続いた。  一方、最も高かったのはモロッコとフィジーの94%で、パキスタンとベトナムがともに89%で上位。 ≫(東京新聞)




(引用2)

先月、高松を訪れて丸亀町商店街を歩く機会があった。三越の近くにドーム型のアーケードの交差点があり、再開発で新しくなった街のシンボルとして広く知られている。その場所に紀伊國屋書店が店を出していた。いかにも最近の本屋らしい洒落た設計と照明のフロアで、小ぎれいで落ち着いていて、客には快適な環境なのだけれど、そこでとても残念な事態に遭遇してしまった。売れている新刊を棚にディスプレイしたコーナーがあり、立ち止まって一つ一つ確認したところ、ほとんどすべてがグロテスクな右翼本なのだ。例外だったのは、辺見庸と佐高信の対談本の一冊だけ。高松でもこうなのかと、心が打ちのめされてしまった。こうした俗悪な風景は、東京の書店では普通に出くわすもので、さして驚くことではなく、別に高松で同じものを見たからといって、そこで特に落胆しなければいけない理由はないのだけれど、旅先の少しでもロマンチックな気分でいたい場所で、あらためて厳しい思想的現実を突きつけられると、心が固まって呆然としてしまう。






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