社内で日本語の会話を禁止したが、社長だけはまったく守っていなかったという。
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引用:http://www.eigokyoikunews.com/columns/global_business/img/rakuten-large.jpg


楽天は2010年に英語を公用語にし、社内で日本の立ち話も禁止を打ち出しました。

だが社員にだけ日本語を禁止して社長は日本語を話していたそうで、海外事業は赤字でした。


赤字だった海外事業

楽天が2月12日に発表した決算で、拡大を続けてきた業績に陰りが出ているのが分かりました。

売上高は19%増の7135億円だったが、営業利益は11%減、純利益が前期比37%減の444億円だった。

フランスのECサイト運営「プライス・ミニスター」、カナダの電子書籍「コボ」が共に赤字になりました。
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両者は三木谷社長の指示で相次いで買収し、世界進出戦略の一翼だったが、躓いた恰好になりました。

楽天市場や楽天トラベルの国内事業は前期比7%増、クレジットカードなど金融事業は16.3%と伸びました。

海外EC事業は一部で縮小して収益性の改善を図るとしています。


三木谷社長はリーマンショックで国内消費が低迷した頃、将来性の無い国内事業に見切りをつけて世界進出プランを発表した。

国内は順調とはいえ、海外進出プランは事実上躓きました。

その国内事業は金融や電子書籍、買収した海外事業が伸びたものの、本業の通販は10%の伸びに止まった。


伸び率ではヤフーやアマゾンの同業者を下回っており、楽天のシェアを少しずつ侵食しています。

楽天は2010年に英語公用化しグローバル企業宣言を行ったが、その後どうなったのでしょうか。

「英語が出来ない社員は首にする」「雑談も英語以外禁止」など当時の三木谷社長の言動が話題になりました。



不振の海外を金融や証券がカバー

3700名超の社員ののTOEIC平均点数は、526点から794点に大幅に向上しました。

課長以上はTOEIC800点以上が必須で、現在は入社時点で800点以上が義務つけられています。

英語教育も熱心で、全社員に週一回2時間の夜間学習を実施し、英語力の高い人は報酬も多くなる仕組みになっています。


その結果どうなったかというと、今のところ海外事業は赤字であり、力を入れて取り組んだ分、損失が拡大した。

なにやら本業をほっぽり出して、不確実な事業に力を入れ過ぎた感もあります。

英語公用化について楽天の社員が語っているところでは、日本語を使わないと仕事にならないので、皆日本語を使っている。


ただ三木谷社長の前では英語しか話せないので、社長に近い部署ほど英語化が進んでいる。

だが社長本人は「日本語禁止」を守らず、いつも日本語で話しているそうです。

楽天は国際会計基準で決算を発表しているが、この決算方式だと買収費用が償却されないので、見かけの利益が大きくなります。


要するに楽天は実態としても今までも海外事業で損失を出していたが、会計方法をちょろまかして黒字に見せかけていた。

だが国際会計基準でも後でまとめて「減損」されるので、今回海外事業の不振が表ざたになりました。

楽天はカナダのkoboを買収して、電子書籍事業に華々しく参入したが、電子書籍の普及は進んでいません。


しかも電子書籍はKoboよりもアマゾンKindleなどが主流で、先発の利点はあまり出ていません。

2008年には楽天市場が欧州進出したが、その為に買収した「プライス・ミニスター」が赤字なので、儲かってはいないようです。

こういった本業の不振も金融や旅行業、スマホ、証券事業などでカバーされているが、先行きは不透明です。


なお三木谷社長は英語公用化の一環として決算も英語で発表していたが、今回は勝手に日本語で話していた。

社長が守らないような社内規則を社員に押し付けるのは、どんなものだろう。