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徽宗皇帝のブログ

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「民営化」してはいけないもの
「株式日記と経済展望」の管理人コメント部分を転載。
要するに、東電やJR北海道は、「民営の仮面をかぶった公務員組織」であり、民営の利益至上主義と公務員の無責任体質の二つの根本的欠陥を併せ持つ、最悪の組織だということだ。
JR北海道に関しては、最初から赤字は確実で、民営化は無理な話であったわけだ。では北海道にはJRが無くてもいいのか、と言えば、そうされると地元の人たちは困るだろう。北海道の鉄道は、税金を使っても維持すべきもの、つまり民間ではなく国が運営すべきものなのだ。
警察や消防署が赤字だからと言って、それを廃止せよ、と言う人はいない。それと同様、あるいはそれに近い話なのである。ところが最近は、たとえば公立病院(あるいは産科部門)が赤字だから廃止する、というようなことが、何の疑問も無く実行されることが多い。
営利企業である民間団体と、国民の便益のために国民全体で税金で維持すべき組織との混同が、「民営化議論」には常につきまとう。たとえば、電気・ガス・水道などは「公営」であるべきものだが、電気やガスは民営になっている。それ自体が誤りだろう。しかも最近では水道の民営化まで計画されている。
民営化とは、どこかの誰かによる、国家財産や国家組織の私物化・略奪である、という基本認識を多くの人は持つべきだろう。



(以下引用)



いったん腐敗した組織は頭だけ変えても組織腐敗は治らない。戦線の陸軍海軍も515事件や226事件で腐敗した組織を露呈しましたが、政権は何ら抜本的な軍改革をせずに逆に統帥権を盾に政権に対して干渉を行うようになってしまった。大本営の言う事を関東軍などの前線部隊は言う事を聞かずに戦線を拡大してしまった。

東京電力もカネボウもJR北海道も組織の腐敗が進んでおり、社長や会長だけを変えても同じ事故を繰り返す事でしょう。これはこれらの会社ばかりでなくあらゆる日本の組織の腐敗に共通する事であり、民間会社なら倒産して淘汰されていくことでしょうが、電力会社や鉄道会社は公共事業だから倒産させて廃止するわけにはいかない。

JR北海道も独立採算では無理なことは最初から分かっていたことであり、国の補助などもありましたが、安全対策を後回しにして経営の合理化だけを推し進めてきた。東京電力も同じであり、採算性を最優先して安全対策を後回しにしたから福島原発の災害が起きてしまった。民間会社である以上はそうなってしまうのだ。

東京電力にしても原発関連の不祥事が起きて、担当役員の更迭などありましたが、その為にかえって原子力に詳しい役員がいなくなってしまった。経済産業省の原子力安全保安院も原書力安全委員会も機能せず、東電は監督官庁からの改善命令を無視した。勝俣会長は聞いていないと恍けているが、だれも責任を取らないで逃げてしまった。

JR北海道にしても事故が頻発しても、社長が自殺しても何ら組織は変わることがなく、レールの保線作業の手抜きが組織的に行われてきた。採算性を重視すれば保線作業などのコストのかかる仕事は手抜きされる。高速道路でコンクリートの天井が落ちる事故も結局は安全点検が手抜きされてボルトの破断が分からなかった。死亡事故が起きて初めて総点検が行われて数百か所の異常が認められた。

民間でやれば重大事故が起きなければ安全対策は後回しにされるのはわかりきった事であり、監督官庁があっても形式的な査察が入るだけだ。安全対策に力を入れれば利益が減って赤字が増えて社長は株主などからは経営責任が追及される。戦前の軍隊でも大戦の大敗北でようやく軍は解体されましたが、このような壊滅的事態にならなければ組織の改革は無理なのだろうか。

日本のあらゆる組織が制度疲労を引き起こしており、公務員は財政赤字にもかかわらず民間の賃金の倍近くを年収で得ている。それに対して政治家は公務員の給与引き下げには手が付けられない。つまり財政が破たんして国家財政がストップするような事態にならなければ改善はできないのだろう。財務省は増税によって財政再建だと言っていますが、昔軍隊今官僚で誰も公務員の横暴を止められない。

もちろんこのような組織の腐敗などに警鐘を鳴らす人はいますが、東電の勝俣会長のように平時は聞く耳を待たない。むしろ金をばら撒くことや天下りを引き受けることで絶大な権限を持っているが、いざ大災害が起きれば知らなかったで済んでしまう。たとえ一生懸命改革に手を付けようとする社長もいるのでしょうが、人気さえ全う出来ればいいといった社長がほとんどだ。

JR北海道にしろ東電にしろ構造的問題なのですが、破綻処理を主張していますが株や社債が紙切れになることだから既得権者の反対でできない。これだけ多くの災害を起こしても会社を潰せないのだから腐敗した組織を立て直すことは無理なのだろうか? 原発災害は原爆が落ちたのに等しい災害であり、民間会社では利益優先で任せられない事は明らかだ。



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